ユルく長く効く設定 | 株式投資「虎の穴」

「アタマとシッポはくれてやれ」という相場格言があります。
安値から高値まで、まるまる取ることなど不可能なので、買いの場合なら「上げはじめを確信して乗り、下げはじめる前に売り逃げるのが王道」という意味です。

チャートのタテ軸を気にしすぎることなく、「上げ波動のときに買いポジションを取る」ことで自分のペースを守りながら上手に利益をいただこうという姿勢です。

林投資研究所オリジナルの相場観測システム「中源線」の場合は、「上げはじめを確認」して陽転、買いはじめるのですが、売りのタイミングは「下げはじめを確認した時点」です。上記の姿勢とは手仕舞いのタイミングが異なりますが、現実性と実用性を考えて“真ん中を取る”という狙いは同じです。

こうして、理路整然と考えていくと、「アタマとシッポなんていらないよ」と思えるのですが、実際に安値からしばらく上昇して陽転すれば「もっと早く転換しなかったの?」と感じるのが人情というものです。

さて、現実的かつ実用的とは、目の前の結果に左右されずに“長い目”で考えることです。上記の「もうちょっと」が頭に浮かんでもサッと打ち消し、再び引っ張り出して「でも」とか「やっぱり」などと考えない姿勢です。

中源線シグナル配信をスタートする際には、私たちも気をつけました。
ついつい、直近の売買結果に目を向けてしまうので、個々の銘柄について、最長35年間の値動きを確認しながら、最後の1年だけを重視しすぎないように注意しながら作業を進めたのです。

その結果、その時々の動きで「納得いかない」と感じる場面は避けられないものの、ユルく、長く効く、実用的なキザミ設定ができたと考えています。チャートを見たり、机上のシミュレーションでワクワクする設定ではなく、現実の売買に利用可能な設定になった、ということです。

とことん最適化を図ってギチギチの値を導き出す──実用性を消してしまう最大の要因です。

また、プレーヤーが最もやりたい「状況に合わせて臨機応変に裁量を入れる」ことが、逆にやりにくくなるでしょう。長く効く、ユルい設定にとどめておいたほうが、中源線の判断に裁量を加えるアレンジがしやすいはずです。

そもそも、「機敏な判断」と「3分割によるメリハリ」がルール化されているところに、さらにメリハリを追加するのが裁量です。バランスよく余裕を残しておかないと、動きにくくなってしまうのです。

こういった“土台の考え方”というか“イメージ”は、とても大切です。
パフォーマンス(売買結果)を安定させるためのバスケット運用(複数銘柄を同時に売買すること)も、プレーヤーである自分自身のバランスと余裕を生むアプローチです。
 

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