株で儲けるには、とにかく定点観測 | 株式投資「虎の穴」

多くの投資家が考えていること、実際にやっていること──いわば「平均的投資家」は、株式市場において、残念ながら「負け組」に分類されると考えるべきです。

決してひねくれではなく、「多くの投資家とちがうことをする(考える)」ことが、ひとつ上のステージを維持するコツ、といえるでしょう。

多くの投資家がやっている代表的なことが、「銘柄発掘、取っかえ引っかえ」です。

それが、楽しいからです。

とくに、動きがあって話題になったものに乗る・・・「乗る」というとカッコいいのですが、「この銘柄をいじくって儲けてやろう!」なんてノリの思いつきです。

その逆が、愚直な定点観測です。


たとえ銘柄を入れ替えながら俗っぽく売買したとしても、例えば「10銘柄を継続的に観察し、よさそうな転換を見つけて乗る」なんて姿勢なら、少なくとも個人投資家の平均像とは全く異質な思考が生まれます。

楽しみを求める気持ちは否定しませんが、例えば上記のようなかたちで実際の売買に落とし込めば、単に俗っぽいとは言いきれません。

とことんストイックになれない場合は、こんな工夫をこらし、それに見合った資金量や売買数量を設定してみるのも手だと思います。

トレードの現場、つまり「さあ、売るのか買うのか!」を決断する部分は、非常にデリケートです。だから、なんとなく売り買いするのではなく、事前にビシッと考えておくこと、いわゆる「カタチを整えておく」ことが重要です。

私が解説者をつとめるYouTube番組「マーケット・スクランブル」では毎回、6銘柄を取り上げた定点観測を行っています。

話題になった銘柄を「いじくって儲けてやろう」という姿勢の個人投資家が多いのですが、そんな平均的投資家と一線を画するのが、プロが大切にする「定点観測」だからです。

まずは売買手法(予測法+ポジション操作法+資金管理法)ありきですが、そのうえで、同じ銘柄を追いつづけることが発見につながります。銘柄を取っかえ引っかえするだけではゼッタイに見えないものが、くっきりと浮かび上がってくるのです。

番組での定点観測は、ポジションを取らずに“第三者の目”で観察する姿勢です。

損益を意識して「どうしようか……」と現場で悩む要素がありません。

落ち着いて、いろいろなことを考える余裕があります。


でも、本当の現場は、実際にポジションを取って「体験」「体感」しないと理解できません。

私は自分自身で売買していますし、番組でも私が実際に売買している銘柄を紹介することがありますが、投資関連情報の99%は、売買していない者、その銘柄の上げ下げに携わっていない者が発信しています。

市況解説を書く経済記者や銘柄を推奨するアナリストは立場上、制約を受けているという事情もありますが、とにかく、平均的な個人投資家が真剣に読んでいる文章は、いわば「ラーメンを食べない人のラーメン解説」だというのが、向き合うべき現実なのです。

実際に泳ぐことのない水泳コーチの話を聞いて、自らは荒波に飛び込んで泳がなければならないのです。おかしいと言わざるを得ません。

実践的な泳ぎを覚えるなら、実際に泳ぐ人の話に耳を傾けなければいけないはずです。
この発想が、ちまたに飛び交う情報を正しく選別するために不可欠な基準です。
忘れないでください。
 

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