トレードで大切なのは、基準が一定であることです。
いわゆる「ブレ」がないことです。
例えば「常に中源線で見る」というように、同じツールを使いつづけることが不可欠です。ちなみに、ルールがブラックボックス化されているようでは、ツールとしての条件がそろっていないと言わざるを得ません。
また、判断に多少の幅がある裁量でも、なんでもありのユルユルではいけません。
そして、同じ銘柄を、愚直に観察しつづけることも重要です。
使っているツールの「上手な使い方」を積み上げていくことにつながりますし、銘柄ごとのクセを考えて「確信ある最終判断」を導き出すことができます。
「ブレがないこと」と述べましたが、予測を高い確率で当てることではありません。
予測を当てるのは困難、ゆえに“ブレのない判断”が求められるのです。
さて、言葉ではシンプルにまとめられても、実際の行動をコントロールするのは難しいものです。どうしても考えすぎてギクシャクしてしまうのがふつうです。
やはり、単純な反復練習で、「こうするのが当たり前」というものを、からだにインプットする必要があります。練習のための「ドリル」です。
中源線の書籍『新版 中源線建玉法』「第一部 解説」に述べられている表現を使えば、中源線は「規格化された出発点を決める方法」です。
上記の「規格化された出発点を決める方法」という定義を重要視するなら、中源線を使った練習では「転換で必ず出動する」ことがひとつの型(かたち)といえます。
とりあえずの仕掛けは迷わず実行する
↓
ポジションを持った状態で値動きを見る
自分なりの感覚が芽生える
↓
(1)増し玉をしないで手仕舞いしてしまう
(2)増し玉後に「この動きは気にくわない」と手仕舞いしてしまう
(3)転換までポジションを持続する
自由すぎるのは逆に“不自由”なので、出発点(転換時の仕掛け)を固定すると決めて慣れていくのも、有効なドリルだと思います。中源線の書籍でも、この取り組み方を紹介しています。
「自由にゆらゆら、だけど一定の制約だけはある」というのは、いろいろな分野に存在する、とても自然な行動指針だと思います。
「100株単位で法示どおりに売買すればいい」と言われても、それではおもしろくない、なにか手を加えて中源線を体感したいという場合は、ここで述べた方法を試してみてください。