相場にダマシはつきものです。
裁量でも、中源線でも……。
ポジションを取る以上、儲かることを期待します。
だから、ダマシという結果にガッカリします。
なんだかムカつきます。
好きになれるわけがありません。
でも、ダマシがあるから、キモチいい当たりもあるというのが現実なので、仕方がない、気にくわない友だちですが、100%拒否することなく受け入れてやりましょう。
マナーのわるい人間に対して、ただ怒るのではなく、「こんな輩がいるから、自分が褒めてもらえることもあるんだな」と考えるとか……無理やりなおさめ方ですが、感情をコントロールして“自分がトクする”道を選ぼうということです。
これと同じようなものです。
トレードは、「損切りをするだけ」と主張する実践者がいます。
そんなふうに言いきられても、ちょっと困りますよね。
だって、損切りの前に「どうやってポジションを取るか」が語られていないのですから。
「ゴルフのショット? 構えたらクラブを上げて下ろすだけだよ」
「作文の書き方? 言いたいことを好きな言葉にするだけだよ」
「セールスの方法? 買ってほしい人に正面から語りかけるだけだな」
これらのセリフと同様に、「損切りをするだけ」という説明は、カッコつけすぎというか、かましているというか、「ちょっとヒドくないですか?」と言いたくなってしまいます。
でも、ある意味、売買の本質を突いていると思います。
もちろん、どうやってポジションを取るかという方法論があり、出動の基準があることが前提ですが、「見込み違いは当然。正しい対応は、当たっているポジションを維持して、ダメそうなポジションとさよならするだけ」というのが、“現場”における実践者のイメージです。
ダマシに遭えば、頭にきます。
でも、遭遇しないことを目指すのではなく、「どうやってぶん殴って放り出すか」を考えるのが、まっとうな実践論です。
「ぶん殴る」が過激なら、「デコピン一発」くらいにしてください。
要は、さっさと片づけるための考え方です。