ダマシを嫌わない発想 | 株式投資「虎の穴」

株価の先行きをズバズバと当てる──非現実的だと知りながらも、切望してしまいます。


でも、「当てよう」という気持ちが強すぎると、決断と行動がギクシャクします。
「ここは買いだな」と感じても、体が動かなかったりします。
いわゆる“イップス”に陥ります。

的確な損切りも、できなくなります。
行動がグズグズな自分自身の状態について「なんで?」と疑問を抱き、ますますギクシャク度が高まります。
こんなツラい状況に、近づいてはいけないのです。

わるい結果をこわがりすぎることで、考えすぎてしまうのが原因です。
知ることのできない来週、再来週の株価を考えて、「ちがったらイヤだ……」と思うからです。
いや、誰だってそう思いますが、わからないことなので、考えてはいけないのです。

中源線では、3分割の売買を行います。
わりとあっさり陰陽転換を判断しますが、まずは3分の1の建て玉です。
とりあえず「売買の出発点を決める」のが特徴です。
機敏な行動を取りながらも、決め打ちなどしない慎重な進め方です。

わるい結果を考えて迷うのは、相場においてご法度です。
そもそも、中源線の強みを手放してしまう行為です。
よい意味で、開き直るイメージが必要です。

まずは3分の1のポジションを取りますが、そのあと「これはちがうかも」と思ったら、その1単位を切って元の状態(現金ポジション、ニュートラルポジション)に戻ることができるのです。

手がけると決めた銘柄で陰陽転換が起きたら、まずはポジションを取る──中源線の特徴である「出発点を決める」を重視した、シンプルな対応です。
建てたあと「ちがうかな」と思ったら、降りてしまえばいいのです。

降りるときのパターンは、いろいろあるでしょう。
陽転を見て1単位買ったとして、「伸びそうもない……小幅利食いで手仕舞いしておこう」ということがあったり、「新値1本から逆行して弱含み……陰転する可能性が大きいな。はい、損切り~」とハッキリ弱気になることもあります。

でも、このときの判断も、心情的にはデリケートですよね。
「切ったあと上昇したら悔しい」というのが人情です。
つい、「当てよう」「来週の展開を読めないものか」なんて考えが浮かんだりします。

「わるい結果をこわがりすぎる」のも原因ですが、自分の見通しがいまひとつ明確でないことが原因だったりもするでしょう。

中源線が陽転した、買いだ、1単位買うんだ──この状況に対して、思考を止めるのは好ましくありません。中源線に素直に従って1単位買うのですが、同時に、その陽転の“確度”を自分なりに評価しておくことだって大切です。

「これはイケる!」と満点を与えたり、「ビミョ~だなぁ」と低い評価しか与えなかったり、自分勝手に考えておくのです。

過度な期待はいけませんが、利益を期待して売買しているのですから、そうした「自分の心」を封じ込めるのも不自然です。中源線に従ってポジションを取る、そのあとで陰転したら、やはり素直に切る、と決断しながらも、個人的な感じ方は感じ方、評価は評価で、クッキリさせておけばいいのです。

その自分なりの見通しが、「1単位を切って降りるか、持続して増し玉法示を待つか」を決定する、唯一の基準なのです。
状況が変化していく現実で、最初の予測に固執するのはいけませんが、「当てよう」を否定しすぎて自分自身を消してしまうのも問題です。

 

 

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