ダマシのパターン | 株式投資「虎の穴」

中源線に裁量を入れる(ルールをアレンジする)には、ひと工夫が必要です。
そもそも基本ルールにメリハリのある中源線に、さらにメリハリをつける──どうしたらいいか?

「ダマシを回避する」が第一歩ですが、カンタンに察知できるなら苦労はありません。

「ダマシには、つき合うしかない」と認識しながらも、このイバラの道を進むのが私たち実践者の性(さが)です。経験に応じて“達観”や“悟り”を身につけながらも、「当てよう」「利を伸ばそう」という試みを捨ててはいけないのでしょう。

問題は、具体的な取り組み方です。

株式市場で競争している参加者自身が株価を動かしているので、「これはダマシだ」とラクラク見通す方法などないのが道理ですが、ただの偶然ではなく「よし、読みきった」なんてこともあるので、理想を追いつづけるのは当然です。

では、数多くのケースを分析したら、「ダマシの一覧表」が完成するのでしょうか?

おもしろい発想ですが、少なくとも「誰か一覧表を作ってよ」なんて他力本願な発言をする人には、「一覧表を作る」発想そのものが害になるでしょう。
ローソク足の線組み(せんぐみ。トレンドを読もうと複数本を組み合わせるもの)で相場を当てる「四十八手」のようなもので、相場の本質から外れた“お遊び”に堕落します。

ちょっと脱線して、「四十八手」について述べましょう。

相撲の決まり手を「四十八手」と呼ぶこともあるようですが、実際にはもっと多く存在するそうです。でも、江戸時代の火消しは「48組」でした。

「48」という数字が好まれる理由として、ひらがな47文字に「ん」を加えて48文字など、いろいろな説があり、私にはわかりませんが、どうやら「縁起がよい、大きい数」という意味合いで「48」が好まれて使われてきたのが日本の歴史のようです。

そんなことから、セックスの四十八手なんてものもありますが、無理やりに48種類をそろえたような内容です。解説の図を見ただけで、「こんなかっこう、できね~よ」ってヤツがたくさんあります(笑)。

ローソク足の組み合わせで相場のすう勢を見ようとする四十八手も、よく見るとセックスの四十八手と同じようなノリ……原理原則に従ったものだけでなく、数をそろえるための型(かた)が多く見受けられるのです。

これと同じことで、中源線において、安易に「ダマシのパターン表を作ろう」としたら、おかしな方向に傾いてしまうと思うのです。

半面、いわゆる「パターン分析」は、テクニカル分析の軸で、中源線の転換ルールも、終値を結んだ折れ線のパターン分析です。

ここまで読んで「いったい、どっちなんだ!」とイライラしているでしょうか?
では、まとめます。

パターン分析は「その場の気分で行動しないため」に非常に有効ですが、「この表があれば当たりまくる」なんて期待は御法度……紙一重のデリケートな課題なのです。

―5月14日のブログにつづく―
 

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