将来を当てる方程式はない | 株式投資「虎の穴」

駅の乗り換えで「○○分の電車に間に合う」と歩いていたら、ホームに到着した瞬間にドアが閉まる……負けた気がします。
娘を言い負かそうと完ぺきなロジックで語りながら、持っているカードを使い切ったとたん、「でっ?」と返される……明らかに負けてます。

「そもそも、それって勝ち負けなの?」という意見もあるでしょうが(笑)、それはさておき、みなさんは勝ち負けをどう評価して、感情をどう処理していますか?

私たちトレーダーは常に、将来の価格を想像しながら行動します。

端的にいえば、「当てよう」としているのです。
ところが当たらない……いや、誰の予測でも、当たったり外れたりするのです。

だから、「予想をするな。値動きを受け止めるだけだ」なんて、映画の名ゼリフみたいな戒めの言葉があるのです。
当てようと躍起になるのではなく、真剣に予測しながらも、「予測は行動のキッカケでしかない」というのが、実践的かつ実用的な考え方なのです。

ところが実際、腕利きのプロであっても、「当たっている」「曲がっている」という俗っぽい表現を使います。「あの人、当たってるよね」なんて、フツーに使います。

現時点で自分の予測と値動きが合致しているかどうか、客観的に観察しようとしているのですが、感情丸出しで「当てたい」と考える部分も捨ててはいけないと私は思います。ロボットじゃないんですから。

ただし、注意するべき事柄ではあります。
見込み違いの対処も含めた対応方法、つまり「手法」を追究しようとしながらも、不可能な領域まで背伸びして「当てよう」とする自分がいる──「わかっていない」ということをわかろうとする“メタ認知”(※)が大切なのです。

※メタ認知
自分の思考や行動を、客観的に認識すること。

ムリに「当てよう」とする姿勢は、誰にでもあります。
しかし、適正なレベルを超えると必ず迷走します。

「自分では当てられない。だから、専門家の意見を聞くんだ」
こういう姿勢の人でも、「専門家の言う通りにやる」と宣言することはありません。

誰もが、「参考にする」という表現を使います。

自分のカネのことですから、自分自身で決めるのは当然です。

でも、「当たらないから専門家……」という状況なのに、その専門家の予測が当たるか曲がるかを自分で判定しようとするのは矛盾です。

「この人は今、当たっている。だから、次も当たるだろう」と考えたり、どの人が当たっているかと探ったり……理屈に合わないことをしているケースが多々あります。

各種の指標を気にする人もいます。
RSI(相対力指数)とか、MACD(移動平均収束拡散法)といったテクニカル指標です。

「当たったり外れたり」が前提ならば、これらの是非を問う必要はありませんが、内容を理解しないまま、期待を膨らませて妄信的に使っている人が実に多いのです。
なぜ「買い」と判断したのか、なぜ「売り」という答えが出たのかを、理屈でも感覚でもつかめないまま使うなんて……真剣に考えた結果としてはアウトでしょう。

ほかにも、根底の考え方すら知らないまま既製品のトレードシステムを利用する、つまり「根拠を求めず“ブラックボックス”に頼っている」という問題点に気づかないケースもあります。

あらためて考えれば、相場には「売り」と「買い」しかないのですから、もっとシンプルに考える姿勢を大切にしたいものです。
 

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