「株価を動かす要因として、いわゆる“人気”の要素が大きい」という考え方が、株価だけを見ようとする相場技術論の背景ですが、個人投資家がファンダメンタル分析で優位に立てないという事実も、重く受け止めるべきです。
ファンダメンタル分析で、個人投資家が専門家に勝つことはできません。
分析の基準、情報源の質、情報のスピード……どれをとっても必ず負けてしまいます。
これは、明らかな個人投資家の弱みです。
だから、別のところで勝負しよう、強みを生かせる戦い方をしようというのが正解です。
ヘタなファンダメンタル分析はケガのもと。
だったら、価格だけを見ようということです。
世間が騒ぐような話を「またかよ」と無視していると、マーケットに意外なインパクトを与えて想定外の動きに驚く……そんなケースもゼロではありませんが、価格しか見ていなくても、サイアクの場合で少し対応が遅れるだけ。
実際には、不要なファンダメンタル情報からきれいさっぱりと解放され、情報の洪水から逃れることができるのです。シンプルです!
個人投資家の強みは、「好きなことをできる」「休むことができる」の2つです。
組織とつながりのあるプロは、トレードの範囲ややり方について制約を受けます。
個人の好みを前面に出すことが許されません。
言葉にならないことにこだわり、「今はオレの相場じゃない」なんてポジションを取らずにいたら、すぐに席がなくなります。
それに対して個人投資家は、好きなマーケットで、好きなやり方を選べます。
そして、「自分の好みではない」と感じたら、誰に気兼ねすることなく休む、つまりポジションがないまま相場を眺めていることが許されるのです。
これは、個人投資家がもつ最大の“武器”です。
短期の売買をしている場合でも、毎週、毎月、やり続ける必要はありません。
個人投資家は独りで行動するので、儲けはすべて自分のふところに入ります。
休むことで儲けが減りますが、ちょっとだけ経費を払うくらいに考えれば、どうということはありません。
逆に、ヘンなヤラれ方を避けることができるのですから、「積極的に休みを取る気持ちがあって、ちょうどいい」と計算できます。
いずれにしても、例えば半年間、何もしないでいたとしても、誰かから文句を言われたりしません。自由に、堂々と、独立して、自分だけの考え方で行動できる──これが個人投資家の強みです。
いつでも利益のチャンスがある、だからやり続ける……これって、もしかしたら、バランスを壊すような“思い込み”かもしれないぞ──視野を広げるために、大切な何かを発見するために、こんなことも想像してみようという提案です。
