欠点のない手法は存在しない
裁量でもシステムでも、見込み違いのダマシは必然──。そのダマシを、トレードの実践でどう処理するかは切実な問題です。マーケット・スクランブル12月7日の放送は、「“ダマシ”とどう付き合うか」をテーマにお送りしました。
そのフォローアップ(1)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第74回 “ダマシ”とどう付き合うか)
今から20年ほど前、私が30代前半の時でした。同級生が集まると、結婚している者と独身の者に二分される状態でした。自然と独身者に対して「どういう人がいいの?」なんて質問が出るわけですが、ある男が次のように好き勝手なことを言いました。
「若くて気立てが良く、料理は上手だし寛容で、何があっても笑顔で許してくれる人だなぁ。あと、ファッションセンスもあって……」
もちろん、途中からは誰も聞いていません。そして誰かが「人形でも買って飾っておけ」なんて(笑)。
合う合わない、好き嫌いはありますが、どんな視点を持ち出したとしても“欠点のない人間”なんて存在しません。
トレードも同じです。
ルールを数式化したトレードシステムで、保合もこなすし大きなトレンドにも乗れるなんてシロモノはありません。ゆったりした上げ下げでも乱高下でも利益になるなんてルールを作るのは至難の技です。
そこで多くの人が、ルールを調整したり、異なるルールを入れ替えるなど「臨機応変にやろう」と考えるのですが、予測不能な相場の世界において緊張した状態が連続しながら、そんな器用なことができるはずがありません。自らの基準を見失って迷走するのがオチです。
ひとつのやり方に限定し、取れない時期を受け入れるのが、最も現実的で賢い対応です。取れない時期に大きな損を出さないように工夫し、あとからしかわからない「取れる時期」にしっかりとポジションを持っているようにするのが正解です。
どんなルールでも──それが裁量トレードでもシステムトレードでも──見込み違いは必然です。結果的に“ダマシ”となる判断、いけると思ってポジションをつくったのに切るしかないという状況は、絶対に避けられません。
ダマシが少ない、つまり勝率が高いシステムは、使っていてストレスが少ないのですが、実際に儲かるかどうかというと大いに疑問です。
番組でも説明した、単純なルールを紹介しましょう。
デイトレードで、毎日「寄付で必ず買う」「買えたら、買い値の2円上で売り指し値を出しておく」というルールで臨んだら、どんな結果になるでしょうか?
寄付後にどんどん下がっていくだけの動きなんて、出現する頻度は低いでしょう。つまり、このルールだと高い勝率が得られそうだと想像することができます。では、問題の利益はどうなるか──利益の上限が2円なのに対し、損失は大きくなりがちです。「2円上なら売れるだろう」と期待しているうちに下げていったら、5円、10円、20円……と損失が膨らんでいく可能性があります。2円の利益を9回取れば累計利益が18円になりますが、10回目で20円やられたら、9勝1敗(勝率90%)でトータル2円のマイナスとなるわけです。
ダマシに遭遇しても、はたまたダマシが連続しても、黙って従うしかないのです。ダマシが続いてイヤになったあとに大きな利益のチャンスが到来するのは、まさに“相場あるある”ですからね。
あまりにもダマシが多いとか、勝ったり負けたりで極端に勝率が低いわけでもないのに儲からない……こういった結果が出たら、判断ルールそのものか、資金管理やポジションサイズの設定を見直す必要があるということでしょう。
では、番組でもご覧に入れたチャートの実例で、「ダマシの出現」と「利益のチャンス」について考えてみます。ここで紹介しているチャートは、すべて「中源線シグナル配信」サービスにおいて、パフォーマンスの良い銘柄を中心に選定した99銘柄のグループ「ユニバース」から選んでいます。
ダマシも、うまく取れた値動きも、チャートに示した通りです。
後半部分に注目してください。夏に暴落したあと、9月にはダマシが2回続いています。ダマシの陽転の数日後にダマシの陰転があったのです。しかし、ここでブレずに続けた場合、現在の上げにサッと乗れる結果となるわけです。
もう1銘柄、見てみます。
中源線は、トレンドフォロー型のシステムです。したがって、保合には弱く、上げでも下げでも初動は取り損ないます。しかし「一定の値幅が取れたから手仕舞いして終わり」という規定はないので、いわゆるアタマとシッポを捨てるものの“実は食べ尽くす”ことが可能です。
「取ったり取られたり」は、すべての手法に共通する宿命ですが、中源線は、大きなトレンドが発生したときにグンッと利が伸びるので、ダマシを受け入れやすいといえます。
しかし、ここで重要なのは、ルールを理解していることです。ルールを知っていれば「ダマシになった理由」を理解して小さな損を容認することができます。机上の論にとどまらない、現実的な姿勢、実用性のある取り組み方が重要なのです。
次回のフォローアップ(2)では、「それでもダマシはつらいんだ……」という、生身の人間に共通の自然な心理を、掘り下げて考えてみたいと思います。
お楽しみに!

【中源線シグナル配信とは?】
→ こちらのページにて、詳しくご覧ください。
【無料登録でシグナル配信トップページ閲覧】
なお、中源線研究会への登録(無料)だけで「シグナル配信トップページ」(日経225とTOPIXのシグナル&チャート、上場全銘柄の集計)を閲覧できます。
→ 中源線研究会登録(無料)
【中源線建玉法“実践”への道】
中源線を習得するための情報を、各種取りそろえています。
→ こちらのページにて、詳しくご覧ください。
研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。



















