9月12日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。
Author Archives: kanrisya
9月12日放送のフォローアップ(3)
林 知之
プラン通りに行動するための中源線
マーケットの未来を知っている者はいない──実はこれが、金融市場における“最大の秘密”です。「当てよう」と躍起になると、誤った方向に進んでしまいます。
とはいえ、「臨機応変に」「アンテナを高くして」と考えると、あっさりと行動指針を失い、四六時中、情報を探し求める“相場難民”になってしまうのです。
マーケット・スクランブル9月12日の放送は、予測不能だからこその「計画」、つまり、さまざまなケースを想定した「対応策」を持つことの重要性について、実例を示してお送りしました。
そのフォローアップ(3)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第92回 計画的なトレードを実行するために ~脱・相場難民!~)
移動平均線のワナ
株価変動を大きな目で捉えると、「常に上げたり下げたりしている」との認識が生まれるでしょう。この上げ下げを上手につかまえて利益を出そうとするのが、私たちが行っている相場、投機、トレードという行為です。
上げたり下げたりとはいっても、完全な規則性などありません。小さな規則性が発生することはあると考えられますが、発生から間もなくして消えるはずです。その規則性に気づいた少数の人が利用するだけでなく、そんな人が増える過程で規則性は消えてしまいます。参加者の売買が、価格に影響するからです。
そもそも、「この要素がこんな規則性を生んでいる」と気づいても、株価を動かす無数の要因のたった1つか2つです。規則性そのものが、決定的なものにはなり得ないのです。
例えば、何らかの要因で「年末に売りが多くなる」という観測があったとします。かくかくしかじかで換金売りが増え、株価が下げる可能性がある、というようなことです。もし、こんな観測が市場参加者の一定範囲まで広まったら、「その安値を拾おう」とする向きが次々と登場します。仮に「年末に売りが多くなる」との観測が真実だったとしても、結果として株価が下がることはない、という結果が生まれます。
そもそも、年末の換金売り、それに向かう買いだけで株価が変動しているわけではありません。信用取引の取組をもとにした「上がる」「下がる」の予想を見かけることもありますが、同じ理由でキケンな情報です。
株価の予測は、誰が何をしたとしても当たらないのです。
しかし、移動平均線による観測は、最もポピュラーなもののひとつといえるでしょう。
株価は上げ下げを繰り返すのだから、移動平均線をうまく利用してすう勢を見ていれば、売り買いのポイントが明確になるのではないか、という発想です。
以下のチャートは、ある銘柄の実際の値動きについて、5日移動平均線を重ね合わせたものです。終値を結んだ折れ線チャートで、黒い線が実際の価格、赤い線が5日移動平均です。
例えば「移動平均線を下回ったら買い、上回ったら売り」で利益になりそうな気もしますが、現実の売買は一歩遅れるので、このチャートを見たときの印象とは異なる結果、つまり印象以下の結果になります。それに、「下回ったから買い」と考えて仕込んだところ下げが加速したら……誰でも思いつく発想を使ったって利益を上げる法則など見いだせるわけはありません。単発売買をひたすら繰り返して当て続けようという姿勢が通用しないのです。
もし外れまくるのならば、その法則は利用価値があります。
逆のポジションを取れば勝ちまくるのですから。
しかし、勝ったり負けたりなので、次のステージには進めません。ざんねん。。。
株価の将来を言い当てることができない以上、予測の精度を上げようと躍起になってもダメ、そうではなく「ポジション操作」を工夫する必要がある、という結論に至るのです。
「中源線建玉法」は、そうした実践的な姿勢を貫いて仕上がった方法論なのです。
中源線のルールは……
予測の精度を上げようと躍起になってもダメ、と述べました。
必死になれば精度を上げることが可能ですが、その成果は微々たるものだという意味です。半面、予測の精度が「当たったり外れたり」が、当たり前のレベルある「五分五分」でも、工夫によって、損を小さく抑える、利益を伸ばすことは可能です。数量やタイミングを、すべて自由に決めることができるからです。
そして、五分五分の確率を受け入れることが、正しいトレードの道です。
実際、多くのシステムトレーダーが、「勝率50%前後」のロジック(判断基準)を用いて損小利大を実現するのが王道だと考えています。
災害を完ぺきに予測できなくても、ふだんからの備えで被害を抑えることができます。災害に対して過剰な姿勢をもつとマイナス面もたくさん発生しますが、バランスよく備えることで日常生活を犠牲にせずに過ごすことができるのです。
「雨は降らない」という予測が外れたからといって、ズブ濡れになることはありません。オトナとして、数々の対応策を実行することができます。
トレードもしかり。
株価の変動を「当てよう!」とする真剣な気持ちは重要ですが、固執せずに外れも想定し、どっちにしても“ぼちぼち”の結果を出して次に進もう、というのが実践的な姿勢なのです。
中源線の優れた点は、つい力を入れすぎてしまう「予測」を軽めにして、そのかわりに積極的なポジション操作を行おうとしている部分です。
買って間もなく投げるなんて実につらいが、素直に受け入れて上手な撤退を試みる。一定以上の連敗は耐えがたいが現実を考えて受け入れる──軍資金の温存を第一に考えて生き残り、予測が当たったときの利益をしっかりと享受するのです。
中源線の、シンプルな強弱判断のルールと、わかりやすい3分割のポジション操作が、こうした実用性のある対応を狙った連続的な行動を組み立てています。
最長31年間を検証した
林投資研究所では2015年4月から、上場全銘柄を対象とした「中源線シグナル配信」サービスを展開しています。
中源線はルールが非常にシンプルで、いわゆる“調節つまみ”にあたる数値(パラメータ)は1種類だけですが、この値を変えることで売買の内容は変化します。シグナル配信をスタートするにあたっては、最長31年間の過去データを検証して最適な値を導き出しました。
短絡的に「最高のパフォーマンス」を求めると、「たまたま通用しただけ」の法則を未来の値動きに適用することになってしまいます。カーブフィッティングと呼ばれる、絶対に避けなければならないダメな最適化、最適ではない最適化です。
カーブフィッティングに注意しながら私たちは、真の最適化を図りました。
今後も研究は続きますが、現時点での“ファイナルアンサー”を、中源線シグナル配信に盛り込んだのです。
そして、多くの銘柄について、期待を上回るパフォーマンスを確認しました。といっても、当たり外れを判断する「勝率」は、平均して50%を少し下回る結果でした。実際にポジションを取っていたら納得しにくいくらいの連敗もあります。売買数量などの設定を誤ると、継続が難しくなるようなケースがあるということです。
当たったり外れたり……この現実からは逃れられません。
さて、中源線シグナル配信において、過去のパフォーマンスが良好、かつ安定性があると思える銘柄を東証一部に限定して選び、「研究対象銘柄」という位置づけで別枠にしました(現在、99銘柄)。「ユニバース」と名づけ、シグナル配信でありながら直近約1年間のチャートも表示させています。
その中から、林投資研究所のスタッフが実際に実験売買を行っている銘柄を紹介します。4745東京個別指導学院です。次項で詳しく説明しましょう。
個別事例「東京個別指導学院」
実は、先ほど5日移動平均線を示した値動きが、このチャートの青い線で囲んだ部分です。
これは中源線によるチャートなので、同じ終値の折れ線でも、中源線の基準によって陰陽の判断が行われています。赤い線が買い線(陽線)で、買いポジションを3分割で増減させます。黒は売り線(陰線)で、下がっていく想定でカラ売りを、同じく3分割で増減させます。
チャートには、実際に中源線通りに売買した結果を書き込んであります。
中源線は3回の等分割でポジションを動かすので、最も増えたときで3単位となります。損益の数字は、その3単位の累計の値幅です。
- 2月陽転~4月高値 +150円幅
- 4月陰転~5月末陽転 +94円幅
- 5月末~6月中旬 ダマシの陽転 -122円幅
- 6月の下げ -4円幅
※取れているようだが、下げを見て売るのでマイナスの結果。ちなみに1単位のみ。 - 6月から7月にかけての上げ -48円幅
※上げをみて乗り、高値圏で1回だけ増し玉(つごう2単位)、下げをみて手仕舞いなのでマイナスの結果。 - 7月上旬~9月上旬までの下げ +319円幅
移動平均による、予測法に偏ったアプローチではなく、中源線ならではの判断基準に3分割の売買を重ねることで、いわゆる相場の苦しみは残るものの“迷いのない”行動を取り、値動きの波を泳いでいるさまがわかります。
この間の勝率を陰陽転換ごとに計算すると、ちょうど50%です。
2回に1回は外れるということです。
しかし、累計で389円幅の利益を残しました。
特に、最後の下げは、「よし! これを待っていたんだ」と感じる、心地よい利食いです。常に適度な往来をみせてくれれば、ダマシへの対応で苦しい気分になることもないのですが、そんな都合のいい動きはあり得ません。
たいして利益が取れない時期が続くことなど当たり前ですし、連敗もふつうにあります。納得できないダマシが発生することもあります。当たったり外れたりで、「もう少しなんとかならないか……」と悩みながらポジション操作で対応し、一定の期間でつじつまを合わせてプラスに持ち込む──これが現実です。
カッコよさなど、みじんもありません。
むしろ、カッコわるいほど悩みながら逃げ回り、チャンスをつかんだときでもヒーヒー言いながら利益を出し、トータルプラスを確保します。
これが、予測は当たらないという現実を踏まえた「計画的なトレード」です。
9月12日放送のフォローアップは、これで終了です。
そして今夜は生放送、いつものように午後8時からお送りします。
ちょっと上級者向けの内容で、タイトルは……
個人投資家の勝負所「うねり取り」の銘柄選び
~中源線を軸にチャートを見るポイントを探る~
お楽しみに!
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9月12日放送のフォローアップ(2)
林 知之
相場難民にならないために
マーケットの未来を知っている者はいない──実はこれが、金融市場における“最大の秘密”です。「当てよう」と躍起になると、誤った方向に進んでしまいます。
とはいえ、「臨機応変に」「アンテナを高くして」と考えると、あっさりと行動指針を失い、四六時中、情報を探し求める“相場難民”になってしまうのです。
マーケット・スクランブル9月12日の放送は、予測不能だからこその「計画」、つまり、さまざまなケースを想定した「対応策」を持つことの重要性について、実例を示してお送りしました。
そのフォローアップ(2)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第92回 計画的なトレードを実行するために ~脱・相場難民!~)
相場難民にならないために──。
このタイトルを見て多くの人は、「私は大丈夫です」と答えるでしょう。
しかし、私が考えるに、名人と呼ばれるほどの人も含めて全員が、少なからず「難民」の要素をもっています。内面にある心理的な弱点だったり、外部から入ってくる良くない情報だったりと引き金になるものが多いなか、名人は知恵と経験でうまく処理するのですが、全く無縁ということはないはずです。
相場難民とは?
詳しい説明の前に、「相場難民」を定義しておく必要がありますね。
簡潔に表現すれば、「迷って思考停止の気配がある投資家」です。
まず、100%の相場難民になってしまった例を示しましょう。
株の売買をしたいと考えて、証券会社に口座をつくった。
いろいろなニュースを見ながら「これから有望な銘柄」を考えた。
そして、3銘柄ほど買ってみた。
結果がどうであれ、新たなことをいろいろと考えます。
「この銘柄は、なぜ上がらないのか」
「上がってきたが売り時がわからない……」 等々
自然と、さらなる情報を求めて行動するでしょう。
厳しくいえば、この時点で相場難民です。
情報は、いくらでも存在します。その気になれば、それこそ無限に集められます。
だから、確固たる取捨選択の基準がない場合は、情報過多に陥ります。
情報が多すぎると人間は、思考が停止します。
確固たる取捨選択の基準がないと、集める情報の質も低下します。
そのなかで、絶対に自分で決断しなければならないこと、例えば具体的な売り買いのタイミングなどについても外部に情報を求めると、完全に思考が停止します。
誰にもわからない近未来の株価について、「誰の予想が当たるか」を自分で当てようという、よくわからない試みを始めてしまったら、ドツボにはまるだけです。
ついでに、「手法をもつ」という正しい発想をもちながらも難民になる例を示します。
ある手法に目をつけ、本を読んだりセミナーに参加して勉強した。
実行前に、じっくりと考えた。
すると、その手法の欠点が気になって実際の売買に踏み切れない。
慎重な姿勢を維持したまま、別の手法について勉強し始めた。
そして。。。このあとは同じことの繰り返し……
慎重な姿勢は大切ですし、欠点を気にする視点も重要です。
しかし、どんな手法のどんなやり方にも、長所があれば表裏一体の欠点があるのは当然。「よし、これだ!」と思ったら、すべてを受け入れて実際にやってみるのが正しい取り組み方です。料理の初心者がレシピを見て「調味料のバランスが……」なんて語ってもバカにされるだけですが、それと同じ行動が、オトナとしての慎重さによって生まれるという図式だけでも頭に入れておく必要があるでしょう。
セミナーを渡り歩き、本を読みあさり、頭でっかちになってはいけません。
ひとつの手法を選んだら、その手法を極めるまで続けることです。
そのあとで、ほかの手法について学べば、自分の手法のことがさらによく見えてきます。また、極めたあと手法を乗り替えるのもアリです。
メディアの情報に注意!
難民を生む図式を簡潔に紹介しましたが、キーワードは「不安」でしょう。
不安があるから「もっともっと」と情報を求め、いつの間にか“正解探し”をしてしまうのです。
実は、私たちが日常、最も目にしている投資情報は、投資家の不安心理に応えているようで、構造的には「不安心理を利用して情報を売り続ける」ものなのです。
メディアの記事は、経済記者が執筆します。
彼らは、超能力者でもなければ未来からのタイムトラベラーでもありません。
不安を解消したいと願って正解探しをする読者と同様に、肝心なことは知りません。
それどころか、立場上、株の売買を禁じられているはずです。
つまり、文章力や取材力、読者のニーズをつかむ技術はあるのですが、相場という行為の機微など理解していません。いきおい、大企業が行う商業的な情報発信のサイクルを支える「歯車」として執筆し続けることになるのです。
だから、多数の人が気にしている不安材料を取り上げながら、「この先どうなるのでしょうか……」と紙芝居の区切りのような“引き”で記事は終了するのです。
翌日、「今日は何が書いてあるんだ?」と考えて記事を読んだ時点で相場難民、乱暴に表現すれば「情報発信者のカモ」になるのです。
さて、不安を解消するには「自分の手法」をもつことです。
明日の価格を知る術はないので、誰にでも不安があります。悩みは尽きません。
しかし、「買う」「買わない」「今の状態を維持する」など、自分の行動を決めるうえで「迷いがない状態」をつくるべきです。難民にならないために。
予測だけに偏るな
難民化を助長する要素として最も大きいのは、「予測を当てよう」とする姿勢です。
予測が当たれば儲かる、予測が当たらないと損をする……こう考えてしまうことです。
実はこれがくせもので、なかなか納得できないところなのですが、予測の的中率は、タイムマシンでも手に入れない限り、「上か下か」で考えて50%、少ししか動かなかったときを外れとすれば、多くの人の期待を大幅に下回るのが現実です。
先ほどから「手法」という単語を使っていますが、きちんとした手法は、単に「当てよう」とするのではなく、「当たったときの対処」「外れたときの対処」を含めた一連の行動指針なのです。そもそも、「当たり」「外れ」なんて短絡的な捉え方をせず、上がると読んだとき具体的にどのタイミングでどれくらい買うか、といった戦略が盛り込まれていなければなりません。
手法とは、「予測法」があり、それと一体の「建玉法」(ポジション操作)があり、予測がサイアクの外れ方をしたときでも資金を温存できるように計算する「資金管理」もあるもの、具体的な行動が定義され体系化された「方法論」なのです。
「儲かるの?」を捨てる
儲けるために相場をやるのですが、個々のトレードについて「これ、儲かるの?」と考えるクセをつけると、やはり難民化の大きな原因となります。
手法が決まっている、サイアクを想定した資金管理も含まれている、とすれば、あとは淡々とポジションを動かすだけです。カネの問題は実に生々しいのですが、良い結果を出すためには、プロに倣(なら)った行動、ある意味、“規格化された行動”をイメージするべきです。
手法が定まり、それに従って直近の値動きを観察していれば、「自分の出番かどうか」という視点で判断することが可能です。
自分の出番ならば迷わずに出動です。
もちろん、ほぼ50%の確率で見込みは外れるので、その場合は上手に撤退します。
見込み通りだった場合は、確実に勝ち逃げすることを第一としながらも「利を伸ばす」努力をします。
相場のプロについて、「卓越した能力と度胸で勝負する人間」なんてイメージを抱く人もいるのですが、それは映画やドラマの世界です。行動を自分で決め、それを淡々と続けながら地味な試行錯誤をするのがプロ、そういう道筋を進むと決心している人がプロなのです。
そんなプロの取り組み方をシンプルなルールに落とし込んだのが、中源線建玉法です。シンプルなだけに長所が明確なのですが、誰でも気づくような欠点も存在します。しかし、それらをあわせて“ひとつの完成された手法”なのです。
中源線の良いところは、なんといっても、ルールがシンプルな点です。
実行しながら、長所と欠点を考え、最終的な自分だけの手法を想像することができます。
中源線の行動基準に従うことは、「自分を型にはめて」行動することです。
教科書通りにやってみること、料理をレシピ通りに作ってみること、まずは師匠の教えの通りに売買してみることです。繰り返すことで中源線を深く理解し、中源線を極めた段階で「確信ある自分流」を歩む段階に到達します。
中源線を利用する場合は、私が説明している具体的な利用法などを読みながら、慎重な姿勢を崩さず、しかし「とても少ない株数での実験売買、練習売買」といった、極める過程に必要なプロセスを大切にしてください。
次回のフォローアップ(3)では、今回説明したポイントである「予測」「ポジション操作」について、中源線のチャートを表示しながら詳しく解説します。
お楽しみに!
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9月12日放送のフォローアップ(2)
9月12日放送のフォローアップ(1)
林 知之
当てようと努力しながらも当てにいくな!
マーケットの未来を知っている者はいない──実はこれが、金融市場における“最大の秘密”です。「当てよう」と躍起になると、誤った方向に進んでしまいます。
とはいえ、「臨機応変に」「アンテナを高くして」と考えると、あっさりと行動指針を失い、四六時中、情報を探し求める“相場難民”になってしまうのです。
マーケット・スクランブル9月12日の放送は、予測不能だからこその「計画」、つまり、さまざまなケースを想定した「対応策」を持つことの重要性について、実例を示してお送りしました。
そのフォローアップ(1)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第92回 計画的なトレードを実行するために ~脱・相場難民!~)
予測が当たらない理由
私たちが住んでいる地球が自転運動していることは、子どもでも知っています。でも、昔はみんな誤った認識を持っていました。科学では、全員が正解にたどり着くことがあるかわりに、全員が不正解ということもあるわけです。
相場の場合は、どうでしょうか。
未来の価格を知ることができればいいなあと誰もが願うものの、そんな人は絶対にいないのです。
相場の先行きを「上」と「下」の2つに分ければ、半分が正解で残り半分が不正解。一定の値幅が発生して当たり、つまり動かなかった場合は評価しないとすれば、正解を示す人は全体の数分の1に限られてしまいます。
相場の予測は、自然現象を観察することとは違います。
私たち予測者は、同時にマーケットの参加者です。
私たちの売り買いが価格に影響を与える、つまり、そもそも当事者なのです。
それに、次に起こる出来事や群集心理の動向を言い当てることなど不可能に決まっています。
結論として「予測は当たらない」と断言せざるを得ませんが、こういった表現には抵抗を感じるため、つい無意識的に反発して、逆に「当てよう」としてしまうのが人間の心理ではないかと思うのです。
すんなり受け入れるために、「当たったり外れたりする」としておきましょう。
当てにいくとは?
予測なんて当たったり外れたり……とはいっても、「当てたい」と思うのが人情です。
それに、「上でも下でも、どうでもいい」なんて投げやりな考え方では、ものごとがうまく進みません。だいたい、相場観、あるいは予測がなければポジションをつくるに至りません。
プレーヤーとして、真剣に予測を立てるべきです。
ただし、「当たったり外れたりする」という認識を捨てずにいることが重要です。
相場が下げてきた状況において、逆張りで買う──こんなケースをもとに、「当てようとするな」という戒めの言葉が何を意味するか、考えてみます。
この図は、下げていく過程における、好ましくない買い方を示しています。
まさに、“相場あるある”のミスだと思います。
下げてきたところを見計らい、一点狙いで買い仕込み!
しかし、見込み違いで下に抜けてしまう……すると、フリーズします。動けなくなるのです。一時的に止まったときに一瞬、落ち着いて考えるのですが、「どんどん戻ってくれ~」と願うだけで、対応することができません。一時的な下げで終わってくれればいいのですが、さらに下げたときには打つ手がありません。「ヤバい……」と思いながらも、完全なフリーズ状態に陥ります。
こうして見事にヤラレるのですが、ここまでならば誰にでもある見込み違いの失敗といえるでしょうが、さんざん下がったところで、「いっそ買い増しだ」というサイアクの手を思いついたりします。
ダメ玉だから投げるだけだと認識しているはずなのに、その銘柄の数量を増やしてしまうのです。これは、アウトです。売れない不良在庫を、さらに仕入れる商店主なんていません。完全に、真逆の行動なのです。
このように、計画外でポジションを膨らませることは御法度です。
こういう増し玉について「ナンピンはするべきか否か」という議論があるのですが、そもそも正しいナンピンではありません。いうなれば、「やられナンピン」という論外の手なのです。
ナンピンは「難平」と書きます。「難」をならす、「難」を減らす行為です。
「いっそ、もう1万株買い」などと、難を増やしてはいけません。
計画的トレードと正しいナンピン
前項で示した「やられナンピン」は、そもそも最初の“一点狙い”から過ちが始まっていると考えるべきです。「誰にでもある見込み違いの失敗」と述べましたが、本当はスタートに問題があったといえるのです。
正しいナンピンは、先ほどと同じ値動きに対して、例えば下の図に示した分割買いです。
計画した数量が1万株としても、まずは千株だけ買います。
打診買いするだけの「試し玉」です。
この試し玉を持ちながら値動きの感触を確かめ、「見込み違いのようだ」と判断したら切ってしまい、あらためて次のチャンスをうかがうのです。しかし、この場合、感触が悪いどころか明らかに逆行してしまったのですから、無条件でブン投げます。一点狙いでいきなり満玉建てたら損切りに抵抗がありますが、こうして冷静な分割で仕掛けていれば、素直に投げることが可能です。
その後の下げ過程も見てみましょう。
さらにグングン下げたところで、「そろそろかな?」と千株だけ、あらためての試し玉を入れます。さらに下げたところで計画通りに増やしていこうと決めたのですが、残りの9千株を一気に買うわけではなく、とりあえず次の千株を買います。
1回目が千株、2回目も千株というのは、あくまでも例えですが、このように慎重に分割で仕掛けながら、常に「自分の見込みは合ってるのかな?」と考えるようにすれば、自らの決断に押しつぶされることなく“株価と対話”するような感覚も生まれます。
この場合の計画は、表面的には「1万株買う」ことですが、単に“買いそろえる”ことではありません。「上げの動きに乗る。上げ波動に移ったときは1万株買っている」という結果を目指しているのです。もちろん、株価の動きに合わせるしかないのですが、そのための分割買い下がりこそが、「ナンピン」と呼ばれる技法なのです。
すぐに上がったら?
あえて少ない株数の分割例を示しましたが、ただチマチマとやればいい、それでうまくいく、ということではありません。すぐに上昇がスタートすれば、乱暴な一点狙いで1万株買った人はニコニコです。慎重かつ正しい分割で買い始めた人は、千株しかない状態で悩みます。
想定よりも早いタイミングで上げ始めたら……それも含めて、対応を考えておくのが、計画的なトレードです。「追いかけて買わない」というのもひとつですし、「追いかけてでも予定の数量を仕込む。ただし、押し目を待って分割というスタイルは崩さない」という考え方もいいでしょう。
こういう決め事があれば、焦って一点買いをせず、値動きを探りながら進めます。
でも、複雑なことはムリです。
損益という生々しい結果を想像しながら、自分の意思でポジションを動かさなければなりません。成功を夢見ながらも、失敗を恐れて緊張します。だから、わかっていながらダメな手を打ってしまうケースが多いのです。
そこで、事前に対応を決めておくこと、つまり「計画」の重要性がさらに強く浮かび上がります。
番組で継続的に紹介している「中源線建玉法」は、強弱の判断とシンプルな3分割のポジション操作を、厳格なルールとして、ひとまとめにしています。終値だけで機械的に判断するため、中源線がミスして人間の判断が正しいこともあるのですが、常に同じ基準でブレがないという点は、非常に価値があると断言できます。
だから、多くの人に有効だと確信してオススメしているのです。
とはいえ、手法を選ぶときだって、慎重かつ計画的に進めなければなりません。
中源線建玉法は、四部構成の書籍ですべてを解説していますが、そのうちの1冊、「第一部 解説」を無料で配布しているので、どんなものか見てみようというかたは、下のリンクから進んでください。
印刷版(無料で送付)のほかにも、電子版として、PDF版およびeBook版の無料ダウンロードが可能です。
次回のフォローアップ(2)では、例に挙げたような誤った行動の背景を明確にしたうえで、予測とは何か、正しい姿勢とはどんなことかを紹介します。
お楽しみに!
その「第一部 解説」のみ、無料配布版があります。
1.印刷版(無料にて郵送)
2.電子版(PDF、eBookを無料ダウンロード)

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9月12日放送のフォローアップ(1)
ファンダメンタルは他人任せ
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一時期、横浜の中華街によく行っていました。
でも、どの店の何がおいしいかがわからない……そこで、土日の混雑時に行列ができている店をチェック。ついでに、並んでいる人に目当ての料理を聞く。これで調査は完了。平日の夜に出向いて、みなさんのオススメ料理を満喫!
株式市場で有望な企業を探すうえで、いろいろなファンダメンタル分析の手法が考えられます。しかし、株価を決定する「人気」という要因が意外と大きいため、独善的になりがちです。
「あの人は〇〇大学卒だから、仕事ができるはずだ」みたいに。
いっそのこと、「評価のすべてを他人任せにしよう」という発想が生まれます。
かなり乱暴な表現ですが、実はこれが“相場技術論”の思想を、わかりやすく示した説明といえるのです。
株価が上昇するとき、根拠となるファンダメンタルがあり、人気量の増加があり、何がどれだけ株価に作用しているかなんて解明できません。
それならば、最終的な答えである「株価」だけを見ていよう、というわけです。
プロには太刀打ちできない知識と分析力で必死に考えたって勝てない……でも「株価」を見ていれば、世界中のプロによる評価を知ることができる。しかも、ファンダメンタル分析のプロにとって盲点である「人気量」も、同時に観察することになる。こういう論理です。
すると、時間もエネルギーも余ります。
それを、ポジション操作に振り向ければいい──こう考えるのです。
ファンダメンタルについて、ある程度の知識や一定のチェックは必要でしょう。
でも、必死になったって「売れないレポートが出来上がるだけ」くらいに考え、ときに突飛な動きをする予測不能の株価変動への“対応方法”を重視しよう、それが個人投資家にとって最もシンプルな取り組み方だ、という論法ですね。
林投資研究所で提唱している手法は、すべて相場技術論を基礎にしています。
低位株投資の「FAI投資法」、銘柄限定で日銭稼ぎを狙う「うねり取り」、そのうねり取りを機械的判断で行う「中源線建玉法」。
すべて、マーケットにおける事象、すなわち株価の上げ下げをストレートに観察することに注力します。

林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。
★中源線建玉法
最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

林投資研究所の公式Webサイト。
まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。
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逆張りとナンピンの意味
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「ナンピンはするべきか否か」という議論を目にすることがあります。
この場合のナンピンとは、例えば、300円で買ったら200円まで下げて動かなくなった場合に、同株数の増し玉によって平均を250円まで下げようか……こんな対応が正解かどうか、という意味のようです。
商店街で小物を売る店を営んでいる、と想像してください。
売れると思って仕入れた商品が売れない。世間でも同じように売れていない。だから、問屋からの仕入値も下がっている。
「よし、在庫を増やそう!」
上記のナンピン買い増しは、これと同じです。
正しい発想は、「売れる商品に目をつけ、高くてもいいから仕入れる」です。
勢いのあるうちは積極的に商品を仕入れ、がっつり儲けるのが商売の王道でしょう。
この正しい発想をトレードに当てはめると、一般的な分類ならば、「逆張り」よりも「順張り」なのでしょう。
上げの流れについていく、強いものにつく、という素直な感覚です。
いつ動くかわからない銘柄ではなく、すでに動意づいている銘柄にうまく乗るほうがラクです。
「中源線建玉法」は、銘柄を選別する手法ではなく“銘柄を固定して売り買いのタイミングを計る”手法ですが、根底にあるのは「流れについていく」という考え方です。
では、「逆張り」で「ナンピン買い下がる」とは、いったいどういう行動か──。
実は、上げ始めたことを確認して買い始める中源線でも、安値に近づくにつれて買い下がる玉の入れ方でも、「上げの流れにつく」という狙いそのものは全く同じです。
両者は、買い始めるタイミングが異なるだけ、と説明するのが正しいかもしれません。
逆張りによる買い下がりとは、少し先に訪れる上げ波動を想定し、「そろそろ底だ」と判断してから買い始める方法で、平均値を有利にしようとする高等テクニックです。
これに対して、先ほど否定した「200円で同株数を増し玉」という対応は、「見込み違いで下げた。下げる場面で何もできなかった。いっそ、予定外に買い増ししようか……」ということです。何もかもが異なり、多くの実践家が“やられナンピン”と呼んで否定します。
ナンピンは「難平」と書き、「難を平らにする」ことです。
基本的な考え方は、分割によって平均値を有利にすることです。言い換えると、「一点狙いでリスクを膨らませないようにする」“安全運転”指向なのです。
300円で買ったら200円になった……この時点で、持っているのはダメな玉です。
遠慮なく表現すれば、死に玉、クソ玉です。
それを増やしてしまっては、難を平らにするどころか難を増加させてしまいますね。
林投資研究所の定期刊行物『研究部会報』には、「相場師インタビュー」を連載しています。一家言ある実践家に話を聞き、彼らの内面をのぞき見しようという企画です。以前これに登場したシステムトレーダー照沼佳夫氏は、トレードでポジションを取ることについて、実に面白い表現をしました。
順張りと逆張りについて、照沼氏と私が意見交換する部分を紹介します。
照沼氏
「手仕舞いとドテンを前提にシステムトレードで臨むと、必然的に順張りになると考えています。少なくとも『安く買って高く売る』は大きな誤りですよ」
林
「強い銘柄を、高くてもいいから買い、さらに高値で売る、ということですよね?」
照沼氏
「それでは、まだ“弱い”と思いますね。高く買って、さらに高値で買い乗せるんですよ」
もちろん、やみくもに買い乗せするわけはありません。きちんとリスクを管理したうえでポジションを操作します。しかし彼は、「ヘタなナンピン、スカンピン」といわれる“やられナンピン”と真逆の感覚を大切にしているのです。
逆張り、そしてナンピン買い下がり──。
やや職人的な読みで「このあたりが底値だ」との確信をベースに、ものすごく慎重に、そして計画的に分割で買っていくことです。
これに対して、「底割れしたから買い増し」は計画外の無謀な行為です。
また、「とにかく買い下がらなくちゃ」とばかりに早いタイミングで買い始めた場合は、逆張りではなく「逆行するポジション」を保有してしまうことになります。
オススメは、「下げ止まったな」と感じてから、慎重に押し目を拾っていくことです。だから、中源線のロジック(強弱判断と分割売買)が多くの人に有効なのです。
上手に買い下がるといった高度なワザは、その次の段階で考えればいいと思うのです。

林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。
★中源線建玉法
最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。
8月8日放送のフォローアップ(4)
8月8日の放送内容について、フォローアップ第4回を「週報」に掲載しました。
8月8日放送のフォローアップ(4)
林 知之
自分のイメージを優先させろ
非現実的な利益を求める姿勢は“破滅型”に分類されますが、小幅利食いを意識することが手堅いとはいいきれません。
マーケット・スクランブル8月8日の放送は、“値幅取り”は単なる夢追いではなく、「避けようのない損失をカバーしてトータルでプラスにする」ための大切な発想だという観点でお送りしました。
そのフォローアップ(4)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第90回 トレードの醍醐味“値幅取り”こそ損小利大の実現)
8月放送のテーマは「値幅取り」。
取れるときに値幅取りを実現することが、トータルの成績をプラスにする大切なアイデアです。フォローアップでも、そういった「計算」を示してきたつもりです。ここで、いま一度、値動きを感覚的に捉えようとする姿勢に立ち返って考えてみましょう。
儲かる数式探しをするな
トレードは、すべてを数字で片づけられる世界なのですが、計算が及ばない予測不能の値動きが相手なので、合理的に行動しようとしても空回りしやすいのです。少なくとも私たち個人投資家は、時として感情丸出しになってしまう生身の人間です。
「切った張った」のバクチをやっているわけではないので、緻密に計算して利益を狙うことが多いのですが、例えば突飛な変動を特別に評価したり無視したりするなど、感覚による自由な発想を優先させるケースだって少なくないでしょう。
そもそも、「トレードで勝ちたい」という感情的な欲求がありますし、「儲けたカネを楽しく使いたい」という気持ちが根底にあるはずです。そんな人間くさい部分がジャマをするから、「ルールを決めて売買に臨もう」という発想になるのですが、人間ならではの創造性こそが利益を生み出す源になるべきだと私は考えています。
やみくもに“儲かる数式”を探してはいけないのです。
極端な例を出します。
ある日、駅から自宅までの道を歩きながら、何気なく道端に目を向けたら、1万円札が落ちていた……こんなことがあったあと数日間は、なんとなく道端が気になるでしょうが、1カ月後も2カ月後もずっと道端に注意しながら歩くことはないでしょう。たまたまの出来事だと認識しているからです。
しかし、視野が狭い状態で考えた場合、「道端を見て歩くと1万円札を見つけることができる」と結論づけてしまうかもしれません。おそらく二度と起きることのない成功を夢見て、常に横を見ながら歩くようになり、不注意なドライバーが運転する車とぶつかるリスク、自転車に乗りながらポケモンGOをプレーするヤツとぶつかるリスク……そんなものを背負い込む結果となるのです。
トレードの数式だって人間が作るもの
システムトレードでは、さまざまな判断をコンピュータのプログラムに任せます。場合によっては、注文の執行まで任せる「自動執行」を行います。コンピュータの中にプログラムがあり、そのプログラムは単純な数式のかたまりです。
ですが、個々の数式、あるいは一連の数式が意味するものは、そもそも人間の自由な発想から生まれたものです。だから、根底にある人間くさい部分を無視して「数式ありき」の姿勢に傾くと、思わぬ盲点が生まれてしまうのです。
前項で挙げた例は、たった1回の成功から結論を導き出すミスです。本来は、翌日も翌々日も1万円札は落ちていなかったという事例が加わって、「再現性が期待できない」との結論に至るはずです。データ量が増えることで“信頼性”が増し、より合理的な数式を見つけることになるのです。
このあたりの理論は、拙著『億を稼ぐトレーダーたち』に登場する、コテコテのシステムトレーダー柳葉輝氏の説明が非常にわかりやすいでしょう。実践者の内面に切り込んだインタビュー集です。興味のあるかたは、ぜひ手に取ってみてください。
さて、情報を正しく整理すれば混乱は避けられます。しかし、気づかない部分で、1万円札の例と同じようなミスを犯す可能性はあります。
そんなときに役立つのが、「そもそも何がしたいんだ」と原点に回帰する姿勢です。
「ネクタイ着用」というドレスコードのパーティに出席する際、ひねくれ者が知恵を絞り、長さ3センチほどのミニチュアネクタイをシャツの襟に貼り付けたら、ルール違反なのかルール適合なのか──元の趣旨を完全に無視した“数式遊び”に陥っているのは明らかです。重要なのは、「ネクタイ着用」という指示を導き出した発想、パーティー主催者が描いた“成功の情景”なのです。
中源線の人間くさいところが素晴らしい
値動きに対する行動をルール化するのが、システムトレードです。
また、いわゆる裁量トレードでも、一定のルールがあり、相当な部分を明文化したり数式化できるはずです。
でも、数式いじりに走ってしまったら、中身が不明の“ブラックボックス”をつくり出すだけです。「理由はわからないが、システムは『買いだ』と言っている」なんて状態で、大切なカネを動かすことなどできません。
一般的な市況解説が、スポーツ報道と同じように「過去の傾向を述べる」ことに偏っているためか、「道端には1万円札が落ちている」式の過去の解説を認めてしまう向きも多いようですが、そんな実用性ゼロの考え方に毒されてはいけません。
値動きを大ざっぱに捉えると、一定の法則が見つかるでしょう。
しかし、その法則を乱暴に表現すると、「株価は上がったり下がったりする」という程度のものと大きく変わらないといえるでしょう。天体の観測とはちがい、確実に儲かる数式が見つかることはありません。一時的に通用する数式はあっても、適当な時間が経過すれば機能しなくなります。
だから、常に手を加えて変更していかないといけないのです。
しかし、根幹にある大元の発想、それを支える思想的な部分は大きく変わりません。下げが続く状況で、逆張り戦略を好む人は「買い下がり」をイメージしてスタートのタイミングを探りますが、中源線のようにトレンド転換を条件にする戦略では「まずは下げ止まることだ」と考えます。そのあとの細かいルールについて、時代とともに移り変わる傾向を考えて変更を検討するのです。
とにかく、土台に近いものほど大切にするべきです。
また、ブラックボックス化を避けるため、根幹の発想から生まれる個別の数式はシンプルで扱いやすいものであるのが望ましいのです。
中源線建玉法の最大の特徴は、生身の人間が考えついた値動きへの対処法を、ヘタにこねくり回すことなく、ストレートにシンプルな数式に落とし込んである点です。
数式を見て「何割当たるか」なんて机上の理論で考える前に、「なるほど、そういう動きを重要視するのか」と根幹の発想とルールの関係を、素直に考えることが可能、というか、自然にそう考えさせてくれるのが中源線の大きな長所なのです。
今回の放送では、非常に大きな上伸をみせた例として、7717ブイ・テクノロジーを挙げましたが(フォローアップ1、フォローアップ2を参照)、もっとおとなしい値動きの銘柄も見てみましょう。下のチャートは、4997日本農薬の中源線です。
赤い線は買い線(陽線)で、買いポジションを3分割で増減する期間です。そして黒い線は売り線(陰線)、カラ売りを3分割で増減させる期間です。
図で示した期間(2015年8月~2016年8月26日)は、ずっと下げ基調で、中源線の判断によって下げを取っています。
ですが、ところどころにある陽転が気になります(1~5の数字をつけた部分)。
結果だけで言えば、これらの陽転がなく、ずっと売り線が続いていたほうが利益が大きかったのです。
こうして結果論に偏って「儲かる数式探し」をしてしまうと、大切な根幹の部分を壊してしまうことになりかねません。「余分な陽転が起こらないように」と考えてチューニングすれば、もし軽い上向きから急上昇に向かった際についていけないルールになってしまいます。そもそも、そこそこ機敏に転換するから下げに乗って利益を得ることができたのです。「もう少し何とかしたい」と考えるのが人情ですが、ムリに数式を重ね合わせると、本来の長所を消してしまうことになります。
1~5の陽転は、要するに“ダマシ”ですが、「売り玉の利食い」+「上昇する可能性へのそなえ」と考えて、すんなりと受け入れるのが、まずは基本形なのです。
ちなみに、5の陽線の最中に8月の放送を行い、その時点でのチャートを示しながら番組後半で紹介しました。時間がなくなったので触れませんでしたが、前週の準備段階では5の陽転について、「今度こそ面白いのでは?」くらいに考えていたのです。ところが現実は、放送当日8月8日の下げで再び陰転、ダマシ陽転の記録を更新しました。
そして、この原稿を書いているのが8月30日(火)なのですが、前日の8月29日(月)の上げで、また陽転したのです。あらためて「今度こそ」と感じつつも、この陽転が当たりとなるかダマシとなるかは神のみぞ知るところ。しかし、中源線のシンプルなロジック(陰陽の判断基準)は感覚的にわかりやすいため、納得してポジションを変更することができます。
私は現在、7銘柄を実験的に売買中ですが、この日本農薬も実際に手がけています。今回、8月29日(月)の陽転をみて「やっぱりなぁ……」とタラレバ気分でつぶやきながらも、「とりあずはシグナル通りに売買を続ける」と決めているので本日、8月30日の寄付でドテン買いました。
実験売買をもう少し経験したら、裁量を加えてみようと考えています。
相場ですから、ヘタに考えたってピシピシと当たるわけではありません。黙って中源線のシグナルに従えば、「それなりの結果が出る」と期待できますし、少なくとも不要なブレは生じません。とはいえ、最終的には自分の感覚を無視せず、自分自身が積極的に参加してポジション操作を決定したいと思うのがトレーダーという生き物です。
これからも、こういった深い部分に切り込んで情報を発信していきますので、お楽しみに。
さて、8月8日放送のフォローアップは、これで終了します。
そして次の放送は来週の月曜日、9月12日の夜8時から生放送でお送りします。
9月の放送は、予測不能の株価に対して「計画性」をもって臨むという、プロの視点をご紹介します。ぜひご覧ください。
その「第一部 解説」のみ、無料配布版があります。
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