買いは「上げの動きに乗る」行為だ
うねり取り、つまり「数カ月の上げ下げ」を狙う理想的なエントリーポイントは──。
正解は、ひとつではありません。プロや上級者は必ず見込み違いを想定し、その部分の考え方によってタイミングに差が生じます。また、現実味のない“一点狙い”を否定して分割売買を前提とすれば、値動きへの対応は無限の選択肢を生むのです。
マーケット・スクランブル11月14日の放送は、上げを狙う場合の買いタイミングを考えました。原則は何か、一般的な誤解はどこにあるか、生身の人間にとって自然な入り方は……そして、中源線のシンプルなエントリー思想について、実例を挙げて詳しく解説しました。
そのフォローアップ(1)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第96回 うねり取りにおけるトレードの入り口 ~ポジションを取り始める基準~)
「安く買って高く売る」は間違い
株で儲けるには、安く買って高く売る──。
間違いではありませんが、この表現をそのまま行動に反映しようとすると、実践的なミスが起きやすいと私は考えています。
「安く買う」という言葉から、チャートにおけるタテ軸だけに目が向いてしまうのが自然な心理です。チャートは、タテ軸の「価格」とヨコ軸の「時間」という2つの要素で成り立っているのに、そのうちの1つを忘れてしまうようではバランスが悪いのです。
考えるべきは、「トレンド」です。
上げ、下げ、横ばい、という“ベクトル”です。
タテ軸とヨコ軸を同時に見ることで、同じ上げでも「急激な上げ」とか「ゆるやかな上昇」と区別して認識できますし、「ジリ高から急騰」といった変化もストレートに感じ取ることができるわけです。
タテ軸だけに目が向くと、例えば株価をチェックするとき、「自分の買い値」「現在値」「前日比」を見て一喜一憂するというように、トレードの最適解を探そうという正しい道から大きく外れた思考になってしまうのです。
具体的に、図を示して説明しましょう。
タテ軸だけを見た場合、理想の買い場はBです。
しかし、実践的には疑問なのです。
図の値動きは、安値の往来を経てFあたりからハッキリと上昇に向かっています。もしBで買った場合、C、D、Eとモタモタする間も、不安を抱えながら買いポジションを維持する必要があるので、F、Gと上がりかけたところで売ってしまう可能性が高くなります。精神的に疲れた結果の、「やれやれ売り」と呼ばれる行動パターンです。
理想の買い場はズバリ、Eです。
トレードでは、時間をかけないようにするのが、ひとつのポイントです。
刹那的な短期狙いをしようということではなく、ムダにポジションを持つ時間を短くするという発想です。時間をかけるほど逆方向に動くリスクが増加します。また、資金を寝かせて効率が悪いという問題も起こります。「さあ、いよいよ!」となってから仕掛け始めるのが、これらの問題を避ける工夫なのです。
そう考えると、実はIで買ってもオーケーという説明が成り立ちます。
最安値のBで買った結果として、時間がかかった割に値幅が取れない……こんな結末よりは、グングンと上がる様子を見てIで飛び乗るほうが、戦略として有利かもしれないという論理です。もちろん、ダメだと判断して飛び降りるそなえが必須ですが。
さて、この図において私が最も言いたいのは、「一点狙いをするな」ということです。分割売買を前提にすれば、必死に予測を当てようとするムチャな発想から解放されます。戦略に、実践的な幅が生まれます。
例えば……Bでも買うが、それは単なる試し玉。また、CやDでも拾うが、その時点でも十分に資金を空けたまま、ダメだったときに撤退する構えを維持する。そして、Eのように煮詰まったところで本格的な買い増しを考え始め、最終的にはGやHで“乗せ”が完了したらサイコー、といった具合です。
もっとシンプルな戦略のほうが、わかりやすいでしょうか。
Bのようなたまたまの最安値には興味をもたず、C、D、Eと続く整理の期間を見ながら買い戦略の入り口、つまり最初の仕掛け場を探る。DからEで買っていれば理想だが、上げの兆しFを過ぎてからでもよし。
どうでしょうか。予測不能の値動きと向き合いながら、自分の確固たる見通しを基準に「そのまま進むか退くか」を常に考えていくのが王道です。そういった現実的、実践的な対応を実現するのが、「売買を分割する」という発想なのです。
◎をつけたEが、「もし一点狙いなら」という前提での正解です。
しかし、前述したように、さまざまな対応パターンがあって人それぞれ、戦略によって異なりますし、同じ戦略でも値運びによって変化します。
林投資研究所の中源線建玉法では、F、G、Hで買い、I以降の上げを取ろうとします。その狙いを、シンプルな数式に落とし込んでいるのです。さらには3回の分割売買を規定し、上向きが明確になったと思えるところで総量の3分の1を買う(F)、上向きの動きがホンモノだと判断したら押し目で増し玉する(G、H)という戦法です。
必須の分割でパターンいろいろ
前項で説明したように、フラフラと動いて読み切れない株価変動を相手にする以上、分割を前提にすることが必須です(デイトレードなど超短期の売買は単発的になる)。しかし、その分割を「どこでスタートするか」は非常に重要な問題なのです。
中源線では「上向きが明確になったと思えるところ」、と述べました。
中源線のルールは「保合の上辺」を定義していませんが、一般的な「ブレイクアウト」の戦略に近いイメージだと理解してもらって差し支えないでしょう。
先ほどのチャートではなく、もっとシンプルな図を使って「買い始めるタイミング」のパターンを説明します。
1.下げて止まった
まだ時間がかかることを覚悟で、下げ止まりを感じたら買い始めるパターンです。
2.保合で煮詰まった
1と同じように、安値を拾うのですが、十分な底練りを経て「整理が進んだ」との認識をもって買い出動、というパターンです。
3.保合を上抜け
いわゆる、ブレイクアウトです。
今までの動きとは異なり、大きく上伸しそうな上昇をみて乗る、というパターンです。
4.上がりかけて押し
3と同様にブレイクアウトを基準としていますが、少しだけ時間の経過をみて「出損ないではない」と判断したあと、押し目を拾おうとするパターンです。
いろいろな動きに対し、いつでも臨機応変に行動するなんて、絶対にできません。自分の得意パターンを決め、取ったり取られたりを繰り返しながらトータルでプラスにする、手が合わない場面は、きっちりとヤラレる(損を抑えながら撤退)といった考え方をするのです。
中源線のロジックは実に素直だ
林投資研究所の中源線建玉法は、これら4パターンの分類でいうと、「3と4の融合」です。3で打診買い(3分の1)、4で増し玉(3分の1ずつ2回)、合計3回で満玉(事前に計画した株数)に達する、という作戦です。
冒頭で「安く買う」はミスにつながると述べました。
上がりかける値動きパターンを見て「よし動き出した」と買い始める方法が、価格的には不利でも、時間的に有利です。要するに一長一短があるといえばそれまでですが、動き始めてから乗る、そのうえで価格が有利になるよう努める──これが、人間の感覚に最も近い買い方だと私は確信しています。
いつ動き出すかわからない電車、もしかしたら車庫に入ってひと晩動かないかもしれない電車に乗るのではなく、急いで飛び乗る必要はあるものの、動き始めた電車に乗るほうが正しい、こんなイメージで捉えてください。
次回のフォローアップ(2)では、「保合は買わない」「保合は売り建てが正解」という、ちょっと納得しにくいようなプロの感覚を紹介します。
お楽しみに!
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