10月3日放送のフォローアップ(3)
林 知之

欠点を消そうとするな

手法の優劣を語るのは難しいのですが、個人投資家にとって“やりやすい”か“手がけやすい”かで判断することは可能です。
最も制約が少なく、感情の面も含めて継続が容易なのは、数カ月単位の上げ下げに注目した「うねり取り」だと思います。その「うねり取り」を、機械的判断で実行しようとする手法が、中源線建玉法です。
マーケット・スクランブル10月3日の放送は、手法とは何か、個人の努力がどこまで及ぶか、といった深い事柄をテーマに設定し、個別銘柄の中源線を数多く取り上げて解説しながら“トレードのあり方”を考えました。
そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第94回 個人投資家の勝負所「うねり取り」の銘柄選び ~中源線を軸にチャートを見るポイントを探る~

欠点は長所とセット

「オレの欠点は、欠点が何もないことだ」
こんなことを言う人がいますが、どうやらサイアクの欠点があるようです。

冗談はともかくとして、トレードを考えるうえで、人間そのものの欠点に目を向けてみたいと思います。人間的に良いか悪いかという判断は難しいので、ちょっとした行動特性と、それによる良い結果と悪い結果を考えてみます。

行動特性は、トレードにおける「手法の特徴」に当てはまります。
良い結果は「利益」、悪い結果は「損失」です。

口数の少ない人は必然的に失言も少ないので、他人に嫌がられたりする機会が少ないでしょう。そのかわり、「何を考えているのかわからない」と敬遠されたり、「発言を控えるズルい人」などと評価されてしまう可能性だってあります。口数の多い人は、この逆です。

思いついたことをサッと行動に移す人は、「フットワークが軽い」と高い評価をもらうかもしれません。半面、つまらない失敗も多いのではないでしょうか。安易な行動を嫌う人は、「脳みそが筋肉だ」なんて悪口を言うかもしれません。

良い結果も悪い結果も、どちらも起こり得ます。
その時々で自分の特性を変化させることなんてできません。

TPOを考えて行動するのは当然ですし、国や地域、接する相手によって対応を変えることも常識ですが、例えば仕事に対しては、常に同じ姿勢を取るというのが自然なことでしょう。

結果として、その人の特性によってうまくいくこともあれば、特性によってダメなときもあるものです。ヘタなことをしてギクシャクするよりも、ありのままの結果を受け入れるほうがいいともいえるでしょう。

私生活でも仕事でも、個別の事柄が、得意なケースと不得意なケースに分かれます。できるだけ、得意なケースに絞る工夫をするだけです。

トレード手法と損益の関係も、全く同じです。
つい欠点を気にしてしまうのですが、欠点は、その手法の長所と一体のもので、欠点を消せば長所も消える、というか、消そうとしたら全体が消えてしまうはずです。

欠点が悪い結果を生むケースを減らしたいと思うのが人情ですし、そんなイバラの道を進むために努力することこそがトレードなのでしょうが、絵に描いたような解決策は存在しないというのが大原則です。

中源線の欠点をチェック!

さて今回は、中源線の欠点に注目しながらチャートを観察してみます。

赤い線は買い線(陽線)……買いポジションを3分割で増減させます。
黒い線は売り線(陰線)……売りポジションを3分割で増減させます。

チャートに追加した印は、個々の陽転、陰転における大ざっぱな損益状況です。
×……ヤラレた
……利益わずか
……取れた

f-up3-6407ckd

CKD

 

CKDは、この期間、総じて取れていますが、期間中央の保合部分、2016年3月から7月上旬までは、中源線では対応できない中途半端な往来で、時間ばかり経過して利益を出せていません。「取れないときもある」とガマンしなければならない期間です。

この往来に対して、例えば「上にブレイクしてから買おう」と裁量を入れるのもアリですが、少なくともこの場合は、中源線による7月の陽転で乗るのが正解でした。中源線の特性から、800円割れで買うことはかないませんが、800円台で乗ることができたのですから。ブレイクを待っていたら、1,000円前後のスタートになっていたでしょう。

その安値往来の手前には、高値からの崩れがありました(2015年12月~2016年2月)。
陰転のタイミングが少し遅く、1月になってからでした。これは仕方がないとしても、1月の終わりにいったん陽転している部分が気になりますね。「これがなければ、売りっぱなしでもっと取れたのに」と感じるのは当然です。でも、こういう機敏な反応(少しの上げで陽転)をするからこそ、2016年7月以降の上げにも乗れたと考えれば、「致命的な欠点」などと認識するのではなく、「中源線とはこういうものだ」と解釈するのが正解でしょう。

日本農薬

日本農薬

日本農薬も、CKDと同じように「下げ途中で不要な陽転がある」と感じさせます。
2015年10月からずっと下げ基調の中、カラ売りで稼ぐことが実現しているのですが、短期間だけ陽転した際に損失が発生し、かつカラ売りの利益を減らしているわけです。

先ほどのCKDの下げ局面と同じで、「売りっぱなしなら、もっと取れた」ということですね。

しかし、陽転がダマシでなく本格的な上昇になった場合を考えると、機敏に動いてドテン買い、再び下げ始めたところでドテン売りという中源線の判断は、やはり評価せざるを得ません。裁量トレードにおける失敗の多くは、こうした行動が取れないために起こる混乱が原因です。

さて、2銘柄のチャートを示しながら「欠点を消そうとするな」と論じたのですが、先ほども述べたように、「このダマシを回避できないだろうか」と考えることがトレードの道でもあります。

例えば前者のCKDについて、「こういう往来はダメ」と記した部分の前半は「大きく下げたあと落ち着きがないから見逃し」とか、後半部分は「安値圏だから陽転するまで休み」と対応できないだろうか──こんな発想を検討するということです。

でも、器用に裁量を入れようとして、例えば後者の日本農薬で、「そこそこ下げているから」と600円台での陰転(2016年2月)を見逃したら、その後の行動がグズグズになっていく可能性があります。中途半端な位置で買いに転じてしまい、さらに下げる動きに対して何もできなくなる、といった混乱は避けなければなりません。

非常に難しい問題なので、考えているうちに「シグナル通りに継続しよう」という気持ちに戻ったりするのですが、また別の考えが浮かんでくるのが人間ならではの思考なのです。

林投資研究所が発行する『研究部会報』に私は、中源線だけを対象とした読み物「中源線実践リポート」を連載し、最新の9月号からは、ルールのアレンジを考えるというテーマを掲げています。
次の11月号も、いつものように力を込めて書きます。

さて、次回のフォローアップ(4)では、ダマシの損と、それをカバーする値幅取りのチャンスについて書きます。
お楽しみに!

chg-1_cover_frame150四部構成の書籍『中源線建玉法』

その「第一部 解説」のみ、無料配布版があります。
1.印刷版(無料にて郵送)
2.電子版(PDF、eBookを無料ダウンロード)

詳しくは、こちらのページでご確認ください。

new_chgdvd
chg_dvd
【中源線シグナル配信とは?】
→ こちらのページにて、詳しくご覧ください。

【無料登録でシグナル配信トップページ閲覧】
なお、中源線研究会への登録(無料)だけで「シグナル配信トップページ」(日経225とTOPIXのシグナル&チャート、上場全銘柄の集計)を閲覧できます。
→ 中源線研究会登録(無料)

【中源線建玉法“実践”への道】
中源線を習得するための情報を、各種取りそろえています。
 → こちらのページにて、詳しくご覧ください。

研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。

「できる」自分をつくる – トピックス

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

北九州市に、髪の毛が薄いと宿泊料が500円安くなる「禿(は)げ割り」を実施しているホテルがあるそうです。自らも髪の毛が薄い社長が、「排水溝の髪の掃除がたいへん」との職員の声を聞いて導入を決めたんだとか。割引適用を申し出て断られた客は、うれしいような寂しいような顔をしていたそうです。
(朝日新聞デジタル所載)

誰もが、自分の強みに対する自負がある一方、課題への問題意識もあります。
私たちが相談を受けるとき、「私の売買はどうでしょうか?」との質問に対しては、良い点を褒めると同時に悪い点をズバリ言うことも大切です。

良い点を褒めるのは当然ですが、悪い点についてどう言及すべきか……。
体の調子が悪い人が、病名を言われてスッキリする、つまり現状を正確に認識することで落ち着くケースと、「病気なんだ……」とネガティブな気分になってしまうケースがあるように思うのです。

ポイントとなるのは、「前に進むエネルギー」が生まれるかどうか。

中源線のルールとともに背景の考え方を解説するセミナー「中源線建玉法 基本コース」は、今度で20回目。たくさんの人に、ルールの意味だけでなく、実践の心得をくどく説明してきました。みなさん、常識あるオトナですから、すべてを理解してくれます。ところが、実行面であと一歩という場合が少なくないように感じています。

受講した多くの人が、「上級コースを設けて」とリクエストをくださいます。
では、どんな内容がベストなのか……悩みながらも、少しずつアイデアが固まりつつあります。

現時点でのテーマは、「行動する(できる)自分をつくる」です。
手法についての理論があり、実例があり、実行していくイメージが生まれる……これで成功は約束された、と気持ちは盛り上がるのですが、いざ進めてみると混乱します。芯となる部分が強固になる前に、日々の上げ下げなどに翻弄されるうちにブレてしまうのは当然です。

トレードに関する情報は、いくらでもあります。
それらを整理分類して取捨選択する方法論、その土台となる基準が問われます。
その部分を手助けすることが、林投資研究所の役割だと考えています。

もちろん、そこを自分の手で、つまり、ほかの経験をうまく当てはめて進めば理想的ですし、良いサポートがあったとしても自分自身の創意工夫は必要です。

「行動する自分」「できる自分」──。
テーマとして、あらためて意識してみてはいかがでしょうか。


new_chgdvd
chg_dvd
研究部会報
 林投資研究所で40年以上続いている、プレーヤーのための定期刊行物。

中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

chg-seminar
林投資研究所
 林投資研究所の公式Webサイト。
 まずは資料請求(無料)してください。電話等での勧誘はいたしません。

研究部会報および中源線シグナル配信は、当局に届出の投資助言サービスです。契約にあたっては「契約締結前の書面」をよくお読みください。