3月6日放送のフォローアップ(1)
林 知之

トレードに欠かせない視点はなに?

「どの銘柄を買うか」という発想から「どのタイミングで買うか」へ──値動きを観察しながら出処進退を考える“手法”への入り口です。

では、「どのタイミングか」を決める方法はなに?
大切にするポイントはなに?

2017年3月の放送では、基本的なことでありながら実に深い部分に切り込みました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第104回 うねり取りを進化させる ~トレードルールのつくり方~

飛行機は落ちる?

最も安全な乗り物とされているのが飛行機。特に大型の旅客機は、設計だけでなく、運航のマニュアルまで厳格です。エンジンが4基ある機体で3基がストップしても飛びますが、1基にトラブルがあっただけで、念のため最寄りの空港に降りると決めていますし、パイロットはコックピットでボサッとしているのではなく、機体の状況をちくいち確認しながら、「今この瞬間、トラブルがあったらどこに降ろすか」と考えているのです。

まず間違いなく目的地に到着できるのですが、大げさにいえば、常に「落ちる」ことも想像しているということです。各種のスイッチだって、操作性を考えるだけでなく、「人間はミスをする」前提で設置されています。

考えてみれば、例えば日常の待ち合わせで早めに着くようにするなど、不測の事態を想定しておくのが常識です。飛行機は落ちる、車は事故に遭遇する(だから保険に入る)、アナウンサーはかむ、酔っ払いは寝過ごす……実はすべて当たり前なのです。

それなのにトレードでは、「損をしない方法」を求めてしまいます。
理屈でわかっていても、ちょっとの見込み違いも感情が受け入れられないのです。

上手にやろうというイメージは人間の創造性を刺激する大切な要素ですが、「当てるんだ」と意気込むと、盲点が生まれてしまうと考えられます。

行動範囲を狭くしたほうが精度が高くなりますし、経験による質の向上も期待できます。でも、視野は広く保つべきです。
「儲けるぞ」と自分を信じながらも、「ミスはある」「対処方法を考えておくことが不可欠」との認識を捨ててはいけないのです。

買うときの正しい発想は?

株は「買い」だけではなく、下げを狙う「カラ売り」もありますし、ポジションの取り方ひとつで戦略は無限に広がります。でも、わかりやすく「買い方」に限定して考えてみます。

経験ゼロの人が考えると、「どの銘柄を買えばいいの?」となるでしょう。
もちろん、本格的なトレードであっても銘柄選びは重要ですが、初心者は単なる当てものとして「どれ?」と考え、だけど考えを進めるだけの知識と経験がないために思考が止まり、他人の情報を頼ります。

しかし、ひとたび「手法」という発想が生まれたら、「どこで買うか」と考えるでしょう。すなわち、「どんな局面で出動するか」「何を基準に買いをスタートするか」という切り口です。

こういった発想を突き詰めていくと、だんだんと視野が広がっていきます。
「あえて休むべき場面はどこか」といった考え方も生まれますし、選別投資の手法でも「資金全体の稼働率を調整する」なんてアイデアも出てくるわけです。

カチッといくかユルッといくか

初心者のように「どの銘柄?」でも、ベテランのように「どこで出動?」でも、予測をピシッと当てたいと思うのが人情です。しかし、番組で何度か説明している通り、勝率にこだわるのはキケン、勝ちの値幅が限定されてしまうという矛盾が生じやすいのです。

そこで、感情的に満足できる「高い勝率」を意識せず、ゆるく入るようにするべきです。わざわざ“ゆるめる”なんてヘンな話ですが、「誰も明日の値段さえわからない」というマーケットの基本構造を再認識し、背伸びしない姿勢をもつのが重要だということです。

出かける際に「雨が降るかどうか」をビシッと当てるのではなく、降ってもいいように準備しておく、カサを用意して降らなかった場合にキレない(笑)といった“ゆるさ”こそ、オトナが選ぶ現実的な対応です。

ちなみに、トレード手法というものは、3つの要素で成立しています。
「予測」「ポジション操作」「資金管理」です。
予測の確率を100%にはできないので、当たったり外れたりを想定したポジション操作をセットにします。また、「9勝1敗でもドボン」では困るので、効率と同時に安全性を考えた資金配分を設定します。

予測が当たる必要はなく、信念ある行動の「きっかけ」になればいいと考えるのが、実践家の姿勢です。

中源線は逆行に注目する

さて、ちゃんと飛んでいく飛行機の運航が「飛行機は落ちる」を前提にするのですから、マーケット動向の予測なんて、外れまくることを想定しなければなりません。
でも、当たってうれしい、外れて悔しい……ではなく、次の一手を考えることが求められます。

中源線の場合、終値の折れ線チャートを用いたシンプルなパターン分析で、数カ月単位の上げ下げを判断します。これが、手法の3要素の1つである「予測」です。

2つめの要素である「ポジション操作」については、順行(予測通りの動き)は放置、逆行は対処を考える、というのが中源線の基本です。

買って上がった──このとき、どんなに急激な上げでも、どんなに値幅が取れても、順行の流れがあるうちは放置して利を伸ばそうと努めます。

しかし、逆行(買っている場合は「下げ」)が一定のパターンを示したら、買いポジションを手仕舞うとともにドテン売ります。しかし、3分割で慎重に……。
この基本ロジックは、2017年2月にリリースした新刊『入門の入門 中源線投資法』の中で説明しています。私が執筆した自信作なので、ぜひ目を通してみてください。

目次などの詳しい情報は、こちらをクリック!(中身のチラ読みもできます)

思った通りの流れではないと思ったらポジションを動かし、思った通りならば基本はジッとして利が伸びるのを期待する──これが中源線の特徴です。
実際の値動きも、見てみましょう。

下のチャートは、4745東京個別指導学院、林投資研究所の助言サービス「中源線シグナル配信」において、パフォーマンスが良好かつ安定していると判断した「ユニバース」98銘柄の1つです。

 

「順行は放置」と説明した中源線の特徴が功を奏し、2016年11月からの上昇にみごと乗っています。

しかし、直近でもダマシがあります。2つのバツ印の部分を見てください。

最初のバツ印は、安値で陰転(売りに転換)したあとジワジワと逆行(上昇)し、ちょっと遅れたタイミングで陽転(買いに転換)しています。多くの場合、もう少し早めに転換してくれるのですが、いずれにしても、相場あるあるの「いつまでも逆行を放置」なんてことは起こりません。

2つめのバツ印は、2017年1月中旬に一時的に弱含んだ局面での陰転です。
ここでは、買いポジションを利食い手仕舞いしてドテン、カラ売りを仕掛けます。このケースでは、すぐに逆行(上昇)して陽転しているので、3分割の1回分のみカラ売り、再び陽転したところでは2/3買いにひっくり返すという、何ともプロっぽいポジション操作がありました。

特別番組「トレードルールのつくり方」

トレードのルールは、ある特定のパターンを想定してつくるので、異なるパターンが発生して利益にならない、そんな期間も生じます。そこで思い悩むわけですが、考えを進めるポイントを絞らないと、情報ばかり増やして迷走してしまいます。

トレードルールのつくり方──今回のマーケット・スクランブルと同じテーマで、特別番組を放送する予定です。

バリバリの実践家である、アンディこと沼田武氏と私で意見を交わし、MC役をお願いした池田ゆいさんも討論に加わってもらおうという、実践家のための企画です。

収録は来週、放映の予定が3月下旬です。
あらためて案内しますので、お楽しみに!

次回のフォローアップ(2)では、当たり外れがある現実の中で、どのように利益を上げるかについて、いつもとは異なる観点から解説します。
お楽しみに!


書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。

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たいへん貴重な売買の実記録と、林輝太郎による実践的な解説。
林投資研究所オリジナル(旧書名「株式売買記録と解説」)

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長年続く普遍的ノウハウ、低位株投資「FAI投資法」の原典。
林投資研究所オリジナル

詳しくはこちらのページでご確認ください。


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

2月6日放送のフォローアップ(4)
林 知之

強みと弱みを結果につなげる方法

うねり取りは、個人投資家の強みを発揮できる売買手法です。でも、どんな手法にも強みがある一方、表裏一体の弱みがあるのは当然。

うねり取りの強みと弱みは? うねり取りを機械的に実行する中源線では?
2017年2月の放送では、トレードの本質を掘り下げ、プレーヤーとしての姿勢そのものを考えました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第102回 うねり取りの強みと弱み ~中源線の場合は~

弱みだけが表に出る理由

どんな手法にも、メインの“狙い所”があります。その狙い所そのものが「核」となる部分、手法の強みといえるのですが、表裏一体の弱みもセットになっています。

例えば、低位株を対象にする手法、つまり「人気の圏外にある安い時期に仕込もう」という狙いは、下値不安が少ない、上昇した際の率が大きい、といった点が強みです。でも、動くまでに時間がかかってしまうケースも少なくない、といった弱みもついてくるのです。

そこで、人気の圏外にある銘柄に目をつけておき、「動き始めてから乗ろう」とか「上げの直前を探ろう」といったアイデアを思いつきます。

実は、その対応にも新たな弱みがついて回るという、いわば堂々巡りが現実です。しかし、絶対に外せない狙いを盛り込んで強みをつくり、セットの弱みを受け入れる、どこかで妥協点を探る、といった発想が重要です。

今回、第4回フォローアップのタイトルは「強みと弱みを結果につなげる方法」です。強みを最大限の利益につなげる、一方で、弱みは可能な限り損失につなげない、と実に都合のいいことを考えるのがテーマですが、弱みを隠さない、存在しないかのように無視してはいけない、といったことがポイントだと考えます。

日常生活の外食を例に考えてみます。
同じ場所、同じサービスならば、おいしいものは高い、それほどおいしくなければ安い、これが原則です。毎回おいしいものを食べたいところですが、ふだんはリーズナブルなものを選ぶでしょう。値段が手ごろだという強みを選び、それほどの味ではないという弱みを素直に受け入れるわけです。おいしいものを選ぶときは、値段が高いというマイナス面を納得します。「たまにはいいでしょ」とか、「特別な日だから」という具合に。

おいしいものを食べながら「高いなぁ……」とつぶやけば、「じゃあ来るなよ」という話になりますし、お手頃価格の食事について「素材の質が……」と文句をつけたら「それなら高い店に行けよ!」と言われてしまいます。

トレード手法で、確固たる強みがあるのに、弱みの部分だけが表に出てしまう、つまり、うまく機能しなかったときのケガを大きくしてしまうのは、まさに「相場あるある」ですが、弱みの部分を軽んじてしまうことが、大元の原因ではないでしょうか。

弱みも容認する強さ

私の娘が「相場やってみたいな」とつぶやいたのですが、軽く言葉を交わしてみたところ、「1回でも損をしたくない」みたいな考え方でした。私は、「やるな」と答えました。半分は勝ち、残り半分は負けるという前提で臨まないと、弱みの部分が増幅して大負けしてしまうからです。

前項でも述べたように、弱みにも目を向け、堂々と容認する必要があります。
自分の軸を保ち、弱みを容認する“強い姿勢”が求められると思うのです。

といっても、開き直りではありません。
日常で、他人に大迷惑をかけるような振る舞いは、誰も個性と認めません。でも、細かい欠点をいちいち、あげつらうことはないでしょう。ある程度までは、個性と認識します。そんなバランス感覚と、同じようなものだと思います。

利用している手法について、「ここが強みだ!」としっかり意識すると同時に、「ここが弱みなんだ」と同じように目を向けることが大切です。

損したくない……その気持ちをどうするか

損するのはイヤだ……誰もがそう感じます。だからといって、仕方なくつくってしまったダメ玉を大切に抱えているなんて。。。悔しい気持ちは「チキショウ」と叫んで手放してしまい、ダメ玉もサッと手放す、素早く粛々と敗戦処理するのが理想です。

感情が増幅することは抑えられても、感情が生まれること自体は仕方がありません。「悔しい、ツラい……でも敗戦処理」と考えるようにする、必要な行動を起こす、そのために「チキショウ」と叫ぶなどの工夫をしてみよう、という実用的な対応です。

洗っている食器を落として割ったとき、日本人は、自分を主語にして「(私が)皿を割りました」と表現することが多いと思います。「私のミスです」ってニュアンスですね。でも、たくさんの皿を洗っていたら、ミスがゼロなんてあり得ないという論理で考えると、「皿が割れた」でいいと思うのです。

まあ、たいていの場合は誰かとかかわっているので、「私は知らない。皿が勝手に割れた」みたいに取られてしまうのは困るので、つい「割ってしまった」と言うのですが、相場は自分ひとりで自分のカネを動かす行為ですから、身勝手とか迷惑とか、いやらしいとか、そんな問題など絶対に起こらないのです。

そうです!
相場のことですから、「間違えてしまった」ではなく、単に「意見が合わなかった」でいいのです。

見込み違いが多すぎると認識したら、自分の基準を見直します。でも、百発百中なんてあり得ないのですから、ふつうの見込み違いで、いちいち自分を否定する必要などありません。心の中でつぶやくだけ、あるいは、誰もいない場所での独り言なら、「相場が間違っている」くらいの表現が、精神のバランスを保つためには、ちょうどいいように思います。

ブログなどに書く場合は読み手の感じ方を考えますが、決して「見込み違いをしてしまった」などと表現せず、「合わなかったので切りました」としておけば、心の健康を害する心配が減ります。

「今回はダメだった」……これでいいのです。

相場の悩みを解決する方法

相場をやっていると、悩みは尽きません。
で、その悩みを解決する方法なのですが……存在しません!

それどころか、経験を積むほど、まじめに取り組むほど、悩みは増えていくはずです。

研究が足りなくて「儲からない」と言っているのは、悩みではなく単なる不満、それなりに結果を出している人ほど多くの悩みを抱えていると私は考えています。

ただし、結果を出している人は、「迷い」を断ち切っています。
手が合わなかったとき、「チクショウ」と言って損切りしながら、次に同じパターンがあったら迷わず出動することを軸に、「でも、見直しが必要かもしれない」と、あらゆる可能性を考えて苦悩するのです。

今回は、トレードにおいて極めてデリケートな部分、深く、悩ましい事柄を取り上げたので、いろいろな角度から意見を述べましたが、プレーヤーとしては「迷わずに行動する」ことに徹すればいい、結論はこれなのです。

手法の弱みを正しく理解し、そこに目を向けることをいとわない、くさいものにフタをしようとしない、そんな姿勢が、迷いのないプロの行動につながります。

中源線では、シンプルなルールによって売買が決まります。
勝ったときも負けたときも、理由をハッキリとつかむことができます。
勝った負けたで感情は発生しますが、それをワキに置いておいたまま、「ここは強みが出た」「ここは弱みが出た」と論理的に評価しやすいわけです。

もちろん、一定の経験がないと、感情のほうが勝ってしまうかもしれません。
そんな混乱期を少しでも短くできないか、迷走する度合いを抑えられないか──そんな思いで仕上げたのが、新刊『入門の入門 中源線投資法』です。

中源線の基本ルールを公開したうえに、現実で遭遇しそうな場面を解説するなど、とても実用的な内容に仕上がったと自負しています。

けっこう深い部分まで切り込んでいるため、中源線を学ぶガイドブックにとどまらず、トレードルールのあり方を考える一冊として、自信をもっておすすめします。ぜひ、手に取ってみてください。

詳しい内容(目次、中身チラ読み)は、こちらをクリック!

これで、2月6日放送のフォローアップは終了です。
そして今日、3月6日(月)の夜8時からは次の生放送です。基本に戻って、「トレードルールのつくり方」というテーマでお送りする予定です。
お楽しみに!


書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。

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たいへん貴重な売買の実記録と、林輝太郎による実践的な解説。
林投資研究所オリジナル(旧書名「株式売買記録と解説」)

詳しくはこちらのページでご覧ください。


長年続く普遍的ノウハウ、低位株投資「FAI投資法」の原典。
林投資研究所オリジナル

詳しくはこちらのページでご確認ください。


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

2月6日放送のフォローアップ(4)

2月6日の放送内容について、フォローアップ第4回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 「もっとシンプルに考えよう」  2月13日掲載

フォローアップ(2) 「プロの神髄 うねり取り」  2月20日掲載

フォローアップ(3) 「中源線の強みと弱み」  2月27日掲載

フォローアップ(4) 「強みと弱みを結果につなげる方法」  本日掲載

大衆は愚衆、自分は優秀?

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

「メタ認知」という言葉があります。「認知を認知する」という意味だそうで、例えば「自分がわかっていないという事実をわかる」みたいなことだったりして、じゃあ、わかったら、わかっていないという状態を脱するのかなんてツッコミは筋違いだそうです。難しいですね。

相場は、とても皮肉です。
買ったあと下がってガマンした場合は、ガマンしきれなくなって切ると見事に上げ始めます。昨年から上昇トレンドを続ける銘柄がたくさんありますが、「押したら買う」と意気込んでいても、「押し目待ちに押し目なし」の格言通り、タイミングを与えてくれないと感じる向きも多いのではないかと。
「買いたい弱気」は通用しないようです。

で、やっとタイミングが取れて買うとまずまずの展開、でも、さらに買ってお腹がいっぱいになると……下落の始まりだったりするわけです。

大衆の意見は愚衆の意見──誰もが大衆とは異なる行動を取って利益を上げようと考えるのですが、考えてみると自分も大衆のひとりにすぎないわけです。
おっ、これがメタ認知でしょうか!

よく意識するのは、マーケットとの“距離感”です。
相場の変動は、お祭りのようなもので、楽しむ(儲ける)ためには自分自身も参加して踊らないといけないのですが、ど真ん中で陶酔して踊り続けていると大ケガをしてしまう。といって、踊らずに眺めているだけでは楽しめない……。どこまで近づいて踊るか、いつ踊りの場から離脱するか──これが皮肉な結果を招かないための戦略なのでしょう。

具体的には、仕掛けの頻度を低くする(出動を絞る)、資金稼働率を抑えるといったブレーキをかけることです。草食動物のように、食われる、逃げなきゃ、という警戒心と表現するのが正しいかもしれません。

新刊『入門の入門 中源線投資法』

中源線の基本ルールを公開したうえに、現実で遭遇しそうな場面を解説するなど、とても実用的な内容に仕上がったと自負しています。
けっこう深い部分まで切り込んでいるため、中源線を学ぶガイドブックにとどまらず、トレードルールのあり方を考える一冊として、自信をもっておすすめします。ぜひ、手に取ってみてください。
林 知之 著 2,000円+税

詳しい内容(目次、中身チラ読み)は、こちらをクリック!

2月6日放送のフォローアップ(3)

2月6日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 「もっとシンプルに考えよう」  2月13日掲載

フォローアップ(2) 「プロの神髄 うねり取り」  2月20日掲載

フォローアップ(3) 「中源線の強みと弱み」  本日掲載

2月6日放送のフォローアップ(3)
林 知之

中源線の強みと弱み

うねり取りは、個人投資家の強みを発揮できる売買手法です。でも、どんな手法にも強みがある一方、表裏一体の弱みがあるのは当然。

うねり取りの強みと弱みは? うねり取りを機械的に実行する中源線では?
2017年2月の放送では、トレードの本質を掘り下げ、プレーヤーとしての姿勢そのものを考えました。そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第102回 うねり取りの強みと弱み ~中源線の場合は~

今回のテーマは、「うねり取りの強みと弱み」。その「うねり取り」を、機械的な判断で行おうとするのが中源線建玉法です。では、中源線の強みと弱みは何でしょうか? 前回までの流れを、おさらいします。

情報に頼らず、株価と自分の感覚だけで売買を実行する道がある
そのほうが、個人投資家の強みを発揮できるのではないか
しかし、技術が求められるし、ブレが生じやすいことがマイナス面
では、機械的な売買ルールを利用すればいい ←いまココ

中源線の強み

機械的な売買ルールを用いれば、1回ごとの迷いは消えます。日々の作業は、売買シグナルに従うだけだからです。

昨年11月、米大統領選の開票時に乱高下した状況を思い出してください。
丁寧に対応しようとした人ほど、臨機応変に行動しようとした人ほど、振り回されてしまったと思います。
ガクンと下げたから売った、あるいは事前に売ってポジションをゼロにして、翌日以降の上昇にサッと乗れた……そんな芸当は、なかなかできるものではありません。

あの場面で中源線はどうだったか──。
終値だけで判断するので、11月9日の下げで陰転した銘柄はそれなりにありました。しかし、多くの銘柄が、10日あるいは11日に再陽転したのです。もちろん、11月9日の下げで陰転しなかった銘柄も少なくありません。

ガクンと下げたからドテン売りにいったが、わずか1日で「再びドテンして買え」というのですから、生身の人間の感覚では「おいおい……」というところでしょう。そのまま行動に移すには抵抗があります。

でも中源線は「機械的な判断」を行うので、実にアッサリと「売れ」「買え」とシグナルを出してきます。現在までの経緯などをグズグズ考えることなく、極めてシンプルに“近未来”を見据えた一手を指示してくるのです。

わかっていても実行できない、自分の都合を土台とした感情がジャマをする……そこで、上記のような理想の一手を示してくれる存在はありがたい、売買シグナルをそのまま実行していればダメ玉に悩まされるなんて事態は起こらない、ということになるわけです。

しかも、中源線のルールは複雑怪奇な“ブラックボックス”ではありません。なぜそうなるか、どうしてそう判断するかが、感覚的にも理解、納得できている点は大きな強みです。ブレずに進んでいくことができるからです。

中源線の弱み

しかし、強みと弱みは表裏一体、中源線にも弱みはあります。
中源線は、トレンドが変化し始めた(と思える)動きで転換します。つまり、売りから買いに転換する「陽転」ならば、最安値で買えないのは当然として、最安値近くでチマチマ往来していても反応することなく、少し上昇し始めたところで「トレンド転換を確認。陽転!」と判断します。

この部分は、人間の感覚と近いため、中源線の大きな特長、最大の強みでもあるのですが、このロジック(判断ルール)がアダとなるケースもあるのです。

中途半端に上昇して陽転、出損なって弱含みになって陰転、でも大きく下げずに再び少し強張って陽転……こんな動きが続くケースも、現実では避けられません。

そのときだけパラメータ(調節つまみの役割を果たす変数)をきつめに調整すればいいのではないか──誰もが考えることですが、あとからチャートを見るからいえることであって、その場で判断するのは至難の業。

つまり、中源線の強みである「わかりやすい転換タイミング」「そこそこ値幅が出たときにシッカリ取れる」といったことを享受するには、中途半端な往来で“往復ビンタ”を食らうしかいない、そんなイヤな場面を甘んじて受け入れるしかないということです。

あまりに続くと心が折れてしまいそうになるのですが、ここで、中源線はロジックが公開されている、そのロジックがシンプルだから感覚とシンクロする、といった特長が生きてきます。

既製品のシステムで、判断基準が不明な場合、ダマシが発生すること自体は仕方がないと思いつつ、「知らないうちに損させられた」と感じてしまいます。いわゆる「疑心暗鬼」に陥るわけですが、中源線のようにシンプルなロジックが明確になっている場合、迷走することなく、その手法との向き合い方を考えることができます。

命の次に大切なカネの問題です。
いわゆる「計算」ばかりに偏らず、何をどう感じるかを重視するべきです。

乗った電車がいつまでも発車しない状況で、アナウンスがなかったらイライラします。「どうなっているんだ!」と。でも、「急病人が発生した」と説明があり、「あと2分ほどで発車します」と今後のことまで示されたら、落ち着いて状況を受け入れられます。駅員に向かってキレる輩を、「オトナじゃない」と思えます。

取れる場面と取れない場面

中源線には中源線の、独自のロジックがあります。
どんなものでも、ほかとの差別化を図るユニークさが命、それこそが存在意義です。
そこに最大の強みがある一方、表裏一体の弱みもある。実に自然なことです。

もちろん、強みを発揮できない銘柄もあります。
パラメータを変更しても、長い期間で利益になる計算が立たない……つまり、中源線と相性の悪い銘柄、中源線のロジックが効かない値動き特性の銘柄もあります。万能のものなんてないのですから、当然のことです。

また、相性が良いと判断できる銘柄でも、前述したように、中源線の弱みが前面に出てしまう場面はあります。それを事前に察知するなんて、ほぼムリです。

次項で具体的な事例を見ながら考えますが、その前に、売り買いの判断を盛り込んだチャートを見る際に、注意しなければならないことを説明します。中源線は、終値で判断して翌日の寄付で売買します。ほかのシステムでも、時間をさかのぼって売買できない以上、売買アクションは必ず判断よりもあとになります。

したがって、売りと買いを色分けしたチャートを見たときに、実際よりも大きく取れている錯覚が生じるのです。

上の図は、中源線の陰陽転換をイメージ化したものです。
黒い線が売り線、つまりカラ売りを3分割で増減させる時期、赤い線は買い線で買いポジションを3分割で増減させる時期です。

下げ止まったあと上向いたところで陽転したので、線を赤に変更します。でも、1本目の赤い線を引いた時点ではまだ買っていません。買うのは、翌日の寄付が最短です。

ここで錯覚が発生します。
赤い線の始まり、つまり前日の終値(売買日の前々日終値)で「すでに買っている」ような気がしてしまうのです。ちなみに、高値から弱含みになって陰転する場面でも、全く同じことが起こります。

ただでさえ人間は、自分の都合のいいように考える傾向があるので、冷静かつ論理的に情報を捉えないと、ダブルで甘く考えてしまいます。要注意です。

中源線の事例

では、前項で示した注意点を頭の隅に置きながら、実際の値動きを見てみましょう。
チャートは9983ファーストリテイリング、日経平均との連動性が高いことから、注目度の高い銘柄ですが、林投資研究所の「中源線シグナル配信」でも、長期のパフォーマンスが良好かつ安定しているとの判断で「ユニバース」(研究対象銘柄)に位置づけています。

ちなみに「ユニバース」の場合、シグナル配信というサービス形態でありながら、情報サイトでチャートを見ることもできます。

上のチャートは、番組でも紹介した、2月3日終値までの中源線(日足)です。
おおむね3カ月ごとに区切って損益を計算してみると、真ん中当たり、2016年4月から7月はじめまでの期間は、見事な連敗です。

チャートで示した期間全体について個々の勝ち負けを計算すると、「20勝22敗1分け」で損益トータルはプラス、つまり、取ったり取られたりなのに差し引きでプラスになる“損小利大”が実現していることがわかります。ただし、負けが続く場面もある、ということです。

最初の3カ月で累計5,000円幅のプラスですが、その次の3カ月だけで19,090円のマイナスが発生しているのです。最初にプラスが蓄積されたのに、半年後にはトータルが大幅マイナス……イヤになります。もしもマイナスの期間からスタートしたら、相当にツラいでしょう。

しかし、このダマシ連発の期間でやめると、そのあとの利益の期間も放棄してしまうということです。あとから見れば、どうということはないのですが、その場にいて実際に資金を動かしているとツラいのです。

このとき、ロジックを理解しているかどうか、錯覚や期待による高望みのカラクリを知っているか、プレーヤーとしてのマインドセット補正できるか、が問われます。だから、林投資研究所は、中源線のロジックを完全公開したうえに、勉強の場を設けているのです。

ちなみに、2月の放送で大橋ひろこさんが、面白いコメントをしてくれました。
一般的な高望みの図式を代弁するような、お茶目に軽さを出してくれたような、そんな発言でした。

いわく……ファーストリテイリングは、ここから少しもみ合い、そのあとドーンと上がる、その動きに乗りたい。ファストリが上がるなら日経平均も上がり、多くの銘柄が上昇傾向になる……

予測を立てる、シナリオを描く、それをもとにポジションを取る──トレードするうえで当然ですが、競争の中で自分だけが当て続けるなんてあり得ません。予測は当たったり外れたり、だから、ポジションを取ったあとの値動きをどう判断するか、そして次の一手をどう打つかを必死に考えているのです。

その後の動きは?

ファーストリテイリングが、その後どうなったかを見てみましょう。
先ほど示したチャートは、放送で使用したものと同じ、2月3日の終値まででした。そこに11日分を追加したチャート、この原稿を書いている前日、2月20日までの値動きを以下に示します(緑色のタテ線より右側が追加分)。

中源線は2月10日に陽転したのですが、それはダマシとなりました。数日で再び陰転しています。中源線の通りに売買した場合は、カラ売りの手仕舞いは利食いですが、陽転での買い玉を損切りしてドテン売り、という対応で、現在は1単位売りという状態です。買った直後に投げたのは、3分割の1回、1単位だけですが、絵に描いたようにいくわけはないという現実を示しています。

人間の目でチャートを見ると、値ごろ的には十分な位置まで下げていると感じるものの、下げの日柄が少し足りない、つまり「整理が十分ではないかも……」というところでしょうか。こんな感覚をベースに眺めることで、中途半端な往来で発生する中源線のダマシを回避できるかもしれません。でも、中源線の陽転を見て「まだ早いだろう」と見送ったら意外に強い、それこそ「ぜひ乗りたい」と思う動きを見逃すなんてことも起こるのです。

次回のフォローアップ(4)では、強みを利益につなげる方法、弱みを大きな損にしない方法を考えてみます。
お楽しみに!

【新刊】入門の入門 中源線投資法

私、林知之が執筆した中源線に関する新刊『入門の入門 中源線投資法』は、2月24日に発売開始、随時発送中です。

目次など、詳しい情報については、こちらのページでご確認ください

「中源線とはどんな手法なの?」「どうやって利益を出すの?」といった素朴な疑問に答えるだけでなく、実際の遭遇する「迷ってしまう局面」での対応法を考えるなど深い内容にも及んでいます。


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2月6日放送のフォローアップ(2)
林 知之

プロの神髄 うねり取り

うねり取りは、個人投資家の強みを発揮できる売買手法です。でも、どんな手法にも強みがある一方、表裏一体の弱みがあるのは当然。

うねり取りの強みと弱みは? うねり取りを機械的に実行する中源線では?
2017年2月の放送では、トレードの本質を掘り下げ、プレーヤーとしての姿勢そのものを考えました。そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第102回 うねり取りの強みと弱み ~中源線の場合は~

極限までシンプル

前回のフォローアップ(1)で、「株価だけを見て対応する」という“相場技術論”の考え方を示しました。

ヘタなファンダメンタル分析はケガのもと。だったら、価格だけを見ようということです。世間が騒ぐような話を「またかよ」と無視していると、マーケットに意外なインパクトを与えたり……そんなケースもゼロではありませんが、サイアクの場合でも少し対応が遅れるだけ、実際には、不要なファンダメンタル情報からきれいさっぱりと解放され、確固たる予測につながらない情報の洪水から離れることができるのです。シンプルです!

日々、気になるニュースがあります。重要だと思える情報も少なくありません。すると、「株価だけを見る」という姿勢に、不安や抵抗を感じるでしょう。でも、そんな、とことんシンプルなやり方をしているプロが現実にいるのです。そういった世界を、半信半疑でのぞいてみてほしいのです。

ニュースや各種の情報を、いったんゼロにしてしまっても、「やっぱり必要だ」と思えば元に戻ることができます。やってみることで視野が広がるはずですし、やってみなければ何もわかりません。

例えば、たった1銘柄に限定した売買を想像してください。
「何を買うか」なんて浮ついた発想は生まれません。上げ下げのトレンドを観察しながら、どこで買うか、どこで売るか、といった考え方が浮かぶでしょう。さらには、「どんな動きを狙うか」「何を基準に出動するか」という実践論に至ります。

個人投資家の自由

「株価を動かす要因として、いわゆる“人気”の要素が大きい」という考え方が、株価だけを見ようとする相場技術論の背景ですが、個人投資家がファンダメンタル分析で優位に立てないという事実も、重く受け止めるべきです。

ファンダメンタル分析で、個人投資家が専門家に勝つことはできません。分析の基準、情報源の質、情報のスピード……どれをとっても必ず負けてしまいます。これは、明らかな個人投資家の弱みです。だから、別のところで勝負しよう、強みを生かせる戦い方をしようということです。

個人投資家の強みは、「好きなことをできる」「休むことができる」の2つだと私は考えています。

組織とつながりのあるプロは、トレードの範囲ややり方について制約を受けます。また、個人の好みを前面に出すことが許されません。

それに対して個人投資家は、好きなマーケットで、好きなやり方を選ぶことができます。そして、「自分の好みではない」と感じたら、誰に気兼ねすることなく休む、つまりポジションがないまま相場を眺めていることが許されるのです。これは、個人投資家がもつ最大の“武器”です。

短期の売買をしている場合でも、毎週、毎月やり続ける必要などありません。個人投資家は独りで行動するので、儲けはすべて自分のふところに入ります。休むことで儲けが減りますが、少し経費を払うつもりでいれば、どうということはありません。逆に、ヘンなヤラれ方を避けることができるのですから、積極的に休みを取るくらいの気持ちでちょうどいいかもしれません。

いずれにしても、例えば半年間、何もしないでいたとしても、誰かから文句を言われたりしません。自由に、堂々と、独立して、自分だけの考え方で行動できる──これが個人投資家の強みです。

いつでも利益のチャンスがある、だからやり続ける……もしかしたら、バランスを壊すような“思い込み”かもしれないと想像してみようという提案です。

値動きの息づかい

トレードについて、ちょっと感覚的な説明をします。
いままでの経験などから、自由に感じ取ってください。

「株価だけを見る」という姿勢においては、株価という数字、自分の考え方、この2つだけに意識を集中させます。しかし、「株価変動を捉える自分の感覚」が中心になるので、株価を動かしている多数のマーケット参加者を無視するどころか、彼らの感性や感情をガッツリと考えているといえます。

株価指数の動きと、個別銘柄の動きを比較して考えてみてください。
株価指数は比較的、コンスタントに動きます。個別銘柄のほうが、激しく動く場面と動かない場面、そんな白黒がクッキリしていると思います。

個別銘柄は、下げた場面で投げが出て、次第に動きがなくなり、ある時点で動意づいたあとは徐々に注目度が上がって参加者が増加する、そして過熱していく……こういった変化が顕著だと思うのです。

「株価だけを見て出処進退を決める」うえで、ほかの参加者が何を考えているかなんて想像していたら、大混乱するでしょう。でも、自分自身にも感情があり、確固たる「相場観」も生まれます。間接的でしょうが、ほかの参加者の息づかいを感じ取っているはずなのです。

うねり取りは、こういった個人的な感覚を駆使し、自由に売買を展開する手法です。

自由ということは、「こうしなければならない」という縛りがない状態を指します。例えば、個人投資家Aと個人投資家Bが、どちらも「底を打った」と感じていたとします。どちらも、上げを見越して買うことになるでしょうが、具体的な行動まで同じとは限りません。Aは積極的に安値を拾い始め、Bは明確な上昇の兆しを待ってポジションゼロを維持するかもしれません。また別の個人投資家Cは、試し玉の千株だけ買っておくかもしれません。

この場合、どれが正解かという議論は生まれません。
どれも正解なのです。
正解・不正解を論じるとすれば、「自分の感性」「自分のやり方」に合致しているかどうかだけです。

ところが、個人的な感覚に頼る分、「ブレが生じやすい」という懸念もあります。
「自由」と表裏一体にある、うねり取りの弱みです。

それを消そうとした個人投資家Dは、試し玉としては反対方向のカラ売りを千株だけ実行して値動きを観察するかもしれません。おかしな行動のようですが、自分の相場観や行動に固執することなく、素直に値動きを受け止めようとする工夫です。

さて、自由なのはいいけど、自由すぎると迷います。
この問題を解決しようとするアプローチのひとつが、値動きをパターン化して対応を数式化しておこうとする方法、いわゆるシステムトレードです。

基準をもつことでカンタンになる

相場の悩みは尽きません。経験を積むほどに、悩みは無限に増加していきます。
でも日々、決断を迫られる中で「迷い」を生じさせたくないのです。

これを解決するのが、前項の終わりで示したシステムトレードです。

「この値動きパターンが出現したら上がる確率が高い。だから買う」という決め事を事前に用意しておき、その動きを確認したら、迷わずに出動するのです。もちろん、100%当たるわけではありませんから、ダメだったときに切ってしまうことを想定し、ダメだと判断する基準やタイミングも決めておくわけです。

「それは便利だ!」ということで多くの人が取り組みますが、新たな混乱が生まれます。数式(売買ルール)をつくり上げる際の発想そのものが、極めて個人的なものだからです。

適正な進め方をすれば、自分の感性だけを盛り込んだ売買ルールを、自由に構築していくことができます。とても心地よいはずです。そのかわり、ベクトルそのものが大きく間違ってしまう可能性もあることを、承知しておくことが重要です。

さて、自由度が制限されてしまいますが、既存の売買ルールを利用するのも、ひとつの選択肢です。感性に合いそうなものを選び、その売買ルールの中に“身を置いて”みるのです。

こういった方法のひとつとして、中源線建玉法の利用があります。
もちろん、中源線だって強みがあるとともに表裏一体の弱みがあるので、次回で詳しく説明しますが、ここまでの流れをまとめておきます。

情報に頼らず、株価と自分の感覚だけで売買を実行する道がある
そのほうが、個人投資家の強みを発揮できるのではないか
しかし、技術が求められるし、ブレが生じやすいことがマイナス面
では、機械的な売買ルールを利用すればいい ←いまココ

次回のフォローアップ(3)では、中源線の強みと弱みを考え、具体的な事例の中で確認していきます。お楽しみに!

 

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