プロが考える「値幅取り」
「値幅取り」は相場の醍醐味!
とはいえ、単に「値幅がほしい」と願うだけではカンタンに返り討ちに遭います。そもそも、「キモチいい~」というのが値幅取りを狙う理由ではありません。
未来がわからない相場の世界で、どのように値幅取りを求めるか。どんな方法で実現するか──ある意味、究極のテクニックです。
2018年5月7日のマーケット・スクランブルでは、プロが考える実践的な「値幅取り」を解説しました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第132回 株式投資の醍醐味~「大化け銘柄」をつかめ!)
【告知】林投資研究所が主催する中源線セミナーは、段階に応じて2種類あります。
実践コース【新設】
中源線のルールを理解している人が対象。
(ある程度の実践経験があることが望ましい)
実際の株価は見込み通りに動いてくれないことも……それを想定した戦略のはずが、感情はちがう反応をみせます。それだけでなく、実際に「戦略を見直すべきケースもある」のが現実です。
基本コースで学んだ「起こるであろう現実」を、さらに具体的に学ぶのが実践コースの内容です。
もう迷わない、独り歩きができる! これが実践コースのゴールです。
基本コース
中源線のルールをガッツリと理解するためのコースです。
(書籍『新版 中源線建玉法』が必要です)
ルールの判定ができるようになり、その背景にある考え方もバッチリ理解している!
これが、基本コースが終了した段階の状態です。
ここから、フォローアップブログの本編です。
「気持ちいい~~」からじゃないんです
値幅取りは、相場の醍醐味です。
実現すると、とても気持ちがいいのです。
しかし、私が「値幅を取れ」と主張している理由は、単に「気持ちがいい」からではありません。達成感があるのは当然ですが、達成感そのものが目的ではないのです。
「経費としての損失」を避けることができない以上、ある程度の値幅取りもないと、トータルの利益は伸びません。値幅取りは、一定のパフォーマンスを達成する意味で必要、その必要なものをゲットした満足感というのが、本当のところです。
いたずらに「値幅がほしい!」と考えるだけだと、売り場を逃したり、荒い動きの銘柄を手がけて苦労したりと、トレードが大きく狂う懸念が発生します。
「少し時間をかけてもいい、小さな波を無視して、利を伸ばすべくねばろう」
このように、ちゃんと考えがまとまっていないと、売買の途中で混乱してしまいます。期待と現実にギャップがあるので、無視すると決めた小さい波まで気にし始めて「いったん売っておけばよかったの?」と思ってみたり……結果論を持ち出して迷うのです。
ムチャをして値幅取りを目指すのではなく、冷静に「いけるだろう」と判断して取りにいくという上級テクニック、リスクを許容範囲に抑えながらの攻めだという点を、理解してください。

着実な利益とは
株式市場には不特定多数の投資家が集まり、「自分だけが儲かればいい」と考えて競争しています。だから、予測を「極めて高い確率で当てる」とか、「確実に利益を出す」方法はないのです。「確実」を期待するのは人間の心理ですが、あらためて考えて「それはないよね」とオトナの認識をもつことが大切です。
負けを小さく抑えながら、勝てるときに勝つ。手法にもよりますが、1カ月、半年、1年といった一定期間でプラスになるように頑張ります。私たちが目指すのは百戦百勝ではなく、その一定期間のトータルがプラスになる、つまり「着実に勝つ」ことです。
そのためには、勝てるときに勝つ、取れるときに取る、値幅が発生しそうなら可能な限り取るよう努めます。この部分も、「着実な利益」という言葉で私は表現したいと考えています。
2017年の株式市場について、平均株価などを使った各種の統計値から「市場全体がおとなしかった」と評する向きもありますが、個別銘柄で大きく上伸したものは多かったと思います。
それら個別銘柄の伸びを、どこまでつかまえることができたかを考えます。
どの銘柄が伸びるかを当てるのが難しいし、どれが早いかを推測するのも困難で、当たったとしても、動き出すまでの時間(日柄)が想定以上に長いケースがあります。
とはいえ、安値で静かな推移のときに仕込むのは、それほど難しくありません。丁寧かつ慎重に進めば、けっこう有利な価格で拾うことは十分に可能です。
では、買った銘柄が目論見通りに上がったあとは、どうでしょうか?
3割の上昇で終わるのか、2倍になるのか、3倍、4倍と伸びていくのか──人気が集まる動きには限界がないので、想定することそのものが難しいのです。
だからといって、大きな上昇を狙わない手はありません。例えば、安値で仕込んだ銘柄が5倍になった場合、2倍で売ってしまったら取り損ないが大きいと反省すべきではないか、といった議論があるのは当然です。
500円の株が、5倍の2,500円になった……動いた2,000円幅を丸々取るなんて、いくらなんでもムチャなイメージです。でも、せめて3倍の1,500円までねばることはできなかったのか、くらいのことは考えてもいいでしょう。
少なくとも、500円で買ったあと、初動でさっさと売って100円幅取れたなんて結果は、「短期で2割」なので十分な成功と呼べるものの、「もう少し取れなかったのだろうか……」と考えてしまいます。
基本を守り、過度のリスクを取らずに淡々とトレードを続けながらも、値幅取りのチャンスをものにする試みは必要だと思うのです。

野球で、大きなヒットを打った打者が、「とにかく手堅く」と一塁で止まってしまったら、得点のチャンスを減らしてしまいます。ムチャな走塁をしてアウトになったら元も子もないのですが、「二塁まで走れる」可能性を必ずチェックしますし、「いける」と判断したら三塁まで走ります。
トレードで、小さい利益を重ねながら、どこかで大きくヤラレてしまう、いわゆる「コツコツ、ドカーン」(利益コツコツ+損ドカーン」のパターンは、意外と多いのです。リスクを取って株式投資を行うのですから、リスクに見合った利益を期待すべきです。
それが、「安全管理を行ったうえでの“着実な利益”」です。

取れるときに取る!
中源線における予測法の部分は、「トレンドの発生を、少し遅れて検知する」と説明することができます。
安値から少し立ち上がった段階で「上げトレンド開始かな。買いだ」と判断し、高値から少し下げかけた時点で「下げトレンドだ。売りだ」と判断するのが、中源線のロジック(強弱判定の方法)です。
その結果、中途半端な往来では往復ビンタを食らいかねません。
連敗も、ごくふつうに起こることです。
そのかわり、大きなトレンドが発生したときに逃しません。
上げかけたところで買い始めますが、上がっているうちは陰転せず、買いポジションを維持することになるので、アタマとシッポは取れないものの「中身は丸取り」するのです。
その結果、「利益コツコツ+損ドカーン」ではなく、「利益コツコツ、損チョロチョロ+時たまドンと利益」くらいのトレードを期待できます。
そんな状況が現れたケースを、実際の中源線チャートで確認してみましょう。
※赤が買い線で買いポジションを3分割で増減、黒が売り線で売りポジション(カラ売り)を3分割で増減させていきます。
7513コジマは、取れた場面(○)だけでなく、ギリギリ利益だった場面(△)や、ダマシで損した場面(×)が混在しています。このように苦労が続くのも、相場の現実です。よくあることです。
でも、最後の上げは急激、「続けていてよかった!」と感じられる動きです。
“女性とポジションは丁寧に扱え!”
最後の「ドンと利益」をものにするために、「利益コツコツ+損ドカーン」にならないために、丁寧に、淡々とトレードを続けることが大切なのです。

あら再陰転
見込み違いの損を小さく抑える(かつ時間をかけない)、そして、取れるときに取る──これを実現するには、前項で述べたように「丁寧に、淡々と」トレードすることです。でも、モタモタせず「機敏に行動」すべき場面もあります。
7205日野自動車は、上のチャートに示した期間、上げも下げも、中源線がほぼ上手に捉えています。でも、この期間の最後にダマシが発生しています。
赤い矢印の部分で、中源線が「買いだ」と判断して陽転したのですが、そのあとの黒い矢印で陰転しています。
弱い動きになったので「陰転」というのは当然ですが、この場合は、中源線における通常の陰陽転換ではなく、「再転換」というルールが適用されています。
買いと判断しても、中源線の売買は3分割なので、予定数量の3分の1しか買いません。現実を考えて「まずは3分の1」だけポジションを取り、残りの3分の2は状況に応じて3分の1ずつ出動させます(増し玉)。この3分割が、中源線のミソです。
その増し玉を行う前に逆行して一定の条件がそろったら、「再転換」と判断します。つまり、「以前のトレンドが続いていたようだ」という判定です。
再転換の場合、「まずは3分の1」ではなく、いきなり2倍の「3分の2」のポジションを取ります。タイミングが異なるだけで、最後は予定数量の満玉(3分の3)まで増やすのは同じですが、「再転換は3分の2」というメリハリのつけ方が、実践する人間にとって納得できる部分です。
全体的には丁寧に、常に淡々と売買しながらも、状況に応じて少し変則的な対応を行う部分が心地よいのです。
ちなみに、「再転換が起きたら大きく動く」というのが、中源線実践者の認識、そして期待です。

オレの銘柄
4月の放送でも紹介した5911横河ブリッジは、私自身が中源線で売買している銘柄です。数量の少ない実験売買ですが、それでも「丁寧かつ淡々」は必須なので、6銘柄のバスケット運用に組み込んだ1つです。下に、現時点でのチャートを示します(5月放送の前日、5月2日終値まで)。
この企業は増収増益を続け、配当額も以前の数倍あります。そんな変化を評価して順調な値上がりを続けてきたと考えて差し支えなさそうですが、「この先さらに伸びるの?」という疑問もあります。つまり、「業績の伸びで株価水準が変わったと説明できるが、それならば現在は天井圏で、今後は下げに分があるのではないか」といった捉え方です。
でも、相場は相場、何が起こるかはわかりません。
業績が現在の水準にとどまりながら、さらに大きな上昇をみせるかもしれないのです。
そもそも、中源線は「終値を結んだ日足折れ線チャートでパターン分析し、数カ月のトレンドを予測、3分割の売買で淡々と進んでいく手法です。業績は見ません。強いていうならば、業績は、「プラスにもマイナスにも大きな変化がないくらいがいい」というところです。
現時点では中源線が「買い」なので(赤い矢印の部分で陽転した)、2月の陰転で建てた売りポジションを手仕舞いして、買いポジションを持っています。「大局が下げに転じたあとは、売りで大きく取れるかもしれない」という期待はありますが、それをムリに中源線に持ち込むことはしないのです。
これも、「丁寧かつ淡々」とした姿勢です。
こうした地味な土台こそ、実現すると気持ちいい「値幅取り」が乗る場所だと思うのです。

これで、5月7日放送のフォローアップは終了です。
次の放送は6月4日(月)夜8時から、頭脳明晰な人を相場の落とし穴に誘い込む最大の錯覚に迫る予定です。
お楽しみに!
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