新刊の内容公開(7)「実践の段階」ほか

現在「予約受付中」の新刊です。

とてもかるいノリのタイトルですが、中身は地味で丁寧、林投資研究所が30年以上も続けている低位株投資の手法「FAI投資法」の教科書として、実践的な説明を全力で盛り込みました。

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本日は4章「実績」から、選定後に大化けした東海カーボン(5301)の解説をお届けします。
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選定時のチャートと解説

(2015年5月 349円で買い選定)

非常に振幅が大きく、極端に“荒い”と感じてしまうほどです。

高値は、2007年10月の1,485円です。実際の売買は難しいのかもしれませんが、やってみないとわかりませんし、値幅が大きくコンスタントに動く点は魅力的です。

高値から一気に下げ、Aで安値圏に到達しています。約3年半後のBは、Aの安値をカンタンに下回っていますが、下げ止まった時点で「価格の整理が進んだ」と認識できます。ルール通りの6連続陰線ではありませんが、同じように見るわけです。

連続陰線というのは、なんとも暗いイメージを抱かせます。しかしその評価は、「買いポジションを持っている」場合に限られ、なんとなく買ったまま上がってほしいと“願っている状態”が前提です。

ルールの6連続陰線は「整理が進んだので今後が楽しみ」という前向きな見方で、上昇してもいないのに「強い」と表現するのが、実践者としての正しい感覚なのです。

Bの約2年後のCでは、短期間ですが、さすがに小動きになっています。全体としては、「落差が大きい割には日柄不足」との意見もありそうですが、Dの上げを上昇の兆しとみて買い選定しました。

実際の選定作業においては、ファンダメンタルが安定していることや、同業の日本カーボンが大きく上伸したことも後押し材料でしたが、Eのような傾向線を上に抜けたので上昇の第一歩、という見方で買い選定したわけです。

選定後のチャートと解説

(2017年7月19日 倍化達成)

「兆しが出た」と判断して買い銘柄に選定しましたが、実際に上げ始めるまでには約1年半もかかりました。これが、低位株投資の難しい部分です。

だから、投資の効率を高め、かつ、過度の精神的な負担を軽減するために、株数に差をつけない多銘柄への分散を積極的に行うのです。

選定後、スッと上に抜けてきたように思えました(1)。しかし、直後に連続陰線でガクンと下げました(2)。再び上昇しても保合の中で、また連続陰線をみせます(3)。

このように、結局は大局的な底練りが続く中、崩れるようにして、再び200円台前半を見にいきました。4の安値は236円、2012年の安値231円(前ページB)とわずか5円差です。「チャートのタテ軸だけで見ない」という原則があるものの、実際に下げているのだから「ダメだなぁ」と感じる以外にありません。こうして、2、3、4と下値を切り下げていったのですが、結果的には最後の整理としての下げで、4の安値が大きな2番底となったのです。

あとから見れば、「落差が大きい割には日柄不足」という懸念が当たっていたわけですが、のんびりしている間に上がってしまい、絶好の買い場を逃すケースだってあるのです。

さて、5で様変わりして大きな上昇へと向かったのですが、月足で押したのは短期間だったので、決断して乗ることができたか、どこまでねばることができたか、というほど見事な上げっぷりです。

 

(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』4章「実績」より)

林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版

  • 序章 概要
    過半数を億トレーダーに導いた化け物
  • 1章 基本
    月足観測をもとにした現物投資の王道
  • 2章 規定
    実践者の感覚を重視した29のルール
  • 3章 実践
    初心者でもマネできるバスケット投資術
  • 4章 実績
    低位株選別投資の実力を徹底検証

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月足を見よう

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。

フィギュアスケート羽生結弦選手のモノマネをする芸人「羽生ゆずれない」氏は、U-18日本代表の主将を務めた元アイスホッケー選手ですが、フィギュアスケートの靴で演技をするとなると全くの異分野……ジャンプの練習中だそうです。

株のチャートというと、最も人気なのが日足です。
それも、4本値を用いた「ローソク足」。

「日足=ローソク足」という通念があるほどです。

細かい部分を見ながら、つい“秘密のサイン”を探したくなるので、素直に流れを見るなら「終値の折れ線チャート」がいいと提案しています。

別の観点で、もうひとつオススメのチャートは、同じローソク足でも「月足」です。

日々のニュースや市況解説で「今日は」「明日は」と短期的な変化に注目しがちですが、実際にポジションを持っている期間はずっと長い。

株価の基本サイクルも、想像以上に長いのです。

新刊で解説している低位株投資の手法「FAI投資法」では、月足チャートで大きな流れを確認します。

「4~5年かけて大きく下げた」銘柄を対象に、「2~3年の底練り」を経て、さらに数年上げていく銘柄を探すのです。

その結果、「押し目を買う」ことに徹すればいいという、シンプルでラクな姿勢をつくることができるのです。

真剣に取り組むほど、つい近視眼的になってドツボにはまります。
不要かつ無責任な“予測情報”に惑わされることになりかねません。

株価の本来のサイクルが見える「月足」の見方に、ぜひ触れてみてください。

でも、どうやって見るの?
まずは、私が書いた解説をご覧ください。
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「あえて解説 底型・天井型111例」
(研究所WEBサイト、閲覧無料)

『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』

事前予約(送料無料・6月15日に優先発送)は明日、6月14日で締め切ります。

(6月15日、書店よりも約2週間早く発送予定です)

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Amazonはこちらをクリック! (配本は6月下旬の予定です)

理想論は必要

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今日読んで、明日から儲かる・・・ちょっと虫がよすぎませんか?

効率を求めるのが、資本主義の原則です。
わざわざ効率のわるいやり方をする人はいません。

株式市場は、いわば“カネがカネを生む”世界。
モノを扱う仕事よりは効率がいいはずですが、やはり限度というものがあります。

とはいえ、「スパッと当ててパシッと儲かる」流れ、つまり“理想のカタチ”をイメージすることは必要です。

実現し得る素晴らしい売買、
理想型、
現実味のある妄想……

成功パターンを、「モデル」として決めておくのです。
基準として頭に入れておく「典型」です。
再現性が低いので本当は「例外」ですが、そういった基準がないと、目の前の値動きでブレてしまいます。

新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』は、基準となる「理想モデル」を並べただけのものではありません。

現実を考えた「実践モデル」にもキッチリと言及しています。

(6月15日、書店よりも約2週間早く発送予定です)

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新刊の内容公開(6)「実践の段階」ほか

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本日は3章から抜粋した内容、「相場の確率」ほかを公開します。
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実践の段階

FAIの銘柄選びと相場の道具の目的は、これまでに述べた通りだ。次は、実践の具体的順序を示そう。

◎段階1 買い銘柄の場帳をつけ、実際に少しだけ売買を行う
◎段階2 買い銘柄の月足をそろえる
◎段階3 注意銘柄の月足をそろえる

「安値を拾う」だけで利益を上げられるのがFAI投資法の前提だから、極端にいえば場帳だけで実践は可能である。

とにかく、実際に売買することで、FAI投資法が実感できる。

そして、注意銘柄、買い銘柄の月足を見比べ、慣れることで、次の段階への準備ができる。

◎段階4 ほかの銘柄の月足をそろえる

「そろえる」といっても、少しずつでよく、毎月の描き足しが重荷にならない範囲でよい。

多くの銘柄の月足を見ることで、FAI銘柄の選定基準をより深く理解できるようになる。

とくに低位株の底型、底から上昇トレンドへの転換が重要なので、『底型・天井型111例』(林投資研究所発行)を活用するなどして、多くの底型を見ることが有効である。

◎段階5 データスリップを使う

FAI投資法という売買法を、実際に売買して理解したうえではじめて、データスリップを併用した「銘柄選び」の目を養う段階に至る。安易にファンダメンタル情報を用いると、断片的・断面的な判断になるので注意が必要だ。

1期だけを見て「業績が伸びた」「買いだ」なんていう、安っぽい行動を真っ向から否定するのが、FAIのような“完成された手法”で投資を行う者の姿勢なのだ。

実際に売買する銘柄をどう選ぶか

買い選定した銘柄に優劣をつけることはできないが、同時に保有する銘柄数の上限は24だから、何らかの基準で銘柄を選別しなければならない。売買実践のための、個人的な銘柄選びだ。

場帳を見ながらタイミングを計れば、保有する期間にズレが出る。意識しなくても、慣れてくれば「自然な好み」が生まれる。

あまり考えずに、少しずつやっているうちに、自分の売買の型ができる。「当てよう」「優劣をつけよう」「早く上がる銘柄を逃がしたくない」と不自然な意識をつくらないことが大切だ。

「早い銘柄を選ぶ」のは正しいが、慣れないうちに躍起になれば、必ず空回りする。学ぶ姿勢が崩れてしまうことに注意したい。

練習売買

どんな売買法でもそうだが、売買を実行して理解し、自分の型をつくっていく作業が必要である。最初は稼働資金を少なくし、練習をすることである。

例えば、売買資金を1,000万円用意した場合、400円の銘柄を1,000株ずつ20銘柄保有して稼働率80%という計算が立つが、練習の段階ではグッと抑えなければいけない。慣れないうちに目いっぱい動かすと、必ず混乱するからだ。日常、私のところに質問を寄せる人のほとんどが、いきなり多額の資金を動かして失敗しているパターンだ。

「練習」がイヤなら、「お試し」「実験」などど言い換えればよい。新しいことを学ぶ段階を考え、少量の売買から始めるのである。

500万円の資金を証券会社に預けて、500円の株を100株ずつ20銘柄程度なら、資金の2割程度を稼働させるだけだ。割りきった設定の中、利益率や資金効率などを意識せず、素直な気持ちで場帳を見て売買するのが練習の狙いなのだ。

(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』3章「実践」より)

林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版

  • 序章 概要
    過半数を億トレーダーに導いた化け物
  • 1章 基本
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  • 2章 規定
    実践者の感覚を重視した29のルール
  • 3章 実践
    初心者でもマネできるバスケット投資術
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新刊の内容公開(5)「3段下げ」「底」

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本日は、第1章から抜粋した内容、「相場の確率」ほかを公開します。
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3段下げ

ルール1 4~5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う

株価は、5年から10年で長期の上げ下げをみせる。その長期トレンドの安値圏にいて、かつ上昇直前あるいは上昇が始まりそうな銘柄がFAIの対象である。だから、まずは下げきっていることが条件だ。

株価は、天井から1段目の下げ→保合→2段目の下げ→保合→3段目の下げ→底練り(安値での保合)と推移する。では、何をもって1段とするのか。過去の動きを見て「これが1段、これで2段、ここで3段下げ……ほら底練りをみせて上昇する」なんて解説は誰にでもできる。あとからではなく、途中で「いま、どこにいるのか」を判断するために、酒田新値(日足による数え方)を月足に適用してみる。

陰線で下げてきて、新安値をつけて戻り、陽線で新高値を2回つけた状態、つまり、「逆行新値2本」が出現したら1段とみなす。

こう定義すれば、すっきりするが、単なるしゃくし定規の数え方なんて、現実には通用しない。

「3段」とは、数字の「3」ではなく、便宜的に数字を入れた慣用句のようなもので、十分な日柄(年数)をかけて大きく下げた、いわゆる「十分に下げた」「下げきった」ことと捉えてほしい。

以降、淡々と「型」「形」で説明していくが、すべては基本イメージ、モデルとして定義したものだ。そういった典型こそピッタリの事例が少ない例外なのが現実だが、それが“標準”というものであろう。

ルール2 底練りの中の2番底形成を待つ
ルール3 下に来ての6連続陰線に注意。W型の底、または小さくとも毛抜きの出るのを待つ

3段下げで「下げきったと思われる」だけでは不十分、きちんと底打ちを確認するには、月足で安値の型を見る必要がある。「天井も底も2回ずつ」という相場格言がある。「2番天井」「2番底」を見て、相場のトレンドが完全に行き詰まったことを確認するわけである。

安値をつけたあと、いったん戻し、再度下げて1番目の安値近辺で止まったところが2番底である。1番底に向かう下げトレンド、戻り、下げ、2番底後の上昇、の4つの上げ下げがアルファベットの「W」の形になるわけだ。

このW型を形成する期間は、まちまちである。1年以内のときもあれば、4~5年かかるものまである。

しかし、1番底の翌々月に2番底というように、ごく短期間のうちに2番底をつけることもある。このときは、短期間なので1番底と2番底がほぼ同値(せいぜい1円ちがい)でなくてはならない(月足の実体ではなく、ヒゲの安値で見る)。2番底のほうが上値にあれば、それはまだ「1番底のあとの戻り」の状態だし、2番底のほうが下値にあれば「あらたな下げトレンド」あるいは「下げトレンドが続いている」ことになり、2番底とはいえないからである。

このような短期間で2番底を形成する形を「毛抜き」という。

また、6カ月連続の陰線で下げが続くということは、急速に人気が冷えたことを意味する。

しかし、一時的な人気の冷え込みで、ファンダメンタルの要素がよければ(純資産の増加、人員整理、経常利益の大幅増加)、下げた反動で大きく上がることになるわけだ。

もちろん、それ以前からの長期の流れ、つまり大局的な値動きが問題であるが、例えば3段下げのあとW型の底を形成しているときの6連続陰線となれば、絶好の買いチャンスとなり得る。

(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』1章「基本」より)

林 知之 著
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    初心者でもマネできるバスケット投資術
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6月4日放送のフォローアップ(1)
林 知之

神の領域

トレードは頭のゲーム──とはいえ、論理性や合理性だけでなく、自由闊達(かったつ)な創造性や感情を併せもつのが人間……しかも、株価は理屈通りに動いてくれません。

だから、思わぬ落とし穴にはまらないために、「やってみないとわからない」ことを確認する作業は欠かせないのです。

2018年6月4日のマーケット・スクランブルでは、地味なテーマながら、「売買の練習」が必要な理由、そして、その方法について解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第134回 うねり取りはカンタンじゃない!? ~中源線を使った実践売買のポイント

トレードの予測について考えてみよう

多くの人が「上がる」とか「下がる」とか、いろいろと言いますが、感心するほど当たっている人はいるのでしょうか? 「この銘柄、くるよ」なんて言ったあと1、2カ月で暴騰すれば、間違いなく大当たり。そんな個々の見通しについては「お見事!」といえるものにちょくちょくと出会いますが、半年、1年と予測が当たり続けることはありません。

株価変動は、市場に参加する投資家の売り買いで決まるという構造によって、「当たり続ける人はいない」ということは明白。

期待があるから、「当たり続けている人がいる」ような気がする、「ラクに儲かる情報がある」ような気がするのです。キケンな錯覚です。

私たちが提唱する「相場技術論」は、このキケンな錯覚に絶対に近づかない方法です。

「技術論」なんて表現を使うと、なにか小難しいイメージですが、要するに・・・

・予測に期待するのはキケン
・対応力を主としよう

ということです。

トレードは、宝さがしのようなものです。
それらしき地図(チャート)はあるのですが、これから進む道は描かれていません。ポジションを取った結果は、期待通りだったり、期待外れだったり……立ち止まって「さて、どうするか」と自分で答えを出すしかないのです。

別に「宝さがし」なんて特別な例えを出すまでもなく、ふだんの生活で道に迷ったときと同じですよね。

じゃあ、「予測」ってなに?
答えは、「行動のキッカケ」です。

「上がる」と予測するから、買い出動することができます。
でも、しばらくすると、「読み通りだねえ」と思うこともある一方、「なんかちがうかなぁ……」と残念な展開になることもあります。あらためて次の予測を立て、その先の行動を決めるわけです。

予測は行動のキッカケ、その予測は「対応する」というオトナの意識によって変化していくのです。

練習は単一銘柄

今回の放送では、「練習してください」と繰り返し言いました。
「やらなきゃわからない」ことがあるからです。

例えば、避難訓練。
災害など起こっていない状況で、避難経路を確認しながらのんびり歩きます。緊張感はゼロです。でも、その体験が、いざというときに役立ちます。実際に避難経路をたどった経験によって、いざというときでも「そうだ、この先を右に曲がるんだ」なんて落ち着いて考えることができるようになります。慌てふためいて逆に進むといった、マズい状況になりにくいわけです。

番組で大橋さんも、次のようにコメントしました。
「避難訓練は、みんなタラタラとやっているだけのようで、実際に参加してみることに意味がある」と。

では、「避難訓練」に相当するトレードの練習とは?
私がオススメするのは、数量を抑えた「単一銘柄」の売買です。

「どの銘柄がいいの?」というアイデアが、前項で述べたキケンな錯覚に直結します。だから、銘柄探しの発想をゼロにするために、単一銘柄の売買が有効なのです。

銘柄がひとつしかない──この状況だと、「どんな動きを狙うか」「どのように決着をつけて利益を確保するか」という現実のことに目が向きます。それを考えるしかない状況に、自分の身を置くということです。

泳ぎ方を本で勉強して、いきなり海に飛び込む人はいません。
新しい料理を考え、試作もなしにメニューに載せるシェフはいません。
どんな分野でも、どんなレベルでも、練習は不可欠です。

トレードにも練習が必要、練習する方法がある、ということを忘れないでください。

「値動きモデル」と「実践モデル」

予測は行動のキッカケ、と述べました。
その時点での予測は、その時点で“理想と考える展開”です。

こうなってほしいよね、こうなるはずなんだよ──。
このように確信できる「値動きモデル」です。

ところが、その予測そのものが期待通りには当たらないし、当たったとしても、上手に利益確保の手仕舞いができるかどうかが問題です。ましてや、予測が曲がったときは、どこで負けを認め、どのタイミングで損切り撤退するかという大きな問題に直面します。

この段階で必要なのは「実践モデル」、つまり「生身の人間が確実に実行できることはなに?」という理論です。

この理論を固める、実際にからだが動くようにする、その自信をつける……そのためには「練習」が必要です。「やらなきゃわからない」ことがあるのです。

銘柄情報を追いかけて錯覚が生じると、こういう当たり前の組み立て方ができなくなります。仕事でも趣味でも、ちゃんとした向き合い方ができるのに、大切なカネを扱うトレードでグダグダになったらいけません。

さて、中源線の実際のチャートを見ながら、現実の対応を考えてみましょう。

赤が買い線で買いポジションを3分割で増減、黒が売り線で売りポジション(カラ売り)を3分割で増減させていきます。

7513コジマは、直近の上げを中源線がうまく捉えています()。
しかし、高値でおじぎしたところで陰転(ポジションはドテン売り)、「ここから暴落か」と期待したところ、陰線のまま切り返して高値を取っています()。

今回の上げのスタートでは、中源線らしく機敏に反応したのですが、高値波乱ではちょっとズレが生じているのでしょう。きちんと対応するには「値動きモデル」という判断基準が必要ですが、その基準とズレが生じることだってあります。仕方がないことです。

コジマの今後の展開について、いくつかのパターンを思い浮かべることができます。

  1. 陰線のまま、結局は下げに向かう
    「売ったままでよかった~」
  2. 高値で陽転して売り玉は損切り、でも上げで利益が生まれる
    「よし、取り返したぞ」」
  3. 高値で陽転し、それもダマシ……再び陰転する
    「往復ビンタかよ~」

トレードはミスの連続です。
ミスしたときのケガを大きくしない──これが、「実践モデル」の核です。

私たち投資家は、神のように先行きを言い当てようとすべきなのでしょうか?
否! 単なる人間であり、「カネがほしい」と欲をもつ俗っぽい存在でありながら、現実を熟知して上手に対応できるプレーヤーを目指すべきです。

単一銘柄売買がもたらすもの

多くの個人投資家は、「自分は知識が足りないシロートだ」という認識を少なからずもっています。すると、投資信託などの金融商品を販売する人が単なる“売り子”であっても、「金融機関にいるのだからプロだ」「自分に有益な情報をくれるのだろう」と、期待を込めた勘違いをしてしまいます。

行動心理学では「権威づけ効果」と呼びます。
根拠なしに信じてしまう、無防備に受け入れてしまうのです。

たしかに、金融のことを考える時間は、単なるセールスマンでも、一般の個人投資家とは比べものにならないほどあるでしょう。知識だって、それなりに豊富です。
でも、あなたのことを完ぺきに理解して素晴らしいアドバイスをくれるとは限りません。そもそも相場の先行きは……だれにもわからないのです。ここがポイント!

「推奨銘柄」情報を安易に手に入れてはいけない理由が、ここにあるのです。

さて、先行きがわからない状態でも、確固たる予測を立てて行動を取る、その結果がどうであれ適切に対応する──私たちプレーヤーに求められることのすべてです。

つまり、あやふやな気持ちで行動してはいけないのです。
「どうかなぁ・・・」と感じながらポジションを取るのは、禁じ手なのです。

「わからない」「だから、やらない」という選択肢が重要です。
手を出さなかった結果、「なんだよ、買っていれば大儲けだった」なんて、タラレバを言ってはいけません。

やってみたら儲かった、やってみたら損した、見送って損を未然に防いだ、見送ったら儲けそこなった……確固たる意思があれば、4つのパターンすべてが「正解」なのです。出動(仕掛け)から撤退(手仕舞い)までを、自分でコントロールできているかどうかがカギです。

7532ドンキホーテは、チャート中央に見える大きな上げを、中源線が見事に捉えました()。しかし、()の陰転以降は、たしかに下げトレンドですが中途半端で、ときどき陽転するという実にイヤな展開です。

なかなかできないことですが、「こういうときに休みを入れられたらいいなあ(その結果、取り損なっても仕方がない)」という発想があれば、ヘンな錯覚が生じない冷静な思考を維持することができます。

また、中源線のように、ルールをちゃんと公開している手法ならば、「なぜ勝ったか」「なぜ負けたか」が明確なので、冷静な思考の先に進歩があります。

このように考えていけば、私が提唱する「練習」の意味や効果も、納得してもらえると思います。

次回のフォローアップ(2)では、どうしても言いたくなるタラレバについて、実は“許されるタラレバがある”という話をします。お楽しみに!


東証1部24銘柄で
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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

新刊の内容公開(4)「相場の確率」ほか

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本日は、第1章から抜粋した内容、「相場の確率」ほかを公開します。
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相場の確率

「予測は当たらないということが前提」と述べた。すると、「FAIクラブが選定した銘柄のほとんどが目標の2倍以上になった」ことに当然、疑問が生じるであろう。このことについて説明する。

「将来の株価を予測することが困難」である以上、予測を単なる行動のきっかけとして、ポジションおよび資金の管理と、それを行う司令塔である自らの精神のコントロールが相場の決め手となる。

だから、一般にいわれるような確率(勝率)は問題ではない。

もちろん、予測の確率が高いほうがいいに決まっているが、そこに注力すれば相場の現実を無視した机上の空論となり、実用に耐えない理論しか生まれないのである。
ところが、狭い範囲に絞って徹底したうえで、現実的なことをきちんと考えていくと、結果として確率が上がるのだ。

FAIクラブがバブル崩壊の暴落を回避したのも、倒産銘柄を避けて効率よく低位株を選定できたのも、そうした正しいアプローチを守り続けたからだ。

いくら特別な状況だったとはいえ、FAIクラブはバブル崩壊後の12年間を休むことが実行できたのだ。ちまたに見られる「いま、どの銘柄を買って保有するのがいちばん有利か。それを当てよう」というものとは全くちがう。

どんな投資法でも同じだが、一貫性があって徹底していることで、他者と差をつけることが可能になるのである。

最高で24銘柄

FAI投資法は、銘柄を分散する投資法である。最初に、資金に合わせた銘柄数と株数を計画しておく必要がある。

29項目のルール(本則)には入れていないが、銘柄数は最高で24銘柄としている。ひとりで管理する限界が24銘柄ということである。もちろん、24銘柄といっても、決して「いつも24銘柄持つ」ということではない。また、「対象銘柄を24銘柄に固定する」ことでもない。

場帳でうねりを見て個々の銘柄を売買しながら、「同時に保有する最高銘柄数が24」という意味である。

FAIクラブでは、まずは候補銘柄を見つけて「注意銘柄」とする。その注意銘柄をウォッチしながら、「そろそろ買ってもいいのでは」と思われるものを「買い銘柄」に昇格させる。

買い銘柄=売買の対象だから、すべての買い銘柄について場帳をつけるのが原則だが、保有は24銘柄を限度とするわけである(選定銘柄は林投資研究所発行の『研究部会報』に掲載している)。

人にもよるが、現実には20銘柄以内がやりやすいようだ。ただし、3銘柄とか5銘柄に限定するのはおすすめしない。いいかげんに選定しているわけではなく、すべての銘柄を真剣勝負で選定しているのだが、現実の売買では分散して売買したほうが明らかにやりやすい。

FAIクラブで選定している銘柄は、

  1. 下げきって
  2. 買い安心

なのであるが、低位に甘んじている銘柄だけに、人気がつくまで時間がかかることがあり、それを当てようとすることにムリがあるからだ。

(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』1章「基本」より)

林 知之 著
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    初心者でもマネできるバスケット投資術
  • 4章 実績
    低位株選別投資の実力を徹底検証

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林輝太郎「戦後の60年」単行本WEB公開、第2回

相場師たちのホンネを引き出した、珠玉のインタビュー集
『億トレIII』~プロ投資家のアタマの中~

本文をそのままWEB公開中。

連載第2回は、林輝太郎がヤミ屋のかたわら、米兵になりすましてPXに潜入したエピソードなど。内容は→「幻冬舎ゴールドオンライン」WEBページにて!

この本には、林輝太郎のほか、若林栄四氏、夕凪氏、ついてる仙人氏、山田良政氏、照沼佳夫氏、秋山知哉氏、高山剛氏、平田和生氏、新井乃武喜氏(プロギャンブラーのぶき)のインタビューが収録されています。

新刊の内容を公開(3)

現在「予約受付中」の新刊です。

とてもかるいノリのタイトルですが、中身は地味で丁寧、林投資研究所が30年以上も続けている低位株投資の手法「FAI投資法」の教科書として、実践的な説明を全力で盛り込みました。

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本日は、第1章から抜粋した内容を、このブログで公開します。
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低位株投資の有利さ

FAI投資法は「低位株」から大きく上伸する銘柄を発掘し、じっくりと上昇を狙う売買法である。

低位株とは、もともと価格帯でいうと400円よりも下にある銘柄であり()、上昇するときのパフォーマンスが非常によい。しかし、それなりの理由(悪材料、不人気材料)があって低位に甘んじているわけで、やみくもに投資すれば、長期にわたる安値低迷の不安、最悪は倒産の恐怖まである。

対象銘柄は、世間で注目されていない地味な銘柄である(だから低位にいる)。これら数多くの銘柄について資料を用意するのはかなりの労力で、低位株投資を根気よく続けるのはやさしいことではない。

しかし、低位株投資には数々の欠点を上回る魅力がある。前述した「投資効率(パフォーマンス)のよさ」と「下値不安が少ない」ことである。低位株は“下げきった”銘柄であり、株価は会社の実質的価値(解散価値)に近い。ソニーやトヨタなど日本を代表する優良銘柄とちがって大衆の人気がついていないのである。それだけに、ひとたび上昇に向かうと、大きく上がっていくのだ。

実際、FAIクラブ発足以来、選んだ銘柄はほぼ、選定時の2倍という目標を達成している。倒産銘柄を選定することもなかった。

発足後すぐにバブルの時期を迎えたことは幸運だったが、バブル真っ盛りの88年に買い銘柄の選定をストップし、90年からの下げを見事に予見したことで、銘柄選定ノウハウの確かさを証明した。

※低位株の基準の変更について
上場株の売買数量が100株に統一される中、多くの企業が株式併合を行って価格帯が大幅に上昇したため、FAIクラブの基準を変更した。
(詳しくは、148ページ「20.低位株の新基準」を参照)

月足チャートの重要性

次の章で詳しく解説する29項目のルールは、完全に数式化されたものではない。したがって、ルールを理解し、かつFAI投資法に慣れた複数の投資家が議論することが、独善的でない銘柄選びに欠かせない作業となる。FAIクラブのミーティング(銘柄選定委員会)は毎月開催しているが、過去に選んだ銘柄が独善性を排除した客観的なものであることを証明している。

「下げきっていて、大きく上昇しそうな銘柄」を探して選ぶ。このためには、長期の月足の型(姿)を重要視する。

月足の姿を見るには慣れが必要だ。FAIクラブでは、東証一部に上場する企業から銀行・ガス・電力を除いた全銘柄を対象とするが、実際に低位にあるものは、おおよそ3分の1である()。

月足チャートを整備して毎月描き足す労力はバカにならない。

こういった地味な作業の積み重ねがチャートへの慣れにつながり、実践に不可欠な“変動感覚”を養うことになる。いわゆる「下げきった」とか「下げ止まった」感じを、からだで覚えていくわけだ。

※対象銘柄
バブルの天井近くでは、「1,000円未満の銘柄が消える」といわれていた。実際、ほんとうにそうなりそうだと感じるほどの大相場であった。このような数十年に一度の上昇相場は例外であり、通常は下落していく銘柄と上昇していく銘柄がほぼ同じ数で、FAIの対象とする低位株は市場の3分の1を維持すると考えられる。

(新刊『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』1章「基本」より)

林 知之 著
A5判並製/208ページ
1,600円+税(1,728円)
発行:マイルストーンズ/発売:丸善出版

  • 序章 概要
    過半数を億トレーダーに導いた化け物
  • 1章 基本
    月足観測をもとにした現物投資の王道
  • 2章 規定
    実践者の感覚を重視した29のルール
  • 3章 実践
    初心者でもマネできるバスケット投資術
  • 4章 実績
    低位株選別投資の実力を徹底検証