チャートのヨコ軸を見る「プロの目」
2018年12月下旬の安値以降、株価指数主導の色彩が強いとはいえ、多くの懸念を払拭するように株価は戻っています。
「まだ上がるのか?」「乗り遅れたかも……」
値動きを追う投資家である以上、当然のように“株価水準”に目を向けますが、ちょっと待った!
こんな時だからこそ、目の前の状況を見て予測を立てるうえで、株価観測のあり方を再確認したいのです。
2019年3月の「マーケット・スクランブル」では、暴落後の“日柄整理”という観点を取り上げて、チャートの基本的な見方を考えました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第152回 相場はそろそろ落ち着いたのか ~日柄と整理期間について~)

意外と強い? 年末からの動きをチェック!
株式市場全体の変化を見てみましょう。2018年12月25日、26日に、とりあえず「陰の極」を迎え、年明けからは思ったよりも落ち着いた動きで値を戻しています。
市場全体を見るといっても、日経平均ではありません。
もっと実用的な数値として、林投資研究所の「中源線建玉法」によって、東証一部全銘柄を個別に判断した集計値を示します。
中源線では、個々の銘柄についてのトレンド判断が陽線(買い線)と陰線(売り線)に分かれます。その陽線(買い線)銘柄数を、増減がわかるチャートにしました。
期間は、2018年9月1日~2019年3月1日です。
中央の赤い線は、陽線(買い線)銘柄数と陰線(売り線)銘柄数が同じになる「ニュートラル」の位置を示しています。
2018年12月最終週から戻り歩調ですが、2月に入ってニュートラルのラインを超えたところでは「12月はじめのように頭打ちか……」といった意見も出たのですが、その後も強張っていることがわかります。
「日経平均と同じ推移」と言う向きもあるでしょうが、理論的に、単なる平均よりも実態に近い統計データといえます。日経平均の推移より変化がなめらかなこともわかります。
この統計値は、東証一部だけでなく「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)のトップページに、市場ごとの数値が表示されます。このトップページは、「中源線研究会」に登録(無料)するだけで毎日、自由に閲覧することができます。
市場全体を“実用的な数字”で観察しましたが、それでも、「陽線(買い線)銘柄の数が増えた」というように、チャートのタテ軸に目を向けた観察に傾きがちです。それを課題として、今回の番組テーマは、「ヨコ軸」(時間の経過、日柄)に目を向ける姿勢です。

チャートで重要な3つのポイント
「チャートでなにを見るか?」と問われたら、どう答えますか?
「そりゃあ、値動きでしょ」ということですが、理屈で考えると、下に示す3つがポイントです。

値動きを「図」にすることで、上げ下げの変化が一目瞭然。
私たちが注目する「トレンド」がクッキリと浮かび上がります。
図にしているため、トレンドの「勢い」もよくわかります。
「急激な上げ」とか、「ゆるやかな上げから勢いを増した」なんて微妙な判断も可能です。
また、集合形で観察することで、トレンドの変わり目を察知しようとします。
「安値で三角形が形成されつつある。そろそろ上放れか」、「二番底をつけて上げの素地が出来上がった」というような見方です。これが、3つめの「形(型)」です。
インターネットでサッと値段をチェックする場合も、ゆっくりとチャートを眺める場合も、最も大切なのは自分のポジションです。したがって、「買い値」と「現在値」というように、チャートのタテ軸に偏るのが当然です。
そこで、「ヨコ軸(日柄)に目を向けるようにしよう」という戒めが生まれるのです。
チャートは2つの要素で成立します。
タテは「価格の変動」、ヨコは「時間の経過」(日柄)、たった2つしか要素がないのですから、どちらかを無視したら適正な観察になりません。先ほど挙げた3つのポイント、「トレンド」「勢い」「形(型)」はすべて、タテヨコ両方の要素を同じように扱うことで見えてくるものです。
今回の番組タイトルには、「相場はそろそろ落ち着いたのか」という予測の観点を盛り込みました。つい「12月末が安値だった……乗り遅れたか」なんて、わりと短期間の変化に目を向け、かつ、タテ方向の価格ばかりを気にしてしまいますが、ヨコ軸を考え、「もう少し長い期間で、微妙なトレンドの変化を予測しよう」という姿勢を提案したいのです。

日柄を無視しないチャート観測
下に示す値動きのイメージは、大きな下げのあと、再び上昇に向かうまでの変化を表しています。
値動きパターンはさまざまですが、このように「下げの末期が最安値」となるケースは多いと思います。また、目を見張るようなV字型の切り返しよりも、このように、地味な底練りを経てから次の本格上昇に向かうことが多いはずです。
今は最後の“ゆるやか”な底練りの手前にある戻り高値かもしれません。あるいは、もっと手前かもしれない……こんな発想が基本だと思うのです。
(それを承知で、あえて「買いだ」と判断すると、独自の戦略として成立します)
上の値動きのイメージは、いわゆる「典型」・「値動きモデル」です。
同じパターンを、実際の値動きで見てみましょう。次に示す月足をご覧ください。
安値は最初の赤い矢印(下げの末期)と、次の安値(東日本大震災の翌週)です。その間に、底練り初期に見られる反動高があります(青い矢印)。
タテ方向に目を向けて「安く買うのがいい」と考えると、2つの赤い矢印が買い場となるのですが、本格上昇のスタートまで、最初の矢印からは約8年、2つの矢印からでも約5年あります。「安く買う」が成功しても、かなりの期間、ジッと待たなければなりません。資金効率がわるいうえに、途中でイヤになって売るか、頑張ってねばっても本格上昇の出っぱなで売ってしまうのが現実の結果でしょう。
理想の買い場は、底練り末期のタイミング(緑の矢印)です。
こうして観察するとき、私たちプレーヤーは、タテ(価格)とヨコ(時間)を完全に等しく扱って、チャート全体を広く見ています。
これが、今回の放送で伝えたかった、大切なメッセージです。

中源線の転換ルール
さて、番組でメインに扱っている、林投資研究所の「中源線建玉法」では、直接的に日柄で判断するルールはありません。でも、チャートの「パターン分析」を行う以上、そのロジックには当然、日柄の要素が盛り込まれます。
ここで、あらためて中源線の転換ルールを説明します。
上の図は、値動きイメージです。
図に書いてあるように、「買っている……上がってほしい」と想像して値動きを追ってみてください。上昇(順行)した日は「よしよし」と感じ、下落(逆行)した日は「つまらないね」と思うでしょう。再び上がれば「よし、いいぞ」ですが、2日つづけて下がったりしたら「これがつづくとダメだよ」となります。
この自然な感覚を、シンプルなルールに落とし込んだのが「中源線建玉法」です。
高値圏に説明を加えてあるように、「逆行と逆行の組み合わせ」で、トレンド転換を判断して行動を起こします。
「下げた、戻した、そのあとまた大きく下げた……終わったかな?」という感じです。
とても理解しやすく、実践者の感覚で納得できるルールが定められているのです。
そして、陽線(買い線)は赤、陰線(売り線)は黒と2色にするので単純明快、毎日の値動きをきちんと評価しながら、“確固たる行動”を決める点が実用的です。
この基本ロジックは、研究所のオリジナル書籍『入門の入門 中源線投資法』でバッチリ解説しています(具体的な数式もあります)。また、後半の「実践編」には、「あらゆるトレード手法に通じる考え方」を意識して、現実に起こるさまざまな悩みや疑問を取り上げました。ぜひ、お読みください。
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(目次情報を閲覧できるほか、「中身チラ読み」もできます)

次回のフォローアップ(2)では、中源線における「日柄観測」を、具体的なルールの文言に触れながら見ていこうと考えています。お楽しみに!
※番組フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。
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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。





























