道具を使いこなす
中源線の陰陽転換(トレンド判断の変化)は、「普通転換」がメインで、補助ルールとして「42分転換」と「再転換」があります。
(4月、5月の放送で詳しく話しました)
中源線のルールは、ひとつひとつ「なるほど」と納得できます。
実践者の感覚を、ストレートに数式化しているからです。
でも、やはり実際に線を引いてみないと、中源線の利用者として、自分の感覚とルールがピタッとこないのです。
マーケット・スクランブル6月3日の放送では、陰陽転換のポイントを示しながら、実際に線を引いてみる作業を説明しました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第158回 中源線建玉法 おさらいの「ら」 ~中源線を引いてみよう~)

スムーズな判断のために
どんな分野でも、作業がスムーズに流れることが重要です。
例えば、日常生活で電車に乗ることを考えてみます。
いつも同じ場所に定期券を入れているから、速度を変えずに歩きながらスムーズに改札を通過できます。たまたま、いつもとちがう場所に入れていたら、「あれっ」となったり、ちょっとモタついたり……見切りで進んでくるうしろの人までギクシャクします。定期入れを買い替えただけでも、出し入れがスムーズにできなくなります。
主婦の業務ならば、例えばキッチンにある調理器具の場所です。少し変えただけで、動きがおかしくなります。ビジネスマンの机の上だって、同じです。
いちいち考えて、場所を確認するのではなく、半分は無意識にからだが動いているのです。
中源線に限らず、「売買のツール」を使ううえで、このスムーズさが不可欠です。
中源線は、ルールをすべて公開しているので、まずはルールの理解、そして、ルールと感覚を一致させることで、「道具として使いこなす」ステージに上がります。
マーケット参加者は、それぞれ異なるアプローチをしていますが、全員が真剣です。勝つためにわずかな差をつけるには、自分の売買ツールを“どれだけ自分のものにするか”がポイントでしょう。

納得するために
中源線のルールを100%言語化して、他人に教えることができるレベルにまで到達する必要はありません。ただ、利用者として、長所のみならず欠点まで、十分に熟知しているべきです。
そのために、まずは個々のルールについて、納得することです。
「このルールは、かくかくしかじか、こういう意味がある」という理解です。
そのためには、ルールを確認しながら実際に線を引いてみる作業も必要でしょう。
すべての分野で、プロほど反復練習を大切にします。
単純な作業を繰り返すことで、からだにインプットするのです。
例えば消防士は、十分な知識と経験、そしてクオリティの高い装備があります。
でも、いざというときに1人でも多く助けるとともに、自分たちがケガをしたり命を落とす危険性をわずかでも小さくするために、毎日のように訓練を行い、決められた手順を想定通りに実行できるようにしています。
儲けることだけを想像して、理解が浅いまま実際にポジションを取るのではなく、「売る」「買う」の動作ひとつひとつを、納得したうえで実践するのが当然です。

アレンジのために
前項で、消防士の話を出しました。
極端な例だと感じたかもしれませんが、トレードは命の次に大切なカネの問題です。
消防士のように毎日、ストイックに取り組むことなどムリでも、手抜きはできません。個人投資家として、売買資金やトレード期間を限定しつつも、やるときは真剣でなければならないと思うのです。
同じく消防活動で、さらに考えてみましょう。
「決められた手順を想定通りに実行する」と述べましたが、消火や救助の現場はひとつひとつ状況が異なります。この部分は、相場に通じます。上がったり下がったり……こうまとめれば同じでも、常にはじめての状況に直面しながら、ビシッとした決断と行動を迫られるのです。
すると、目の前の状況に左右されず「いつも通りのことを淡々と実行する」ことが求められる部分もあれば、臨機応変さが必要な部分もあります。
また、取り組み方を考え直し、マニュアルを修正することもあると思います。
トレードも、淡々とポジションをつくる、落とす、といったルーティーンだけでなく、少しタイミングをずらすといった「裁量」、経験を踏まえてルールに手を加える「アレンジ」……真剣に取り組んで、ほかの参加者に差をつけるためには、課題がいくらでも出てきます。
なかなかたいへんな作業なので、思ったように進みませんが、投げやりになったり、面倒くさいと他人任せにすることなく、自分の手で昇華させていきたいのです。

上の図に示した通り、中源線の陰陽転換(トレンド判断)はシンプルです。でも、この4つが、陽転時(売り線→買い線)と陰転時(買い線→売り線)に起こるので、8種類あるということです。
大切なカネを扱ううえで、けっこう複雑に考えることになります。最初の理解、地味なチャート描きなどを通じて、先々の道を自分でひらいてほしいと願います。

やってみないとわからない
ずいぶん前に読んだ、山上たつひこ氏の短編マンガで、なぜか強く記憶に残っている作品があります。
商店会の女性たちがバス旅行に出かけ、残った男たちが集まって料理をするのですが、大量のちらし寿司を、レシピを1行ずつ読みながら作っていく過程で、ありそうな、なさそうなドタバタが演じられるという内容でした。
「次に、干しシイタケを水でもどす」
この1行を読んだ男たちは、慌てます。
「シイタケ、生のヤツ買ってきちゃったよ」
ひとりが急いで屋根に上り、太陽に当てて干しシイタケを作り始めるのです。
「そんなバカな!」というところが笑えるのですが、31歳の私の娘がほぼ同じことをやりました。
はじめてゴーヤチャンプルを作るのに、いいかげんな準備でスタートし、マンガと同じようにレシピを1行ずつ読んで進めていたのです。そして突然、「えっ、豆腐を入れるの?」なんて叫んでいるのです。「そりゃそうだろ」という私の言葉に反応する余裕すらなく、火を止めて豆腐を買いに出ていきました。
これはヒドい例ですが、初めて作る料理なら、レシピの細かい指示について、やってみないとわからない(やればわかる)ことがあったりするでしょう。
トレードも同じです。
瞬間で判断するデイトレード以外なら、「考える時間が十分にある」ということで、頭でっかちになりがちです。一定の時間を費やして考えたあと、いきなり大きな資金を動かして失敗したりします。
考えてみると、「時間が十分にある」のは、自分だけの条件ではありません。
マーケット参加者全員に、平等に与えられている条件です。
人生経験、仕事の経験をうまく生かし、「考える」作業と「経験」を、バランスよくミックスさせるよう工夫してください。すべてのトレードに通じることです。

次回のフォローアップ(2)では、中源線の判定時にやりがちな「見落とし“あるある”」を紹介し、フォローアップ(3)ではダマシについて考察します。お楽しみに!
※番組フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。
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