トレードで“捨ててはいけない”もの
4回にわたってお送りした「おさらい」の最終回は、“まとめのまとめ”と言いきるにふさわしく、中源線ルールの核心部分に触れました。
中源線の最大の特長とはなにか──マーケット・スクランブル7月1日の放送で紹介した目玉の情報です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第160回 中源線建玉法 おさらいの「い」 ~中源線について深く考える~)

現実感
トレードは、直接的に「カネ」にかかわる行為です。
儲かった、損した……常に具体的な金額が見える、シュールなゲームだと思います。
しかし、明日の価格さえ予測できない株式市場で、1秒前に戻ることのできない厳しい世界です。大切な決断をする際に、どんな意識をもっているべきでしょうか。
仕掛けるときに「これを3千株買って100円幅取ったら30万円」とか、損切りを考えながら「ここで切ると10万円の損……千円の定食100回分」なんて考えていたら、マーケットの競争で確実に不利になるでしょう。それ、自分だけの都合ですから。
やはり、値動きだけをシンプルに観察し、「カネ」の問題を持ち込まずに判断するのが理想です。
でも、「自分が扱っているのはカネだ」「自分のため、家族のために守らなければならない大切なものだ」という意識がなくなってしまうと、ギャンブル依存症のようにスリルだけを求めてしまうかもしれません。極端に偏らない場合でも、現実社会のバランスを維持している人のほうが、より賢い売買戦略を立てることが可能だと思います。
ひとりの人間が、相反する2つの感覚をもち、それらを使い分ける──難しい部分ですが、いずれにしても、バランスのよい思考を心がけるべきでしょう。捨ててはいけないものの1つめは、「現実感」です。

自分の常識
「現実感」を喪失せず、しかし株価という“数字”だけを相手に淡々と決断を下していくためには、「自分の常識」がカギです。
デリケートかつ雑多な思考を整理して、常識人でいながら、株式市場では優秀なプレーヤーを演じなければなりません。2つの世界を結びつけるものは、自分自身の基準以外にありません。
哲学的な話を展開するつもりはありません。
例えば、チャートを見て「100円幅の変動」を確認したとき、「これを取ると千株で10万円、1万株なら100万円儲かる」なんて計算するのではなく、「うまく乗れば最大で半分の50円幅取れるが、逆をやると最大で70円幅のヤラレがあるかも」くらい控えめ、というよりも現実的な捉え方をするべきではないか、といったことです。
日々、多くの銘柄が変動しているので、利益のチャンスはゴロゴロしているようですが、実際に手掛けられるか、成功したときに現実取れる値幅はいくらか、が問題です。
前項の「現実感」と一緒に、落ち着いて考えておくべき課題です。

自分の意思
「物理的に取れる」場面ではなく、「自分が取ることのできる場面」を考えるのが、正しい戦略の組み立て方です。
市場の隅々まで観察して、「こんな動きがあった」「こういったこともあった」などと、いろいろな変化を拾い集めるのは、ベースとなるデータ集めとしては正解でも、具体的な戦略を考える段階では不適切に働きます。無意味にコーフンするだけです。
実際、観点や基準を絞らずに、株式市場の目新しい動きを見つけて紹介するのは、投資家をコーフンさせようと狙う投資関連情報の発信者(業者またはメディア)です。それを自ら行う姿勢、自分の手で自分自身をコーフンさせるのは、ギャンブル依存症に寄っていく行為です。
2つの項で示した「現実感」と「自分の常識」に目を向け、自分がやりたいこと、自分が狙いたい値動きパターンはなにか、と想像してください。雑多な情報に惑わされることなく、「自分に合う戦略」「自分が上手にこなすことのできるトレード」が見えてくるはずです。

分割で自由自在
前項で述べた「自分の意思」とは、あくまでも、マーケットの値動きを対象に「その中でなにをやるか」ということです。「週イチでストップ高銘柄を当てたい」とか「買ったら必ず2倍にならないとイヤだ」などの、実現不能の自分都合ではありません。
多くの個人投資家が行う「一点狙い」は、自分都合がグイグイと前面に出る愚策です。番組でも示した値動きモデルを見ながら、考えてみましょう。

下げてきたところで「よし、下げ止まった!」と判断しました。この判断自体は、自分の感覚ですから問題ありません。でも、一点狙いで1万株買ってしまったので、下に抜けて見込み違いだと感じても対処できず、最後に「ヤバい」と思ってもなにもできないまま……しかも、さんざん下げたところで、「これはダメだ」と考えている銘柄なのに買い増しを思いつくのです。
計画外のナンピンは、「やられナンピン」と呼ばれる、悪手の最たるものです。小売店にたとえれば、「うっかり仕入れた不人気商品を、さらに仕入れる」行為です。「現実感」と「自分の常識」が吹き飛んでいる状態です。
ところが、分割売買を取り入れ、初期に仕掛けた分は「試し玉」と位置づければ、行動は自由かつ適切なものになります。同じ値動きに対して「試し玉」から入る買い方を次の図で示します。

「下げ止まった」と判断しても、見込み違いかもしれないので、目いっぱいは買いません。でも、見込み通りかもしれませんから、少しは買います。計画は1万株、その1割に当たる千株を試し玉として建てた、という事例です。
結果はわるいほう、まだ下げ止まっていなかったことが判明したので、試し玉の千株をサッと投げます。悔しがらず、「試し玉の損は経費」と考えてブン投げます。
でも、「これが相場」だと考えているので、余分な感情をもたずに次のチャンスをさぐります。そして、一点狙いの人が完全にフリーズして混乱しているタイミングで、とても冷静に「そろそろ?」などと思いつつも、まだ静観しています。
さらに下げ、いったん止まった雰囲気をみせたところで、再び試し玉の千株を入れてみるのです。
両者のちがいは一目瞭然、後者のほうが自由かつ適切なのは明らかです。

味つけはお好みで
「分割」と「試し玉」こそ、プロの技です。
チャートを眺めてズバッと当てるなんて映画かドラマの設定、おもしろい物語のために「常識」や「現実」を無視した空想の世界です。
番組で紹介している「中源線建玉法」は、2つの要素をガッツリと盛り込んでいます。また、中源線のルールは、生身の人間がチャートを見たときの感覚と一致します。
ですから、番組の中盤のテーマ「相場を張る感覚」、つまり、利用する人間が感覚的に理解でき、上手に使いこなす道をひらいてくれる“実用性”が高いものです。
明確なルールがある手法で、こういった仕上げ方をしているものは、ほかにないでしょう。
分割売買の設定、つまり“味つけ”は個人個人のお好みです。
それこそ、「自分の常識」と「自分の意思」で組み立てるものです。
とはいえ、最初はお手本がほしいところ。
そういう意味で、中源線なら迷わずにおすすめできます。
中源線のシンプルな3分割の売買を実行することで、プロが大切にする多くのことを、自然と実行することになるからです。
1.同じ基準で仕掛ける
2.かならず分割する
3.増し玉のスタートは一定の基準を満たしてから
4.かならず手仕舞いする
5.ダメだと判断したら即損切り
6.よいポジションは、ねばって利を伸ばす
「ホントかよ?」と疑いながら、詳しい情報をのぞいてみてください。
そして、「自分の常識」と「自分の意思」で、取り入れるかどうかを決めるようにしてください。

次回のフォローアップ(2)では、一般的な「分散」のテクニックを考えて中源線の3分割を深掘りしてみます。また、3分割をアレンジするアイデアにも触れます。お楽しみに!
※番組フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」(対象:全上場銘柄)の会員限定のブログに公開し、同時に会員限定でメール配信も行います。
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