12月17日(水)のブログ ↑のつづきです。
もうひとつ、重要なことを述べます。
「現金」もポジションのひとつだ、ということです。
おカネが余っていたら、すべて株にしてしまう、買っておかないと値上がりを逃す、という発想を捨ててほしいのです。
「自由」という表現を使いましたが、個人投資家は本当に「自由」です。
その自由を、ポジション量の調整にも積極的に使うべきです。
マーケットの競争相手には、ファンドマネージャーなどのプロも多数います。
彼らと競ううえで個人投資家は、いろいろと不利な要素を抱えています。
しかし、休んでもいい、ポジション量を極端に減らしてもいい、ポジション量の機敏な増減が可能といった部分は、明らかに有利です。
個人投資家の、唯一最大の「武器」なのです。
状況に応じて、ポジション量をグッと減らしたり、ゼロにして(100%現金ポジションにして)値動きを観察することも許されています。難しい局面で、あえて勝負する必要はありません。自分の意思で、「どの程度まで攻めるか」を調整することが、予測を当てることが困難な現実のなかで“結果をコントロールする”賢い方法です。
「手をつけておかないと利益を逃す」といった強迫観念が、ポジションの取りすぎにつながります。たとえ上手に分散していても、マーケット全体が下落すれば持ち株の評価は下がります。
ぜひ、「現金ポジション」という言葉を頭に残し、「現金もポジションのひとつ、ポートフォリオの一部なんだ」と考えるようにして、自由な思考を妨げないようにしてください。
今回のポイントを箇条書きにすると、以下のとおりです。
- ポートフォリオ=分散、ではない
- いたずらに“薄める”ことは、本来の狙いに反する
- 現金ポジションもポートフォリオの一部
こんなふうに情報を整理したうえで、安心感のある分散投資を行ってほしいのです。
多数の銘柄を持つといっても、ひとつひとつが雑だったら、ポジション全体が雑で、よい結果など望めません。
現在は、上場銘柄すべてが100株単位です。
最低投資金額がかなり高い銘柄もありますが、例えば500円の銘柄なら100株で5万円、1,000円の銘柄は10万円あればポジションを取ることができます。
だから、少額資金でも積極的な分散投資が可能です。
といっても、数万円単位だからと油断して気持ちがユルいと、全体が雑になります。
将来、資金を増やして売買するときにも、習慣化した雑な対応しかできないでしょう。
動かしているのが「自分の大切なおカネ」という意識は、絶対に捨ててはいけません。
でも、どこかで、純粋に「価格の変動を追いかける」ことに集中する気持ちも必要です。

