値動きは連続しない~トレンドは仮説(1) | 株式投資「虎の穴」

相場・トレードでは、値動きの傾向を見るためにチャートを利用します。

ところが、「値動きは連続するものではない」とチャート自体を否定する理論があります。

こんな理屈を紹介して、チャートのあり方、実用的な使い方をさぐってみましょう。

私もチャートは重要、いえ、必須のツールだと考えます。
だから、チャート否定論に反論するわけですが、否定論にも一理あるので、きちんと耳を傾けたうえで言い返そうと思うのです。

 

ただはね返すのではなく相手の意見も聞くことで、チャートの弱点、チャートを見るときの注意点などが浮かび上がるはずです。

チャート否定論の大きなポイントは、「値動きが連続した事象か否か」です。
同じ銘柄を、常に同じ参加者(例えば、決まった100人)が売買しつづけるのなら、それぞれの参加者が売買したりしなかったりでも、値動きを連続したものと考えることに問題はないでしょう。でも、不特定多数が参加して、ある人は1回、100株だけ買ったきり、ある人は頻繁に売ったり買ったり……「値動きは連続したものではない」「チャートは不完全だ」という指摘も、なんだか納得できますよね。

チャート否定派が気にする点は、ほかにもあります。
マーケットにおける売買は、その日によって数量が大きく異なります。

特に個別株は、安値で小動きのときは出来高が極端に少なく、上がってきて人気化するとこんどは極端に増える、といった激しい変化があります。

こうして、日々の出来高(取引の厚み)がバラバラなのに、すべての日を同じように扱うところは、たしかに不合理。おっしゃるとおりです。

でも、チャートが好きな投資家は、例えばローソク足の細かい部分、「今日の下ヒゲが……」とか、「この2本の並び方が……」といった情報を拾って、決め打ち的な予測を導き出したりします。

これについては、私からも否定論を投げたいと思います。
下の図を見てください。
寄付、高値、安値、終値、いわゆる4本値を使った1本のローソク足について、実際にはどんな価格の変化だったかを考えるものです。



左側に示す陽線に至った価格の変化は、A、B、Cのどれも当てはまります。
同じ姿の陽線でも、Aのようにほぼ一直線の上げだったかもしれないし、Bのように急騰、急落のあと大きく戻したかもしれないし、Cのように急騰後にダレたのに最後は踏ん張った、という流れだったかもしれないのです。

このように、わずかな工夫があるだけで、チャート否定派の指摘する点以外にも、問題があることがわかります。

―11月12日(水)のブログにつづく―
 

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