適正な資金稼働率とは? | 株式投資「虎の穴」

「これだ!」と思っても出そうで出ない……それなりに器用な投資家でも、いつの間にやら、ダメなポジションが手の内に蓄積してしまいます。

今日のテーマは、このような状況に陥らない売買スタイルの構築です。


予測不能の急落がきた、よい銘柄は積極的に拾いたい、でも資金に余裕がない──こんな腹の立つ状況を生まないために、どうしたらいいのかということです。

相場なので、常に不測の事態が起こります。
いえ、すべてが不測の事態なのです。

だから、どんな状況でも、「売っても買ってもいい」「ポジションを増やしても減らしてもいい」と言いきれるくらい中立寄りの姿勢を保つのが、唯一最大のコツです。

資金を目いっぱい使ってポジションを取る投資家が多いかもしれませんが、「相場のカネとタコの糸は出しきるな」という格言どおり、「どちらにでも動ける状態」を維持できるかどうかが、不測の事態を吸収し、なおかつチャンスにつなげる方法です。

抵抗があるかもしれませんが、通常の資金稼働率(全売買資金に対するポジションの金額)を、3~4割にしてみてください。「えっ」と思うでしょうが、ほんとうです。

予測の的中率は限界が低いので、資金に余裕をもつことで「臨機応変かつ結果につながる対応」を可能にする──これが、相場の実践論です。

まず、資金を固定してください。
売買口座から現金を出したり、コーフンしてポジションを膨らませながら資金を足したり、そんなことをやめてください。

固定しておける金額を「売買資金」と定義してください。

商売で現金が余っている期間、短期の上げを狙ってよさげな銘柄に突っ込む……言語道断です!

そして、個々の銘柄の値動きを追って売買しながらも、資金稼働率を意識してください。損益の状況も丁寧に記録して、調子がわるいときにポジションを膨らませたりしないよう注意するのです。

調子がいいときは攻めっ気を出して“取りにいく”のも自然ですが、「いつどうなるか、わからないのが相場」という認識を忘れてはいけません。

少し攻めたときの資金稼働率、かなり攻めたときに達する一時的な最大資金稼働率、等々、自らの基準を設定することが大切です。こうした判断要素があると、「当てたい」と考えて迷っても外部の情報が気にならないでしょう。独立したプレーヤーとして考える姿勢が生まれます。

買いたい銘柄が見つかった、でも資金がない、なにか売らなくちゃ、塩漬けばかりだ・・・
これでは、予測以前の問題、悪循環しか生まれない売買です。

とにかく、チマチマとした感じで資金稼働率を抑えるのです。
最初は無理やりなガマンかもしれませんが、自由な状態が継続する心地よさは、実際にやってみればわかります。
 

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