マーケットにおいて株や先物を売買するあなたは、紛れもなくプレーヤーです。
金融マーケットにプロ・アマの区別がない以上、あなたは、プロ野球選手、プロゴルファー、プロリーグに所属するサッカー選手たちと同じ立場です。
しかし、観客の目を気にする必要が全くありません。
この特別な立ち位置を認識し、「どんな情報に目を向けるべきか」を考えることが重要です。
金融マーケットのプレーヤーは表舞台に立っていないのに、“値動きを見る”観客目線の情報が存在します。新聞紙上やネット上に配信される、市況解説などの投資関連情報です。
株を売買するうえで、各種のデータをそろえて分析するなど、プレーヤーごとの創意工夫があるのですが、時間に制約のある個人投資家(本業をもつ兼業投資家)は、つい結論だけを求めてしまいます。
究極は「どれを買えば儲かるの?」という疑問で、そんな気持ちに安っぽく応えてくれる情報を重宝がってしまうのです。
でも、「こう言ってるけど、ホントかね?」と、少しでもいいから自分で考えて情報の取捨選択を行う気持ちがあると、思考と行動の方向は大きく変わります。
早い話が、うっかり“正解さがし”をする個人投資家に向けて無責任に「その場限りの読みもの」を提供している姿勢に、ちゃんと気づくことができるのです。
理屈に理屈を重ねれば正当化できるのでしょうが、私にはよくわかりません。
値動きを拾って“いかにも”という感じの解説が次々と流れてきますが、まともに読んでいると自分が流されてしまいそうです。
さて、トランプ関税がどうのこうのと騒いでいますが、私は総合的に考えて、株価の先行きに対して楽観的です。トランプ大統領の政策は、むしろ世界経済にとっても、日本にとっても好材料だと捉えています。
しかし、うねり取りでは中源線を使っても、使わなくても)数カ月単位の上げ下げを追いかけてポジションを動かします。短期的な投機にほかならないからです。
長年やっている低位株投資では、「バリュー株(割安に放置されている銘柄)が売られすぎ」といわれて久しい状況から、一定の動きはありますが、まだまだこれから。
魅力的な低位株は、いくらでもあると考えています。
こうやって、売買のやり方によって、いわゆる見通しは変わります。
変えなければいけないと思います。
また、自分自身の状態によっても、行動指針は大きく変わります。
いろいろな材料を並べて、万人向けの正解として、「今日買う銘柄」とか「今週買う銘柄」を考えるよう仕向ける一般的な情報は、同じプレーヤーとして嫌いです。
超短期の特殊な売買を行うマーケット参加者にとって重要でも、ほとんどの個人投資家には無関係ではないでしょうか。