日本の市場を見ると未開国だ…… | 株式投資「虎の穴」

先日、先物市場について電話で質問を受けました。

林投資研究所の技術書にチラチラと商品先物の観点が出てくるので、「基本的なことを知っておきたい」という要望でした。

 

なるほど、「入門書的なものが適しているかな」とも思ったのですが、商品先物市場が衰退して参加者が極端に偏っている状況では、まともな入門書がないかもしれない、そんな懸念を素直に伝えて、その電話で説明できる範囲で、先物取引の概要的なことを話しました。

 

昔は、国内産の小豆が、商品先物では“花形”でした。

現在の株式市場の、日経平均のような位置づけといっていいかもしれません。

 

ちなみに、「あずき」ではなく「しょうず」と呼ぶのが一般的でしたね。

 

でも現在は、金(きん)、原油、コーンといった、いわゆる国際商品には取引がある一方、国内の商品は蚊帳の外……

 

商品先物は、農産物の流通システムの一端を担う重要な存在です。

閑古鳥が鳴いている状態って、どういうことでしょうか?

未開国ですか?

 

主食の米にも先物市場がありますが、長いブランクを経て私見上場したあと廃止、あらためて取引スタートと波乱がつづいています。

 

日本の先物市場は、その商品を日常的に専門で扱っている「当業者」が参加しない、孤立したバクチ場のような色彩があります。

 

米先物が最初に試験上場した際も、取引所の職員が農家を一軒一軒まわって説明している姿を想像していたのに、どうやら、そうした動きはなかったようです。

取引所の役員が知り合いのオフィスで油を売りながら、「まったく、めんどくせぇ」とぼやいている話は聞こえてきましたけど(笑)。

 

では、主食の米の生産と流通が、先物市場を無視して、理想に近いかたちで管理されているのかというと、ちがいますよね。

 

政治と行政が長年にわたって間違ってきたために再び米騒動が起き、大臣が出てきて「古古古米を5kg、2千円で買えるようにする」とドヤ顔しても、腹が立つだけです。

 

株式市場も、いろいろな角度から見て「幼稚だ」という感想が多々あります。

 

個人投資家を呼び込む秘策ともいわれたNISA(非課税制度)も、複雑でわかりにくいし、趣旨が伝わっていないから本来の機能を果たしていないと感じられます。

 

その個人投資家が利用するネット証券では、口座乗っ取りが多発しました。

各社がログインのシステムを見直した結果、おさまったかに思えたのですが、あらためてパスワードを盗まれる事案が発生しているようなのです。

 

みなさん、注意してくださいね。

証券会社などの名前をかたる偽メールも横行しています。

「すぐに対応しないとまずい」と思わせるような文面も多いのですが、落ち着いて確認したうえで対応しないと、ひどい目に遭うことになります。

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