プロに学ぶトレード姿勢 | 株式投資「虎の穴」

投資情報番組「マーケット・スクランブル」のMC、大橋ひろこさんが、おもしろい話をしてくれました。
ある高名な実践家にインタビューした際に「どんな状況のとき、ポジションを切ってしまうのですか?」と質問したところ、「これはよくないというとき、おしりの穴がムズムズするんだよ」との返答だったそうです。

一瞬、笑ってしまうのですが、すごくよくわかります!

正しい裁量トレードは、かなりの部分を数式化できるくらいカチッとした基準で進めていくものです。ただ、実際に数式化しようとすると、強みである感性がどこかに飛んでいってしまうので、「これはオーケー」「これはダメ」といった感覚を残したまま行動します。
決して、あいまいな想像とか思いつきではなく、“実践家の感覚”です。

結果として、自分にとって「切るべき」場面で(その行動が結果的に当たるかどうかは別として)、「よし、切ろう」と決断できるのです。

なんだか違和感を覚える、経験から“よくない状況”だと感じる、そうわるくないかもしれないが続けていても上手に対応できそうもない……こういったプレーヤーとしての“感じ方”を判断につなげ、迷わずに行動するということです。

おしりの穴がムズムズ……同じようなことが、ほかの分野にも必ずあります。

私は飛行機の操縦資格(自家用)を持っていますが、学んできたオペレーションの中には、理屈にならない理屈のような教えもありました。

「なんとなくイヤな感じがしたら、着陸をやり直せ」と、インストラクターから言われたことがあります。
反論もあるのかもしれませんが、「おしりの穴がムズムズ」で思い出し、「トレードも同じだなあ、万が一を考えて危険を避ける判断は必要ではないか」と感じました。

車の運転でもありますよね。「もしかしたら……」と考えて、スピードを落としたりブレーキに足を乗せる習慣を身につけろ、ってやつです。

なんとなくイヤだ……そんな場面で決断を先送りすると、いいことはありません。


利が伸びる方向に動いたとしても、その後の行動がギクシャクしがちです。
逆行した場合は、意地になってしまう傾向があります。
能力が足りないのではなく、それが人間の自然な心理なのです。

中源線のように、弱くなったら「陰転。ドテン売り」、強張ったら「陽転、ドテン買い」と素早く判断して行動を取ることは、とても重要です。
今までのポジションを切るだけ、つまりドテンせずにポジションなしのまま「待つ」ことも相場ですが、すでにあるポジションに違和感が芽生えたのに維持して「待つ」のは、明らかに間違いなのです。

冒頭で、「正しい裁量トレードは、かなりの部分を数式化できる」と述べました。
では、システム化することで何が起きるか──。


強みである感性がどこかに飛んでいく、感覚と経験によって少しずつ修正していく機能が弱くなる、といったマイナス面が発生することもあるのですが、システム化の利点だって十分にあります。

いや、そもそも大部分のシステムは、生身の人間が考えたロジック(判断基準のアイデア)を数式化したものです。

既存のシステムを検討する際、「これは儲かるかも!」などとコーフンせずに、数式に落とし込むプロセスで大失敗がなかったか、大元の発想にあった強みが消えてしまっていないか、といった観点でチェックするべきなのでしょう。

ちまたで販売されているシステムについて、そういった大切な情報が開示されていれば、の話ですが……。
 

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