売買・トレードは、「勝つ」(儲ける)ことを狙って実行します。
あたりまえです!
でも、みんなで争っているので、「勝ったり負けたり」が現実。
だから、勝って有頂天になったり、負けて落ち込んだりと、いちいち感情を揺らしてなどいられない──こんな心得が浮かび上がります。
感情を入れずに100%客観的な判断、というのはムリでしょう。
でも、ただ感情のままに次を考えていたら、あっさり自滅するだけです。
ひとつのポイントは、「勝った理由」や「負けた理由」という言葉で状況を分析することです。理由を明確にできないケースも少なくないでしょうが、そんな答えでもいいから、まずは考えることです。
システムトレードならば、「○○日の動きでダマシが発生した。だから負けた」とか。
裁量の売買で損切りしたときは、「ちょっと状況を甘く見て出動が早かったな」とか。
勝ったときも、ただ「わ~い」とよろこぶのではなく、「慌てずにゆっくり仕込んだから動きはじめるまで時間がかからなかった。だから今回は、ねばることができたみたいだ」なんて考えることで、気持ちはグッと落ち着きます。
感情を消すことはできません。
ただ、感情が前面に出てしまうと、いろいろな誤りを誘発します。
さて、タイトルの言葉を考えてみましょう。
「正しいトレードでは損が先行する」って……複数の銘柄でポジションを持っていたら、けっこうな確率で損切りのタイミングが先に訪れる、利食いは後回しになる、という意味です。
そんなバカな……と思わずに、「こんなことをタイトルにした理由はなんだろう」と耳を傾けてください。
下に図を示します。
「これはイケる!」と選んだ10銘柄を、ほぼ同時に買ったと考えてください。
その10銘柄が、それぞれ、ジワジワ上がったり、途中でクイッと加速したり、あるいは期待外れでカクンと下げてしまったり──“あるある”の状況を示しています。
この期間の最後は、ジワジワッと上昇している5銘柄を依然として保有しています。
途中で手仕舞いした5銘柄のうち、3銘柄はカクンと下げて損切り、2銘柄は途中でクイッと加速したので気持ちよく利食いしています。
こんな「仮定」の事例で「ほら、損切りが先行するでしょ?」と言うつもりはありません。「損が先行する」の根拠は、以下のとおりです。
期待どおりに上がってきた銘柄は「よいポジション」です。
慌てて小幅で利食いするよりも、“利を伸ばす”べく少しねばりたいのです。
もちろん、図にも示したように、十分に上がったり、参加者が急増して“熱い状態”になったら(荒れて読みにくくなったら)売り逃げます。
逆に、見込み違いで下がってしまった銘柄は、「今ここで切ると損が確定する」なんて感情で考えるのではなく、「わるいポジション」「不良在庫」といった認識をもって損切りを決断するのが正解というケースが多いでしょう。
覚悟していた“経費の損”を払って現金化し、資金と自分のエネルギーを別のチャンスに振り向けるのです。
10銘柄が必ず、この図のように動くなんて決まっていませんが、よいポジションを大切にしたうえで、わるいポジションには時間をかけず始末するよう努めると、結果として『損切りが先行しやすい』と断言できるのです。
ついやってしまうのが、ジワッと上昇した銘柄は「利食い千人力」とばかりに売り手仕舞い、弱々しい銘柄は損の確定を先送り、という行動でしょう。これは、感情が強く働く結果です。
むしろ、弱い銘柄をたたき切って、その資金で強い銘柄を買い増しする(乗せる)のが、正しい対応です。
