7月6日放送のフォローアップ(1)
林 知之

個別銘柄のバラツキを知る


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


ギリシャや中国の問題を背景に、日本の株価も乱高下をみせました。
そんな状況に対して多くの人は、当然のように日経平均の水準を話題にしていますが、まずは日経平均の動向ありきというアプローチに疑問を持ってもらいたいのです。

日経平均の先物やオプションをトレードするなら、もちろん日経平均を見ます。でも、トレード対象が個別株なのに日経平均を真っ先に見て、そこから思考を展開するパターンの人が驚くほど多いのです。

株価指数と個別銘柄の変動は、長期的にはほぼ連動するといえますが、数カ月単位、数週間単位では相当にバラツキが出てしまいます。また、どちらが先行するかも、その時々で異なるのです。

そもそも「株価指数」とは、「個別銘柄から割り出した数値」です。だから実践的には、全くの別ものと考えるか、むしろ逆に“個別銘柄一つ一つを分析して指数の動向を考える”ほうが理にかなっているでしょう。

さて林投資研究所では、継続してご紹介している中源線建玉法のオリジナルシステムを組み上げ、上場全銘柄のシグナル(売り買いのサイン)を日々更新するサービスを行っています。

中源線シグナル配信です。

一定のルールに従って強弱を判断し、プロが行うような3分割の売買を実現するのが中源線ですが、パラメータ(調節つまみ)の設定によってパフォーマンス(損益)が変わります。

そこで私たちは、最長31年間のデータを使い、さまざまな確度から検証しました。そして、最適化した数値を割り当ててシグナル配信のサービスを行っています。

この、最適化された数値による判断で、各市場の陽線(買い線)の数と陰線(売り線の)数が、それぞれ増減します。東証一部に限定し、陽線銘柄数の推移と日経平均の推移を見てみましょう。

陽線数

何カ所か、赤くなっているマスがあります。東証一部個別銘柄の陽線数、日経平均それぞれ、目先のピークを示しています。

わずか3カ月ほどのデータですが、日経平均が目先のピークをつけると、少し遅れて陽線数がピークを打つという傾向がみられます。おそらく、個別銘柄を直接売り買いするために最適化していること、中源線のロジック(ルール)がトレンドフォローであることが理由だと思います。

すると、個別銘柄のパラメータを調整すると、日経平均の動きに先行する指標を見つけられるかもしれませんね。ところが現実は、そう簡単ではないのです。前述したように値動きは、その時々で異なるからです。

現時点で結論となるのは、以下の2点です。

  1. トレード対象そのものの値動きを観察するのが正しい
  2. 値動きにトレンドを見出し、その転換点を探る必要がある

「2」が、今回の放送のテーマです。

次回のフォローアップ(2)では、転換点を見つける基本的なアイデアを確認します。

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6月8日放送のフォローアップ(4)
林 知之

分割売買は“技術”の第一歩


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


常に書いているように、予測の的中率を上げようと努力しても限界があり、その限界は意外と低いものです。つまり、大きな労力を払っても、わずかしかトレードの勝率を上げることができないのです。

だから現実では、「予測法」だけでなく、予測に応じて建玉する「ポジション操作」、継続的な売買の安全を保ちながら効率を求める「資金管理」を組み合わせます。

もちろん中源線は、この3つの要素をバランスよく兼ね備え、「トレード手法」として完成されているのです。

よく「銘柄に惚(ほ)れるな」といいますが、多くの投資家が、銘柄に惚れ込んで冷静さを失ってしまう状況を自らつくり出していると感じます。
最たる原因のひとつが、単発の仕込みです。

何かのきっかけで、ある銘柄に目をつける(この“きっかけ”にも問題が……)
値動きを観察する
徐々に惚れ込み、興奮状態に陥る
妄想が膨らんで「儲かる」ことだけを考える
意を決して“まとめ買い”する

こんな流れでポジションを取ると、「予想通りに動かないと困る」という自分だけの都合で考える状態になってしまいます。予測には当たり外れがあるので、臨機応変に“次の一手”を考えなければなりませんが、そんな柔軟な姿勢とはかけ離れた精神状態に陥ってしまうわけです。

ところが、分割で仕掛けるだけで、トレードに対する考え方は一変します。

例えば1万株買う際に、5千株、5千株と2回に分けるだけでも、柔軟かつ創造的な気持ちが生まれます。2回目は買い下がりか、いや上昇を確認してからの“乗せ”か、2回目を買う前に見込み違いで切っても損失が半分、1回目の適切なタイミングは?……という具合に。

値動きの状況は、刻一刻と変わります。
その移り変わりを、自分が想定するトレード期間に合わせて観察しながら、「ポジションを維持するか」「増やすか」「減らすか」と考えていく必要があるのです。

でも、ただ消極的なだけでは儲かりません。
「取れる場面」ではガッツリと取る気持ちが必要です。
トレードにおける見込み違いは当たり前、その際の損失は経費──だから、取れる場面を逃してはいけませんし、うまく“乗れた”と思ったら、安全を考えつつ、値幅を取ろうと粘ります。

つまり、トレードというのは一発勝負ではなく、微妙な感覚を生かした繊細な行為なのです。

どうしても単発的になる超短期の売買を除けば、少なくとも仕掛けには分割が必須です。自分の都合ではなく、実際の値動きが問題なのですから、いきなり決め打ちして自分を追い込むなんて乱暴すぎます。一点狙いでまとめて仕掛けるなんて、1回会っただけの人と結婚するようなものです。

さて、番組でも紹介した1821三井住友建設の中源線を見てみましょう。

1821三井建設

2014年10月に陽転しています。
上昇によって陽線に変わり、まずは1単位買うのですが、中源線は3分割を規定しているので、2回目と3回目が残っています。そのタイミングが、チャートの青い丸印の部分です。

このように、分割の仕掛けを想定するだけで、とても冷静な心理状態がつくられます。
もし急激に動いた場合でも、とりあえずのポジションをつくり、その後の動きに応じた対応が可能です。

三井住友建設は10月の陽転後、約2カ月ほど横ばいですし、直前の陰転がダマシだったので、不安な気持ちも生じるでしょう。でも一点狙いで仕掛けた場合と比べたら、驚くほど冷静に値動きを観察できるはずです。

同様に、2月以降の保合も、ポジションがあるとマイナスの感情が生まれます。しかし、確固たる判断基準と、それを緩やかにポジションに反映させる3分割の規定があれば、「素直に動きについていくだけ」と考え、落ち着いて値を追うことが可能になります。

この保合のあと、中源線通りに上昇すれば利益になります。でも、「下向きになってもOK」という心づもりもあるのです。陰転したらドテン売るだけ、損失を小幅にとどめ、下降トレンドに対して積極的に利益を取りにいけばいいのです。

【今夜はマーケット・スクランブル】
今夜はマーケット・スクランブルの生放送。私、林知之が出演し、「相場における転換点の見つけ方」をテーマにお送りする予定です。中源線のルールも含め、何通りもの見方・考え方をチェックしてみようと思います。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(3)
林 知之

トレードルールが
感情や感覚もコントロールする


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(3)です。

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(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


相場の予測を当てるのは、非常に困難なことです。

トレードや金融のプロとして仕事をしている人間ならば例外なく、「いい銘柄をおしえて」とか「株って、まだ上がるの?」と話しかけられることが多いものです。でも、「それがわかったら、逆におしえてよ」というのがホンネです。

とはいえ、とりあえず聞いてみる貪欲な姿勢はトレーダーとして正しいともいえますし、思考が停止したような他力本願の態度を取る心理だって、非常によく理解できます。そして、そんな人間くさい部分に、トレードで望み通りの結果を生むためのヒントがあるのでしょう。

単なる「当たり外れ」ならば、純粋な気持ちで値動きを観察する立場、例えば実際にはトレードしない小学生などが最も優れているはずです。読みが当たるとカネになるという発想がなければ、価格変動の背景にある人間心理を、同じ人間として創造的に読み取ることに秀でているだろうという意味です。

しかし、自分がトレードしないまでも、値動きの観察と将来の予測が「カネになる」と知った瞬間に純粋さを失い、苦悩する多くのトレーダーと同じように、情報も感情も整理できない状態に近づき始めるのではないかと思うのです。

それに、最も大切なことは、予測の当たり外れと損益は必ずしも一致しないという事実です。

資金管理が適切ならば、予測の外れが想定外に連続しても、次のトレードを行う資金が不足することはありません。トレード手法全体のバランスが取れていれば、負けが続いたあとも自分を信じてポジションを取ることができます。そして、“うまく乗れた”ときに負けを取り戻してなお十分な利益を残すことが可能です。

でも、資金管理ができていない、あるいは手法をきちんと確立できていない場合、たった1回の負けで大きな損失をつくってトレードを継続できなくなるかもしれません。数回負けたあとに予測を当てたのに、意気消沈してポジションサイズを縮小していたために利益が薄いといった残念な結果もあり得ます。

とにかく「今回はどうなんだ!」と不安と期待が入り交じる状態で決断し、一定量のポジションを動かしていくのが、トレードという作業です。過度なストレスを生むことなく、バランス良く「えいやっ!」とポジションを動かしていくことが求められるわけです。

さて、最もわかりやすいパターンとして、「想定外の値動き」を考えてみます。
下のチャートを見てください。6470大豊工業の中源線です。

6470大豊工業

2014年10月以降の上げトレンドにおいて2回、一時的に陰転した場面があります。どちらも、すぐに再陽転しています。つまり、「陰転はダマシだった。上げトレンドが続いていた」と判断をひっくり返しているのです。

ちなみにこれらは、中源線における「再転換」で、陽線に変わった際は原則の1/3建玉でなく、いきなり2/3建玉、つまり転換後のポジションを通常の2倍にします。このあたりの対応が、まさしくプロの発想なのですが、理解していながらも実行が難しい部分です。

さてチャートを見て、一部の人は「ドテン売らずに買いポジションを維持しておけばよかった」というのですが、あとから見るからいえることです。買っている状況でいったん弱含みになったのですから、何かしらの対応が望まれます。この場合は、中源線に従って買いポジションを解消し、1単位だけドテン売り建てするということです。そして再び陽線になったときには、1単位の売り玉を踏む(損して買い戻すこと)と同時に2単位をドテン買うのです。

もし陰転時にも買いポジションを放置していたら……再び強張ったときには「よかった」となるのですが、それは単なる結果論で、陰転が当たってどんどん下げていった場合、冷や汗をかきながら精神的にフリーズし、カラ売りで取るどころか買いポジションの評価損が膨らむ様子をボサッと眺めていることになってしまいます。

慌ててポジションを閉じるのはカッコ悪い、損が出るのはつらい、いったんドテン売った直後にドテン買いにまわるなんて落ち着きがない……感情的に納得できないのはやまやまですが、マーケットは自分の個人的な都合を聞いてくれないので、値動きに対応するしかありません。感情がジャマして、肝心なときに動けないことだけは是が非でも避けなければならないのです。

感情や感覚は、生身の人間ならではのもので、いわゆる「能力」を生み出すものです。だから、積極的に活用するべきです。
しかし、目先のことにとらわれ過ぎてしまうことが懸念されます。

トレードの行動パターンを考えてルール化しておくと、望まないブレを防ぎ、継続的な結果を生み出す効果が期待できるのです。

次週のフォローアップ(4)では、あらためて「分割売買」の意義を考えます。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(2)
林 知之

予測が当たらなくても結果をコントロール


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


番組MCを務める大橋ひろこさんは、よく道に迷います。先日の放送後も、途中で乗り換える駅を間違えていました。
かくいう私も、イベント会場を探してさまようことなど日常茶飯事。そして目的地を見つける前に、迷子になってキョロキョロする大橋さんを見つけるのです!

この手のエピソードがちょっと“恥ずかしい”理由は、地図や路線図をきちんと確認すれば、迷わずに目的地に到達するからです。
ところが現実のトレードでは、最後の最後まで「正解=正しい道順」がわかりません。マーケットに参加している誰もが、“常に道に迷っている状態”だと説明できますよね。

現在は迷子、最後までほぼ迷子、次のトレードも再び迷子……このような状況の中、自分なりの「読み」で確信あるポジション操作を行うことが求められるのですから、ある意味、つらい作業です。

蛇足ですが、このつらさから逃れようとするのが自然な心理です。
でもラクな道に進もうとすると、「未来の株価を誰かおしえて!」という姿勢になり、思考停止、他力本願、責任放棄といったキツい言葉で評されてしまいます。

準備不足のままで、儲かることだけを妄想するようではいけませんが、実際にポジションをつくる、値動きに応じて変化させるときには、開き直って「えいやっ!」と実行してしまう気持ちも必要なのです。
もちろん、丁寧かつ慎重な進め方をするうえでの「えいやっ!」です。

どんな手法でも、どんな予測法でも、未来を的確に言い当てることは不可能です。それぞれに一長一短がある、つまり、予測法Aでも予測法Bでも、うまく当てられる場面は限定され、あるときはAが当たってBは見込み違い、またあるときはA、Bとも出動できずに利益のチャンスを逃す──これが現実です。

実践家がつくったルールは例外なく、こういった現実を素直に認めるところからスタートしています。言い換えると、欠点を容認して長所を伸ばすことであり、今回テーマとしている「損小利大」の根幹といってもいいでしょう。

中源線における予測も、このような考え方に基づいています。
グズグズせずにトレンドの方向を判断してポジションを取りますが、その判断の当たり外れがそのままパフォーマンス(売買の成績)につながるとマイナスが大きくなることもあるので、損小利大を実現するために3分割を実行するのです。

前回のフォローアップ(1)では、陰陽の転換後すぐに見込み違いを認める「再転換」を紹介しました。3分割の最初の1回、つまり1/3しか建てていないため損失を抑える効果があります。また、再転換時には最初から2単位のポジションをつくって“取り損ない”を防ごうとします。

では、転換直後に再転換せず、見込み通りに価格が推移した場合は、どうなるのでしょうか。下の図を見てください。

転換と増し玉イメージ

中源線のルールでは、転換直後の「再転換あり」の状態と「再転換なし」の状態を明確に分けています。「再転換なし」と判断したあとは、その方向に推移することを前提にポジションを増やします。

ただし計画通りの数量ですし、転換時には順張りだった半面、増し玉は必ず逆張りで行います。買い線のときは押し目買い、売り線のときは戻り売りということです。

こうして計画的に満玉(3/3建玉)をつくったあとは、一定の伸び方(売り線のときは下落)をみせたら一部または全部を利食い手仕舞い、ということもルールで決まっています。この利食いルールもシンプルな数値で決められているのですが、イメージを示すと下の図の通りです。

手仕舞いと再度の増し玉イメージ

「ワン、ツー、スリー」と伸びたら利食い手仕舞いします。
生身の人間の感覚で納得できるルールなのです。

しかし、再び逆行(買い線での下げ、売り線での上げ)をみせたら、割とあっさりした感じで再度の増し玉を行います。だから、大きく動いたときにしっかりと値幅を取ることが可能になります。

実例を見てみましょう。
下のチャートは、7717ブイテクノロジーです。

7717ブイテク

2015年3月に陽転したあと大きく上伸し、短期間で倍化しています。
こういった動きこそ「取りたい」と切望するものですが、裁量トレードで値幅を取るのは意外と困難です。買うタイミングが早すぎれば精神的に疲れて早めに降りてしまいますし、途中もたついた場面や以前の高値近辺で手仕舞いしたくなるものです。

しかし中源線を使い、「陰陽が転換したときは逆のポジションにするだけ」と割り切っていれば、こういった大相場をうまく取ることができます。

さて、実例をもうひとつ。4751サイバーエージェントです。

4751サイバーエー

2015年1月からの上昇を中源線がうまく捉えていますが、2月に伸び悩んだ場面(赤い丸印)では「手仕舞いして利益を確保しようか……」という発想も出るはずです。しかしこのケースは、買いポジションをホールドしていれば、さらに1,000円幅という動きだったのです。

もちろん、この2月の伸び悩みから下落して陰転してしまった場合は、「精神的に疲れたうえに利幅が減った。売っておけばよかった」となるのですが、これは“値動きについていく”という中源線の特徴が生んだ欠点であり、それを容認することで利を伸ばす結果も得られるわけです。

重ねて説明しますが、シンプルかつ納得できる3分割のルールがあるからこそ、迷子の状態でも確信ある行動を取ることが可能なのです。

サイバーエージェントについて、もうひとつ、中源線のポジション操作を説明しておきます。

直近4月以降の下げを見てください。陰転の直後に続落していますが、戻った場面(青い丸印)で増し玉を実行するのがルールなので、「うん、うまく乗れている」という印象です。トレーダーの不安と期待をバランス良くまとめ、ポジション操作のルールにしていることがわかります。

次週のフォローアップ(3)では、想定外の動きに直面した場合のポジション操作と、そのときの心理を考えます。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(1)
林 知之

5割未満の勝率で利益を上げる“損小利大”


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(1)です。

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(第62回 利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


トレードにおける勝率、または予測の的中率は5割を超えない──。多くの要素が混在して価格が変動する金融マーケットでは、将来の予測が非常に困難です。この「非常に困難」という意見に反論しない人でも、「上か下かで、ほぼ半分は当たるのでは……」と考えがちです。しかし、例えば「半年で3割の上昇」を見込んだのに変動がなかったら、これは予測が外れたと評価せざるを得ません。単純化して「上」「下」「あまり動かず」の3パターンとしても、的中率は33.3%ということになります。

多くの実践家が実際、「予測の的中率は3~4割」と認識しています。

短期のシステムトレードで、同値での手仕舞い以外を「勝ち」または「負け」と分類すると、前述の「動かず」(=外れ)が除外されます。サイコロをころがしたって、ほぼ5割の的中率というのが、多くの人の認識でしょう。そこで「勝率8割の予測法をつくろう」といった発想も生まれますが、「5割前後にもっていくことで手法としてのバランスが取れる」と考えるシステムトレーダーは大勢います。

番組で紹介している中源線建玉法も、いわゆる勝率で計算すると5割を下回ります。しかし多くの銘柄で、取引コストを差し引いてもけっこうな利益となる設定を見いだすことができます。このような“損小利大”を実現しているのが、3分割のポジション操作なのです。

システムでも裁量でも、ポジションを取った結果、マーケットの価格変動で損益が生じる点は変わりません。ですから両者とも、5割または5割未満の勝率で利益を出すために必要な要素は同じです。

  1. 数量の増減
  2. タイミングの調整

中源線のルールは、トレードの結果をコントロールする根幹の要素、「数量の増減」と「タイミングの調整」を実現するためのトレーダーの発想を、シンプルな数式にしたものなのです。基本的なことを、図で説明しましょう。

再転換イメージ

上の図について説明します。
「下がる」と判断している陰線から陽線に変わった(陽転した)ところで、3分割の最初の1単位、基本となる1/3だけ建て玉します。陽転だから、1単位を買うわけです。しかし、直後の2日間の逆行(下げ)で再転換(陰転)します。この場合、買った1単位を損切り手仕舞いすると同時に、2倍に当たる2単位を売り建てるのがルールです。

再転換」は、中源線にとって非常に重要なルールです。
「上がる」と判断した直後に「いや、ちがうようだ」と判断を切りかえて素早く行動するためのものだからです。

中源線で再転換が起こる場合は、最初の1単位しか建てていません。だから、損失は小さく抑えられます。なおかつ、「以前のトレンドが続いていた」「試し玉以上に建てたい」と考えて2単位のポジションをつくるのです。

これは、プロが実践するポジション操作です。そして多くの人が、納得しながらも実践できない対応ですね。

裁量では「実行しよう!」と考えながらもモタモタして遅れてしまうケースが多くなりますが、このようにルール化されていると実行しやすいのです。

では、実際の値動きで中源線の「再転換」を見てみましょう。
下のチャートは、中源線シグナル配信サービスにおいて林投資研究所が選定した“ユニバース銘柄”の1つ、7874レックです。

7874レック

2014年からの大きな上げを取ったあと、2015年3月下旬の下げで陰転しています。しかし、5月の短期的な上げで陽転しました(青い丸印)。つまり、「上げトレンドに変わった」と判断し、売り玉を手仕舞いしてドテン買いにまわったわけです。この時の買いは、1単位だけです。

ところが、たった1本の陽線から再び下落し、再転換が起こっています。ここで、「おっと、下げトレンドが続いていたんだ」と素早く強弱の判断を切りかえ、1単位の買いポジションを投げると同時に2単位売りにいくのです。

結果として、下げにうまく乗れていると思います。

次週のフォローアップ(2)では、さらに具体例を挙げながら、中源線における「利食い手仕舞い」と「ポジションを維持して利を伸ばす」工夫について説明します。お楽しみに!

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5月11日放送のフォローアップ(4)
林 知之

ユニバースから個別銘柄の中源線を紹介

マーケット・スクランブル、5月11日の放送は、前回に引き続き「中源線シグナル配信」の詳しいご案内でした。そのフォローアップ(4)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第60回
 「シグナル配信」ってなーに?
~林投資研究所としての「シグナル配信」への取り組み~

5月11日放送のフォローアップ(4)は、番組で取り上げた個別銘柄の中源線チャートを解説します。3つとも、シグナル配信において林投資研究所が選定した「ユニバース」銘柄です。

5727 東邦チタニウム

東邦チタニウム

2月の陰転はダマシといえますが、3月後半からの上げは、中源線の陽転によって見事に取れています。チャートは放送時と同じものですが、実はこのあと、さらに上伸しています(6月1日終値=1,438円)。

このように“おいしかった”動きだけを取り上げて「これが中源線です」などと説明するとウソになってしまいますが、裁量では乗りにくい動きといえます。

裁量でうまく買いポジションを取ったとしても、4月後半にもたついた場面では、「下げる前に売っておこうか……」と考えて降りてしまうかもしれません。誰もが値幅を取ろうとしているのですが、実際にねばって利を伸ばすのは難しいものです。

しかし、中源線でルールが明確になっていれば、「陰転したらドテンするだけ」と割り切って買いポジションを維持することが可能です。損小利大の「利大」を実現する可能性があるということです。

明確な基準を持とうとしながらも、ついその場の思いつきで行動してしまいがちです。裁量では、数式化できない人間の能力で値幅取りを実現しようとするのですが、心理面がマイナスに作用することもあります。一長一短といえばそれまでですが、「最悪でもドテンのシグナルが出る」というのは、ひとつの安心感でしょう。

6755 富士通ゼネラル

富士通ゼネラル

2015年1月以降の上げは、中源線がきれいに捉えていますね。

しかし、例えば2014年5月の陰転を見てください。ダマシで終わっています。
ルールを熟知していれば転換の理由は完全に納得できますし、常に当たることなどないと理解しているはずです。それでも、こういったダマシが1回あるだけで、自分の感覚を信じて余分な裁量を入れたくなるものです。カーナビが「右折」と指示しているのに対し、「いや、直進したほうが快適で、時間も短いはずだ」などと考えるのと同じです。

2014年7月以降は、おおむね問題なく取れている印象ですが、使う側の人間に高い能力があるため、2014年10月の陽転や翌11月の陰転について「タイミングが遅い」といった不満を感じるかもしれません。

「ルールを決め、その通りに実行する」ことの難しさを、あらためて感じますね。

4997 日本農薬

日本農薬

なかなか動きのある銘柄で、面白そうという意見も多いかもしれません。

中源線の陰陽転換について全体を見ると、ダマシと認められる部分と、きれいに取れている部分が混在しています。

最近の動きに絞って考えてみます。

2014年10月の終わりに陽転し、きれいに値幅が取れています。
「もう少し早めに転換したら……」と思うのが人情ですが、中源線はトレンドフォローのシステムなので、これくらいの遅れが出るケースが多いのです。

2015年1月と2月は方向感に乏しい保合ですが、ダマシの陽転はなく、そのあと下げているので、「うん、当たった」という感じですね。

最後の転換、2015年4月の陽転はタイミングが気になります。
ポンッと跳ね上がったところで陽転しているからです。
ルール上そうなるということで、中源線の弱点として受け入れるしかなく、もしロジック(ルール)を変更する、あるいは追加して、この弱点を補おうとすれば、大切な長所を失いかねません。わかっていることですが、「すべての動きに対応する数式は存在しない」ということを、あらためて考える必要があるわけです。

今夜は生放送

本日、6月8日の夜は、マーケット・スクランブルの生放送です。
私、林知之が出演し、「利食い手仕舞い」をテーマに、引き続き中源線建玉法を取り上げてトレードのテクニックや考え方をご紹介します。

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中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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5月11日放送のフォローアップ(3)
林 知之

ユニバースって、いったいなに?

マーケット・スクランブル、5月11日の放送は、前回に引き続き「中源線シグナル配信」の詳しいご案内でした。そのフォローアップ(3)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第60回 「シグナル配信」ってなーに?
~林投資研究所としての「シグナル配信」への取り組み~

中源線シグナル配信の「ユニバース」って、いったいなに?

ユニバースとは、林投資研究所が中源線建玉法の実践を研究していくために選定した銘柄群です。

シグナル配信では、上場している全銘柄(約3,500社)の株価を毎日、その日の大引までのデータで計算して売買シグナル(中源線では「法示」と呼びます)を配信していますが、実践に必要な絞り込みが難しいはずです。

裁量トレードであれ、システムトレードであれ、過去のデータを基に仮説を立て、その仮説を軸に将来の再現性を期待するしかありません。必然的に、自分の資金でポジションを取るプレーヤー自身の感性、好み、経験といったものの差異で“正解”が変わってくるものです。そして銘柄選びは、こういった緻密な作業の最終的な結論であるはずなのです。

だからこそ「研究」に意味があります。
そして、中源線研究会に価値があると考えています。
独りで悩んで気持ちが内向きになることが、個人投資家にとって最も懸念されることのひとつだからです。

さて、利用者一人一人の感覚はバラバラでも、中源線研究会として何か指針のようなものを示すことはできないか──こんな発想から、ユニバース銘柄というアイデアに至りました。

トレードの実行力を上げたり、中源線の理解を深めていくためにも、「だまって売買すれば儲かる」的な安易な使い方にならないよう注意してほしいのですが、やはり過去データで高いパフォーマンスが認められた銘柄を選定しています。

現在のユニバース銘柄は、合計98銘柄あります。

仮説でしかない過去の数字だけを強調したくありませんが、ユニバース銘柄のパフォーマンスは平均で60%と、作業を開始したときの期待を大きく上回る結果です。実際には資金に余裕をもってトレードしますし、手数料などの取引コストもかかるので、同じ成績が再現されたからといって資金が1年で1.6倍になるわけではありませんが、中源線を研究していく材料としては十分なものが出来上がったと自負しています。

さて、先ほど述べた「仮説」と「再現性」について、もう少し考えてみます。

数式化されたルールで過去データを検証してパフォーマンスを確認する──このとき、たまたま成績の良かった銘柄を拾っても、将来の再現性は疑問です。あるいは、過去1年間で成績が最高になるようにパラメータ(変数)を調整したからといって、次の1年、3年、5年……肝心の将来がどうなるかも、やはり疑問です。

しかし現実では、安易な絞り込みをしてしまいがちです。
また世の中には、意図的に良い数字をつくり、トレードシステムの好成績をうたって販売するケースもあります。極端に良い数字が示されていたら、過度な最適化(カーブフィッティング)を疑ってみることも大切です。

私たちは、「さっさと良いものを拾う」のではなく、何度もフィルターをかけながら「観点を変えても悪いと判断されそうなものを少しずつ捨てる」という作業を行い、パフォーマンスの良い銘柄やパフォーマンスを安定させる設定(将来も期待できる)を決定するために手間をかけました。

こうして、シグナル配信サービスにおいては、古典的な利用方法である「手描きチャート&シンプルな設定」とは異なる、システムトレード的なアプローチを可能にするデータが完成したのです。

この貴重なデータを活用し、中源線利用の新しい道を模索するとともに、古典的な利用法の特徴を再確認することができると考えています。

【お知らせ】
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中源線建玉法
 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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5月11日放送のフォローアップ(2)
林 知之

3分割の売買がプロのトレードを実現する

マーケット・スクランブル、5月11日の放送は、前回に引き続き「中源線シグナル配信」の詳しいご案内でした。そのフォローアップ(2)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第60回 「シグナル配信」ってなーに?
~林投資研究所としての「シグナル配信」への取り組み~

フォローアップ(1)で述べたように、中源線は、「銘柄を絞る」「一貫した基準で判断する」「ポジションを操作する(状況に応じて増減させる)」というプロの売買をやさしく実現するための“ツール”です。

しかも、ルールがシンプルなので、中源線の答え(シグナル)は常に使用者の感覚とリンクします。

特に「3分割」は、中源線を“使いやすい”ものにしている大きな工夫であり、建玉法としての核心ではないかと考えています。

まずは中源線シグナル配信で表示する項目を示し、そのあとで3分割の詳しい説明をします。

シグナル配信で表示する内容は、わかりやすくまとめると以下の4つです。

  1. トレンド
    現在は陰線(売り線)なのか陽線(買い線)なのか
  2. 陰陽転換
    「1」の転換 陰線→陽線(陽転)、陽線→陰線(陰転)
  3. アクション
    トレンド転換または同じトレンドの中でのポジション操作
    (増し玉、利食い、ホールド、ドテン)
  4. 残玉
    「3」アクションの結果(売り/買い、0 1/3 2/3 3/3)

シグナル配信では現在、日経平均およびTOPIXの中源線(シグナルとチャート)、上場全銘柄について、上記4つの事柄を表示しています。

トレード対象をかなり狭く絞れば、これほど広範囲の情報は不要ですが、(1)あらゆる人に対応している、(2)中源線を利用したバスケット運用など発展的な利用方法につながる(フォローアップ3で解説予定)、という構造にしたのです。

さて、「建玉法としての核心」と述べた3分割について、日経平均株価で説明しましょう。
5月11日大引時点での解説です

日経平均は2014年10月に陽転して以来、約6カ月ぶりに陰転しました。4月30日の下げで陰転し、中源線のチャートの色が赤から黒に変わったわけです。

chg225

陰陽が転換したので、まずはポジションを買いから売りへとひっくり返す、つまりドテン売ることになります。事前のポジション(残玉)は3/3買いだったので、陰転を機に、この買い玉3単位を売り手仕舞いすると同時に1単位(1/3)だけ新規売りするのです。

中源線の陰転は、生身の人間による「あれ、下向きになったのかな?」という感覚と一致します。しかし、「たっ、たいへんだ! 下がる前に売らなくちゃ~」と慌てることはしません。動きが変わったので、持っている買いポジションは迷うことなく手仕舞いしますが、いきなり満玉売り建てることはせず、とりあえず1/3だけなのです。

4月30日にガクンと下げた(中源線が陰転した)日経平均は、翌日の5月1日は動きなし(前日比11円高)、連休明けの5月7日は再び下げました。しかし、つづく5月8日と5月11日(放送日)に2日連続で値を戻しています。

もし陰転のタイミングで力を入れて売り建てしていたら……評価損が発生して「もう戻るな!」と願うような気持ちになったかもしれません。しかし「とりあえず1/3しか売っていない」ので、非常に冷静に値動きを追うことが可能になります。そして、「この戻りはどこまでか?」「戻りを見極めて売り増ししよう」「売りの平均値が有利になるから、むしろ一定のところまで戻ってほしい」といった発想も生まれるでしょう。

どうでしょうか。
「カラ売りしたら戻った。大丈夫かなぁ?」などという状態では、その後の値動きへの対応が甘くなります。しかし分割することで、“値動きを見極めながら進んでいこう”という実践的な姿勢が生まれます。これこそ、プロが行うトレードです。

戻りで売り増ししたあと、当初の見込み(4/30の陰転)通りに下げれば、利益が膨らみます。しかし、あくまでも可能性です。再び強張って上に抜ける、つまり「陰転はダマシだった」と判断せざるを得ない状況もあり得るのです。

その際は、つくり始めた売り玉を踏んで(損して手仕舞い)、ドテン買うことになります。半年上げたところで陰転した(下げの前兆と判断した)、ところが再び「上向きか!」という流れになった──この段階ですぐさま買いに転じる行動は、値動きを肌で感じ取る人間の感覚と一致します。そして3分割は、その感覚通りのスムーズなポジション操作を助けてくれるのです。

一点狙いで予測に固執するのが、ありがちな行動です。これに対し、「強弱の判断+3分割」は、日々変化する状況を見ながら“次の一手”を決めてさっさと行動しようというプロの目を生んでくれるわけです。

分割売買は、番組でも説明したように、広い意味での「ナンピン」です。
やられ玉を計画外に増やす行為、つまり「下がっちゃった……仕方がないから買い増しして平均値を下げよう」というのは、「やられナンピン」と呼ばれます。リスクが高いので御法度です。ナンピンはもともと「難平」と書くように、難(災難、マイナス)を平らにすることですが、やられナンピンは逆に難を増やす行為です。

計画的な分割こそがプロの発想で、買い下がりや売り上がりによって平均値を有利にするナンピンの可能性を生むテクニックなのです。

ちなみに、日経平均の今回の陰転が大当たりだったとしても、すべての株が下げるという状況は、なかなか考えられません。中源線シグナル配信では、東証一部の個別銘柄の約半分が陽線(買い)という状態です。値動きを数カ月単位で観察すると見事なほどバラバラで、バラツキの度合いなども、そのときによって大きく異なります。

個々の銘柄を、いつもの基準で判断する、そして迷わずに行動する──これがプロの行動です。そして、そんなプロのワザを、わかりやすく示してくれるのが中源線建玉法なのです。

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5月11日放送のフォローアップ(1)
林 知之

値動きを正しく観察するために

マーケット・スクランブル、5月11日の放送は、前回に引き続き「中源線シグナル配信」の詳しいご案内でした。そのフォローアップ(1)です。
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(第60回 「シグナル配信」ってなーに? ~林投資研究所としての「シグナル配信」への取り組み~

再び2万円に乗せた日経平均は、4月30日に急落しました。
日経平均(現物指数)の中源線は、昨年10月いらい約6カ月ぶりに陰転したのです。

約5,000円幅の上げ、日柄も6カ月……感覚的にも下降トレンドへの転換を想像する向きが多いのではないでしょうか。
中源線の判断にも触れながら、個々の動きを観察する適切な姿勢というものを考えてみたいと思います。

「日経平均は目先、下落か」と述べました。しかし相場ですから、この先の展開など誰にもわかりません。実際、再上昇を予想する関係者もたくさんいます。

それに加え、個別銘柄の動きは見事なほどマチマチで、日経平均が急落した4月30日以降に上伸した銘柄も多くみられるのです。

番組でもご紹介した三菱重工の動きを、日経平均と比較してみましょう(図はクリックして拡大)。

225  7011

上値を取って2万円に達したあと弱含みになった日経平均(左)に対し、三菱重工(右)は5月8日から上昇しています。このように、個別の銘柄が予測不能の動きをする株式市場では、どのようなアプローチが利益を上げるために有効なのでしょうか。

投資雑誌など手軽に手に入る情報を見ると、「数千銘柄ある個別株で、どれを買えばいいか」「どのセクターが有望か」といったアプローチが目立ちます。

これに対してプロのアプローチは、たとえ対象銘柄が多かったとしても、値動き特性を重視し、自分のこだわりで絞り込みを行っています。
もちろん、ポジションの取り方にも計算された得意パターンがあり、その得意技だけに徹するのです。

お手軽な投資情報を軸に考えた場合、真剣に利益を望めば望むほど、いろいろな基準でポジションをつくってしまいます。
「新製品が素晴らしいから」「〇〇先生のオススメだから」「値動きが面白そうだから」……多くの場合、買う理由が不明瞭なまま手を出してしまいます。

だから、適切な手仕舞いを実行することができません。
狙い通りに上がったとしても、どこで手仕舞いするべきかがわからない、見込みと逆に下がってしまった場合はズルズルと持ち続けて塩漬けになる……利益を望んでいるはずが、逆にマイナスの行動を取ってしまうという悲劇です。

さて、番組で継続してご紹介している中源線は、常に同じ基準で強弱を判断し、実践的かつシンプルな3分割の売買を示してくれるので、上記の2つ、つまり多くの投資家が自然にやってしまう誤りの「基準が一貫していない」「手仕舞いが不適切」という問題を是正、矯正してくれる効果が期待できます。

中源線のルールは書籍で公開していますし、もともと実践家の感覚的な発想を単純な数式にしただけなので、転換、増し玉、手仕舞いのシグナル(法示)はすべて、自然に納得できるものだというのが大きな特徴です。

ロジック(ルール)が不明なトレードシステムがアウトプットした売買指示に対しては、「えっ、ここで売りなの? なぜだろう……」となりがちですが、中源線はルールが単純なので、事前に「あと少し上がると陽転」「下げているが、今のところ陰転しにくい形になっている」といった捉え方ができるのです。当然、陰陽の転換を含めたシグナルが出て戸惑うこともありません。

中源線以外にも有効かつ使いやすい手法、考え方はたくさん存在します。
その中から自分に合うもの、自分が100%納得できるものを選んでください。それによって、常に自分自身の手でポジションをコントロールすることが、どんなケースにも当てはまる絶対の法則だと私は思います。

こんな観点で、ご自身のトレードスタイルを見直してみてください。
もし「中源線は面白いかもしれない」「自分に合うかもしれない」と感じるのなら、カチッとした行動を身につけるために非常に有効なツールとなり得ます。

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4月13日放送のフォローアップ(4)
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「中源線研究会」のゴール
~情報を共有して実践力を高める~

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映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第58回 「中源線シグナル配信スタート」~活用方法と具体的事例~

ちなみに本日、5月11日夜はマーケット・スクランブル生放送。引き続き、中源線シグナル配信を説明しながら、最近の事例も紹介します。
生放送は午後8時~8時30分ですが、翌日以降にオンデマンドで見ることもできます。
お楽しみに!

中源線シグナル配信は、林投資研究所が主宰する「中源線研究会」における研究活動の一環で生まれました。

中源線はシンプルなロジック(ルール)を基にトレンドを判断しますし、人間の感覚を当てはめた分割売買も3回と扱いやすいので、限られた銘柄を対象に手描きチャートを使う方法がしっくりときていたのです。

しかし、ポジション操作のルールまで規定されているのですから、トレードシステムとしてガッツリ研究しない手はありません。

手描きチャートによる古典的な取り組み方を大切にしつつ、別の観点を持ち込むことで幅を広げよう、古典的な方法の良さも再認識しよう、そして両者を合体させる、つまり「裁量とシステムの融合」も試みよう──こんなぜいたくなことを進めていこうというのが、中源線研究会の活動です。

そして、これらの情報を多くの実践者で共有していこうと考えています。

中源線研究会の現在の参加者は、約1,000人。さらに増えたとしても、市場の規模からすれば驚くような存在ではありません。だから、参加者全員がそれなりに利益を上げて潤ったとしても、株式市場はビクともしません。中源線研究会は、同一のマーケットで競ってカネを取り合うのではなく、気づきや知恵を与え合う集まりとして成立するのです。

現在の情報サービス、いま決まっている今後の予定は以下の通りです。

シグナル配信 無料公開中

現在、中源線研究会に登録しているみなさんを対象に、シグナル配信の無料公開を行っています。
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研究発表

中源線研究を進めながら、各種の研究発表を行う予定です。

中源線基本コース(終日セミナー)

中源線のルールと根底の哲学を1日で修得するためのセミナーです。講師は私、林投資研究所の林知之が務めます。次回(第12回)は5月30日ですが、すでに満席。第13回の開催は、今のところ未定です。

基本コース家庭学習用DVD

基本コース参加と同じ効果を得られるよう工夫した、学習用のDVDを制作中です。

 

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