9月7日放送のフォローアップ(3)
林 知之

手法には長所と短所がある


マーケット・スクランブル、9月7日の放送は「エントリーのタイミング」をテーマに、直近の急落場面において、林投資研究所が力を入れて開発した「中源線シグナル配信」がどんな“答え”を出しているかを紹介しました。そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第68回  中源線建玉法 実践の手引き ~銘柄選別とエントリーのタイミング~


どんな手法にも、どんなシステムにも、長所があれば弱点もあります。あらゆる値動きに対応できる数式(ルール)なんて、存在しません。あらためて、中源線の長所と、表裏一体に発生する弱点を考えてみましょう。

中源線はドテンのシステム

中源線は、上げトレンドと下げトレンドの両方を売買の対象にします。売買は実践的な3分割ですが、常に「売り」(陰線)か「買い」(陽線)のどちらかが示されるので、基本的には常に最低1単位(3分割の1/3)はポジションを持つことになります。そのため、値幅が発生したときにも取り損なうことはなく、利を伸ばすことが可能です。半面、中源線の想定に反するような中途半端な往来では、細かい損失が続くケースもあります。

中源線はトレンドフォロー型

厳密な分類は難しいのかもしれませんが、中源線はトレンドフォロー型といえます。上昇を見て「上げに転じた」と判断する(買い始める)、下落を見て「下げに転じた」と判断する(売り始める)のが中源線のロジックです。したがって通常、底を通過したあとに買う、天井を過ぎてから売る、という行動になります(仕掛けだけでなく、それまでのポジションの手仕舞いも)。そのため、中途半端な往来に弱いのですが、前述した通り、大きく動いたときに本領を発揮して値幅取りが実現します。

3分割でポジション操作を行う

3分割によって、実践的なプロの分割トレードが実現します。動き始めたと判断してサッとポジションを取るときも「まずは1/3」なので、ストレスが少ないのです。しかし、動意づいた直後に大きく動いた場合(上げでも下げでも)、増し玉する前にどんどん順行してしまうこともあり得ます。スピーディーな動きに対して転換はしても、増し玉が追いつかないケースも考えられます。

大引で判断、翌日寄付の売買

中源線では、終値のみの「日足折れ線チャート」を用います。したがって、大引値で判断して翌日の寄付で売買するというスタイルになり、トレンドフォロー型ということも相まって「初動に乗り遅れる」という指摘があります。のんびりとしたトレンド転換を想定しているということで、そんな条件に合致する銘柄を選び、急激なトレンドの変化は表裏一体の弱点として受け入れるしかないのですが、例えば「大引前のある時点で判断して大引で売買する」といった対応が可能な仕組みを作れば、パフォーマンスが向上する可能性もあります。今のところ具体的なプランはありませんが、林投資研究所としては今後の研究課題と位置づけています。

中源線の長所と弱点という観点から、大まかなところを挙げて解説しました。これらを知ることで中源線を理解でき、実践を通じて納得し、さらに実践経験を積むことで「ツールとして使いこなす」レベルに達します。ロジック(ルール)が公開されているシステムを選び、きちんと理解する努力を怠らず、同じものを継続して使うことが極めて重要なのです。トレードは、カネが目の前で増減するので、メンタル的にとてもデリケートな行為だからです。

さて今回も、チャートの解説をしましょう。林投資研究所が選定したユニバース銘柄から、6460セガサミーHDです。番組では9月4日までのチャートでしたが、2週間先の9月24日までのチャートを掲載し、放送時よりも細かく解説します。

6460セガサミーHD

左端、2,000円超の高値(1)から2015年1月の陽転(4)までの下げを、しっかりと取っています。下げの途中、(2)と(3)の陽転はダマシですが、これを受け入れればトータルでプラスになっているわけです。(4)の陽転はダマシにならず、(5)の高値まで短期間で取れています。

3月に陰転(5)したあと、(6)でダマシの陽転がありますが、その後は直近の安値まで相当な値幅が取れています。最高値が3月(5)、本格的に下げ始めたのが6月と、株価指数やほかの銘柄と比較して、かなり早いタイミングでトレンドが変わっています。7月の急落時(7)には、すでに売り玉に大きな利が乗っていて、8月の下げでさらに利が伸びました。実際に売買する個別銘柄の値動きを、きちんと見ることが大切ですね。

そして8月後半の急落では、2/3手仕舞いのシグナルが出ています(8)。しかし、そのあとの戻り(9)で再び増し玉です。こうして、とことん動きについていくのが、中源線の特徴です。最後はヤラレになる可能性があるのですが、変動幅の半分しか取れないといった「取り損ない」は起こりません。

番組でご覧に入れた時は陰線(売り線)の状態でしたが、放送の2日後、9月9日の上昇で陽転しています(10)。実は、この陽転がダマシとなり、24日の下げで再び陰転しています。この先も市場に波乱があれば、小さなダマシが続く可能性もありますが、ここまでの下げを取って利益確定した、下げを見事に当てたので、今後の売買にゆとりが生まれています。番組内でも、またフォローアップ(2)でも、「中源線は期待以上に機能している」と申し上げたのは、実際にこれと同じパターンでうまく下げを取っている銘柄が多いからです。

次回のフォローアップ(4)では、転換直後の「再転換」のルールを、あらためて紹介します。転換と判断したあとに「いや、以前のトレンドが続いていた」とドテンするのですが、この再転換の規定に、とても実践的な考え方と行動指針が盛り込まれているのです。お楽しみに!

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中源線建玉法
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9月7日放送のフォローアップ(2)
林 知之

タイミングは中源線が教えてくれる


マーケット・スクランブル、9月7日の放送は「エントリーのタイミング」をテーマに、直近の急落場面において、林投資研究所が力を入れて開発した「中源線シグナル配信」がどんな“答え”を出しているかを紹介しました。そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第68回  中源線建玉法 実践の手引き ~銘柄選別とエントリーのタイミング~


前回のフォローアップ(1)では、中源線がいい感じで転換を繰り返している銘柄を、林投資研究所が選定した98銘柄「ユニバース」から紹介しました。

でも値動きによって、納得できない“答え”が出ることもあります。シグナル通りに売買すれば結果が出ている、とはいってもガマンが必要な場面があった……そんなケースだって現実にはあるのです。

中源線を利用する場合、「タイミングは中源線が教えてくれる」と考えればいいのですが、中源線が「なぜ、そういう答えを出したか」がわからないようでは、望ましい状態とはいえません。

ここで、トレードの「基準」についての分類を考えてみます。

裁量(型が定まっていない)……その都度、異なる基準を持ちだして判断するので、臨機応変なつもりが「その場限り」の無手勝流になります。

裁量(型が定まっている)……型があるので数値化できる基準もある半面、人間の能力を存分に発揮できます、しかし時として、基準が定まらずに混乱して大きく道を外れる懸念もあります。

システム(ロジックを知らない)……単なる受け身の姿勢です。結果論で「当たった」「外れた」と個々のトレードに対して一喜一憂するでしょう。

システム(ロジックを知っている)……システムの答えを納得してトレードが可能です。黙ってシステムに従う場合でも、受け身の姿勢ではありません。内容を理解したうえでシステムの答えを受け入れているので、積極的に決断しているといえます。

システム(ロジックを熟知している)……システムの答えを先読みできるほどの理解度があるので、そのシステムの強い部分も弱い部分も十分に理解しています。だから、システムをバランスよくアレンジすることも可能です。システムを「ツールとして使いこなす」レベルです。

林投資研究所が力を入れて開発した「中源線シグナル配信」について、スタート後の状況を観察した結果、期待以上に機能していると自負していますが、「何もわからずにシグナルに従ってください」などと無責任なことを言うつもりはありません。やはり、「ロジックを熟知している」レベルを目指してください。

でも、マーケット・スクランブルの番組を気楽に見て、このフォローアップブログも、あまり肩に力を入れず気楽に読んでください。「中源線って、どうなの?」と、感性で判断してほしいと思っています。

さて、先号で宣言した通り、「こんなシグナルもあるのか……」と感じる事例を、2つご紹介します。番組でご覧に入れたのは9月4日までのチャートでしたが、さらに7立会日が経過した9月15日までのチャートを示します。

6486イーグル工業

チャート中央の陽線(赤い線)は、途中に保合もありますが、しっかりと利益が取れています。2014年12月に陽転したあと100円台でもたつきましたが、2015年6月の高値まで大きな値幅が発生していますね。しかし、2014年10月の陰転(1)はダマシ、2015年7月の陰転(2)もダマシです。8月21日の下げで陰転したあとは、うまく下げて利が乗っている状態です。
(1)がダマシの陰転、(2)もダマシの陰転、(3)はダマシの陽転という変化が見られます。しかし、ダマシが連続する場面はなく、ちゃんと取れている部分があるので、一連のシグナルは十分に受け入れられる内容だと思います。

7256河西工業

(1)の陰転から(2)の陽転まで、横ばいの陰線(黒い線)が続いています。しかも、最後は徐々に下値を切り上げています。あとから見ても「つらい」と感じる期間ですから、実際にポジションを持っていると、ちょっとしんどいでしょう。ところが、(2)の陽転で買えば値幅が取れていることがわかります。(3)が7月はじめの急落場面ですが、落ち着いた動きで陰転せずに通過しています。(4)の陰転は8月13日といいタイミングですし、その後の下げできっちりと利が乗っています。

このように現実では、さまざまなケースが考えられます。だから、ロジック(ルール、数式)を理解しているシステムを使うことが、非常に大切なのです。

もうひとつ、重要な注意点を説明しておきます。

中源線のロジックを理解して納得した。では実践してみよう、という段階になれば、「タイミングは中源線が教えてくれる」と考えてトレードを実行して体験・体感することになります(もちろん最初は、数量を抑えます)。

その際、「何か買おう」として買い線(陽線)になっている銘柄を物色してはいけません。「上がっている」「もっと上がるかな」というようでは、ちょっと慌てた感じですね。もっと落ち着いて、次の転換(陰陽の転換)を待つべきでしょう。買いたいのなら、いま売り線(陰線)の銘柄が次に陽転したときを狙う、いま買い線(陽線)の銘柄を手がけるなら次の陰転(カラ売りスタート)を待つ、ということです。

ふだん、外からの断片的な情報でトレードしていると、知らず知らずのうちに、「話題になるほど上がっている銘柄を物色する」クセがついています。しかも、カラ売りする銘柄を物色するときも、「話題になるほど上がっている銘柄」だったりするのです。

あまりにも動きのない銘柄は対象外ですが、話題の中心となっている人気株にばかり目を向けるのは望ましい姿勢ではありません。手法を決め、その手法に適した銘柄を選び、長くつき合っていくことを第一に考えるべきです。

次回のフォローアップ(3)では、あらためて、中源線の長所と短所について掘り下げてみる予定です。お楽しみに!

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9月7日放送のフォローアップ(1)
林 知之

基準があると迷わず行動できる


マーケット・スクランブル、9月7日の放送は「エントリーのタイミング」をテーマに、直近の急落場面において、林投資研究所が力を入れて開発した「中源線シグナル配信」がどんな“答え”を出しているかを紹介しました。そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第68回  中源線建玉法 実践の手引き ~銘柄選別とエントリーのタイミング~


前回の放送は「急落時の対応」でしたが、その後くしくも、株式市場全体がかなりスピーディーな下げ方をしました。「対応しきれなかった」「見通しは当たっていたのに行動が伴わなかった」と、悔しい思いをしている人も多いでしょう。

林投資研究所がいま力を入れている「中源線建玉法」は、行動のタイミングをズバリと示してくれます。ダマシもあるのは当然ですが、どんな予測法でも当たり外れがあるのですから、そんな現実をスッと受け入れてみると、中源線が、どんな場面でもブレずに答えを出してくれる部分に、極めて大きな実用性を感じることができます。

さて、素晴らしいシステムだからといって、理解不足では「道具として使いこなす」ことができません。中源線の特徴を、あらためて考えてみます。

中源線に合う銘柄

わかりやすく簡潔な言葉で示しましたが、一定の値幅がないと儲からないのは当たり前です。しかし、中源線はトレンドフォロー系のロジックなので、やはり周期性がある銘柄が好ましいといえます。

といっても実際、銘柄の選定は、根気が必要で難しい作業でしょう。
そこで「中源線シグナル配信」では、パフォーマンスの良い98銘柄を選び、中源線を実践するための最初の絞り込みを完了させました。

中源線シグナル配信における、東証一部全体のパフォーマンス、そしてユニバース98銘柄のパフォーマンスを比較したのが、下の表です。

ユニバースとは

東証一部全体でも平均値は悪くないのですが、実際にはパフォーマンスが良いとはいえない銘柄、悪くはないが不安定な銘柄もあります。私たちは、最長31年間のデータを検証しながら、単に結果の良い銘柄を拾うのではなく、安定性がなく実用面で懸念の残る銘柄を、とても慎重な作業で少しずつ削っていく工程を地道に続けました。

直近でたまたま高パフォーマンスだった銘柄を選ぶような、非現実的なことは一切していません。自分たちが「使いたい」とワクワクするものにしたかったからです。

個々の銘柄については、細かく価格帯別にパラメータを設定して最適化しました。実用性を考え、「ゆるく長く効く」を大切にした設定です。

ですから、中源線のロジックを理解し、シグナル配信の設定による陰陽転換の度合いを確認すれば、「タイミングは中源線が教えてくれる」と、売り買いの実行に集中する状態がつくられると期待できます。

しかし、例えば最近の急落は、「適当なうねり」と呼べない部分もあります。実際に私たちは、「急騰や急落では、中源線の弱点が出やすい」との認識を持っています。ある程度その通りですが、8月の急落時には十分に機能していたとの確信があり、期待を大きく超えて実用性が高いと感じています。

素人だましのシステムなど絶対に作りたくない、プロが「ツールとして優秀」と認めてくれるものを完成させたい……強いこだわりを捨てずに取り組んだ結果、十分に自慢できるシステムが出来上がったと自負しています。

では、98銘柄あるユニバースから、「適当な上げ下げ」のある銘柄を取り上げます。8519ポケットカードです。

8519ポケットカード

時折“クセの悪い”変動もありますが、全体として適当な上げ下げがあります。中源線でトレードすることを想像して「面白そうだ」と感じさせる銘柄でしょう。

直近は、5月の陽転(1)から8月の高値まで、いい感じで取れていますね。中身2割の利食いというところでしょう。7月の急落では、目先崩れたようなチャートになっていますが、シグナル配信の“ゆるい”設定が功を奏して陰転しませんでした(2)。
(3)の陰転は8月19日、まずまずのタイミングだと思います。
その後は、多くの銘柄と同様に荒い動きをみせていますが、番組では9月4日までのチャートを示して「次の陽転が楽しみ」とコメントしました。そうしたら番組の2日後、9月9日の上昇で、さっそく陽転しているのです(4)。

「荒れた動きで不意打ちの陽転だ」という意見もあるでしょう。実際にそうかもしれません。「ダマシと読む」といわれたら、そうかもしれないと感じます。でも、システムトレードとして取り組む場合は、そういった裁量を盛り込まないことがルールです。「そうかもしれないが、せいぜい数回のダマシを受け入れれば、その次にキッチリ取れるだろう」と期待するのが妥当です。

さて、今後の動きやいかに。

次回のフォローアップ(2)では、ダマシが出ている事例、システムに従うにはガマンが必要で納得しにくい事例を紹介しながら、ルール通りにトレードすることの意味を考えたいと思います。

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 最古のトレードシステムといわれる中源線は、シンプルなルールなので感覚的に捉えることが可能です。

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8月10日放送のフォローアップ(4)
林 知之

独自の「買う理由」を明確にしよう


マーケット・スクランブル、8月10日の放送は、最近みられる急落時の対応を考える内容でお送りしました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第66回  トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~


中源線の説明からいったん離れ、ポジションを取るときの「決め手」について考えてみます。トレードなので下げを取るカラ売りだって特別なものではないのですが、わかりやすくするため、今回のタイトルには「買う理由」という表現を使いました。「なぜ、その銘柄を、そのタイミングで買ったのですか?」と具体的な質問をすると、見事といえるほど何も答えられない人が多いからです。

そこで、「買う理由を明確にしよう」と題し、コントロールされたトレードとはどんな状態なのかというテーマを思いつきました。

あらためて放送のタイトルは、「トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~」です。買う理由、つまり想定は、自分自身の価値観による独自のものでOK、いや、独自のものであることにこそ意味があるという提言です。

架空のトレーダー2人を登場させ、「買う理由」の意味を考えてみましょう。

個人トレーダー、AさんとBさん2人が、同じ銘柄を同じタイミングで買ったとします。しかし、買った理由はそれぞれ違います。

Aさんは、尊敬する評論家の講演会を聞いて買ったのですが、話の途中で寝てしまい、最後に紹介された銘柄をメモしただけで買いを決断しました。Bさんは、独自の予測法を使って同じ銘柄を買うことにしたのですが、誰にも認めてもらえないようなヘンクツな理論を基にしています。

2人が同じタイミングで買った銘柄は当初、順調に上がりかけたのですが、トレンドが変わったのかズルズルと値を下げ、買い値よりも2割ほど下で動かなくなってしまったのです。

さて、2人は今後について、どう考えていくことができるでしょうか?

ヘンなお話を展開してスミマセン……でも、「トレードあるある」として想像してほしいのです。私が注目するのは、2人の「買った理由」が、どこから生まれたものかという点です。

Aさんの行動は、評論家の意見が基になっています。尊敬している人物とはいえ、講演の最後の銘柄情報だけをゲットして行動した、つまり完全な他力本願です。予測不能なマーケットでの出来事を想定したり、時間切れによる撤退を選択肢に入れていたかと考えると、この部分が弱いと感じます。

Bさんにだって同じことがいえますが、ヘンクツな理論とはいえ、完全にオリジナルの予測法を使っているので、予測が外れたときの処理、当たって見事に上昇したときの勝ち逃げポイントなどを、やはり独自の価値観で考えやすいはずです。

3年後、2人そろって資金をゼロにしてしまっているかもしれませんが、少なくともAさんは、買った理由があまりにも不明確です。もし評論家の論理をきちんと聞いていたとしても、それをどこまで“自分のもの”にしているかと考えると、疑問が残るのです。

ファンダメンタルによるアプローチを否定するつもりはありませんが、値動きへの対応という面では足りない部分があり、予測に固執しやすいともいえます。

さて、番組で紹介している中源線建玉法を利用した場合、「それだって自分独自のものではない」という指摘があるでしょう。だから、例えば中源線シグナル配信ならば一定のパフォーマンスが期待できるのですが、安易に使わないでほしいと説明しています。サービスで配信されるシグナルを、Aさんが銘柄情報だけを聞いたのと同じように“ブラックボックス”から出た答えとして扱うのではなく、中源線のルールを理解、納得してから利用してくださいと口うるさく主張しているのです。

中源線は、実践者の自然な発想をシンプルな数式に落とし込んだものなので、ルールを理解、納得して“自分のもの”にすることが可能です。だから、トレードの型を持つための入口として利用する、つまり「練習の道具」としても評価されているのでしょう。

想定外の動き、荒い動きをすることも多々あるのがマーケットです。自分自身と自分のポジションをコントロールしていくためには、芯となる考え方が必要です。いろいろなパターンに対応できる「型」が求められます。これが、今回の放送で最も大切なメッセージだと理解してください。

最後に、番組でも紹介した5911横河ブリッジのチャートを掲載し、中源線による判断を解説します。放送したのは8月10日(チャートは8月7日まで)でしたが、3週間先の8月27日までのチャートを用意しました。チャート内の赤いタテ線より右が、放送で紹介したあとの値動きです。

5911横河ブリッジ

番組でも解説したように、丸数字の(1)と(2)はダマシの陽転です。(2)のあとの下げで陰転したあと丸々1カ月が横ばいですが、6月下旬から下げ始め、7月上旬の急落時(3)には高値から200円ほど下でした。8月に少し戻ったのですが、その後の暴落で1,000円を下回りました。結果的に、5月以降の下げをしっかりと取れています。

今後、陽転してストレスなく上げを取ることができるか、荒い往来でダマシが続くか、予測するのは困難ですが、明確な判断基準があれば、うまく取れる場面を期待しながら、ダマシにもつき合う覚悟でポジションを動かしていくことが可能です。

また、実際のトレードを振り返り、判断基準やポジション操作を見直すのかどうかを考えるためにも、確固たる「型」が必要です。例えば直近のトレードが悪い結果に終わったとしても、見直しにつながるとは限りません。見込み違いがゼロではない以上、「たまたまの結果だ。次も同じようにポジションを取る」という結論のほうが、おそらく多いことでしょう。しかし、極めて明確な基準を必要とする、とてもデリケートな判断があるはずです。

今夜はマーケット・スクランブル生放送

今夜のテーマは、
中源線建玉法 実践の手引き
~銘柄選別とエントリーのタイミング~

より具体的な解説で、中源線の特徴をご紹介します。

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8月10日放送のフォローアップ(3)
林 知之

個別の銘柄によって対応は異なる


マーケット・スクランブル、8月10日の放送は、最近みられる急落時の対応を考える内容でお送りしました。そのフォローアップ(3)です。

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(第66回  トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~


今回のフォローアップ(1)でも触れたように、個別株の動きは常にまちまちです。8月21日(金)に、日経平均とTOPIXがともに陰転(中源線シグナル配信)、東証一部の陰線銘柄数は陽線銘柄数の約2倍と、システムを稼働させた4月以来、最も陰線数が多い状況です。この原稿は8月24日(月)の午前中に書いています。現時点で、「陰線銘柄数がさらに増え、すべての銘柄が下落を続けるか」という意見もあるでしょうが、そうなるとは限りません。7月上旬の急落以降、あるいはもっと以前から、しっかりと下げトレンドを形成している個別銘柄も例外ではないのです。

つまり、「そろそろ下げ止まってもいい。落ち着いたら買い妙味が出てきそうだ」と思える銘柄が、すでにあるのです。

そのようになると断言するわけではありません。予言じみたことを言いたいわけでもありません。さらに市場全体が、それこそ“ミソクソいっしょ”に売られる可能性だってあります。

それでも、銘柄ごとに動きは大きく異なります。この認識は、非常に重要です。株価指数の水準や、メディアが説明のために取り上げる世界経済の材料を基に「株は買いか売りか」と考えるアプローチは、全く実践的ではないのです。

今回も、番組でも取り上げた個別銘柄について、それぞれの動きをチェックしてみましょう。番組でご覧に入れたチャートは8月7日(金)までのものでしたが、それぞれ8月27日までのチャートを用意しました。

9719SCSK

SCSKは2014年10月に陽転して以来、9カ月以上も陽線が続いて約1.5倍になりました。番組で「裁量でホールドし続けるのは難しい」とコメントしたように、中源線の長所が出ていると説明できます。でも、あとから見るとカンタンそうで、実際には長すぎるとも感じます。適度に転換したらしたで「このダマシがなければ……」なんて言い出すのでしょうから、人間は欲深いものだと思います。さて、8月21日の下げで陰転し、26日と27日の戻りでそれぞれ増し玉、現在は3/3満玉売りです。大きく下げていくのでしょうか。

8616東海東京

東海東京は、8月20日に陰転しています。そして、そのまま大きく下げ、やはり26日と27日の戻りで増し玉、3/3満玉売りとなりました。崩れてからわずか数日で約100円、株価の水準が下がっているのですから、「もう少し戻ったところを売りたい」と考えるのが人情です。これほどスピーディーかつ一直線に動くと、中源線が機能しにくくなります。これについても「なんとかならないか」と欲深な発想が生まれますが、今回の動きに合うようにしたら、ダマシが出たときの損失が膨らんでしまいます。

次回のフォローアップ(4)では、ルールの明確な中源線をベースに、「売り買いを判断する基準を持つこと」について、あらためて考えます。

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8月10日放送のフォローアップ(2)
林 知之

「当てる」ことよりも外れたときの対処


マーケット・スクランブル、8月10日の放送は、最近みられる急落時の対応を考える内容でお送りしました。そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第66回  トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~


急落しても、その後に戻るケースがあります。その場合、「急落は一時的だった。買えばよかった」と感じます。しかし、結果論だけで考えてしまうことが多いのではないでしょうか。

もう一度、中源線における一時的な陰転パターンを確認します。
一時的な下げで陰転(ポジションを買いから売りに転換)、その後に強張って陽転(再び買いに転じる)というポジション操作です。

中源線での対応事例

このように戻れば、「ドテン売りは必要なかった」と考えがちですが、弱含む動きが本格的な下げのサインとなることもあります。実際に6月と7月、株価指数が踏ん張ったにもかかわらず下げている銘柄があるので、値動きを見てみましょう。2銘柄とも、中源線シグナル配信において林投資研究所が選定した「ユニバース銘柄」です。

6135牧野フライス

6月中旬が高値で、7月上旬の下げで陰転(2)、その後は値幅を伴う下落をみせています。数カ月単位の上げ下げを見ている場合、買いポジションを継続するのは苦しいでしょう。「1」の陰転はダマシでしたが、「またダマシだろう」と高をくくっていると、買いポジションを抱えたままフリーズする結果となりかねません。

6844新電元

直近の動きに注目してください。「1」の陽転も「2」の陰転も、裁量では乗りにくいスピーディーなトレンドの変化だと思います。しかも「2」の陰転は6月初旬、その後は約150円幅の下落です。指数の傾向で個別銘柄の売買を考えても全く意味のない事例です。
全体を見ても1、2カ月で転換することが多く、中源線に従ってサッと行動することがパフォーマンスにつながりやすい動きが続いているといえます。

数年単位の上げ下げを見ている場合、これら目先の動きを無視することもありますが、多くのトレーダーにとって、こういった数カ月単位のトレンドは切実な問題です。確固たる基準をもってポジションを動かす、つまりポジションを増減させたり売り買いを転換させることは重要です。

しかし実際には、迷ったり、結果論に陥ったりと、なかなか安定しません。ルールがシンプル、かつ、意味を納得できる中源線建玉法で一定期間、自分を“型にはめる”効果は、計り知れないと思うのです。

明確な基準がないと、見込みが外れたときの対処ができません。「当てよう」「当たってほしい」という気持ちが強くなりすぎてしまうからです。そこで林投資研究所では、中源線を利用し、実際に利益を狙ってトレードしながら、“型どおりに売り買いする”ことの重要性を体感、体験することを提案しているのです。

次回のフォローアップ(3)では、引き続き中源線の実例を見ながら、値動きの判断とポジション操作について掘り下げていきます。

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8月10日放送のフォローアップ(1)
林 知之

脱結果論、脱株価指数


マーケット・スクランブル、8月10日の放送は、最近みられる急落時の対応を考える内容でお送りしました。そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第66回  トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~


まずは、「急落時の対応」について、3つのパターンを示します。

3種の対応

番組でも説明した通り、その先の動きなど誰にもわからないので、A、B、Cのどれでも正解、いや「正解になり得る」のです。切ってしまったのに戻ったから「失敗だった……」というのは、単なる結果論です。急落が一時的なもので終わるか、下げの始まりかなんて、その時点ではわからないからです。

だから、自分の手法、自分の判断基準で決めた対応こそが「正解」なのです。

では、結果的に見込み違いだった場合、どうするか──。
自分自身の答えが「切ってドテン売り」だった。その通りに行動した。しかし戻った……また買えばいいだけです。戻ったところで買い直すか、さらに上にブレイクしてから買い直すかは、手法や戦略によって決まります。

自分の基準に従って行動できなかった場合、サイアクの結果があり得ます。
「ここは、自分のやり方では損切りして休みなんだが……」と思いながら切らずにいてドンドン下がってしまったら、フリーズしたまま「おい、戻ってくれ~」と祈るだけの状態になってしまいます。

値が戻してくれた場合は、もっと悪いことになります。「買いポジションを放置して待っていれば、戻ってくれるんだ」という自分勝手な認識が強くなってしまうのです。

相場を当てることは困難です。実際、株価指数が高い位置にいる中で、どんどん下げている銘柄だってあるのです。自分の答えで行動するだけでなく、多くの人が気にする指数の動きに惑わされないことです。「まずは指数の動きを語り、次に取って付けたように個別銘柄の解説」という順序は、ある意味、迷っている投資家を上っ面の情報で煙に巻くアプローチで、実践的とはいえません。

さて、当てることは困難でも、値動きに対して一貫性のある行動を取ることなら可能です。トレードの「型」を持ち、それをかたくなに守ることが大切です。

中源線建玉法の場合、その「型」がシンプルな数式になっていて、感覚的にも納得できるのが大きな特長です。

中源線では、目先の動きで、割にあっさりと陰陽の判断を転換させます。プロが行う分割売買があるので、バランスが取れるのです。急落して戻った場合、中源線では、次に示すような対応になることが多いでしょう。

中源線での対応事例

ガクンと下げた場面で、買いから売りにドテンしたとしても、3分割なので「まずは3分の1」だけ売り建てします。その後、強張って陽転と判断したら、カラ売り玉を踏みますが、3分の1しかないので損失は抑えられます。陽転後、中源線のルールによって「この転換は確度が高い」と判断したあとは増し玉(やはり3分の1ずつ)していきます。

同じパターンを、実際の値動きで紹介します。
3116トヨタ紡織です。

3116トヨタ紡織

トヨタ紡織は、7月の急落でいったん陰転しています(2)。しかし7月の終わりに再び陽転しました。この間、買い玉を手仕舞い、ドテン売り建て、売り玉を踏んでドテン買いとポジションを変化させることになります。

売りに転換した部分がムダなように思えますが、それこそ結果論です。買いポジションを持ったまま暴落した場合に、動けなくなってしまうことが最もキケンなのです。

次回のフォローアップ(2)では、実際に下げてしまった実例を挙げながら、現実での適切な対応をさらに考えていきましょう。

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7月6日放送のフォローアップ(4)
林 知之

値幅を取るトレード


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


7月6日放送のフォローアップ最終回として、「値幅を取るトレード」と題し、番組でも紹介した個別銘柄の中源線を見ながら、中源線建玉法におけるポジション操作を考えてみましょう。

ちなみに、番組でご覧に入れたチャートは7月3日までのものだったので、このフォローアップでは7月24日までのチャートを用意しました。

見込み違いだったらポジションを積み増す前に切って出直すしかありませんが、転換点をうまく見つけたと判断したら、タイミングを計ってポジションを増やしたうえで「一定の値幅」を狙いたいのです。

価格だけに注目する、つまり“チャートのタテ軸”に焦点を当てて「買い場を見つければOK」「売り場を見極めるには……」と考えてしまいがちですが、トレードは「仕掛け → ポジション操作 → 手仕舞い」という一連の売り買いが継続するのですから、その中で損を小さく、利益を大きくする工夫が求められます。

4751サイバーエージェント

4751サイバーエージェント
2015年1月~3月に急騰したあと陰転し、6月後半に再び陽転しました。番組では「このあと、どうなるか……」とコメントしましたが、番組の数日後に陰転しました。ここで、「このまま横ばいが続くとダマシの往復ビンタを食らう」といった発想が生まれます。2014年8月~10月にみせたような、陰転、陽転の繰り返し(チャートの赤い丸)を想像するということです。しかし、これを嫌ってポジションを取らずにいると、青い丸で囲んだような急騰場面も取れなくなってしまいます。トレードの難しい部分ですね。

5727東邦チタニウム

5727東邦チタニウム
番組で紹介した7月3日の時点と同じく、現在は陰線です。
2015年3月半ばに陽転したあと、6月にかけて大きく上伸して短期で倍化した動きについて、現実のトレードを考えてみましょう。
まず、天井で売ることは非常に難しい……というか、天文学的確率の偶然を期待するしかありません。うまく初動に乗れたとして、例えば4月、5月の保合(青い丸)で「上げ止まりか……」と売り手仕舞いして買い直しができない、というのが実際でしょう。4月あるいは5月に手仕舞いして終わりでも、初動で乗れれば十分に成功ですが、「さらに値幅を取ることができないか」と考えるのは当然です。
この上げの最中、中源線は陰転していません。なので、「陰転したら売ればいい。それまではホールド」と買いポジションを維持することが可能です。ルール上、下げ始めてから陰転することになるので、買いポジションの手仕舞い売りもドテンの新規売りも、天井をつけたあとのタイミングですが、規定通りにトレードすれば上げ途上で降りてしまうことはありません。

7717ブイ・テクノロジー

7717ブイ・テクノロジー
2015年3月に陽転したあと大きく上伸し、最高値をつけた直後にアッサリと陰転しています。中源線に従えば現在、しっかりとカラ売りポジションを持っているわけですから「このままドンドン下がれば面白い」ということですが、期待通りにいくかどうかはわかりません。
赤い丸で囲んだ安値保合では実際、大きな変動がないまま往復ビンタを食らっています。半年越し、3回目の陽転が急騰につながったのですから、大きな波を取るために、ちゃぶつく場面での損を経費として受け入れることが求められますし、トレードの障害となる「不安」を解消するためには、使っているシステムの長所と短所をしっかりと理解することが必要です。

7874レック

7874レック
大きな上げを買いで取ったあと、2015年3月下旬に陰転しました。ところが5月、一時的に強張った場面でダマシの陽転があったのです(赤い丸)。ですから、6月後半の陽転についても「またダマシか……」と考えがちですが、個人的な相場観を入れすぎてしまうとポジション操作がチグハグになるので要注意です。
ちなみに5月の陽転では、直後に陰転しています。過去の放送で紹介した、中源線における「再転換」のルールがうまく機能した事例ですね。動いた方向についていく、見込み違いだと思ったら本玉を入れる前に損切りして仕切り直す……現実のトレードでは行動できずにフリーズしてしまうケースが多いものですが、中源線ならば、少なくとも迷わずに行動を取ることが可能です。

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「中源線を検討したいが、どんな手順で考えればいいか?」との質問を、何件もいただきました。これを受け、「中源線建玉法“実践”への道」というページを作ったので、のぞいてみてください。向上心があれば新しい手法に興味を持つものですが、適切なプロセスを踏んで納得することが不可欠です。
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次の放送は、8月10日(月)です。お楽しみに!

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7月6日放送のフォローアップ(3)
林 知之

「安く買う」でホントに儲かるの?


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


安く買って高く売る──。相場の極意などといわれる表現ですが、この言葉をそのまま実行に移しても、適正なトレードスタイルは確立できないと私は考えています。

買い値よりも売り値のほうが高ければ儲かる、逆ならば損をする……当然のことなのですが、「安く買う」というところに落とし穴があるのです。「安く買う」を大切にしすぎた結果、どんなことになるか、考えられるミスのパターンを並べてみます。

  1. 安くなったので買ったら、さらに下がった
  2. 安値を拾ったが、上がらない
    • 手堅く出遅れを買ったつもりが、“出ずじまい”が続いている
    • 買った銘柄が全く時流に乗らない
  3. 安く買えて上がってきたが、周囲の銘柄に比べて上昇が鈍い

つい、目先の結果論だけで「ミスだ」と決めつけてしまうこともあります。でも、考え方のズレが原因で、恒常的にこれらのミスにつながっているケースも少なくないでしょう。つまり、イメージを変えるだけでパフォーマンスが向上する可能性があるということです。

動いた銘柄に目をつけて乱暴に飛びついていたらケガのもとですし、むやみな順張りが有利とはいえません。でも単純なイメージで比較するならば、「安く買って……」よりも「高く買って、さらに高値で売る」という言葉で考えたほうが、強い銘柄の上昇に素直についていくポジションをつくりやすいと思うのです。

先日、『研究部会報』の「相場師インタビュー」に応じてくれたシステムトレーダー照沼佳夫氏は、次のように語ってくれました。

「『高く買って、さらに高値で売る』では、まだ“弱い”と思います。高く買って、さらに高値で買い乗せるんですよ」
(7月28日発行の「7月号」に掲載)

いわく、「一定幅で買い下がると常に評価損。逆に、一定幅で買い上がると、上がっていく相場でポジションを増やしながら、評価益の状態を維持できる」。

平均値を有利にする(平均値を不利にしない)ことは大切ですが、強い銘柄を買い、弱い銘柄は売り建てする、言い換えれば、相場の“流れにつく”という根本的な問題が優先されるのは当然のことなのです。

とはいえ、安いところで買っておかないと、上がったあとで「あそこが買い場だった」と後悔するだけになりかねません。あるいは、買いそびれた経験から動いた銘柄に飛び乗ったとたん、スルスルッと下がって動かなくなる、なんてこともあります。

これを解決するのが、分割売買です。

分割によるポジションづくりを計画的に行えば、例えば次に挙げるような取り組み方で、自分を見失わずに値動きの中をラクに泳いでいくことができます。

  1. 安値圏で一部を仕込み、動き始めを確認して増し玉する
  2. 動き始めたら即乗るが、見込み違いの場合はサイズが小さいうちに損切り
    見込み通りだと判断したら押し目で増し玉
  3. いずれにしても、上昇の強さを確認してから乗せて効率良く上げを取る

どの方式を選ぶかは好みの問題ですが、分割売買を前提にすると、自分をコントロールしながらポジション操作を行うことが可能になるでしょう。また、差の少ない2つくらいの方式ならば、「状況によって使い分ける」ことも難しくないはずです。

ちなみに中源線建玉法は「2」の方式です。
陰線のうちは買いポジションを取らず、少し上昇して陽転したら買い始め、転換の確度が上がったと判断したら押し目買い(逆張りの増し玉)を実行するのです。このようなポジション操作を、シンプルでわかりやすい「3分割」で進めていく、機械的な売買手法なのです。

次回のフォローアップ(4)では、放送でも取り上げた個別銘柄の動きについて、中源線のポジション操作を含めた解説を行います。お楽しみに!

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7月6日放送のフォローアップ(2)
林 知之

転換点を見つけるポイントは「W型」


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転換点を見つける方法……多くの人が追い求める、ある意味、永遠のテーマですね。

ちなみに、「当てよう」という気持ちは、とても大切です。例えば「これから上がる」というように、自分なりの確信を持たないと、コントロールされた行動につながらないからです。

半面、「当たり外れがある」という現実も受け入れなければなりません。「当てなくちゃ」と力を入れると、ちまたにある便利そうなものや手軽なものを選んだり、的中率を上げるために大きな労力を費やし、いつしか「相場難民」と化してしまう恐れがあるのです。

売買法は、「予測法」「建玉法」「資金管理」の3要素で成り立ちます。
3つのうちの1つである「予測法」にばかり力を入れず、転換点を見つけるという大切な事柄についても、シンプルかつ原則的なものにとどめる発想が大切です。

この原則を示すキーワードのひとつが、今回のタイトルに盛り込んだ「W型を探せ」です。相場なので当然、上がったり下がったりの連続です。だからW型が出現するのは当たり前なのですが、ついチャートのタテ方向だけに目を向けてしまう、つまり、ヨコ軸である時間の経過を無視して価格だけを考えてしまいがちなので、バカにできない有効性があるといえます。

1株価が下がれば、買いのチャンスが生まれます。「下げたら上がる」は、相場の原則として間違っていません。しかし、単に下げただけで買い出動すると、下げの途中で買ってしまいます。逆張りのつもりが、「逆行のポジション」をつくってしまうわけです。これを避けるためには、日柄の観察などいくつかの観点が有効ですが、価格が下げ止まりを示すこと、チャートにおいては「W型」をイメージするとよいのです。


2下げ止まり、往来が続きながら振幅が小さくなっています。いわゆる「収れん」している状態です。間もなく上下どちらかに放れる、安値圏や上昇途中ならば買い、と判断できます。


3行ったり来たりの動きから上に抜けたので、今までの上値抵抗線(赤い点線)が今後は支持線になると考えられます。


4「3」の上抜け後に押し目をみせています。上昇トレンドに移ったとみているので、押し目は絶好の買い場だと考えます。

 



事前に、「シンプルかつ原則的なものにとどめる」と述べました。また、これら4つは見方の一部に過ぎません。そんな前提があっても、「カンタンすぎる」と感じたかもしれません。

でも、そんな気持ちから、つい複雑なことを考えてしまったり、怪しげな予測法に興味を持って迷走してしまうことが実に多いのです。単純かつシンプルなロジック(判断ルール)を使い、ポジション操作と併せてトレード全体を構築してほしいのです。

実は中源線も、これくらいシンプルな考え方で成り立っている建玉法です。
図の「3」でトレンド転換を判断して最初のポジションを取り、「4」の押し目でポジションを増やすという単純な行動を基礎としているので、迷いが膨らんだり、自分の思考や行動がわからなくなるといった混乱がないのです。

次回のフォローアップ(3)では、ここで示したような判断だけでは扱いきれない、実際の値動きに対応する具体的な方法を考えます。お楽しみに!

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