8月10日放送のフォローアップ(1)
林 知之

脱結果論、脱株価指数


マーケット・スクランブル、8月10日の放送は、最近みられる急落時の対応を考える内容でお送りしました。そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第66回  トレードはわがまま放題でOK? ~自分自身の想定を大切にする~


まずは、「急落時の対応」について、3つのパターンを示します。

3種の対応

番組でも説明した通り、その先の動きなど誰にもわからないので、A、B、Cのどれでも正解、いや「正解になり得る」のです。切ってしまったのに戻ったから「失敗だった……」というのは、単なる結果論です。急落が一時的なもので終わるか、下げの始まりかなんて、その時点ではわからないからです。

だから、自分の手法、自分の判断基準で決めた対応こそが「正解」なのです。

では、結果的に見込み違いだった場合、どうするか──。
自分自身の答えが「切ってドテン売り」だった。その通りに行動した。しかし戻った……また買えばいいだけです。戻ったところで買い直すか、さらに上にブレイクしてから買い直すかは、手法や戦略によって決まります。

自分の基準に従って行動できなかった場合、サイアクの結果があり得ます。
「ここは、自分のやり方では損切りして休みなんだが……」と思いながら切らずにいてドンドン下がってしまったら、フリーズしたまま「おい、戻ってくれ~」と祈るだけの状態になってしまいます。

値が戻してくれた場合は、もっと悪いことになります。「買いポジションを放置して待っていれば、戻ってくれるんだ」という自分勝手な認識が強くなってしまうのです。

相場を当てることは困難です。実際、株価指数が高い位置にいる中で、どんどん下げている銘柄だってあるのです。自分の答えで行動するだけでなく、多くの人が気にする指数の動きに惑わされないことです。「まずは指数の動きを語り、次に取って付けたように個別銘柄の解説」という順序は、ある意味、迷っている投資家を上っ面の情報で煙に巻くアプローチで、実践的とはいえません。

さて、当てることは困難でも、値動きに対して一貫性のある行動を取ることなら可能です。トレードの「型」を持ち、それをかたくなに守ることが大切です。

中源線建玉法の場合、その「型」がシンプルな数式になっていて、感覚的にも納得できるのが大きな特長です。

中源線では、目先の動きで、割にあっさりと陰陽の判断を転換させます。プロが行う分割売買があるので、バランスが取れるのです。急落して戻った場合、中源線では、次に示すような対応になることが多いでしょう。

中源線での対応事例

ガクンと下げた場面で、買いから売りにドテンしたとしても、3分割なので「まずは3分の1」だけ売り建てします。その後、強張って陽転と判断したら、カラ売り玉を踏みますが、3分の1しかないので損失は抑えられます。陽転後、中源線のルールによって「この転換は確度が高い」と判断したあとは増し玉(やはり3分の1ずつ)していきます。

同じパターンを、実際の値動きで紹介します。
3116トヨタ紡織です。

3116トヨタ紡織

トヨタ紡織は、7月の急落でいったん陰転しています(2)。しかし7月の終わりに再び陽転しました。この間、買い玉を手仕舞い、ドテン売り建て、売り玉を踏んでドテン買いとポジションを変化させることになります。

売りに転換した部分がムダなように思えますが、それこそ結果論です。買いポジションを持ったまま暴落した場合に、動けなくなってしまうことが最もキケンなのです。

次回のフォローアップ(2)では、実際に下げてしまった実例を挙げながら、現実での適切な対応をさらに考えていきましょう。

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7月6日放送のフォローアップ(4)
林 知之

値幅を取るトレード


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


7月6日放送のフォローアップ最終回として、「値幅を取るトレード」と題し、番組でも紹介した個別銘柄の中源線を見ながら、中源線建玉法におけるポジション操作を考えてみましょう。

ちなみに、番組でご覧に入れたチャートは7月3日までのものだったので、このフォローアップでは7月24日までのチャートを用意しました。

見込み違いだったらポジションを積み増す前に切って出直すしかありませんが、転換点をうまく見つけたと判断したら、タイミングを計ってポジションを増やしたうえで「一定の値幅」を狙いたいのです。

価格だけに注目する、つまり“チャートのタテ軸”に焦点を当てて「買い場を見つければOK」「売り場を見極めるには……」と考えてしまいがちですが、トレードは「仕掛け → ポジション操作 → 手仕舞い」という一連の売り買いが継続するのですから、その中で損を小さく、利益を大きくする工夫が求められます。

4751サイバーエージェント

4751サイバーエージェント
2015年1月~3月に急騰したあと陰転し、6月後半に再び陽転しました。番組では「このあと、どうなるか……」とコメントしましたが、番組の数日後に陰転しました。ここで、「このまま横ばいが続くとダマシの往復ビンタを食らう」といった発想が生まれます。2014年8月~10月にみせたような、陰転、陽転の繰り返し(チャートの赤い丸)を想像するということです。しかし、これを嫌ってポジションを取らずにいると、青い丸で囲んだような急騰場面も取れなくなってしまいます。トレードの難しい部分ですね。

5727東邦チタニウム

5727東邦チタニウム
番組で紹介した7月3日の時点と同じく、現在は陰線です。
2015年3月半ばに陽転したあと、6月にかけて大きく上伸して短期で倍化した動きについて、現実のトレードを考えてみましょう。
まず、天井で売ることは非常に難しい……というか、天文学的確率の偶然を期待するしかありません。うまく初動に乗れたとして、例えば4月、5月の保合(青い丸)で「上げ止まりか……」と売り手仕舞いして買い直しができない、というのが実際でしょう。4月あるいは5月に手仕舞いして終わりでも、初動で乗れれば十分に成功ですが、「さらに値幅を取ることができないか」と考えるのは当然です。
この上げの最中、中源線は陰転していません。なので、「陰転したら売ればいい。それまではホールド」と買いポジションを維持することが可能です。ルール上、下げ始めてから陰転することになるので、買いポジションの手仕舞い売りもドテンの新規売りも、天井をつけたあとのタイミングですが、規定通りにトレードすれば上げ途上で降りてしまうことはありません。

7717ブイ・テクノロジー

7717ブイ・テクノロジー
2015年3月に陽転したあと大きく上伸し、最高値をつけた直後にアッサリと陰転しています。中源線に従えば現在、しっかりとカラ売りポジションを持っているわけですから「このままドンドン下がれば面白い」ということですが、期待通りにいくかどうかはわかりません。
赤い丸で囲んだ安値保合では実際、大きな変動がないまま往復ビンタを食らっています。半年越し、3回目の陽転が急騰につながったのですから、大きな波を取るために、ちゃぶつく場面での損を経費として受け入れることが求められますし、トレードの障害となる「不安」を解消するためには、使っているシステムの長所と短所をしっかりと理解することが必要です。

7874レック

7874レック
大きな上げを買いで取ったあと、2015年3月下旬に陰転しました。ところが5月、一時的に強張った場面でダマシの陽転があったのです(赤い丸)。ですから、6月後半の陽転についても「またダマシか……」と考えがちですが、個人的な相場観を入れすぎてしまうとポジション操作がチグハグになるので要注意です。
ちなみに5月の陽転では、直後に陰転しています。過去の放送で紹介した、中源線における「再転換」のルールがうまく機能した事例ですね。動いた方向についていく、見込み違いだと思ったら本玉を入れる前に損切りして仕切り直す……現実のトレードでは行動できずにフリーズしてしまうケースが多いものですが、中源線ならば、少なくとも迷わずに行動を取ることが可能です。

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「中源線を検討したいが、どんな手順で考えればいいか?」との質問を、何件もいただきました。これを受け、「中源線建玉法“実践”への道」というページを作ったので、のぞいてみてください。向上心があれば新しい手法に興味を持つものですが、適切なプロセスを踏んで納得することが不可欠です。
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次の放送は、8月10日(月)です。お楽しみに!

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7月6日放送のフォローアップ(3)
林 知之

「安く買う」でホントに儲かるの?


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


安く買って高く売る──。相場の極意などといわれる表現ですが、この言葉をそのまま実行に移しても、適正なトレードスタイルは確立できないと私は考えています。

買い値よりも売り値のほうが高ければ儲かる、逆ならば損をする……当然のことなのですが、「安く買う」というところに落とし穴があるのです。「安く買う」を大切にしすぎた結果、どんなことになるか、考えられるミスのパターンを並べてみます。

  1. 安くなったので買ったら、さらに下がった
  2. 安値を拾ったが、上がらない
    • 手堅く出遅れを買ったつもりが、“出ずじまい”が続いている
    • 買った銘柄が全く時流に乗らない
  3. 安く買えて上がってきたが、周囲の銘柄に比べて上昇が鈍い

つい、目先の結果論だけで「ミスだ」と決めつけてしまうこともあります。でも、考え方のズレが原因で、恒常的にこれらのミスにつながっているケースも少なくないでしょう。つまり、イメージを変えるだけでパフォーマンスが向上する可能性があるということです。

動いた銘柄に目をつけて乱暴に飛びついていたらケガのもとですし、むやみな順張りが有利とはいえません。でも単純なイメージで比較するならば、「安く買って……」よりも「高く買って、さらに高値で売る」という言葉で考えたほうが、強い銘柄の上昇に素直についていくポジションをつくりやすいと思うのです。

先日、『研究部会報』の「相場師インタビュー」に応じてくれたシステムトレーダー照沼佳夫氏は、次のように語ってくれました。

「『高く買って、さらに高値で売る』では、まだ“弱い”と思います。高く買って、さらに高値で買い乗せるんですよ」
(7月28日発行の「7月号」に掲載)

いわく、「一定幅で買い下がると常に評価損。逆に、一定幅で買い上がると、上がっていく相場でポジションを増やしながら、評価益の状態を維持できる」。

平均値を有利にする(平均値を不利にしない)ことは大切ですが、強い銘柄を買い、弱い銘柄は売り建てする、言い換えれば、相場の“流れにつく”という根本的な問題が優先されるのは当然のことなのです。

とはいえ、安いところで買っておかないと、上がったあとで「あそこが買い場だった」と後悔するだけになりかねません。あるいは、買いそびれた経験から動いた銘柄に飛び乗ったとたん、スルスルッと下がって動かなくなる、なんてこともあります。

これを解決するのが、分割売買です。

分割によるポジションづくりを計画的に行えば、例えば次に挙げるような取り組み方で、自分を見失わずに値動きの中をラクに泳いでいくことができます。

  1. 安値圏で一部を仕込み、動き始めを確認して増し玉する
  2. 動き始めたら即乗るが、見込み違いの場合はサイズが小さいうちに損切り
    見込み通りだと判断したら押し目で増し玉
  3. いずれにしても、上昇の強さを確認してから乗せて効率良く上げを取る

どの方式を選ぶかは好みの問題ですが、分割売買を前提にすると、自分をコントロールしながらポジション操作を行うことが可能になるでしょう。また、差の少ない2つくらいの方式ならば、「状況によって使い分ける」ことも難しくないはずです。

ちなみに中源線建玉法は「2」の方式です。
陰線のうちは買いポジションを取らず、少し上昇して陽転したら買い始め、転換の確度が上がったと判断したら押し目買い(逆張りの増し玉)を実行するのです。このようなポジション操作を、シンプルでわかりやすい「3分割」で進めていく、機械的な売買手法なのです。

次回のフォローアップ(4)では、放送でも取り上げた個別銘柄の動きについて、中源線のポジション操作を含めた解説を行います。お楽しみに!

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7月6日放送のフォローアップ(2)
林 知之

転換点を見つけるポイントは「W型」


マーケット・スクランブル、7月6日の放送は、トレーダーにとって極めて重要な「相場の転換点」をテーマに、一般的な発想の落とし穴を探りつつ、それを解決する中源線建玉法の工夫を解説しました。そのフォローアップ(2)です。

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(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


転換点を見つける方法……多くの人が追い求める、ある意味、永遠のテーマですね。

ちなみに、「当てよう」という気持ちは、とても大切です。例えば「これから上がる」というように、自分なりの確信を持たないと、コントロールされた行動につながらないからです。

半面、「当たり外れがある」という現実も受け入れなければなりません。「当てなくちゃ」と力を入れると、ちまたにある便利そうなものや手軽なものを選んだり、的中率を上げるために大きな労力を費やし、いつしか「相場難民」と化してしまう恐れがあるのです。

売買法は、「予測法」「建玉法」「資金管理」の3要素で成り立ちます。
3つのうちの1つである「予測法」にばかり力を入れず、転換点を見つけるという大切な事柄についても、シンプルかつ原則的なものにとどめる発想が大切です。

この原則を示すキーワードのひとつが、今回のタイトルに盛り込んだ「W型を探せ」です。相場なので当然、上がったり下がったりの連続です。だからW型が出現するのは当たり前なのですが、ついチャートのタテ方向だけに目を向けてしまう、つまり、ヨコ軸である時間の経過を無視して価格だけを考えてしまいがちなので、バカにできない有効性があるといえます。

1株価が下がれば、買いのチャンスが生まれます。「下げたら上がる」は、相場の原則として間違っていません。しかし、単に下げただけで買い出動すると、下げの途中で買ってしまいます。逆張りのつもりが、「逆行のポジション」をつくってしまうわけです。これを避けるためには、日柄の観察などいくつかの観点が有効ですが、価格が下げ止まりを示すこと、チャートにおいては「W型」をイメージするとよいのです。


2下げ止まり、往来が続きながら振幅が小さくなっています。いわゆる「収れん」している状態です。間もなく上下どちらかに放れる、安値圏や上昇途中ならば買い、と判断できます。


3行ったり来たりの動きから上に抜けたので、今までの上値抵抗線(赤い点線)が今後は支持線になると考えられます。


4「3」の上抜け後に押し目をみせています。上昇トレンドに移ったとみているので、押し目は絶好の買い場だと考えます。

 



事前に、「シンプルかつ原則的なものにとどめる」と述べました。また、これら4つは見方の一部に過ぎません。そんな前提があっても、「カンタンすぎる」と感じたかもしれません。

でも、そんな気持ちから、つい複雑なことを考えてしまったり、怪しげな予測法に興味を持って迷走してしまうことが実に多いのです。単純かつシンプルなロジック(判断ルール)を使い、ポジション操作と併せてトレード全体を構築してほしいのです。

実は中源線も、これくらいシンプルな考え方で成り立っている建玉法です。
図の「3」でトレンド転換を判断して最初のポジションを取り、「4」の押し目でポジションを増やすという単純な行動を基礎としているので、迷いが膨らんだり、自分の思考や行動がわからなくなるといった混乱がないのです。

次回のフォローアップ(3)では、ここで示したような判断だけでは扱いきれない、実際の値動きに対応する具体的な方法を考えます。お楽しみに!

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7月6日放送のフォローアップ(1)
林 知之

個別銘柄のバラツキを知る


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(第64回  相場の転換点を見つける方法 ~W型を探せ~


ギリシャや中国の問題を背景に、日本の株価も乱高下をみせました。
そんな状況に対して多くの人は、当然のように日経平均の水準を話題にしていますが、まずは日経平均の動向ありきというアプローチに疑問を持ってもらいたいのです。

日経平均の先物やオプションをトレードするなら、もちろん日経平均を見ます。でも、トレード対象が個別株なのに日経平均を真っ先に見て、そこから思考を展開するパターンの人が驚くほど多いのです。

株価指数と個別銘柄の変動は、長期的にはほぼ連動するといえますが、数カ月単位、数週間単位では相当にバラツキが出てしまいます。また、どちらが先行するかも、その時々で異なるのです。

そもそも「株価指数」とは、「個別銘柄から割り出した数値」です。だから実践的には、全くの別ものと考えるか、むしろ逆に“個別銘柄一つ一つを分析して指数の動向を考える”ほうが理にかなっているでしょう。

さて林投資研究所では、継続してご紹介している中源線建玉法のオリジナルシステムを組み上げ、上場全銘柄のシグナル(売り買いのサイン)を日々更新するサービスを行っています。

中源線シグナル配信です。

一定のルールに従って強弱を判断し、プロが行うような3分割の売買を実現するのが中源線ですが、パラメータ(調節つまみ)の設定によってパフォーマンス(損益)が変わります。

そこで私たちは、最長31年間のデータを使い、さまざまな確度から検証しました。そして、最適化した数値を割り当ててシグナル配信のサービスを行っています。

この、最適化された数値による判断で、各市場の陽線(買い線)の数と陰線(売り線の)数が、それぞれ増減します。東証一部に限定し、陽線銘柄数の推移と日経平均の推移を見てみましょう。

陽線数

何カ所か、赤くなっているマスがあります。東証一部個別銘柄の陽線数、日経平均それぞれ、目先のピークを示しています。

わずか3カ月ほどのデータですが、日経平均が目先のピークをつけると、少し遅れて陽線数がピークを打つという傾向がみられます。おそらく、個別銘柄を直接売り買いするために最適化していること、中源線のロジック(ルール)がトレンドフォローであることが理由だと思います。

すると、個別銘柄のパラメータを調整すると、日経平均の動きに先行する指標を見つけられるかもしれませんね。ところが現実は、そう簡単ではないのです。前述したように値動きは、その時々で異なるからです。

現時点で結論となるのは、以下の2点です。

  1. トレード対象そのものの値動きを観察するのが正しい
  2. 値動きにトレンドを見出し、その転換点を探る必要がある

「2」が、今回の放送のテーマです。

次回のフォローアップ(2)では、転換点を見つける基本的なアイデアを確認します。

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6月8日放送のフォローアップ(4)
林 知之

分割売買は“技術”の第一歩


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(4)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


常に書いているように、予測の的中率を上げようと努力しても限界があり、その限界は意外と低いものです。つまり、大きな労力を払っても、わずかしかトレードの勝率を上げることができないのです。

だから現実では、「予測法」だけでなく、予測に応じて建玉する「ポジション操作」、継続的な売買の安全を保ちながら効率を求める「資金管理」を組み合わせます。

もちろん中源線は、この3つの要素をバランスよく兼ね備え、「トレード手法」として完成されているのです。

よく「銘柄に惚(ほ)れるな」といいますが、多くの投資家が、銘柄に惚れ込んで冷静さを失ってしまう状況を自らつくり出していると感じます。
最たる原因のひとつが、単発の仕込みです。

何かのきっかけで、ある銘柄に目をつける(この“きっかけ”にも問題が……)
値動きを観察する
徐々に惚れ込み、興奮状態に陥る
妄想が膨らんで「儲かる」ことだけを考える
意を決して“まとめ買い”する

こんな流れでポジションを取ると、「予想通りに動かないと困る」という自分だけの都合で考える状態になってしまいます。予測には当たり外れがあるので、臨機応変に“次の一手”を考えなければなりませんが、そんな柔軟な姿勢とはかけ離れた精神状態に陥ってしまうわけです。

ところが、分割で仕掛けるだけで、トレードに対する考え方は一変します。

例えば1万株買う際に、5千株、5千株と2回に分けるだけでも、柔軟かつ創造的な気持ちが生まれます。2回目は買い下がりか、いや上昇を確認してからの“乗せ”か、2回目を買う前に見込み違いで切っても損失が半分、1回目の適切なタイミングは?……という具合に。

値動きの状況は、刻一刻と変わります。
その移り変わりを、自分が想定するトレード期間に合わせて観察しながら、「ポジションを維持するか」「増やすか」「減らすか」と考えていく必要があるのです。

でも、ただ消極的なだけでは儲かりません。
「取れる場面」ではガッツリと取る気持ちが必要です。
トレードにおける見込み違いは当たり前、その際の損失は経費──だから、取れる場面を逃してはいけませんし、うまく“乗れた”と思ったら、安全を考えつつ、値幅を取ろうと粘ります。

つまり、トレードというのは一発勝負ではなく、微妙な感覚を生かした繊細な行為なのです。

どうしても単発的になる超短期の売買を除けば、少なくとも仕掛けには分割が必須です。自分の都合ではなく、実際の値動きが問題なのですから、いきなり決め打ちして自分を追い込むなんて乱暴すぎます。一点狙いでまとめて仕掛けるなんて、1回会っただけの人と結婚するようなものです。

さて、番組でも紹介した1821三井住友建設の中源線を見てみましょう。

1821三井建設

2014年10月に陽転しています。
上昇によって陽線に変わり、まずは1単位買うのですが、中源線は3分割を規定しているので、2回目と3回目が残っています。そのタイミングが、チャートの青い丸印の部分です。

このように、分割の仕掛けを想定するだけで、とても冷静な心理状態がつくられます。
もし急激に動いた場合でも、とりあえずのポジションをつくり、その後の動きに応じた対応が可能です。

三井住友建設は10月の陽転後、約2カ月ほど横ばいですし、直前の陰転がダマシだったので、不安な気持ちも生じるでしょう。でも一点狙いで仕掛けた場合と比べたら、驚くほど冷静に値動きを観察できるはずです。

同様に、2月以降の保合も、ポジションがあるとマイナスの感情が生まれます。しかし、確固たる判断基準と、それを緩やかにポジションに反映させる3分割の規定があれば、「素直に動きについていくだけ」と考え、落ち着いて値を追うことが可能になります。

この保合のあと、中源線通りに上昇すれば利益になります。でも、「下向きになってもOK」という心づもりもあるのです。陰転したらドテン売るだけ、損失を小幅にとどめ、下降トレンドに対して積極的に利益を取りにいけばいいのです。

【今夜はマーケット・スクランブル】
今夜はマーケット・スクランブルの生放送。私、林知之が出演し、「相場における転換点の見つけ方」をテーマにお送りする予定です。中源線のルールも含め、何通りもの見方・考え方をチェックしてみようと思います。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(3)
林 知之

トレードルールが
感情や感覚もコントロールする


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(3)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


相場の予測を当てるのは、非常に困難なことです。

トレードや金融のプロとして仕事をしている人間ならば例外なく、「いい銘柄をおしえて」とか「株って、まだ上がるの?」と話しかけられることが多いものです。でも、「それがわかったら、逆におしえてよ」というのがホンネです。

とはいえ、とりあえず聞いてみる貪欲な姿勢はトレーダーとして正しいともいえますし、思考が停止したような他力本願の態度を取る心理だって、非常によく理解できます。そして、そんな人間くさい部分に、トレードで望み通りの結果を生むためのヒントがあるのでしょう。

単なる「当たり外れ」ならば、純粋な気持ちで値動きを観察する立場、例えば実際にはトレードしない小学生などが最も優れているはずです。読みが当たるとカネになるという発想がなければ、価格変動の背景にある人間心理を、同じ人間として創造的に読み取ることに秀でているだろうという意味です。

しかし、自分がトレードしないまでも、値動きの観察と将来の予測が「カネになる」と知った瞬間に純粋さを失い、苦悩する多くのトレーダーと同じように、情報も感情も整理できない状態に近づき始めるのではないかと思うのです。

それに、最も大切なことは、予測の当たり外れと損益は必ずしも一致しないという事実です。

資金管理が適切ならば、予測の外れが想定外に連続しても、次のトレードを行う資金が不足することはありません。トレード手法全体のバランスが取れていれば、負けが続いたあとも自分を信じてポジションを取ることができます。そして、“うまく乗れた”ときに負けを取り戻してなお十分な利益を残すことが可能です。

でも、資金管理ができていない、あるいは手法をきちんと確立できていない場合、たった1回の負けで大きな損失をつくってトレードを継続できなくなるかもしれません。数回負けたあとに予測を当てたのに、意気消沈してポジションサイズを縮小していたために利益が薄いといった残念な結果もあり得ます。

とにかく「今回はどうなんだ!」と不安と期待が入り交じる状態で決断し、一定量のポジションを動かしていくのが、トレードという作業です。過度なストレスを生むことなく、バランス良く「えいやっ!」とポジションを動かしていくことが求められるわけです。

さて、最もわかりやすいパターンとして、「想定外の値動き」を考えてみます。
下のチャートを見てください。6470大豊工業の中源線です。

6470大豊工業

2014年10月以降の上げトレンドにおいて2回、一時的に陰転した場面があります。どちらも、すぐに再陽転しています。つまり、「陰転はダマシだった。上げトレンドが続いていた」と判断をひっくり返しているのです。

ちなみにこれらは、中源線における「再転換」で、陽線に変わった際は原則の1/3建玉でなく、いきなり2/3建玉、つまり転換後のポジションを通常の2倍にします。このあたりの対応が、まさしくプロの発想なのですが、理解していながらも実行が難しい部分です。

さてチャートを見て、一部の人は「ドテン売らずに買いポジションを維持しておけばよかった」というのですが、あとから見るからいえることです。買っている状況でいったん弱含みになったのですから、何かしらの対応が望まれます。この場合は、中源線に従って買いポジションを解消し、1単位だけドテン売り建てするということです。そして再び陽線になったときには、1単位の売り玉を踏む(損して買い戻すこと)と同時に2単位をドテン買うのです。

もし陰転時にも買いポジションを放置していたら……再び強張ったときには「よかった」となるのですが、それは単なる結果論で、陰転が当たってどんどん下げていった場合、冷や汗をかきながら精神的にフリーズし、カラ売りで取るどころか買いポジションの評価損が膨らむ様子をボサッと眺めていることになってしまいます。

慌ててポジションを閉じるのはカッコ悪い、損が出るのはつらい、いったんドテン売った直後にドテン買いにまわるなんて落ち着きがない……感情的に納得できないのはやまやまですが、マーケットは自分の個人的な都合を聞いてくれないので、値動きに対応するしかありません。感情がジャマして、肝心なときに動けないことだけは是が非でも避けなければならないのです。

感情や感覚は、生身の人間ならではのもので、いわゆる「能力」を生み出すものです。だから、積極的に活用するべきです。
しかし、目先のことにとらわれ過ぎてしまうことが懸念されます。

トレードの行動パターンを考えてルール化しておくと、望まないブレを防ぎ、継続的な結果を生み出す効果が期待できるのです。

次週のフォローアップ(4)では、あらためて「分割売買」の意義を考えます。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(2)
林 知之

予測が当たらなくても結果をコントロール


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(2)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回  利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


番組MCを務める大橋ひろこさんは、よく道に迷います。先日の放送後も、途中で乗り換える駅を間違えていました。
かくいう私も、イベント会場を探してさまようことなど日常茶飯事。そして目的地を見つける前に、迷子になってキョロキョロする大橋さんを見つけるのです!

この手のエピソードがちょっと“恥ずかしい”理由は、地図や路線図をきちんと確認すれば、迷わずに目的地に到達するからです。
ところが現実のトレードでは、最後の最後まで「正解=正しい道順」がわかりません。マーケットに参加している誰もが、“常に道に迷っている状態”だと説明できますよね。

現在は迷子、最後までほぼ迷子、次のトレードも再び迷子……このような状況の中、自分なりの「読み」で確信あるポジション操作を行うことが求められるのですから、ある意味、つらい作業です。

蛇足ですが、このつらさから逃れようとするのが自然な心理です。
でもラクな道に進もうとすると、「未来の株価を誰かおしえて!」という姿勢になり、思考停止、他力本願、責任放棄といったキツい言葉で評されてしまいます。

準備不足のままで、儲かることだけを妄想するようではいけませんが、実際にポジションをつくる、値動きに応じて変化させるときには、開き直って「えいやっ!」と実行してしまう気持ちも必要なのです。
もちろん、丁寧かつ慎重な進め方をするうえでの「えいやっ!」です。

どんな手法でも、どんな予測法でも、未来を的確に言い当てることは不可能です。それぞれに一長一短がある、つまり、予測法Aでも予測法Bでも、うまく当てられる場面は限定され、あるときはAが当たってBは見込み違い、またあるときはA、Bとも出動できずに利益のチャンスを逃す──これが現実です。

実践家がつくったルールは例外なく、こういった現実を素直に認めるところからスタートしています。言い換えると、欠点を容認して長所を伸ばすことであり、今回テーマとしている「損小利大」の根幹といってもいいでしょう。

中源線における予測も、このような考え方に基づいています。
グズグズせずにトレンドの方向を判断してポジションを取りますが、その判断の当たり外れがそのままパフォーマンス(売買の成績)につながるとマイナスが大きくなることもあるので、損小利大を実現するために3分割を実行するのです。

前回のフォローアップ(1)では、陰陽の転換後すぐに見込み違いを認める「再転換」を紹介しました。3分割の最初の1回、つまり1/3しか建てていないため損失を抑える効果があります。また、再転換時には最初から2単位のポジションをつくって“取り損ない”を防ごうとします。

では、転換直後に再転換せず、見込み通りに価格が推移した場合は、どうなるのでしょうか。下の図を見てください。

転換と増し玉イメージ

中源線のルールでは、転換直後の「再転換あり」の状態と「再転換なし」の状態を明確に分けています。「再転換なし」と判断したあとは、その方向に推移することを前提にポジションを増やします。

ただし計画通りの数量ですし、転換時には順張りだった半面、増し玉は必ず逆張りで行います。買い線のときは押し目買い、売り線のときは戻り売りということです。

こうして計画的に満玉(3/3建玉)をつくったあとは、一定の伸び方(売り線のときは下落)をみせたら一部または全部を利食い手仕舞い、ということもルールで決まっています。この利食いルールもシンプルな数値で決められているのですが、イメージを示すと下の図の通りです。

手仕舞いと再度の増し玉イメージ

「ワン、ツー、スリー」と伸びたら利食い手仕舞いします。
生身の人間の感覚で納得できるルールなのです。

しかし、再び逆行(買い線での下げ、売り線での上げ)をみせたら、割とあっさりした感じで再度の増し玉を行います。だから、大きく動いたときにしっかりと値幅を取ることが可能になります。

実例を見てみましょう。
下のチャートは、7717ブイテクノロジーです。

7717ブイテク

2015年3月に陽転したあと大きく上伸し、短期間で倍化しています。
こういった動きこそ「取りたい」と切望するものですが、裁量トレードで値幅を取るのは意外と困難です。買うタイミングが早すぎれば精神的に疲れて早めに降りてしまいますし、途中もたついた場面や以前の高値近辺で手仕舞いしたくなるものです。

しかし中源線を使い、「陰陽が転換したときは逆のポジションにするだけ」と割り切っていれば、こういった大相場をうまく取ることができます。

さて、実例をもうひとつ。4751サイバーエージェントです。

4751サイバーエー

2015年1月からの上昇を中源線がうまく捉えていますが、2月に伸び悩んだ場面(赤い丸印)では「手仕舞いして利益を確保しようか……」という発想も出るはずです。しかしこのケースは、買いポジションをホールドしていれば、さらに1,000円幅という動きだったのです。

もちろん、この2月の伸び悩みから下落して陰転してしまった場合は、「精神的に疲れたうえに利幅が減った。売っておけばよかった」となるのですが、これは“値動きについていく”という中源線の特徴が生んだ欠点であり、それを容認することで利を伸ばす結果も得られるわけです。

重ねて説明しますが、シンプルかつ納得できる3分割のルールがあるからこそ、迷子の状態でも確信ある行動を取ることが可能なのです。

サイバーエージェントについて、もうひとつ、中源線のポジション操作を説明しておきます。

直近4月以降の下げを見てください。陰転の直後に続落していますが、戻った場面(青い丸印)で増し玉を実行するのがルールなので、「うん、うまく乗れている」という印象です。トレーダーの不安と期待をバランス良くまとめ、ポジション操作のルールにしていることがわかります。

次週のフォローアップ(3)では、想定外の動きに直面した場合のポジション操作と、そのときの心理を考えます。お楽しみに!

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6月8日放送のフォローアップ(1)
林 知之

5割未満の勝率で利益を上げる“損小利大”


マーケット・スクランブル、6月8日の放送は、難しいといわれる「利食い手仕舞い」をテーマに、中源線による陰陽の判断と3分割売買を解説しました。そのフォローアップ(1)です。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第62回 利食い手仕舞いは難しい~中源線の手仕舞いに学ぶ損小利大~


トレードにおける勝率、または予測の的中率は5割を超えない──。多くの要素が混在して価格が変動する金融マーケットでは、将来の予測が非常に困難です。この「非常に困難」という意見に反論しない人でも、「上か下かで、ほぼ半分は当たるのでは……」と考えがちです。しかし、例えば「半年で3割の上昇」を見込んだのに変動がなかったら、これは予測が外れたと評価せざるを得ません。単純化して「上」「下」「あまり動かず」の3パターンとしても、的中率は33.3%ということになります。

多くの実践家が実際、「予測の的中率は3~4割」と認識しています。

短期のシステムトレードで、同値での手仕舞い以外を「勝ち」または「負け」と分類すると、前述の「動かず」(=外れ)が除外されます。サイコロをころがしたって、ほぼ5割の的中率というのが、多くの人の認識でしょう。そこで「勝率8割の予測法をつくろう」といった発想も生まれますが、「5割前後にもっていくことで手法としてのバランスが取れる」と考えるシステムトレーダーは大勢います。

番組で紹介している中源線建玉法も、いわゆる勝率で計算すると5割を下回ります。しかし多くの銘柄で、取引コストを差し引いてもけっこうな利益となる設定を見いだすことができます。このような“損小利大”を実現しているのが、3分割のポジション操作なのです。

システムでも裁量でも、ポジションを取った結果、マーケットの価格変動で損益が生じる点は変わりません。ですから両者とも、5割または5割未満の勝率で利益を出すために必要な要素は同じです。

  1. 数量の増減
  2. タイミングの調整

中源線のルールは、トレードの結果をコントロールする根幹の要素、「数量の増減」と「タイミングの調整」を実現するためのトレーダーの発想を、シンプルな数式にしたものなのです。基本的なことを、図で説明しましょう。

再転換イメージ

上の図について説明します。
「下がる」と判断している陰線から陽線に変わった(陽転した)ところで、3分割の最初の1単位、基本となる1/3だけ建て玉します。陽転だから、1単位を買うわけです。しかし、直後の2日間の逆行(下げ)で再転換(陰転)します。この場合、買った1単位を損切り手仕舞いすると同時に、2倍に当たる2単位を売り建てるのがルールです。

再転換」は、中源線にとって非常に重要なルールです。
「上がる」と判断した直後に「いや、ちがうようだ」と判断を切りかえて素早く行動するためのものだからです。

中源線で再転換が起こる場合は、最初の1単位しか建てていません。だから、損失は小さく抑えられます。なおかつ、「以前のトレンドが続いていた」「試し玉以上に建てたい」と考えて2単位のポジションをつくるのです。

これは、プロが実践するポジション操作です。そして多くの人が、納得しながらも実践できない対応ですね。

裁量では「実行しよう!」と考えながらもモタモタして遅れてしまうケースが多くなりますが、このようにルール化されていると実行しやすいのです。

では、実際の値動きで中源線の「再転換」を見てみましょう。
下のチャートは、中源線シグナル配信サービスにおいて林投資研究所が選定した“ユニバース銘柄”の1つ、7874レックです。

7874レック

2014年からの大きな上げを取ったあと、2015年3月下旬の下げで陰転しています。しかし、5月の短期的な上げで陽転しました(青い丸印)。つまり、「上げトレンドに変わった」と判断し、売り玉を手仕舞いしてドテン買いにまわったわけです。この時の買いは、1単位だけです。

ところが、たった1本の陽線から再び下落し、再転換が起こっています。ここで、「おっと、下げトレンドが続いていたんだ」と素早く強弱の判断を切りかえ、1単位の買いポジションを投げると同時に2単位売りにいくのです。

結果として、下げにうまく乗れていると思います。

次週のフォローアップ(2)では、さらに具体例を挙げながら、中源線における「利食い手仕舞い」と「ポジションを維持して利を伸ばす」工夫について説明します。お楽しみに!

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5月11日放送のフォローアップ(4)
林 知之

ユニバースから個別銘柄の中源線を紹介

マーケット・スクランブル、5月11日の放送は、前回に引き続き「中源線シグナル配信」の詳しいご案内でした。そのフォローアップ(4)です。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第60回
 「シグナル配信」ってなーに?
~林投資研究所としての「シグナル配信」への取り組み~

5月11日放送のフォローアップ(4)は、番組で取り上げた個別銘柄の中源線チャートを解説します。3つとも、シグナル配信において林投資研究所が選定した「ユニバース」銘柄です。

5727 東邦チタニウム

東邦チタニウム

2月の陰転はダマシといえますが、3月後半からの上げは、中源線の陽転によって見事に取れています。チャートは放送時と同じものですが、実はこのあと、さらに上伸しています(6月1日終値=1,438円)。

このように“おいしかった”動きだけを取り上げて「これが中源線です」などと説明するとウソになってしまいますが、裁量では乗りにくい動きといえます。

裁量でうまく買いポジションを取ったとしても、4月後半にもたついた場面では、「下げる前に売っておこうか……」と考えて降りてしまうかもしれません。誰もが値幅を取ろうとしているのですが、実際にねばって利を伸ばすのは難しいものです。

しかし、中源線でルールが明確になっていれば、「陰転したらドテンするだけ」と割り切って買いポジションを維持することが可能です。損小利大の「利大」を実現する可能性があるということです。

明確な基準を持とうとしながらも、ついその場の思いつきで行動してしまいがちです。裁量では、数式化できない人間の能力で値幅取りを実現しようとするのですが、心理面がマイナスに作用することもあります。一長一短といえばそれまでですが、「最悪でもドテンのシグナルが出る」というのは、ひとつの安心感でしょう。

6755 富士通ゼネラル

富士通ゼネラル

2015年1月以降の上げは、中源線がきれいに捉えていますね。

しかし、例えば2014年5月の陰転を見てください。ダマシで終わっています。
ルールを熟知していれば転換の理由は完全に納得できますし、常に当たることなどないと理解しているはずです。それでも、こういったダマシが1回あるだけで、自分の感覚を信じて余分な裁量を入れたくなるものです。カーナビが「右折」と指示しているのに対し、「いや、直進したほうが快適で、時間も短いはずだ」などと考えるのと同じです。

2014年7月以降は、おおむね問題なく取れている印象ですが、使う側の人間に高い能力があるため、2014年10月の陽転や翌11月の陰転について「タイミングが遅い」といった不満を感じるかもしれません。

「ルールを決め、その通りに実行する」ことの難しさを、あらためて感じますね。

4997 日本農薬

日本農薬

なかなか動きのある銘柄で、面白そうという意見も多いかもしれません。

中源線の陰陽転換について全体を見ると、ダマシと認められる部分と、きれいに取れている部分が混在しています。

最近の動きに絞って考えてみます。

2014年10月の終わりに陽転し、きれいに値幅が取れています。
「もう少し早めに転換したら……」と思うのが人情ですが、中源線はトレンドフォローのシステムなので、これくらいの遅れが出るケースが多いのです。

2015年1月と2月は方向感に乏しい保合ですが、ダマシの陽転はなく、そのあと下げているので、「うん、当たった」という感じですね。

最後の転換、2015年4月の陽転はタイミングが気になります。
ポンッと跳ね上がったところで陽転しているからです。
ルール上そうなるということで、中源線の弱点として受け入れるしかなく、もしロジック(ルール)を変更する、あるいは追加して、この弱点を補おうとすれば、大切な長所を失いかねません。わかっていることですが、「すべての動きに対応する数式は存在しない」ということを、あらためて考える必要があるわけです。

今夜は生放送

本日、6月8日の夜は、マーケット・スクランブルの生放送です。
私、林知之が出演し、「利食い手仕舞い」をテーマに、引き続き中源線建玉法を取り上げてトレードのテクニックや考え方をご紹介します。

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