“正解”はある

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連載「相場のこころ トレードの本質」その35
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1月22日(月)、東京に大雪警報!
多くの人が早めに帰宅したのですが、駅は大混雑してダイヤは大幅に乱れました。

しかし鉄道各社の仕事は素晴らしく、雪の中、大量の乗客をちゃんと運んでいました。

路線によって、という条件はつきますが、「ゆっくり帰ったほうが快適だった」のです。

でも、それは単なる結果論……混雑と混乱を予期していたとしても「とにかく帰路につくのが正解だった」と言いきれるでしょう。

逆に・・・「ヘタに動かず、会社に泊まる覚悟でいるべきだ」「大げさじゃない、それくらい想定外の状況だよ」という考え方だってあります。これはこれで、正解です。

トレードの予測と結果を考えたとき、「買ったら下がった……失敗だった」というのは感情にまかせた結果論です。

正しくは、「次に同じ状況だったとき、どうするか」を必死に考える必要があるのです。

「次に同じ条件がそろったら、やはり買う」というのなら、買って下がって損切りが正解です。

どうしても損切りがイヤなら、トレードをやめるしかないのです。
いやいや、非情な世界です。


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絶望が技法の原点

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連載「トレード哲学」……22
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相場の必勝法はなにか?
タイムマシンを開発することです。
作ったら、こっそり知らせてください。

相場に必勝法はない──多くの研究者の結論です。
夢も希望もない……というところですが、実践者にとっては結論ではなく単なる「出発点」です。

誰が考えても相場をズバリ当てることはできない、どんな予測法も当たったり外れたり・・・

それならば、当たり外れではなく、『“売買結果”をコントロールしよう』という論理です。

いま編集中の新刊『億トレ3』~プロ投資家のアタマの中~に登場するシステムトレーダー照沼佳夫氏。

彼は3年間、来る日も来る日もパソコンと向き合い、「どのテクニカル指標も、長期では必ずマイナスになる」という結論に至り、深く落ち込みました。

そして、絶望の状態から苦労した末に、「技法」を駆使する具体的な方法にたどり着いたのです。

※この本は2月下旬発行です。お楽しみに!

照沼氏は、次のように語っています。
「分析指標は成果に直結しませんでしたが、『あなたの行く道はそちらではありませんよ』と教えてくれた気がします」

 

ちなみに、昨年8月発行の『うねり取り株式投資法 基本と実践』は、第4章をまるまるWEB上で公開中、本日公開したのは・・・

株式投資で分析による「必勝法」が成立し得ない理由!

「資産をつくりたい」という夢を実現するのは、素直な観察と現実的な思考、そして夢を追う前向きな気持ちです。


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自分だけわかればいい

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連載「相場のこころ トレードの本質」その34
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擬音と感覚的な表現で有名なのは、ミスタープロ野球、長嶋茂雄氏ですが、相場業界の人間も「ククッと上がってきたら……」とか「ストン」とか、そんな表現をよく使います。

拙著『凄腕ディーラーの戦い方』に登場する本河裕二氏は、値動きに対する「利益の取り方」を3つに分類しています。

「乗る」「張る」「切り取る」だそうです。

いわく、
「私は、動いたらスッと乗って、ちぎって終わり。でも、また乗っていく」

「上がるだろう」と考えて仕込む行為は、どんなに地味でも「張る」に分類されるそうです。彼にとっては。

「切り取る」は割愛しますが、彼がくっきりと区分する「乗る」と「張る」って、私にとっては同じなんですよね。

でも、話を聞いていて実に面白かった!

誰にでも売買の“かんどころ”みたいなものがあるのですが、なにをどう説明したって万人が納得することはありません。

自分だけがわかればいいのです。

そんな「自分だけの言葉」「自分だけの感覚」、もっていますか?


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トレードは負けるもの

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連載「相場のこころ トレードの本質」その33
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正月に、あらためて飼い犬を見ていましたが、いつもゴロゴロしているだけなのに、初対面の女性にからみついて喜ばれる・・・やはり負けてます。

新年あけましておめでとうございます。
2018年メルマガ第1号は、「勝ち負け」について。

東京オリンピック出場を競うカヌーの選手が、ライバル選手のドリンクに禁止薬物を混入しました。

「許せない」「そんなことをするなよ……」という話ですが、あえて、やってしまった選手の立場で考えてみます。

競争に負けてオリンピックに出られない……こんな結末が訪れるなんて耐えられない、トップ選手ならでは苦悩でしょう。

事件を構造問題にすり替えるつもりはありませんが、スポーツ選手が味わう「敗北」を考えてみたいのです。

トップ選手たちにとって、「優勝以外は敗北」かもしれません。
でも、大部分の選手は優勝争いすらできない。
負け、負け、負け……これがスポーツ選手の「平時」です。

「相場は非情だ」「負けてばかり」といいますが、体力とか技術なしに勝つことも可能ですし、初心者が大勝ちしたりするのですから、実はすごくラクな世界ではないかと・・・。

マーケットの環境は良好です。
高くなるほどに波乱の可能性も高まるのですが、そもそも利益のチャンスとリスクは一体のもの、自分を追い込まずに前進しましょう!

本年もどうぞよろしくお願いします。

会報1月号は1月30日発行!

☆『研究部会報』2018年1月号は、1月30日発行!
2018年の展望、銘柄の選び方(中源線)、相場師インタビュー(“ついてる仙人”こと金子稔氏) ほか

おひとりさま

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連載「相場のこころ トレードの本質」その32
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入ったら最後、出ることができないもの、な~んだ?
答えは「コタツ」。

冬の家庭の象徴だったコタツも、ずいぶんと数が減ったようですが、おひとりさま用のコタツは出荷が伸びているとか。

時代とともに、さまざまなものが変化します。
でも、相場、トレードって、以前も今も“おひとりさま”の世界ですよね。

情報交換の場が、証券会社の店頭からインターネットに移っただけで、儲かったら自分のもの、損失も自分で負うもの……。

相場を語る仲間がいたり、いなかったり、売買の結果を家族と共有したり、しなかったり……環境は異なるものの、最後はおひとりさま。
また、環境をつくるのも、おひとりさまの決断次第です。

真剣に勉強した人はみな「最後はメンタル」と言いますが、いきなりメンタルの問題を掲げても受けがわるい、“すぐにでも儲かる”においがしないと投資家は集まりません。

こんなことが悩みではありますが、あらためてトレードのメンタル講座をやりたいなあ、と考えています。

今年、中源線の半年コースを実施し、メンタル講座をがっつりとカリキュラムに入れてみて、確信をもちました。

ただ、多くの人が勘違いしていることがあります。
「不屈の精神」とか「必死に頑張る」なんて続くわけがないので、どうやったらラクに考えることができるか、どうやったら心配事が減るかが、メンタルの最大の課題です。

「欲をかかない」なんて精神論も、機能しないでしょう。

「欲を実現するためには、どうするか」
「欲を結果に結びつける安全かつ最短のルートは?」
こう考える以外に、道はないと思います。

「一年の計は元旦にあり」

年末年始を区切りに、まずはゴール設定、「自分がどうなりたいか」を自由に想像してください。

メンタルを考える、はじめの一歩です。


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12月4日放送のフォローアップ(3)

12月4日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 『動きに反応すればいいじゃないか』  12月9日掲載

フォローアップ(2) 『いわゆる“成功”の再現性を考える』  12月16日掲載

フォローアップ(3) 『個別銘柄を見るべし!』  本日掲載

12月04日放送のフォローアップ(3)
林 知之

個別銘柄を見るべし!

底値をズバリと当てる、天井をビシッと言い当てる……誰もがあこがれる理想の結果ですが、実はプレーヤーが目指すべきことではありません!

トレードの本質は、一歩遅れてもいいからトレンドの変化を検知し、サッと行動に移すことです。

2017年12月4日の放送では、値動きの「変化点」をキーワードに、トレードの核心に迫りました。難しいワザではなく、シンプルな判断と素早い行動によってプロのトレードを実現できるのです。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第122回 中源線で実現する究極のうねり取り ~変化点に機敏に対応するトレード~

先行指標を探すな!

「フィッシング詐欺」というものがあります。
偽のメールで偽のWEBページに誘導し、個人情報を入力させる手口です。

中には、大手企業のものと見分けがつかない高クオリティのものがありますが、「こんなお粗末なメールでだまされるヤツいる?」と感じるような幼稚なものが多数です。

でも、笑ってはいけません。
実際にだまされる人間がいるから、詐欺業者もせっせとメールを送りつけるのです。
見極める目をもっている、と自負する人ほど、巧妙で大規模な詐欺に引っかかるかもしれません。

株式市場にまつわる情報には、立派なオトナ、経験豊富なビジネスマン、事業で成功している経営者までもが振り回されています。

個別銘柄が日々、さまざまな値動きをみせるのが株式市場。
すると、例えばタイミングが少しズレて動意づく個別銘柄に、ちょっと秘密っぽい関連性があったりするのです。

実は錯覚、錯覚でなかったとしても短期間で消失する法則なのですが、まことしやかな後講釈を多くの人が真剣に読んでいるのが実情、多くの人が「情報弱者」「情報難民」のグループに足を踏み入れています。

だから、オトナの読み物に、「次はこれだ!」とか「第二の〇〇」なんて言葉が踊っているのです。

先行指標がないか──。
切実な望みですが、それがあったら市場が崩壊します。いや、現実には先行指標が生まれては消えるのかもしれませんが、とにかく、継続的に使える秘密のサインなんて、どこにも存在しないのです。

だって、経済の中では、株価そのものが最大の先行指標なんですから!
バブル期には、それを象徴するわかりやすい事例がたくさんありました。

例えば「ジオフロント構想」。
地価の高騰を背景に生まれた、地下都市、地下都市を結ぶ巨大なトンネルの構想です。「50年先に実現する」という説明で、トンネル工事の会社などが買われたのです。

業種ごとに天井をつけた時期を見ても、面白いことがわかります。
土地の価格が崩れ始めたのは90年代ですが、日経平均の高値は89年末。
しかし、多くの個別銘柄が高値圏に達して伸びにくくなったのは、ざっくりと88年。そんな中、バブルで最も恩恵を受ける業種のひとつである金融株が天井をつけたのは87年の春でした。見事に“先行”しています。

どんなときも、大なり小なり、このような「理想買い」が起こるのが株式市場の実態です。しかし、どれだけ先行するかを計る方法はありません。強いて言えば、「秘密がないのが秘密」なのでしょう。

平均の落とし穴

経済紙の「市況解説」記事など、多くの株式市場の解説は、「まずは日経平均の変動、そして水準」を語ることからスタートします。この部分を素直に受け入れた時点で、情報弱者、情報難民だと断言しましょう!

平均は、単なる“中央値”です。
「日経平均」は、構成する225銘柄それぞれの変化を正確に表現していません。極めてざっくりと、「株が総じて高ければ日経平均の水準も高い」と説明できるだけで、実践では利用価値がない観点にすぎません。

私はよく、学校のテストの成績にたとえます。
数学が50点、英語が50点だったら、平均は50点です。
次のテストで、数学が0点、英語が100点だったら……平均は前回と同じく50点です。

数学が0点になったのも“事件”ならば、英語が100点になったのも“事件”ですが、平均は前回と変化なし・・・。

日経平均そのものがトレードの対象ならば(株価指数先物あるいはETF)、構成する225銘柄を見る方法と、日経平均そのものを見る方法、どちらも考えられます。
でも、トレードの対象が個別銘柄だったら、日経平均を見る意味はゼロ、いやマイナスの効果しかないのです。

どの銘柄でも、日経平均との動きのズレが、その時々でまちまち。だから、前項でも触れたように、「先行指標にはなり得ない」のです。

「本日の株式市場、日経平均は○○○」でスタートする、雑で無責任な解説には警戒しましょう!

個別銘柄の動き

個別銘柄の動きは、見事なほどにバラバラです。
林投資研究所の情報サービス、「中源線シグナル配信」のチャートで、TOPIX(東証株価指数)と、よく解説で取り上げられる2銘柄、ファーストリテイリングとソフトバンクのチャートをご覧ください。

※赤が買い線、黒が売り線、どちらも3分割でポジションを増減させます。

TOPIXは、ずっと陽線です。
結果としては見事に大当たりですが、年初に「ずっと買いを維持する」と決めたわけではありません。たまたま陰転する場面がなかった、というだけのことです。そして、個別銘柄の推移は、同じように上昇しているものあり、動きがないものあり、ガンガンと上伸したものあり、大暴騰のあと強烈に下げたものあり……。

「1」は昨年11月、米大統領選でトランプ氏の当選が確実とのニュースで、なぜか日本市場が大きく売られた場面です。このときは、指数だけでなく多くの個別銘柄が一斉に売られました。個別銘柄の多くが同じように動くのは、一時的かつ例外的な出来事です。

「2」では、弱々しく推移した個別銘柄が多かったと思います。こんな場面も、株価指数と個別銘柄をゴッチャにして解説しやすいのですが、「で、どうするのか」という実践論とはかけ離れた観点しか見当たりません。

ちなみに「2」の下げ局面について、世間には後講釈の理由が残っているのでしょうが、私は記憶していません。興味がありません。

ファーストリテイリングの値動きは株価指数と相関が強い……と思いきや、全く異なる動きをみせています。

「1」のあと一時的に大きく上伸していますし、「3」では、TOPIXが“上抜き”なのに対してファストリは“下げからの急な切り返し”です。

ソフトバンクのほうが、この期間では、TOPIXに近い動きですね。
ファストリも「だいたいこんなもの」と想像しがちですが、共通の特性があると考えても値動きはバラバラ……これが現実です。

ちょっとしたブレ、値動きの“アヤ”も含めて「市場の真実」です。
それを、どの程度にならして見るかが基本的な課題ですが、ちょっとした“アヤ”を拾って行動を検討することだってあります。

いずれにしても、「トレード対象とする個別銘柄の動き」に注目する以外は、存在しない秘密のサインを探す行為です。すぐに迷子になってしまいます。

これで、12月4日放送のフォローアップは終了、次回は年明け、1月15日の放送です。「うねり取り」を深く考察し、近ごろ見られる“大きなトレンド”をつかまえる方法を探ります。
お楽しみに!


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錯覚を知る

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連載「相場のこころ トレードの本質」その31
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毎日、多くの銘柄が上がったり下がったり、ガンガン変動しています。
「目の前にカネが落ちているようなもの」と感じてしまいます。
株式市場で最大の錯覚です。

前回、「強弱論争は不毛」という、実践者の考え方を示しました。
一般的な議論として「上がるか下がるか」を考えると答えが出ないだけで、特定の考え方で「売り」「買い」の答えは出せます。

ところが、なんらかの判断基準で「売り」「買い」を決めても、なかなか当たらない。実際は、当たったり外れたりなのですが、「当たらねぇよ~」という気分になります。

世界中で自分ひとりがダメな売買をしている……そんな気分になるのですが、これも単なる錯覚。

負けてばかりいる、例えば8割、9割の確率で曲がるのならば、売り買いを逆にするだけで大儲けできます。
なにを持ち出しても、だいたい五分と五分、これが現実です。

だから、強弱を議論しても意味がないし、「銘柄診断」という万人に共通の答えを出そうとする試みは成り立たないのです。

特定の考え方で「売り」「買い」の答えを出すのは、「診断」ではなく「判断」です。
予測が当たったときの対処、見込み違いの対処、それぞれの対応を準備した実践的かつ流動的な決め打ちです。

人間なので、錯覚はいくらでもあります。
ムリに抗うより、錯覚があることを知って行動を整えるのが実践です。

最近読んだ本で面白かったのは、『錯覚の法則』(西田文郎著)

「成功は脳をだました人に訪れ、失敗は脳にだまされた人に訪れる」
(オビの言葉から)

「正しいと思っていることの99%が錯覚」というドッキリする説明で、私たちの心の働きと実践的な取り組み方を示してくれています。

怪しげな予測法に目を向けるよりも、こういった本で元気になるべきです。


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今回は特別

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「10億円差し上げます」というメールが届きました。
「誰が引っかかるのだろう……」と思いますが、笑ってはいけません。
実際にだまされる人がいるから、詐欺業者がせっせと出している、誰でも詐欺に遭う可能性がある……「限定」とか「今回は特別」って、なんだか気になるじゃないですか。

戦争の可能性など大きなネタで、「上がるか下がるか」の強弱を論じる。
「今回は特別」に分類できる“気になる”情報のひとつです。

そして、「どっちなんだろう?」と情報を探し始める……。
この時点で、情報弱者、情報難民のグループに移ります。

投資のプロも人の子、ちょっと秘密めいた情報が気になることもありますが、情報を整理、切り分けて“正しい路線”にスッと戻ります。

『マーケットで価格がついている』とは?
真剣に「売りだ」と考えている人、確信をもって「買いだ」と思っている人、両方いる、単にそれだけのことなのです。

ここまでは、誰にでも理解できます。
問題はその先。

「でも、なにか秘密があるかも……」と行動するのが情報弱者、踏みとどまって「だから、自分だけの答えを出すんだよね」と考えるのが勝ち組の思考法です。

「強弱論争は不毛」とされる理由が、ここにあります。

小さな一歩を、どの方向に踏み出すか……相場の考え方には、常に紙一重の差しかないのだと思います。

メルマガのタイトル「今回は特別」が気になったかもしれません。
すみません、冷静沈着な世界への誘導をはかりました。


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12月04日放送のフォローアップ(2)
林 知之

いわゆる“成功”の再現性を考える

底値をズバリと当てる、天井をビシッと言い当てる……誰もがあこがれる理想の結果ですが、実はプレーヤーが目指すべきことではありません!

トレードの本質は、一歩遅れてもいいからトレンドの変化を検知し、サッと行動に移すことです。

2017年12月4日の放送では、値動きの「変化点」をキーワードに、トレードの核心に迫りました。難しいワザではなく、シンプルな判断と素早い行動によってプロのトレードを実現できるのです。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第122回 中源線で実現する究極のうねり取り ~変化点に機敏に対応するトレード~

“真の理想”を求めよう

一般的な投資家に「あなたのゴールは?」と質問すると、「稼げるだけ稼げたい」なんて、オトナとしては不十分な返答が多いそうです(『凄腕ディーラーの戦い方』巻末対談、坂本慎太郎氏の言葉)

私も多くの投資家と接する中で、「的中率9割を実現したい」とか「資金を毎年2倍にしたい」なんてムチャを言う人が多いことを経験してきました。

値動きをビシッと言い当てることができたら素晴らしいのですが、不特定多数の投資家が同じ土俵で競争しているのですから、さすがに絵空事といわざるを得ません。「最安値を買う」とか「最高値を売る」なんて、たった1回でも偶然に頼るしかないのです。

私が提唱するのは「50%」という数字です。
いろいろなものに、この「50%」を当てはめるのです。

  • 「買いだ!」と確信して、その通りの結果になるのは50%
  • そこそこの幅で動いたとき、値幅の50%取れればサイコー!
  • 資金全体をうまくコントロールするには、稼働率の上限が50%
  • 「いけるかな」と感じる場面でも、出動を50%に抑えてちょうどいい。
  • 「この情報はスゴいかも!」と思っても、話半分、50%に評価する。
  • 「この銘柄は1万株買いたい」と思っても、50%の5千株にしておく。

クソつまらないと感じることでしょう。
でも、日々カネの取り合いが演じられる株式市場で、それなりの結果を出そうと考えるならば、これくらいの力加減が適切、真の意味での「理想」なのです。

どうしても納得できない人は、「儲かりまっせ!」というノリで銘柄情報をバシバシ送ってくれる業者と契約し、こづかい銭に限定してスリルを楽しんでください。

「ゴメンナサイ」でいいんだ

テレビでテニスの試合を見ていると、サーブが外れる(フォールトになる)ケースが非常に多いと感じます。テレビに映る超一流の選手たちは、ほぼ100%の確率で線の中にサーブを打つことができるのでしょう。でも外れる……バシッと打たないと、勝負に勝てないからです。

世の中には、相手がいなくても、うまくできないケースはあります。

例えば、2メートル先のかごに、ほぼ100%の成功率でボールを投げ入れられるとしても、一発勝負で「入れたらご褒美」「外したら晩メシ抜き」なんて条件をつけられたら、ビビって確率が落ちますよね。

床に幅30センチでテープを貼り、その中を歩く。カンタンですよね。
でも、高さ10メートルの場所に渡した幅30センチの足場板の上を歩けと言われたら……コワくてできません。

ここで、トレードの現実を考えてみます。
上記の例と同じで、「激しい競争がある」「(カネのことだから)非常に緊張する」状況で売り買いを決めなければならないのです。しかも、選択肢は無限にある……未知の未来に向けて「さあ、決めなさい!」と迫られるので、ミスをするのが当たり前なのです。

ティッシュ配りをして、何%の人に受け取ってもらえますか?
街で女の子をナンパして、何%の人が首をタテに振ってくれますか?
食品売り場の「試食」なんて、販売員の感覚では「疑う余地なくおトク。なんで食べてくれないの?」というところでしょうが、多くの人は素通りします。

まあ、仕事でもなんでも、成功率は意外と低いものです。それでも、「そんなもんだよね」と片づけて次のステージに進んでいるはずです。

相場の見込み違いなんて当たり前、ちがったら「ゴメンナサイ」とひと言、そしてサッと対処して次のトレードにそなえればいいのです。力を入れるのは、「当てる」ことではなく「対応する部分」です。

負の記憶をつくらない

単独で行動するものは、結果が悪かったときに自分を責めてしまいます。
誰だって一定の向上心があるので、「もっとうまくやれたのに」と感じます。そして、トレードのように独りで戦う分野では、自分を責め続けてしまうのです。

例えばゴルフなんて、トレードと似ています。
独りで頑張る分野ですし、ボールが止まっているのでミスはすべて自分のせいだと考えてしまう、ミスショットのあと自分で対応を考えなければいけない、具体的な対応をするまで“ミスショットした”状態で止まっている……。

プロゴルファーの内面なんて、あまり触れる機会もありませんが、例えばパッティングの結果が悪いときに「グリーンが悪いんだ」なんて極端な言葉を使うようです。もちろん、自分の努力で修正しようとしますが、たまにコースに出るアマチュアではないのですから、とことんやった結果が悪いという状況をまともに受け止めてしまったら“重すぎる”のでしょう。頑張ってきた、これからも頑張る、という前提で、とりあえず「グリーンが悪い」と片づけるわけです。

日本人は生真面目です。
例えばレストランで毎日、皿洗いやホールの仕事をしていたら、皿を割ってしまうこともありますよね。<申し訳ありません>という気持ちで「皿を割ってしまいました……」なんて報告するのが、“標準”のように認識されていますが、多くの国や地域では「皿が割れた」と報告します。毎日のことだから、たまに割れるのなんて当たり前、という合理的な考え方しかしないのです。

トレードで負けたとき、「次も真剣に臨む」「より良い方法を模索し続ける」といった前向きな気持ちを前提に、しかし「予測なんて曲がって当たり前」という合理的な認識で、場合によっては「ヘンな相場だ!」と捨てゼリフを吐けばいいと思うのです。

ただし、『即座に対処する』ことが不可欠、ダメだと感じたら素早い損切りをいとわない姿勢が大切ですけどね。

さて、現実の厳しさをクドクドと述べたところで、とてもきれいに成功した実例を2つ、ご紹介しましょう。どちらも、「中源線シグナル配信」で『ユニバース』(パフォーマンス良好かつ安定の研究対象銘柄)に選定している銘柄です。

※赤が買い線、黒が売り線、どちらも3分割でポジションを増減させます。

2768双日は、安値の保合から上昇に転じる動きを、中源線がうまく捉えています。
上昇の途中、「1」ではっきりと保合を放れています(「2」の押しがビミョーですが……)。このケースでは、保合放れの手前、赤い矢印の部分で陽転して乗っています。「保合放れの前に仕込む」ことができた例です。

「3」では、誰もが「おおっ、買っておけばよかった。まだ上がるかなぁ……」と感じるでしょうが、その時点では、すでに利が乗っている状態です。

9994やまや、これは、ちょっと見事すぎる例ですね。
赤い矢印の部分で陽転、つまり「変化点」を捉えて行動(買い)しています。
このチャートではわかりにくいのですが、ガツンと立ち上がる前の小さいジグザグで、中源線による「陽転」の判断があった、ということです。

ちなみに、そのジグザグでは陽転せず、ガツンと立ち上がった段階でやっと陽転、というパターンだってあります。その場合は、手前の売りポジションにそこそこの損が生じますが、放置してフリーズすることは絶対にありません。生身の人間とちがって「いまさら……」とは考えず、淡々と「はい陽転! 買ってください」とシグナルが出るのです。行動は、売りポジションを踏んで(カラ売りの損切り)ドテン買いです。

今回は2つの例を示しましたが、中源線ならば、このようにピシピシと利益になる、ということではありません。今回のテーマである「変化点」の判断と、それに付随した行動を説明するための例です。

儲けるためにやるのですから、こんな“絵に描いたような理想の結果”が、ある意味、「モデル」のようなイメージとして頭の中に刻み込まれています。しかし、実際には負けが多いことも認識しています。

苦労が多い現実の中、“絵に描いたような理想の結果”をイメージするからスパッと行動できる、それこそが相場という行為の核だと考えます。
勝っても興奮せず、負けても落胆せず、目指すべきイメージは絶対にブレない。常に淡々と行動するよう心がけるのです。

その行動には、事前に安全弁を儲けておくことが必要です。負けトレードもあることを考えて資金に余裕をもつべき、前述した「50%」を大切にするべきだと、あらためて申し上げておきましょう。

安く買わなくてもいい

今回示した2つの事例は、どちらも「保合放れの前に買った」という“キモチいい”成功のケースです。それでも、最安値では買っていません。中源線は「少し上向く動きを見て陽転」「少し弱含む動きを見て陰転」というロジックで、一般的には“順張り”と説明するほうが受け入れやすいルールなのです。

でも本当は、それが最もわかりやすい感覚です。

例えば「最安値を買おう」と意気込んだら、まだまだ下げるうちに買ってしまうとか、安く買ったのはいいけど上がらないなんて展開も多いでしょう。

もちろん、「よし動き始めた!」と判断して買った結果、出損ないということもあるのですが、“いつ動くかわらない電車に乗って座っている”よりも“動き始めた電車にサッと乗り込む”ほうがイメージしやすいはずです。

トレードの実践は、「安く買って高く売る」ではないのです。
むしろ、「高く買って、さらに高値で売る」という発想のほうが素直だと思います。

次回のフォローアップ(3)は、値動きを見るときの大きなポイントを説明します。
お楽しみに!


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