ポジポジ病の治療法

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「プロ投資家のインタビュー集に、どうしてギャンブラー?」

新刊について、こうした問い合わせをもらうことがあります。
決して、ふざけているわけではありません。
「このプロギャンブラーの章だけ読んでください」と言いたいくらいの気持ちで収録しました。

トレードとちがって「目の前の相手との駆け引き」もあるので、そんな話も面白かったのですが、彼の脳内はひたすら数学!

素人が勝手に想像するギャンブラー像、つまり「勝負だ~」なんてセリフはどこにもなく、とてもストイックで、緻密な計算ばかりで、しかし生身の人間を軸に情緒的な実践の思考を意識しているのです。

プロ投資家の集まりに、ギャンブラー新井乃武喜氏が参加した時、そこにいた全員がビックリしました。

「そのままトレードに通じるじゃないか!」

私がインタビューを申し込んだ、ちょっとビックリなきっかけでした。

ギャンブラーの考え方も百人百様ですが、新井乃武喜氏は「よい波が来たところがやめ時」だそうで、「最初の30分でポンポンとうまくいったら休む」「10時間以上負けて最後の30分で勝ったら休む」のだそうです。

ポジションを取らずにいられない、先人の教え「休むべし」を実践できない……いわゆる“ポジポジ病”を課題とする投資家は、ムリに休みをつくろうとして苦しいのかもしれません。

プロギャンブラー新井乃武喜氏が実践する休みは、「ブレーキ」ではなく「アクセル」という位置づけのようです。


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売っておけば……

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日本テレビで日曜日の夜に放映中のドラマ「トドメの接吻(キス))」
キスをすると、記憶はそのまま1週間前に戻れるのです。
そんな立場にいたら、便利ですね。

「1秒前に戻れないのが相場だ」
厳しい表現ですが、100%その通りです。

日々、個別銘柄が大きな変動をみせています。
値下がり銘柄が圧倒的に多くて、株価指数が大幅下落でも、ランキングで「値上がり率上位」にはいくつもの銘柄が並び、10%あるいはそれ以上の率で変動しているものです。

こんな数字を見て「なんとかならないか」と思いますが、「まあムリだよね」と納得するでしょう。

ところが、持ち株が下がったときは「売っておけば……」と考えます。
カラ売り銘柄が暴騰したり、ウォッチしていた銘柄が動意づいたときも、「買っておけば……」と真剣に株価欄を見つめます。

直近を振り返り、「将来につながる対応のヒントはないか」と探るのですが、それは「単なるタラレバ」かもしれません。
どう見極めるのか・・・

可能な限り客観的に判断するためには、第三者の視点が必要ですが、渦中の当人には無理難題。といっても、それを試みるしかない!

いつも同じことの繰り返しですが、こういった思考の精度を高めるには、「資金にゆとりをもつ」という、ふだんは興味をもてない、実につまらない教えを思い出したりします。

例えば買って下げているとき、余裕がないと「投げるだけ」、でも余裕があれば「持続」「買い増し」の選択肢もあり、少なくとも、ちょっとは落ち着いて将来を考えられます。

と、原稿を書いている今、「絶対に的中する予想」などというふざけた電子メールが届きました。
気持ちが弱っていると、「こんなもの……」と思いつつも、つい説明を読んでみたくなるものです。

要注意!


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1月29日、2月5日放送のフォローアップ(1)
林 知之

タテ軸を見るな!

株価変動は、うねりと呼ばれる適度な上げ下げあり、長く大きく上下するトレンドあり……。予測が難しいのは当然として、値動きに“ついていく”際の判断基準は「天底」ではなく、いわゆる「変化点」であるべきです。

1月29日、2018年最初の放送では、12月の放送で紹介した「変化点」の観点でトレードの本質を追究し、具体例として中源線建玉法の効果を説明しました。

2月5日の放送は、1月の続編として、中源線が「変化点」をうまく捉えた事例を紹介するとともに、表裏一体の欠点によって“手が合わない”事例も紹介し、トレードの現実に迫りました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第125回 うねり取りを深く考察する ~変化点を捉える中源線~
(第126回 うねり取りを深く考察する ~中源線の性格を知り、使いこなす~

いわゆる「変化点」

「株で儲けるためには、安く買って高く売ることだ!」

実に当たり前の説明ですが、この言葉のイメージをそのまま行動に移そうとしてもダメです。「安く」「高く」の部分が、有効な実践にはつながらないのです。

例えば、300円ではいつくばっていた銘柄が600円になった……すでに倍化しているわけですが、「勢いがある」と判断して600円で買う戦略だって否定できません。

300円ではいつくばっている銘柄は下値不安がないから買い有利……これは正しい考え方ですが、「いつ動き出すかわからない」というリスク要因を考えることも大切なのです。

正しい実践のイメージは、誤解を恐れずに表現すると、次のような言葉になります。

「高く買い、さらに高値で売る」

「逆張りで買うのが美しい」という観念があり、暴落時には「落ちてくるナイフをつかむな」とか「あえてナイフをつかみにいく」などと議論が起こるようですが、実践論ではピントがズレている気がします。視点がチャートの“タテ軸”だけに向いているからです。

私たち投資家はチャートで値動きを見ますが、タテ軸が価格、ヨコ軸が時間の経過、この2つの要素しかないのですから、2つを同じように見る、つまり「ヨコ軸を無視しない」姿勢が重要なのです。

「価格」と「時間」、2つの要素で、トレンドを判断します。
「勢いがある」とか「緩やか」とか、「ジリ高から急騰へ変化しそうだ」などと観察するときも、2つの要素のバランスを見ています。

上の図は、値動きのイメージです。
下がって底を打ち、兆しの上げからビシッとした上昇トレンド、そして上げ止まって天井を形成、そのあと徐々に弱含んだあと下げトレンドに移行しています。

私が意識するのは、明らかに上げに移ったと思える「1」、下げトレンドに移行したとしか思えない「2」のポイントです。タテ軸だけに注目して「1」「2」それぞれの手前でポジションを取ろうとすると、意外と苦しいものです。

いざ、思惑通りのトレンドがスタートしたときには精神的に疲弊していて、思ったほど値幅を取れずに降りてしまう……“相場あるある”です。

もちろん、エントリーの価格を有利にする(買い値を安く、売り値を高く)試みは否定できません。むしろ、積極的に考えるべきことです。

でも、「以前に比べて安くなったから買い」「以前よりも高くなったからカラ売り」ではなく、「将来のトレンドが上下どちらか」を考えるのですから、エントリーのタイミングに関係なく、「1」や「2」の変化点を意識するのが正しいのです。

この図は、保合(もちあい、横ばいの動き)から上昇トレンド(実線)、あるいは下降トレンド(点線)に移行する値動きイメージです。

赤い丸印を通過したあとで、「上だ」「下だ」と判断して機敏に乗る、というのが基本のイメージです。

「天井」「底」といった観点が入り込む余地はない、「今が割高か割安か」なんて答えが出ないことを必死に考えるのもムダ……こんな思考を土台にして「変化点」に注目する、「価格を有利にするために、どこまで先回りして行動を取ろうか」と考えるのが実践者の正しい姿勢なのです。

瞬発力の勝負 短期張りということではないが……

私は最近、「瞬発力」という言葉を大切にしています。

といっても、突発的な動きに乗って短期で儲ける……ということではありません。
適正な瞬発力をもつために必要なのは、「待つ」イメージです。

・ポジションなしで値動きを見る(チャンスを待つ)
・波に乗れたらねばる(ポジションを維持して待つ)
・ダメだと思ったらサッと切る(次のチャンスを待つ)

「瞬発力」があるから、待つことができるのです。
そのためには、自分のスタイルを決めてトレードに臨み、いざというときに自分らしくサッと行動する心構えが重要です。

突発的な値動きを見て「なにかしてやろう」なんて、いきあたりばったり、思いつきで行動する気持ちが少しでもあると、カネが増減する相場の世界ではカンタンに自分を見失ってしまいます。

さて、いろいろと理屈を並べましたが、こういった実践論をルール化した「中源線建玉法」では、いったいどのような売買が実現するか──林投資研究所の「中源線シグナル配信」のチャートで解説しましょう。

※中源線シグナル配信は、林投資研究所の助言サービスです。クーリングオフの対象であるほか、期間中の解約(残存期間の料金を返却)、返金保証(翌月末までは千円の手数料のみで全額返金)の制度があります。契約に際しては、契約締結前の書面をよくお読みください。

5911横河ブリッジは、ちょっとクセのある値動きをみせますが、動くときはスピーディーで、値幅取りの醍醐味を感じさせてくれることがあります。

直近では、期待以上の上昇を、中源線が見事に捉えました。2017年5月に1,500円前後で陽転し、2,500円超まで伸びています。

赤い矢印の部分で、中源線が陽転しています。3分割の買いをスタートするポイントです。

その近くにある青い丸印は、いわゆる「ブレイクアウト」、したがって、中源線の陽転とブレイクアウトのタイミングが一緒だった事例です。

「上昇が始まったか」と思えるタイミングで買い出動したのは、瞬発力です。そのあとで「乗れたようだ」という感触があり、その先は「上げトレンドが終わりそうなら降りるよ。ドテン売るよ」という瞬発力をもとに買いポジションを維持した結果、値幅取りが実現した、ということです。

保合放れとブレイクアウト

前項に続いて、上げ波動の初期で中源線が「買いだ」と判断した、つまり、いい感じのタイミングで中源線が陽転した事例を紹介します。

2768双日は、半年ほどで約3割の上昇をみせました。
2つの青い丸印は、前項と同じく「いわゆるブレイクアウト」のポイントですが、その手前で中源線が陽転しています。

つまり、いわゆるブレイクアウトでは、すでに利が乗っていたわけです。
心地よく上げに乗れた事例ですね。

3003ヒューリックも、いわゆるブレイクアウトよりも早いタイミングで中源線が陽転しています。

しかし、チャートの中央あたりの青い丸印もブレイクアウト、そして中源線も陽転しているのですが、ここは完全な出損ないでした。約3カ月間、買ってダメ、売ってダメ……損は抑えているものの、面白くない期間があったのです。

「変化点を捉える」といっても、百発百中なんてあり得ません。
ざっくりと考えたら、半分当たるかわりに残りの半分は曲がり……期待を膨らませぎみの実践者には“つらい現実”です。

このあたりについては、今後のフォローアップで詳しく解説しますね。

次回のフォローアップ(2)は、「値幅取りが実現する可能性」「理想の勝ちパターンと期待外れの負け」など、現実のトレードをリアルに想像した深い内容でお送りします。お楽しみに!


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事実と真実

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──────────────
連載「相場のこころ トレードの本質」その37
──────────────

「ウソをついたのは事実だが、君への愛が僕の真実なんだ……」
残念ながら、現実では効果がないでしょう。

私のインタビュー本第三弾『億トレIII』に登場する高山剛氏は、為替ディーラー、デリバティブトレーダーと豊富なキャリアをもつ人物ですが、その知識は幅広く、金融工学、そして禅の観点からトレードの本質を語ってくれました。

※本日、事前予約スタート!
(内容“チラ読み”ができます)

仏教が目指すのは「自然に逆らわない」「事実に即して生きる」ことだそうで、プレーヤーの感情や価値観が入り込まない金融工学と通じるのだそうです。

これが、先号で述べた「上がるか下がるかの確率は五分五分」という基礎の考え方です。市場に存在する「事実」なのです。

しかし、そんな理屈ではポジションを取ることができません。
「上がるから買うんだ!」という行動が必要です。

ある銘柄の株価が500円……これは「事実」です。
でも、プレーヤーの「真実」は一人一人ちがいます。
「割安だ」
「いや、割高だ」
「そもそも、わからない……」

名探偵コナンは「真実はいつもひとつ」と言っていますが、投資家の真実は自分だけのもの。

とりあえず、どこかのセンセイに「株、買っても大丈夫ですか?」なんて聞いてはいけないのです。


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変化点

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連載「相場のこころ トレードの本質」その36
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私は冬が嫌いです。
「生命活動にブレーキがかかる時期」だと感じるからでしょうか……。
でも、ちょっとでも暖かくなり始めると気分は夏!
打って変わってウキウキです。

「安く買って高く売る」は、儲けるうえで基本的な発想です。
数式的には間違っていません。でも、実践論としては弱いのです。

例えば・・・
銘柄Aは、ずっと300円前後ではいつくばっている。
銘柄Bは、300円から短期で600円に値上がりして保合。

Aは、下値不安が少ないのですが、動かないリスクがあります。
Bは、下落リスクが高いと感じるものの、上がるか下がるかの確率は五分五分、しかも“すでに動きがある”ので、早いかもしれません。

判断基準はそれぞれですが、「買うなら無条件でAが有利」とはいえず、少なくとも「Bは買うべきではない」と結論づけることもできない、と考えるのです。

「安く買う」という発想を、かたくなに守ればいいのか、ということです。

倍化して600円になった銘柄Bについて、もう少し考えます。

1.さらなる値上がりを予測して買い思惑を入れる
2.「上がったから下がる」との論理でカラ売り
3.手を出さない
4.600円の保合から放れたほうにポジションを取る

最後の4は、上でも下でもOKです。
「下げ始めた」と判断したら、そのタイミングで売りを仕掛ける選択肢がある、という意味です。

「高いか安いか」ではなく、いわゆる「変化点」に注目すべきだと考えるのが実践論なのです。

マーケット・スクランブル1月29日の放送は、「変化点を捉える」とのテーマでお送りしました。
動画は、こちらでご覧ください。
(うねり取りを深く考察する ~変化点を捉える中源線~)

来週の月曜日、2月5日も放送を行います。
1月29日の続編的な内容で、トレードの深い部分に切り込みます。
お楽しみに!


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凄腕ディーラーたちの珠玉のインタビュー集

林投資研究所の林知之が、凄腕の実践家たちと真剣に語り合った内容を、単行本として公開!

最新刊『凄腕ディーラーの戦い方』は、全国の書店、Amazonなどで絶賛発売中。

巻末対談もあって、盛りだくさんの内容です。

A5判/256ページ 2,200円+税

 

  • 坂本慎太郎(Bコミ)──“ちがい”に目を向けるのが株式投資です
  • 田代岳(YEN蔵)──相場は対応力。でも数字を追うだけではない
  • 高橋良彰──不安の中、いつも通りに仕事をしました
  • 村田美夏(ウルフ村田)──トレードすることで人とつながりたい
  • 沼田武(アンディ)──予測を行動につなげる純真さを求めています
  • 田畑昇人──ヒット量産のやさしいトレードが理想です
  • 上島浩司──“災害=売り”ではない
  • 本河裕二──私は張りません。乗るだけです
  • 黒木弘明──平時に戻るのを待ちました
  • 盛田聖一(バルバロス)──行動には理由が必要なんです
  • 本間忠司──経済を知れば株式市場の動きが読めます
  • 巻末対談【イタヨミ流】相場で勝ち続ける投資家の資質(田代岳、坂本慎太郎、林知之)

新刊の内容を公開中

林知之の2017年新刊『うねり取り株式投資法 基本と実践』は、一般書店やAmazonで好評発売中。

この本の第4章をまるまる、WEBで公開しています。

以下のリンクは最新の2本です。
(「幻冬舎ゴールドオンライン」のWEBサイト)


【第14回】 株式投資で分析による「必勝法」が成立し得ない理由


【第15回】 プロは逆張り? 株式投資における「値動き」との向き合い方