個別銘柄を見るべし!
底値をズバリと当てる、天井をビシッと言い当てる……誰もがあこがれる理想の結果ですが、実はプレーヤーが目指すべきことではありません!
トレードの本質は、一歩遅れてもいいからトレンドの変化を検知し、サッと行動に移すことです。
2017年12月4日の放送では、値動きの「変化点」をキーワードに、トレードの核心に迫りました。難しいワザではなく、シンプルな判断と素早い行動によってプロのトレードを実現できるのです。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第122回 中源線で実現する究極のうねり取り ~変化点に機敏に対応するトレード~)

先行指標を探すな!
「フィッシング詐欺」というものがあります。
偽のメールで偽のWEBページに誘導し、個人情報を入力させる手口です。
中には、大手企業のものと見分けがつかない高クオリティのものがありますが、「こんなお粗末なメールでだまされるヤツいる?」と感じるような幼稚なものが多数です。
でも、笑ってはいけません。
実際にだまされる人間がいるから、詐欺業者もせっせとメールを送りつけるのです。
見極める目をもっている、と自負する人ほど、巧妙で大規模な詐欺に引っかかるかもしれません。
株式市場にまつわる情報には、立派なオトナ、経験豊富なビジネスマン、事業で成功している経営者までもが振り回されています。
個別銘柄が日々、さまざまな値動きをみせるのが株式市場。
すると、例えばタイミングが少しズレて動意づく個別銘柄に、ちょっと秘密っぽい関連性があったりするのです。
実は錯覚、錯覚でなかったとしても短期間で消失する法則なのですが、まことしやかな後講釈を多くの人が真剣に読んでいるのが実情、多くの人が「情報弱者」「情報難民」のグループに足を踏み入れています。
だから、オトナの読み物に、「次はこれだ!」とか「第二の〇〇」なんて言葉が踊っているのです。
先行指標がないか──。
切実な望みですが、それがあったら市場が崩壊します。いや、現実には先行指標が生まれては消えるのかもしれませんが、とにかく、継続的に使える秘密のサインなんて、どこにも存在しないのです。
だって、経済の中では、株価そのものが最大の先行指標なんですから!
バブル期には、それを象徴するわかりやすい事例がたくさんありました。
例えば「ジオフロント構想」。
地価の高騰を背景に生まれた、地下都市、地下都市を結ぶ巨大なトンネルの構想です。「50年先に実現する」という説明で、トンネル工事の会社などが買われたのです。
業種ごとに天井をつけた時期を見ても、面白いことがわかります。
土地の価格が崩れ始めたのは90年代ですが、日経平均の高値は89年末。
しかし、多くの個別銘柄が高値圏に達して伸びにくくなったのは、ざっくりと88年。そんな中、バブルで最も恩恵を受ける業種のひとつである金融株が天井をつけたのは87年の春でした。見事に“先行”しています。
どんなときも、大なり小なり、このような「理想買い」が起こるのが株式市場の実態です。しかし、どれだけ先行するかを計る方法はありません。強いて言えば、「秘密がないのが秘密」なのでしょう。

平均の落とし穴
経済紙の「市況解説」記事など、多くの株式市場の解説は、「まずは日経平均の変動、そして水準」を語ることからスタートします。この部分を素直に受け入れた時点で、情報弱者、情報難民だと断言しましょう!
平均は、単なる“中央値”です。
「日経平均」は、構成する225銘柄それぞれの変化を正確に表現していません。極めてざっくりと、「株が総じて高ければ日経平均の水準も高い」と説明できるだけで、実践では利用価値がない観点にすぎません。
私はよく、学校のテストの成績にたとえます。
数学が50点、英語が50点だったら、平均は50点です。
次のテストで、数学が0点、英語が100点だったら……平均は前回と同じく50点です。
数学が0点になったのも“事件”ならば、英語が100点になったのも“事件”ですが、平均は前回と変化なし・・・。
日経平均そのものがトレードの対象ならば(株価指数先物あるいはETF)、構成する225銘柄を見る方法と、日経平均そのものを見る方法、どちらも考えられます。
でも、トレードの対象が個別銘柄だったら、日経平均を見る意味はゼロ、いやマイナスの効果しかないのです。
どの銘柄でも、日経平均との動きのズレが、その時々でまちまち。だから、前項でも触れたように、「先行指標にはなり得ない」のです。
「本日の株式市場、日経平均は○○○」でスタートする、雑で無責任な解説には警戒しましょう!

個別銘柄の動き
個別銘柄の動きは、見事なほどにバラバラです。
林投資研究所の情報サービス、「中源線シグナル配信」のチャートで、TOPIX(東証株価指数)と、よく解説で取り上げられる2銘柄、ファーストリテイリングとソフトバンクのチャートをご覧ください。
※赤が買い線、黒が売り線、どちらも3分割でポジションを増減させます。
TOPIXは、ずっと陽線です。
結果としては見事に大当たりですが、年初に「ずっと買いを維持する」と決めたわけではありません。たまたま陰転する場面がなかった、というだけのことです。そして、個別銘柄の推移は、同じように上昇しているものあり、動きがないものあり、ガンガンと上伸したものあり、大暴騰のあと強烈に下げたものあり……。
「1」は昨年11月、米大統領選でトランプ氏の当選が確実とのニュースで、なぜか日本市場が大きく売られた場面です。このときは、指数だけでなく多くの個別銘柄が一斉に売られました。個別銘柄の多くが同じように動くのは、一時的かつ例外的な出来事です。
「2」では、弱々しく推移した個別銘柄が多かったと思います。こんな場面も、株価指数と個別銘柄をゴッチャにして解説しやすいのですが、「で、どうするのか」という実践論とはかけ離れた観点しか見当たりません。
ちなみに「2」の下げ局面について、世間には後講釈の理由が残っているのでしょうが、私は記憶していません。興味がありません。
ファーストリテイリングの値動きは株価指数と相関が強い……と思いきや、全く異なる動きをみせています。
「1」のあと一時的に大きく上伸していますし、「3」では、TOPIXが“上抜き”なのに対してファストリは“下げからの急な切り返し”です。
ソフトバンクのほうが、この期間では、TOPIXに近い動きですね。
ファストリも「だいたいこんなもの」と想像しがちですが、共通の特性があると考えても値動きはバラバラ……これが現実です。
ちょっとしたブレ、値動きの“アヤ”も含めて「市場の真実」です。
それを、どの程度にならして見るかが基本的な課題ですが、ちょっとした“アヤ”を拾って行動を検討することだってあります。
いずれにしても、「トレード対象とする個別銘柄の動き」に注目する以外は、存在しない秘密のサインを探す行為です。すぐに迷子になってしまいます。

これで、12月4日放送のフォローアップは終了、次回は年明け、1月15日の放送です。「うねり取り」を深く考察し、近ごろ見られる“大きなトレンド”をつかまえる方法を探ります。
お楽しみに!
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