3/22無料セミナー 林知之、プロギャンブラーのぶき氏が登壇

私の最新刊『億トレIII』~プロ投資家のアタマの中~にも登場する、プロギャンブラー新井乃武喜氏が、サンワード貿易主催の無料セミナーに登壇します。

3月22日(木)、17時開場、17時30分開演、19時50分終了予定
主催サンワード貿易、参加費は無料 →詳しくはこちらをクリック!


『億トレIII』~プロ投資家のアタマの中~

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新井乃武喜氏の勝負哲学は、そのままトレードに通用します。

徹底した計算、自己管理、しかし感情や感性を大切にしたデリケートな思考……言葉のひとつひとつが響く! そして「トレードに使いたい」と感じさせるのです。

そんな気づきからインタビューを決め、快く応じてじれたことで実現したのです。

そんな新井乃武喜氏の発案で、私もセミナーに登壇して一緒にトークすることになりました。ぜひ、お出かけください。

足し算よりも引き算(3)

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スケートの羽生結弦選手のモノマネをする芸人、その名も「羽生ゆずれない」氏。
本人の活躍で、仕事のオファーがグッと増えたそうです。

さて、むやみな足し算はダメ、という話をつづけていますが、より上を、より高い位置を目指すのが社会人の務めといえるので、自然と足し算をしてしまいます。

「保合は細かく逆張り、トレンドが出たら順張りも入れて積極的に」
「日々、物色される銘柄がある。もっと当てられないだろうか」
「株はうねり取り、FXと225先物はデイトレ、仮想通貨も勉強中」

どれも、ムリだからゼッタイにやめたほうがいいでしょう。

私も、「できない理由を探すな」といったビジネス上の戒めは当然だと思いますし、楽観主義を好みます。
でも、「できそう」と感じるところまで範囲を広げるとキケン、トレードの世界では、1回きりの“ドボン”ポイントで退場です。

スケートの羽生選手は、たゆまぬ努力で今の実力に至ったのですし、才能だって人並み外れたレベルなのでしょう。
私たち素人がビックリするようなスケーターがたくさんいるのに、ほとんどは誰も名前を知らない状態で日陰にいる……それが現実です。

それに、スケートには競争相手がいるとはいえ、演技そのものが妨害されたりすることはありませんが、金融マーケットは参加者の売買で価格が決まる構造であり、基本は直接のつぶし合い、カネの取り合いです。

これでもか、というくらい割り引いたところが限界なのです。

だから、「やり方を絞るか銘柄を絞るか」という、実につまらない教えが真実だというところに帰結するのです。

ちなみに、「羽生ゆずれない」氏はアイスホッケーU-18日本代表で主将を務めた人物。スケートそのものは超絶なレベルですが、フィギュアの演技となれば勝手がちがう……技を練習しながらカベに激突していました。

「フィギュアスケートのメダリスト荒川静香氏と清水宏保氏がスケート場で会う」という、実にユルい企画をテレビで見たことがありますが、荒川氏はスピードスケートの靴、清水氏はフィギュアの靴……2人とも驚くほど何もできず、氷の上で何度もころびそうになっていました。

兼業トレーダーは、ひっくり返るほど控えめな設定の中で、自身の最高得点を目指すのが正解です。


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

1月29日および2月5日放送のフォローアップ(3)

1月29日および2月5日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 『タテ軸を見るな!』  2月10日掲載

フォローアップ(2) 『値幅取りの現実的な可能性』  2月17日掲載

フォローアップ(3) 『賢い人が犯すミス』  本日掲載

1月29日、2月5日放送のフォローアップ(3)
林 知之

賢い人が犯すミス

株価変動は、うねりと呼ばれる適度な上げ下げあり、長く大きく上下するトレンドあり……。予測が難しいのは当然として、値動きに“ついていく”際の判断基準は「天底」ではなく、いわゆる「変化点」であるべきです。

1月29日、2018年最初の放送では、12月の放送で紹介した「変化点」の観点でトレードの本質を追究し、具体例として中源線建玉法の効果を説明しました。

2月5日の放送は、1月の続編として、中源線が「変化点」をうまく捉えた事例を紹介するとともに、表裏一体の欠点によって“手が合わない”事例も紹介し、トレードの現実に迫りました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第125回 うねり取りを深く考察する ~変化点を捉える中源線~
(第126回 うねり取りを深く考察する ~中源線の性格を知り、使いこなす~

大きく取ったあとに…

仕事でもスポーツでも、「流れがよくなった」と感じたら積極的に行動しますよね。当然の感覚、当たり前の発想です。

でも、トレードにおいては、そんな発想がすぐに“いきすぎた行動”につながります。

上のチャートは、2281プリマハムの中源線です。
赤で示す買い線(買いポジションを取る)で大きく上がっています。
この期間では400円ちょっとからスタートしていますが、もっと前から買い線が続いていたので、1年超の上げで倍化しているのです。

長く買い線が続いたことで、「ねばった」「大きく取れた」と気持ちは高揚します。そして、2017年9月の終わり、久しぶりに陰転して黒い売り線になったタイミングでは、こんなことを考えるかもしれません。

「こんどは長期間、ダラダラ下げが続くか! よし、数量を増やそう」

結果は……半月ほどで再び陽転、そのあとすぐに陰転、しかし下げずにまた陽転と、今までの流れがウソだったかのような連敗が出現しました。

もし、それまでよりもポジションサイズを大きくして臨んでいたら、どうなっていたでしょう。しっかりと取ったあとだから、小幅の連敗があっても「トレードの経費」として吸収できるはずなのに、思いつきで数量を増やしたために「納得できない損金」が発生することになります。

大切なカネを株式市場に投じること自体が、とても積極的な行動なのです。
そもそも、「十分な数量だ」と認識してポジションをつくったはずです。

大きく取れたからといって、「的中率が上がった」ということではありません。次もカンタンに取れる、今までの数量は少なかった、などとヘンな思考に惑わされないよう注意しなければなりません。

車でカーブを曲がるとき、時速50キロでスムーズに走れたからといって、次の同じくらいのカーブに50%増しの時速75キロで入っていくなんて人はいないでしょう。でも、トレードの場合、例えば「2千株で利益が少なかった。次は5千株(150%増し)にしようか」くらいのことは誰でもやってしまいます。不思議ですね。

今回のフォローアップも、林投資研究所の「中源線シグナル配信」で「ユニバース」(パフォーマンスが良好かつ安定している研究対象銘柄)に選定している銘柄を事例として示します。次項以降に掲載する銘柄も、すべて「ユニバース」です。

取り損なったあとに…

注意が必要なのは、大きく取ったあとだけではありません。
取り損なったあとも、つい冷静さを欠いて次の行動を考えてしまいます。

5208有沢製作所も、ゆっくりながら長い上昇トレンドを、中源線がビシッとつかまえた事例です。しかし、高値圏の判断は期待通りにいきませんでした。

2017年12月、高値保合の中でガクンと下げて陰転しました。
長く続いた買い線が終わって買いポジションは利食い手仕舞いで“めでたしめでたし”なのですが、陰線のまま切り返して数日後に陽転……これが高値づかみとなり、さらに1月の終わりには再び陰転したのです。

動きがあれば機敏に反応するのが中源線の特徴であり強みですが、こうして一時的にダマシが連続する、いわゆる連敗はあり得ます。

仮に、この見事な上げを取り損なって「よし、次はやるぞ!」なんて意気込んだ場合、たとえ売買数量が少なくても、感情的には大混乱します。

実は、チャート右端の陰転(赤→黒)のあと(この期間のつづき)は、いい感じで下げているのですが、そんな“おいしそう”な動きを見送ってしまうミスもあり得ます。

つまり、大きな上げを取り損なったあと、「よし」と気合いを入れて臨んだところ、高値圏で売ってヤラレ、買ってヤラレ、最後の陰転に乗らずに「え~~っ」なんてトホホな展開です。

粛々と、静かに散歩をするようにトレードを継続するべきなのです。
といって、「カネがほしい」と切望して参加している以上、感情のコントロールというか、感情と行動を切り離すのが難しい……でも、こんなことこそが他者との差をつける唯一のポイントなのです。

淡々とシグナルを出す中源線の価値は、こういった理想の姿勢、プロのトレードを再現できるという点にあるのです。

大きな変動を見て…

もう一発、やはり、かかわり方に関係なくコーフンしてしまう事例をお見せしましょう。

9994やまや、この銘柄は2017年9月の終わりに陽転し、10月に動意づいて暴騰する動きにビシッと乗っていました。

チャートには、高値の陰転で「利食い」と書き入れました。
陰転したので、中源線に従ってドテン売り、つまり買いポジションの利食いが確定したのですが、1単位(3分割の1回分)のカラ売りは直後の陽転で踏んでドテン買い、高値圏で増し玉して3単位買ったあとビミョーに弱くて「苦しい……」という展開です。

暴騰を買いで取ったとしても、見ているだけで「逃したぜ」という状況でも、高値圏に達してから「こんな動きしてるよ」と発見したとしても、私たちプレーヤーは自然とソワソワするでしょう。

では、ソワソワを抱えながらも、いつも通りに行動するためには、どうすればいいのか──メンタルを鍛えるのではありません。自分が好む手法で、ハッキリとした指針をもっていればいいのです。

システムトレードのワナ

さて、「ハッキリとした指針をもとう」と考えた場合、ひとつの答えが「システムトレード」です。

統計的な分析を使うだけでなく、具体的な売り買いをカチッとルール化しておこうというものです。中源線の利用も、ある意味、システムトレードです。

でも、システムには「パラメータ」という要素があります。
これについて、中源線で説明しましょう。

中源線では、「1分(ぶ)」という単位で値動きの幅を計ります。その1分を1円とするか2円とするか、あるいは5円とするか……この設定で判断が変わるのです。

でも、「分」というのは、中源線だけのもので、一般的な観点ではありません。
「痛みの度合いを表す単位として、鼻毛を1本抜くときの痛みを『1ハナゲ』とする」なんてフェイクニュースがありました。これはジョークですが、全く同じアプローチで値動きを計る基準を定めたのが、「分」という単位です。

いわゆる「調節つまみ」ですね。

例えば「4分の逆行」と定義したとき、1分の値が1円なら4円の逆行で条件を満たしますが、1分を2円に設定したら2倍の8円幅ないと条件を満たさなくなります。

だから、ベースとなる数式は同じでも、パラメータの値によって反応の度合いが変わり、売り買いの判断も異なるものになるということです。

トレードは、未知の将来に向けてポジションをつくります。
しかし、どう頑張っても、数分後の価格さえ予測することはできません。
だから、常に「過去のデータを分析して推測する」しかないのです。

過去のデータを分析する──とても科学的なアプローチですが、「単に過去の値動きに合う設定を見つけるだけ」という、実にバカげたことをしてしまう危険性があるのです。

「パラメータをオプティマイズする(最適化する)」なんて表現すればカッコいいのですが、例えば「過去1年間で最高のパフォーマンスになる」設定を導き出したところで、将来の実際の値動きでうまく機能する保証はありません。特定の期間の値動きに“合わせすぎてしまう”結果、多くの場合、「こんなはずでは……」という設定を正解だと思い込んでしまうのです。

カーブフィッティングと呼ぶのですが、「ほら、このシステムは儲かるでしょ!」というウソっぱちの宣伝に使われるだけでなく、自分が使うシステムをベストな状態にしようとして陥るワナでもあるのです。

裁量トレードでも、常に新しい値動きを相手にする以上、同じ苦しみがあるのですが、数式を用いて数字をいじくっていると、おかしな方向に傾いていることに気づかない悲劇があり、その代表的なものがカーブフィッティングです。

ちなみに、根本の発想である「売買ロジック」そのものを、過去の値動きから作ってしまうケースもあります。もちろん、儲からないシステムを、見た目の華やかさだけで売りつける、そんな卑劣なビジネスで利用されるわけです。

許しがたい手口ですが、多くの投資家が引っかかってしまう、そういう錯覚があるという事実を覚えておいてください。

賢くヤラレる方法

さて、しっかりしたプロセスでトレード方法を組み立てたとしても、現実の当たり外れから逃れることはできません。「損小利大」という言葉の通り、見込み違いの負け回数を減らすのではなく、その際の損を抑えるしか手はないのです。

見込み違いのポジションに時間をかけず、マイナスの値幅を小さく、おかしな言い方ですが「賢くヤラレる」のです。

1515日鉄鉱業は、この期間の中央あたりに、約4カ月間の大きな上伸があります。中源線の判断では、安値保合のうちに陽転した結果、この上げに乗っています。

でも、その手前、赤い丸印の部分は連敗です。トホホです。
実際に売買していると、けっこうイヤな気分になりますが、それほど大きな値幅ではなく、感情的には受け入れ難いものの、「こんな場面もあるんだな……」と納得しなければいけない現実なのです。

こういった必然的なヤラレを必要以上に嫌うと、前項で述べたような落とし穴にハマる可能性を高めてしまいます。

勝率を上げる試みは、否定できません。
でも、むやみに勝率にこだわらず、「半分当たって半分外れる」という現実を素直に受けとめて、対応方法の質を高めるのが“トレードの王道”だと理解してください。

次回のフォローアップ(4)では、中源線が当たっている事例、手が合わない事例を一挙に並べてご紹介します。そして、「トレードのあり方」を結論づけたいと思います。
お楽しみに!


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足し算よりも引き算(2)

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「欲を実現する良い方法」を欲張って考える……そんな俗物が大切にする引き算の法則、第二弾です。

先号で「ローソク足は情報過多」と述べました。
でも、「考える時間があれば問題ない」と考える向きも多いはず。

私が気にするのは時間的な余裕ではありません。
「単独の人間がエネルギーを注ぎ続けられる範囲」です。

チャートそのものに情報が多いと、つい、それを利用してなんとかしようとします。
あるものは使いたい、だから「当てようとする」のです。

チャートは、どんなに加工しても過去のデータのみ。
「当てたい」という気持ちが強いと、時間軸をさらに過去にずらすことが多いのです。

移動平均線が、代表的な例ですね。
ローソク足でもけっこうな情報量なのに、さらに足し算を試みて混乱要因をつくるだけでなく、未来を考えるはずが時間軸を過去にずらしてしまう・・・

こんな理由で、チャートはシンプルなものがいいと思うのです。

日々変わっていく株価が、気になる未来です。
その未来を見て、その先の未来のために、わずかに遅れながら“次の一手”を考えるのがトレードです。

この作業が実にたいへんなので、チャートで過去を見る作業には時間をかけない、
時間をかけないですむようにシンプルなチャートを使う、というのが林投資研究所の提唱する哲学です。

「足し算よりも引き算」は、まだつづきます。
来週をお楽しみに!


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「欲張るな」という戒めの言葉がありますが、異議あり!
「欲を実現する良い方法」を欲張って考えましょう。

最新刊『億トレIII』に登場する高山剛氏は、禅の教えをもとに、現代人の姿勢に疑問を投げかけています。

いわく、

「新しい知識、新しい能力を求め、自分に何かを付加して“新しい自分”になるために、外の世界からいろいろなものを取り入れようと躍起になっている人が非常に多い。冷静に見れば、自分を離れて他人の基準によって自分をなんとかしようという倒錯に陥っていますし、なによりも本人にとって一番キツい生き方です」

高山氏は、外銀の為替ディーラーなど幅広い職歴だけでなく、金融工学から禅まで豊富な知識をもっているので深すぎる……わかりやすく、ふだん使っているチャートを考えてみましょう。

多くの投資家が「日足」で値動きを見ていますが、その99%が「ローソク足」でしょう。
「日足=ローソク足」という認識があるくらい一般的です。

でも、私はローソクの日足を好みません。

うまく使っているのならいいのですが、なんとなく使っているようなら、その是非は一考に値します。

終値だけの折れ線チャートで、数日、数週、数カ月の流れはつかめます。
「秘密のサインなんて存在しない」そう考えているのなら、ローソク足がもつ大量の情報なんてバッサリと捨ててしまうべきだと私は考えるのです。

「実態が黒塗りか白抜きか」
「上ヒゲの状況」
「下ヒゲの状況」
「前日の足との関係」
「数日間の流れ」
「集合的に見たときの形・型」

実際、それほど緻密な売買行動など取れないのに考えることは細かい……アンバランスだと思うのです。

「足し算よりも引き算」のつづきは、次号で・・・お楽しみに!


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昭和の時代、「先生」「師匠」といった人たちは乱暴でした。
「なんで言う通りにしないんだ!」
「犬だって『お手』と言ったらするよ。おまえは犬以下だな」
さすがに、今の時代でなくてもヒドいと思います。

私が相場を教わったのは、父の林輝太郎です。
新刊『億トレIII』で語る内容は、戦後の半世紀。
輝太郎が多くの人に教わった思い出話の中には、一匹狼的な昭和の相場師の哲学を学び、相場との向き合い方を構築したプロセスが凝縮されています。

でも、私には多くのことを言いませんでした。

日々の値を記録して流れを観察すること、
狙いを定めてブレないこと、
他人の意見を聞かないこと・・・

初期に“手取り足取り”教えてくれた時期でも、半年ほど場帳をつけたあと基本を説明すると、「じゃあ、やってみろ」でおわり……。

でも、繰り返し言われた言葉があります。
「これ、チャンスかなぁ」という私の問いに対して「待て」、こればかり言われたことを記憶しています。

「チャンスと感じるだろうが、もっと大きな流れを見るんだ」

こういう具体的な説明はなかったのですが、“計算上、勝つことしか考えられない”状況を待つ、こんなイメージを植えつけられました。

相場における「永遠の課題」なのですが、向くべき方向だけは教えてもらいました。


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

1月29日、2月5日放送のフォローアップ(2)
林 知之

値幅取りの現実的な可能性

株価変動は、うねりと呼ばれる適度な上げ下げあり、長く大きく上下するトレンドあり……。予測が難しいのは当然として、値動きに“ついていく”際の判断基準は「天底」ではなく、いわゆる「変化点」であるべきです。

1月29日、2018年最初の放送では、12月の放送で紹介した「変化点」の観点でトレードの本質を追究し、具体例として中源線建玉法の効果を説明しました。

2月5日の放送は、1月の続編として、中源線が「変化点」をうまく捉えた事例を紹介するとともに、表裏一体の欠点によって“手が合わない”事例も紹介し、トレードの現実に迫りました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第125回 うねり取りを深く考察する ~変化点を捉える中源線~
(第126回 うねり取りを深く考察する ~中源線の性格を知り、使いこなす~

交渉の余地はない

私たちは日常生活で、価格の交渉をすることができます。
「もう少し値引きしてもらえないかしら?」
「2つ買ったら安くなる?」

実際にするかどうかは人それぞれ、地域によっても温度差があるようですが、多くの場面で交渉が可能です。

ビジネスでは、取引先との相互繁栄、いわゆる「Win-Win」が前提ですが、交渉することもあります。
例えば・・・
「次の納期を希望通りにするから、今回はこの値段で買ってくださいよ」
「即決済するので、3%値引きしてもらえないでしょうか?」

株の売買はどうでしょうか。
「指値」という制度があるので一見、一般的な商取引と同じように交渉が可能だと感じますが、それは錯覚です。

株式市場に特定の相手はいない、つまり「不特定多数の参加者」が集まっている場なので、価格は常に“市場任せ”です。指値という行為は、“市場任せ”で決まっている価格の短期的なブレの範囲で値段を指定している、一方的に意思表示しているだけなのです。

では、私たち投資家、トレーダーは、「安く買う」「高く売る」を実現するために、なにをするべきか──最も大切なのは売り買いの「タイミング」です。

チャートのタテ軸の「価格」とヨコ軸の「時間」、この2つの要素で「トレンド」を判断して行動を決するのです。実際には、「タイミング」のほかに「数量のコントロール」がありますが、簡潔にするために単発の売り買いで考えます。

  1. 「上がる」と思うから買う
  2. 「下がる」と思うからカラ売りする
  3. 「確信がもてない」からなにもしない

これらを具体的な行動に移す際、どんな要素を考える必要があるのでしょうか。

  • トレンドの「変化点」を、どう判断するか
  • どの「タイミング」で仕掛けるか
  • トレンドがないと判断したら建てずに待つ
  • 「乗れたかどうか」を、どのように判断するか
  • ダメだと判断する基準と「損切り」のタイミングは?
  • 乗れたときに「待つ」こと

とりあえず思いつくことを並べましたが、実に多くのことを考えて、自ら決断しなければなりません。それが、ひたすら続くのがトレードです。なおかつ、トレードの期間も数量の増減も、すべて自分の自由意思……無限の選択肢を抱えて前に進まなければならないのです。

「安く買う」「高く売る」というイメージに固執している余裕なんてないのです。大きな波ならば、少しくらい高くても買う姿勢が求められます。

「交渉できる」という錯覚を完全にゼロにして、“市場任せ”の値動きに対する出処進退にエネルギーを集中させることが大切なのです。

足し算は効かない

タイミングをどう判断するか──常につきまとうのが、予測の当たり外れという切実な問題です。

どうしたって当たったり外れたり……だから、損切りの判断も含めた「ポジション操作」のタイミングを考えるのが正しいと、頭では理解できます。一方で、見込み違いによるネガティブな感情は、ボディーブローのようなダメージとなるので、やはり「避けたい」と強く願います。

そこで、ほとんどの投資家が行うのが、複数の判断基準を重ねて「当てよう」とすることです。

シンプルな終値だけのチャートを使う人は、ほとんどいません。
情報を処理しきれる確信などなくても、情報量の多いローソク足を好みます。
そのローソク足に、2本ほどの移動平均線を重ね、さらに・・・。

こうして判断材料を増やしても予測の的中率は上がらず、逆に下がることもあるのですが、いずれにしても「なにをどうしたら、どのように調整できるかわからない」複雑なものをつくり上げてしまうケースがほとんどではないでしょうか。

少なくとも、前項で述べたように、プレーヤーとして欠かせない「行動のコントロール」に振り向けるエネルギーが不足してしまうのが最大の懸念です。

おカネのことだから真剣に考えるわけですが、「当てよう」という気持ちが強すぎて混乱する投資家が非常に多いと感じます。どうしても、「足し算」で精度を上げようとしてしまうのです。

効果の高い引き算

足し算がダメなら、引き算です。

世の中のいろいろなことについて、私たちは足し算で臨むことが多いと思います。
ビジネスマンとして「より知識をもとう!」と頑張ったり、メーカーが製品の機能を追加したり、オペレーションの質を高めようとルールを増やしたり……でも、引き算してみたり、思い切ってゼロに“リセット”してみることも必要だと思います。

トレードでは、「足し算したくなる」のがふつうなので、引き算を意識することの有効性が高いのです。

カンタンに考えてみましょう。
予測の精度を高めようとする足し算もありますが、トレード機会を増やす足し算もありますよね。これら2つの“複合型”が、相場あるあるです。

「動意づく銘柄を、もっと正確に予測できないか」
できるのなら、みんなやってますよね。

「保合は逆張りで取って、大きなトレンドには順張りでもいいから乗ってねばる」
そんな器用なことができたら、苦労はありません。

「株はうねり取り、FXと225先物はデイトレ、仮想通貨も積極的に」
金融市場は多数のプロがカネの取り合いをする場です。返り討ちに遭いますよ。

世界中のプロたちと対峙するには、予測をする際の判断基準(要素)も、手法も絞り込むのが基本中の基本です。ゼロにしたうえで、1つだけ選んでみる。しばらくして、「もう1つ足しても大丈夫かな?」と慎重に検討する──この程度が限界です。

1つの手法でも、ついトレード機会を増やそうと考えがちです。
その原因は、「どうだろう……いまいち確信がもてない」という状況でも、「取り損なったらイヤだ」と考えて手を出してしまう心理です。「わからない」「ビミョー」といった状況を思い切って捨て、「よし、ここだ!」と思える状況のときだけ出動するようにして、「行動の精度」を高めるよう努めるべきなのです。

理想型と負ける現実

足し算ではなく引き算だ──ストイックなことを述べましたが、そういったシンプルな姿勢が、複雑かつデリケートな売買行動をうまくコントロールする土台となります。また、うまく乗ってガチッと取る「理想型」を強くイメージしても、カンタンには「欲しがりすぎ」になることなくバランスを保てるのです。

最初から最後までストイックさを維持する、「やってはいけないことを避けるだけでいい」と提唱する実践家もいます。でも私は、上記のような土台を前提に「明るくポジティブなイメージ」が望ましいと考えています。

では、中源線が価格の波を見事に捉えている事例を見てみましょう。
必要以上にコーフンするためでなく、落ち着いて理想型を確認するのが狙いです。

番組でもご覧に入れた、7532ドンキホーテHDです。

チャートの左半分では、数カ月単位の「うねり」をみせています。「1」で下げを取り、「2」で上げを取り、いい感じで機能している様子がうかがえますね。

中央に赤い丸印をした部分では、ちょっと迷走しています。
しかし、「3」で陽転したあとは「4」まで、こんどは大きなトレンドにしっかりと乗っています。

赤い丸印の部分のかるい連敗、「3」の陽転後の一時的な陰転(青い丸印)は、全く気にならないほど理想的な展開といえるでしょう。

この銘柄は、林投資研究所の「中源線シグナル配信」で研究対象として選定した「ユニバース銘柄」の1つです。長期のバックテストによって、パフォーマンスが良好、かつ安定していると判断したものだけを選んでいます(2018年2月現在95銘柄)。

しかし、そんなユニバース銘柄でも、半年や1年くらいの期間で見ると、想定したように勝てない、機能していない……そんなことがあるのも現実です。

1722ミサワホームは以前、なかなかいい感じで機能していました。
でも、直近1年では、買ってヤラレ売ってヤラレと、ホントにいいとこなし……つらい連敗が続いているのです。こんなことが起こるのが現実のトレードです。

では、いつごろ当たり始めるのか──誰にもわかりません。長期間のデータを見る限り「機能する銘柄だと判断できる」というだけです。

2726パルグループは、2017年1月から4月にかけての下げを取り、夏にかけての上げも見事に捉えました。当然、2017年10月の陰転に対して「こんどは下げをビシッと取れる」なんて期待しますが、実際には陰線(売り線)になったあと下げ渋って上昇、高値で陽転しても伸びずに再び陰転と、「あれれ」な展開です。

最後に陰転したあとは、期待通りに弱含みですが、このように当たり外れに波があるのが当たり前で、この中源線の当たり外れ、目先のゆらぎを当てようとしたら、中源線の基本ロジックを無視するような基準をひたすら足し算していくことになりかねません。いや、ほとんどの場合そうなるでしょう。

なにもかもが自由なトレードの世界では、力加減が難しいですね。

次回のフォローアップ(3)は、原理原則を理解した人でもやってしまう“相場あるある”、人間だからこそのミスを考える内容です。
お楽しみに!


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