制約・制限によって自由を勝ち取る
株価指数の動向を気にする投資家は多いのですが、意外な落とし穴がたくさん……それに、個別銘柄のほうがチャンスがある、やさしく利益を狙うことが可能なのです。
3月5日の放送では、中源線で売買する「銘柄の選び方」を軸に、トレードにおける各種の注意点を挙げ、個人投資家が「どんな資金管理を行うべきか」など、トレードの骨組みを考える内容をお届けしました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第128回 銘柄を絞った「うねり取り」 ~中源線で売買する銘柄の選び方~)

同じ基準でも答えはいろいろ
トレードでは、命の次に大切なカネが増減するので、誰でも真剣です。
だから、情報を幅広く集めたり、いろいろな角度から考えたりと工夫するものです。
ただ、「よし売ろう」「買い注文を出すよ」という最終段階に近いところで幅広く考えていると、これは実に不自由な状態です。
いや、念には念を入れて……と慎重なのは当然ですが、「買いだな」と思ってから「いや待てよ……信用の取組は?」なんて思い出したようにチェックする項目がいくつもあったら、いつまでたっても決まりません。複雑すぎます。
サッカーの選手が試合の途中で、「ドリブルをスムーズにするためには、リズムが○○で左足の体重のかけ方が○○で……」なんて考えているようなものです。それは、練習中にやることでしょ!
緻密に考える作業は必要です。いいかげんに売買する人が多すぎます。
ただし、手法の細部を詰めたり、あえてチマチマとした統計数値を気にしてみたりと、「事前に戦略そのものをじっくりと考える」ときの思考を、現場に持ち込んではいけないのです。
とはいえ、目の前でカネが増減する様子は、けっこうシュールですよね。
事例(「中源線シグナル配信」のチャート)を見ながら、現実を考えてみましょう。
7205日野自動車は、この期間、「小気味よくピシピシ当たる」なんて書いてしまったほど、上げ下げを見事に捉えています。これがトレードをするときの「想定」「理想型」で、このイメージを軸に実際の売買を展開します。
ただ、現実でこの流れが続くとは限りません。
次の銘柄を見てください。
2726パルグループHDも、日野自動車と同じく「中源線シグナル配信」で「ユニバース」に選定した銘柄、つまり長期的な分析でパフォーマンスが高く安定していることが確認できています。
でも、値の動きはまるで生き物、機敏かつ明確な判断のために用意したルール(数式)と値動きが少しズレただけで、「あれれっ」となる場面はいくらでも発生します。
「1」の上げは取りました。
陽転直後にモタついた場面でも陰転せずにいました。
問題は、高値での往来です。
「2」の急落で陰転……つまり、買いポジションの利食いが遅れ、けっこう安いところでカラ売りを仕掛けることになりました。さらに、急落後に売り線のまま逆行高、赤い丸印のあたりで再び陽転するのが想定ですが、たまたま中源線の数式と合致しなかったために売り玉をかつがれてしまいました。
おまけに、「3」の戻り高値で陽転し、これもダマシとなったのです。
「4」の陰転は、きれいに乗っています。
「これだよ!」って感じに流れが戻ったわけですが、数カ月の間は「あれっ」という状況が続いたのです。儲けるためにやるわけですし、「この戦略が機能するだろう」と確信して出動するのですから、勝って当たり前。でも、見込み違いも当たり前なんですよね。
この現実を受け入れることで、銘柄の選び方、ポジションサイズの決定も含めた資金管理の知恵など、実践的かつ実用的な作戦が浮かび上がるのですが、賢く計算しようとしても、うまくいかないことばかりなのです。次の項で詳しく説明します。

「ドボン」を避けろ!
リスクの計算、資金管理、ポジションサイズ、ドローダウン(一時的な最大損失)……80年代のバブル期とは比べものにならないほど、考えるための言葉は豊富になりました。論理的、科学的な発想があります。でも、机の上の計算に傾いている人が多いようです。
プロのレベルで、同じ人が同じようにトレードしても、年間通して振るわないこともあります。逆に、手堅い方法で資金稼働率も低いのに、資金が大幅に増加する期間があったりもします。
自分の行動だけならブレをゼロにすることが可能ですが、結果はブレまくります。だから、例えば「3カ月で資金が10%増えたから、次の3カ月はトレードサイズも10%増」なんて計算は、通用しないのです。
「勝つことが前提でトレードすると考えて、差し支えないんですよね? だったら、10%勝ったら、その先の期間も10%勝つ前提でトレードサイズを増やすのが当然じゃないですか」
こんなふうに反論されるのですが、この理屈は間違っているのです。
現実では、勝ちと負けが混在します。
「勝つことが前提」とは、「一定期間が経過した時点で損益がプラス」ということですよね。でも、10%勝った3カ月が、想定する「一定期間」なのでしょうか? 3カ月で10%勝ったあと、次の1カ月で5%負けて、「トータル4カ月で5%の勝ち」が本来の「一定期間」の結果かもしれないのです。
たまたま負けトレードからスタートする場合もあるので、ドローダウン(一時的な最大損失)を考えておくのが常識ですが、「一時的なプラスを過大評価しない」という発想も同時に生まれるはずですよね。
そして、そのブレが思った以上に大きくて読み切れない・・・
結果的に、一般投資家が丁寧に計算した結果の「ここまで大丈夫。トレードサイズはここまで大きくするべき」という数値は、十中八九やりすぎなのです。
だから、ホンネを言える立場のプロが「生き残り」とか「負けないやり方」と神経質な言葉を発しても、ウケがわるいのですが、こういう部分にこそ耳を傾けるべきなのです。目の色を変えて銘柄情報を探す路線とは、ベクトルそのものがちがう世界です。

「枠」を決めて自由に!
トレードの成績不振は、資産の減少という笑えない事態につながります。
小銭ならぬ大銭(おおぜに)を失うのです。
だから、「こんな注意事項ばかり書いたら、読む人が減るんだよね……」と思いつつも、やめることができない、いや、そういったことがトレードの本質を形成しているというのがホンネなので、ウケ狙いの芸風に変えるつもりはありません。
でも、禁止事項ばかり並べるのは嫌いですし、精神的にきゅうくつな状態でトレードするなんて、シゴトとしての売買でもイヤなものです。感情的に受け入れ難いことは、実行できたとしても一時的だから、ムリなダイエット後のリバウンドのように、激ヤバな方向に突き進む危険性すらあるのです。
ワクワク感、適度な笑い、“遊び”を入れる楽しみ──立場に関係なく大切なカネを扱う「トレード」だからこそ、こういった要素が不可欠ではないでしょうか。
人間として、自然に行動する、ギクシャクすることなく高パフォーマンスを実現するには、かるい緊張感があるのがいいと思います。過度な緊張や、圧迫感なんてゼロにするべきです。
「負けることもある」「生き残りが第一」としつこく言うのも、自由にのびのびと行動することを目指してほしいからです。
でも、極めて常識的な人が“のびのび”行動すると行きすぎになるので、ストイックなイメージで狭めの「枠」を設定します。その枠の中では、自由闊達(かったつ)に、感じるままに行動できます。「よし、ここは少し早めに買って……」みたいな遊びも交えて、創造力を発揮することができます。
今回のテーマである「銘柄の選び方」と、セットで考える「資金管理」の問題も、プレーヤーとしてチカラを発揮するための思考です。
事前にガッツリと考えておき、売り買いの決断はサッと行うのがベストです。サッカーならば、練習のことは忘れ、今その場で得点することだけを考えるべきです。試合中にドリブルの足運びなんて考えていたら、シュートのチャンスは生まれません。

次回のフォローアップ(3)は、今回のテーマの結論として、攻めと守りのバランスが取れた設定を考えます。
お楽しみに!
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