休んで見直し

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脱・応援団の技術(4)
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お掃除ロボ「ルンバ」を買おうと思ったのですが、わが家はルンバが活動できるほどキレイではありませんでした……。

持ち株を放置して「上がってくれ~」という応援団状態からの脱し方、最終号です。

「手法」の見直し、あるいは、手法の中にある一要素「予測法」の見直しです。

「見直し? 当然やってるよ」と言い返されそうですが、ちょっと聞いてください。

多くの人が、意外と落ち着かない状況で見直しを行っています。

・ポジションがある状態で考える
現在のポジションが気になるだけでなく、直近の結果が影響します。
本当にプレーンな思考ができるでしょうか?

ポジションゼロが理想ですが、少ないほうが落ち着いて考えられます。
わるいポジションがたくさんある状態だと、ヘタに考えないほうがいいかも。

・頭の中だけで考えている
問題点や気づきを紙に列記してみるだけで、「アウトプットのための整理」が実行されますし、書いたものを俯瞰(ふかん)する、あらためてインプットして考える、といった流れが生まれて、思考のクオリティが高まります。

トレードは、誰にもジャマされない個人的な活動ですが、それはマーケット参加者全員が平等にもつ条件です。

自分の側に、ジャマなものをつくり出す要因があるので、「今日か、明日か、いや来週か……」などとデリケートな部分が多いのがトレードですから、可能な部分はとことん丁寧に取り組むべきです。

今日は金曜日、週末に情報を集めたり考えたりする余裕があります。
そのときの思考を、どうやったら高められるか、紙一重で勝敗が分かれるトレードで少しでもプラスの方向にいくにはどうするべきか──波に乗ればガバッと利益が出るとはいえ、元の行動は小さく繊細です。

たまには、チマチマとした工夫をしてみてください。


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資金量はちょうどいいの?

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脱・応援団の技術(3)
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日本人の苗字は約30万種ですが、世界でいちばん多いのは米国で150万種。
移民が多いために元の数が多いうえに、みんながテキトーなことを言って誤ったつづりを伝えてきたことで、数が膨れあがったという話です。

持ち株を放置して「上がってくれ~」という応援団状態からの脱し方、その3です。

「上がってくれ~」応援団は、引くに引けない状態に陥っているはずです。

資金稼働率が高すぎることが原因ですが、そもそも資金量が大きすぎる場合が考えられます。

儲かることが前提なので設定が大きくなり、思った以上のストレスで損切りや必要な対応ができなくなる……。

技術その(3)は、単純に「資金量を見直す」ことです。

逆に、資金量が少なすぎる場合も問題です。
300円の株を100株だけ買って投資金額は3万円……その状態で「株を売買している」「運用を勉強している」なんて思ってしまったら、かなりの勘違いだと思います。

あるいは、FXや仮想通貨で「10万円を1億円にしよう」とか。
勝てないバクチに踏み切るわるいクセがつくだけです。

一定のストレスは必要です。
「大切な資産を動かしている」という意識が不可欠です。
ただし、ちょっと大きすぎるケースが意外とあるのです。

常識的な人が慎重に考えた結果、ちょっとやりすぎてしまうのが、“相場あるある”なのです。


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4月2日放送のフォローアップ(1)
林 知之

銘柄も売り買いも関係ない!

売買の対象を考えたとき、個別銘柄の活発な動きは大きな魅力です。でも、業績の変化その他で極端な動きをすることもあるし、それを均(なら)そうとして組み合わせを考えるとハードルが高い……。

しかし、プレーヤーとして積極的に考え、プロと同等に、計画的かつ戦略的な銘柄選びを行う突破口は意外とカンタンに見つけることができます。

2018年4月2日のマーケット・スクランブルでは、受け身の姿勢の「情報弱者」ではなく自ら行動するための思考と、銘柄選別の具体的な方法を紹介しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第130回 「最適な分散投資」の秘密 ~中源線のバスケット運用でトレードの秘訣に迫る~

大切にしている部分を捨てちゃう

番組の冒頭で、次のようなアイデアを示しました。

「どの銘柄か」「売りか買いか」・・・誰もが重視していること、最も大切にしていることを捨ててしまえ! 「そんなの関係ない!」と考えることで、「オトナの投資家として自由になれる」と。

いきなり、このフォローアップを読む人は「なんのこっちゃ?」と思うでしょう。

命の次に大切といわれるカネをリスクにさらすのが、相場という行為です。そこで誰もが、「予測を当てたい」と考えます。当たり前のことなのに、それを捨てろと言われても納得できないでしょう。

金融工学では、例えば、下げて300円で這(は)いつくばっている状況でも、その銘柄が急騰した状況でも、「上げ下げの確率は同じ」と考えます。私たちが「強い」とか「下げそうだ」などと評価するのは、具体的な売買行動を決めるために必要な価値判断なのです。

ところが、その思考はいわば自分勝手、極めて個人的なもので問題を複雑にしているから、それを捨て去って「まっさらな状態になってみよう」という極端な提案です。

では、捨てるとどうなるか──。
まず、当てるための特別な情報が不要になります。
どこに当たる情報があるか、どの先生の意見が当たりそうか……そんな“情報集め”をするのが情報弱者、情報屋の思うツボだ──こう考えてみることで、マーケットの真理、相場の核心を発見してみたいのです。

アタマからっぽで考えてみよう

子どもは、いろいろなものに対してピュアです。
オトナは汚れている……この表現は不適切かもしれませんが、「経験」「こだわり」「狙い」がある以上、完全にピュアな心でものごとを考えられません。

あくまでも「仮」の状態でいいので、「相場=カネ儲け」という感覚を外し、スポーツとトレードを比較しながら、ゲーム(競争)の特徴や勝ち負けを考えてみましょう。

つい、周囲にあるゲーム(競争)と同じように考えてしまいますが、スタートもフィニッシュも自分で決めるのがトレードの特徴です。スタイルに制約がないのも、ほかのゲームと比べたときの大きな相違点です。

好きにできる、自由に行動できる……つまり、トレードにおける最大のポイントは「対応」であり、「無限の選択肢」があるのです。

対応する? しない?

「無限の選択肢がある」のですが、その環境が難しさを生んでいます。

特に個人投資家は、売買の資金量やタイミングについてなにも制約を受けないので、方向性が定まりません。そして、「どの銘柄がいいの?」「いくらで買えばいいの?」「いくらまで上がるの?」なんて、結局はどんな専門家でもわからない“答え”を他人に求めてしまうことで、逆に不自由な状態に陥るケースが多いのです。

提案した「そんなの関係ない!」は、本来の自由を取り戻すための第一歩です。

素材やヒントは外部から入手すればいいのですが、「ラーメンが食いたいかカツ丼が食いたいか」くらい自分で考えてみましょう。いや、そもそも「メシを食いたいか、食いたくないか」を考えずに「教えてください」と言ってしまうオトナが多いのです。

でも、安心してください!
それが、ある意味、自然な態度です。悲観する必要はありません。
むしろ、「そんなオトナが多い」「ちょっと頑張ると、すぐ上位1割に入れる」と喜ぶべきことなのです。

買ったあと、上がっても下がっても、あなたのポジションは、あなた自身が手を出すまでジッと待っています。オトナとして、自由に「対応」を考えてください。

次項で、自由闊達(かったつ)に行動するトレードの事例を示します。

対応の事例をチェック!

さて、中源線のチャートを2銘柄、示します。

赤が買い線(買いポジションを3分割で増減、黒が売り線(売りポジションを3分割で増減)です。

2531宝HDは、2017年9月にかけての下げを取ったあと、2018年1月にかけての大きな上げを取りました。ちょっとウハウハですね。

でも、2月にガクンと下げて陰転したところで「よし、こんどは下げで利益だ!」と思ったら、中途半端に戻って再び陽転。その陽転もダマシで連敗しました。しかし、最後の下げで勝ちパターンに乗ることができたのです。

「2月の陰転では逆張りで買って短期で利食いできた」とか、「そのあとの中途半端な戻りでドテン買う必要はなかった」なんて、オトナらしくない結果論です。

あとから見れば、最後の陽転が間違いだった(2月の陰転は正しかった)と観察するのは問題ありません。どう評価して先々に反映させるかが課題ですが、事実を受け止めることは必須です。

でも、その場で「もしかしたら」なんて迷いながら変則的なことをすると、痛い目に遭うものです。例えば、2月に切り返して陽転したのに無視して売りポジションを維持し、そのままグングンと上昇したら……次の「対応」ができないままフリーズしてしまう可能性が大なのです。

2281プリマハムは、番組でも何度か取り上げている銘柄です。
チャートの中央、2017年9月まで、1年超も買い線が続いて倍化したという珍しいケースだったからです。

そんな経緯があれば、9月末の陰転で「こんどは、ダラダラと長い下げが続くか?」と期待します。そういった価値判断こそが、私たち実践者のツボですから。

でも現実の結果は……ダマシの3連発のあと、高値を探る買い線で少しばかりの利益を取ったあと800円超で陰転。この最後の陰転で、やっとトレンドに乗ったのです。

3連敗のあたりでは、「これから面白そうだ」と期待して話題にする中源線実践者が多かったのですが、次第に静かになり、話題に上らなくなってから「当たり」という、“相場あるある”の皮肉な展開となりました。

「当てよう」としても難しくなるだけ、一定の「対応」をし続けるしかないという現実は、オトナとして最低限、受け入れるしかないことなのです。

銘柄選定を考える突破口

今回のテーマは、「最適な分散投資」です。

マーケットにおける非情な現実を受け入れ、「売るのか売らないのか」「買うのか買わないのか」と常に対応を迫られていると、考える余裕を失ってしまうことがあります。本業があってトレードに割ける時間が限られていたら、オトナの義務をつい放棄してしまうことも仕方がないといえます。

しかし、突破口はあります。

ちょっとだけ難しいことに挑戦して克服する、その過程を楽しむ、達成感に浸って快感を得るためのヒントはいろいろとあるものです。そのひとつを、次の第2回で明らかにします。

ラクに考えて作業を楽しむんだ! テレビゲームで新しいステージ攻略を楽しむのと同じだよ──そんなイメージをもってください。

次回のフォローアップ(2)では、他人に頼らずに自分のポートフォリオを構築する秘訣、納得の理論を紹介します。お楽しみに!


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途中でやめる

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脱・応援団の技術(2)
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日本の橋には、橋の名前を記した表札のような板が設置されていますが、漢字表記は入り口側(道路起点、日本橋に近いほう)、ひらがなが出口側と決まっているそうです。
徳島県だけは県庁が基準との情報がありますが、確認していません。

持ち株を放置して「上がってくれ~」という応援団状態からの脱し方、その2です。

『途中でやめることを厭(いと)わないこと』
これに尽きます。

休みを取って子どもと川遊び。
ところが、前日の雨で増水していてキケン・・・事前の想定通りに子どもを遊ばせたくありませんよね。

近くで楽しめる場所を探すなど、せっかくの休日を充実させるべく工夫する……例えば、こんなふうに「対応」するのがオトナです。

「今日は川遊びって決めたんだからゼッタイに川なの!」
子どもがこう言ったら、オトナがたしなめなければならないのです。

さて、オトナとしての姿勢を株の売買に反映させると、『絶対に上がると思って買うけど、ダメそうだったら投げる』という当然の覚悟につながります。

意地になってしまわないために、特定の銘柄にだけ力を入れないとか、分割で仕込んで撤退しやすい状態を維持するとか、そんな単純なことが、技能、トレード技術の源です。


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どこがニュートラルか

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日本の桜の80%を占める大人気のソメイヨシノは、2種の交配によって生まれ、人の手がないと生存できない品種……クローン植物として数を増やしたそうです。

ポジション操作をせずに持ちっぱなしで「上がってくれ~」というのが、「やめようと」と提言した応援団の状態です。

そんな状態から脱する技術として最も大切なのは、「ニュートラルポジション」を意識することです。

いつも何かしら持っていると、それが「ふつう」になりますが、本来のニュートラルポジションは「100%現金」の状態です。

現金を増やすために、手段としてポジションを取るだけです。

なにかしていないと落ち着かない状態を“ポジポジ病”と呼んで戒めるように、「そうじゃないよ!」ってことなんです。

出かけたきり帰ってこない、
トイレに籠城している、
旅行先に住んでしまう・・・

のべつタップリのポジションを持っているのは、「こういったことと同じだ」という認識ですね。

少なくとも、「そうかもしれない」という発想をもてば、ポジションを積極的に増減させる行動力が生まれます。

動かしたからといって、相場は思った通りに動きませんが、「自分の考え」と「ポジション」を一致させることができるのです。


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「一生に一度のお願い!」
何度でも使う人、周囲にいませんか?

意外と多いのが、ちょっとばかり思考停止の傾向にある投資家です。
人間は、単純な選択は得意。
でも、情報が多いと処理しきれなくなります。
行動経済学では、「情報負荷による思考停止」と呼びます。

私が最初に仕事をした証券会社では、店頭の常連客が、賽銭箱に見立てたケロヨンの貯金箱に10円玉を入れて、株価ボードに向かって「今日も頼むよ~」と手を合わせていました。

「カネ儲けを頼むのなら、もう少し入れたほうが……」と言いたくなりましたが、相手は神様ではありません。
小銭が貯まるとお茶菓子を買ってきて、営業マンと投資家でお茶を飲むだけですし、そもそも「持ち株上がって~」なんて願いが届くことはありません。

『目標株価○○円』

「自らの努力がおよばないものを目標とするのはおかしい」と、ときどきツッコミを入れている投資関連情報のひとつですが、「持ち株について、とても不安、だけど投げたくない」「上がってくれよ~」というお願いと、本質的に変わらないと思うからです。

こんな状態こそが相場の“あるある”なので、悲観したり、自分にダメ出しする必要はないのですが、水に流されている落ち葉のような状態ではなく、自らの意思で泳ぎたいものです。

株価の推移をジッと見守りながら、届くことのないエールを送る・・・

そんな応援団ではなく、プレーヤーとして「手法」を駆使すべきです。

「手法」というと難しく聞こえますが、整理してみれば意外と単純です。

・ポジションを増減させる発想
・自分が得意なパターンに狙いを定める姿勢
・手仕舞いを意識した出動

趣味や仕事でフツーにこなしていることばかりです。


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

3月5日放送のフォローアップ(3)
林 知之

商業的ウソとトレーダーの自滅

株価指数の動向を気にする投資家は多いのですが、意外な落とし穴がたくさん……それに、個別銘柄のほうがチャンスがある、やさしく利益を狙うことが可能なのです。

3月5日の放送では、中源線で売買する「銘柄の選び方」を軸に、トレードにおける各種の注意点を挙げ、個人投資家が「どんな資金管理を行うべきか」など、トレードの骨組みを考える内容をお届けしました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第128回 銘柄を絞った「うねり取り」 ~中源線で売買する銘柄の選び方~

酔っ払いでも大丈夫な基準

前回のフォローアップ(2)では、「チマチマした計算は通用しない」「“生き残り”を第一にタップリと余裕のある『枠』を設定するべき」と述べました。

でも、例えば資産家が、ポケットマネーで1億円のトレード資金を用意した状態を考えてください。そこまで余裕があるのに、いつも100万円分しかポジションを取らないでいたとしたら? 買った株が3倍に跳ね上がっても200万円の利益、トレード資金のたった2%しか増えません。やる意味があるの? いや、そもそもトレードと呼べるのか、ってことですよね。

では、ある程度“攻めた”ときの稼働率、「よし、ここだ」なんて感じたときに稼働させる限度はどれくらいなのか?

戦略によってちがいますし、銘柄や状況にもよります。最後は、「個人的な能力も関係するでしょうが、基本的には“値動きの激しさ”を考慮して安全な範囲を考えます。ギクシャクせず思い切って行動できるよう、「枠」を設定しておくという発想です。

株を売買する、大切な資産をマーケットでリスクにさらす行為を、「酔った状態で歩く」ことにたとえてみます。

酔っ払いは「酔っていない」「大丈夫だ」と言うのですが、ちっとも大丈夫じゃないのです。「儲かるだろう」「少なくとも大損はしない」などと考えているのに意外な落とし穴がある、そんなトレードの現実と似ているのす。

酔っ払った、電車で帰る……階段では手すりにつかまるべきです。万が一がありますから。ホームに上がったら、意識して中央を歩くべきです。端を歩いてふらっとしたら、線路に落ちてしまうかもしれません。

歩くのはホームの中央1メートル幅、というのは大げさです。
でも、ホームの端から2メートルくらいは空けておきたいところです。ころんだとしてもサイアク、線路には落ちないし入ってきた電車にぶつかることもないように。なにしろ、千鳥足の酔っ払いなのですから。

最も高効率な進み方とは

トレードを「酔っ払いが歩くさま」にたとえましたが、トレードをするときは酔っていません。シラフで真剣勝負、真面目に丁寧に考えます。

しかし、相手にしている株価が、まさに“酔っ払い”のごとくフラフラと動くのです。だから、私たちプレーヤーの行動は、以下のようにまとめることができます。

「どっちに動くか見当もつかないのに、あえて見当をつけてポジションを取る。そのために、値動きをパターン化して過去のデータと照らし合わせる……しかし、常に“新しい動き”があると考えて臨機応変に行動しようとする」

この、「新しい動き」と「臨機応変」がポイントです。
同じように行動しようとしても、最初に決めた基準からズレていくのです。そのズレは少しずつ、かつ、自然に起こるので、プレーヤー自身はなかなか気づきません。

つまり、かなりの精度でトレードを実行していたとしても、「えっ」と思うような落とし穴があるということです。

ウサギとカメの競争は、愚直にコツコツと進んだカメが勝ちました。
「ウサギがさぼらなければ圧勝だったでしょ!」と考えるのが素直だと思うのですが、ウサギが真面目に一生懸命でも、ころんでしまったりコースを外れてしまったりする──これが、トレードにおける障害の現実です。

ダメな分散、機能する分散

丁寧に、おとなしく、無難に……そのためには、適度な「分散」を行うのが基本です。

そもそも、資産額や年収に応じて、余裕のある金額をトレード資金として設定します。そのうえで、資金稼働率を抑えます。資金以上のポジションを取ること、いわゆる「レバレッジをかける」なんて論外です。

さらに、銘柄を適度に分散するのです。

銘柄数が多すぎたら、個人では管理できません。
でも、たった1銘柄だと想定外のブレがコワい、いや、ブレが起こっているかどうかを判断することさえ難しくなります。

では、分散のポイントは?
異なる業種を組み合わせるなど、「動きの異なるもの」をパッケージにすることです。
林投資研究所の『研究部会報』3月号にも、このことを詳しく書きました(銘柄の選び方、「真の分散投資」とは)。

しかし、ちまたには、「丁寧」「おとなしい」「無難」を間違えているケースも見受けられます。トレードの手仕舞いについて、次のような投資家の質問と、専門家の回答を見ることがあるのです。

質問「持ち株が、想定よりも短期間で3割も上がりました。利食い千人力か、さらなる利益を狙って持続か、難しい局面にあります」

回答「まずは半分を利食いしておきましょう」

一定金額の利益を確定し、なおかつ、さらなる値上がりによる利益の可能性を残しておく──「無難」な行動パターンが示されているように見えますし、質問者は満足すると思いますが、実はツッコミどころが満載です。

まず、質問者の「難しい局面」という表現です。
「やさしい局面なんてあるの?」とツッコみたくなりますが、素直に「迷いどころ」と捉えたとしても、「買った株が思惑通りに上がったのに難しいってなに?」と意地悪く返したくなります。

回答者は、トレードの専門家なのか投資家を適当に納得させる専門家なのか……質問者の準備不足、厳しく言えば「オトナとしての責任放棄」的な丸投げの態度に対して、「利食いしたほうがいいかもしれない」という気持ちを満足させつつ、一方で「結論を先送りしちゃえ」と提案しているのです。

私の指摘について、揚げ足取り、へ理屈で攻撃している、と感じるかもしれませんが、トレードの決断をするときは常に、緊張した状況で無限の選択肢から1つを選ばなければいけない局面です。少しでもユルいと、本当に迷ってしまいます。

だから、「自由に、感じるままに行動できる」(酔っ払いが歩いても大丈夫な)状況を事前につくっておくためには、「あらゆる状況を考えて、次の一手を用意しておく」必要があるのです。そこまでガチガチに考えておくことで、「トレードをスタートできる」(酔っ払うことを許される)状態がセット完了、ということです。

中源線シグナル配信の自慢を聞いて!

今回示したのは、私が常日ごろからテーマにしている「トレードにおける錯覚」です。

オトナとして「これでいいだろう」と思えることが、実はちょっと残念だったり、ちょっと思慮不足だったり、あるいは、ベクトルそのものがちがっていたりするのです。

私はよく、売りものの情報について、この錯覚に乗じた“商業的ウソ”が隠れていると指摘しますが、自分の手で、自分自身が使う予測法、売買法をつくるときにも、同じ過ちが起こりがちです。

そんな現実を考えて、実用的なものに仕上げたと自負するのが、林投資研究所の「中源線シグナル配信」です。

パフォーマンスが良好かつ安定していると判断した銘柄を「ユニバース」(研究対象銘柄)として選定し、シグナル配信にもかかわらず、それらについては約1年間のチャートも表示される仕組みです(2018年3月現在95銘柄、個別チャートをクリックすると画面いっぱいに大きく表示されます。東証一部のみ)。

ユニバースの個別銘柄を拡大したチャートが、次に示すものです。

これは、前回のフォローアップ(2)で、中源線でトレードをするときの「想定」「理想型」として紹介した日野自動車(7205)で、小気味よく当たっている事例です。

このような理想的な展開は、狙って実現するものではありません。
だから、あくまでも「基準」と捉えて、銘柄ごとの設定などを考えていく必要があるのですが、つい背伸びして頑張ってしまうのが人間の性です。

こういった事柄に気をつけながら、おおむね次のように上場全銘柄のパラメータ(設定値)を探しました。

  • 最長31年間のデータを使って、可能な限り長い期間を検証
  • 計算上の「最適値」をチェック
  • 次に「最も安定している範囲」をチェック(こちらを優先!)
  • 期間ごとの安定性をチェック

単なる「売りもの」をつくるだけなら、“商業的ウソ”をいとわず、自らもプレーヤーの錯覚に陥ればいいのですが、そうではなく「自分たちで使いたいツールをつくり上げる」ことが狙いでした。

だから、「ユニバース」銘柄を選定する時も、パフォーマンスには偶発性があって年単位でブレがあることを考え、直近のパフォーマンスが良いかどうかという観点を捨てました。

以上が、概略ですが、林投資研究所が「中源線シグナル配信」のシステムを構築した経緯の自慢話です。

「中源線シグナル配信」のトップページ(指数の中源線チャート+シグナル、上場全銘柄の市場別統計)は、「中源線研究会」への登録(無料)だけでご覧になることができます。

これで、3月放送のフォローアップは終わりです。次回の放送は4月2日(月)の夜8時から生放送、まだ正式に決定していませんが、中源線で銘柄を分散するバスケット運用の事例について、詳しく説明したいと考えています。
お楽しみに!


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3月5日放送のフォローアップ(3)

3月5日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 『個別銘柄の魅力を探る』  3月10日掲載

フォローアップ(2) 『制約・制限によって自由を勝ち取る』  3月17日掲載

フォローアップ(3) 『商業的ウソとトレーダーの自滅』  本日掲載