どこがニュートラルか

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脱・応援団の技術(1)
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日本の桜の80%を占める大人気のソメイヨシノは、2種の交配によって生まれ、人の手がないと生存できない品種……クローン植物として数を増やしたそうです。

ポジション操作をせずに持ちっぱなしで「上がってくれ~」というのが、「やめようと」と提言した応援団の状態です。

そんな状態から脱する技術として最も大切なのは、「ニュートラルポジション」を意識することです。

いつも何かしら持っていると、それが「ふつう」になりますが、本来のニュートラルポジションは「100%現金」の状態です。

現金を増やすために、手段としてポジションを取るだけです。

なにかしていないと落ち着かない状態を“ポジポジ病”と呼んで戒めるように、「そうじゃないよ!」ってことなんです。

出かけたきり帰ってこない、
トイレに籠城している、
旅行先に住んでしまう・・・

のべつタップリのポジションを持っているのは、「こういったことと同じだ」という認識ですね。

少なくとも、「そうかもしれない」という発想をもてば、ポジションを積極的に増減させる行動力が生まれます。

動かしたからといって、相場は思った通りに動きませんが、「自分の考え」と「ポジション」を一致させることができるのです。


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応援団はやめましょう

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「一生に一度のお願い!」
何度でも使う人、周囲にいませんか?

意外と多いのが、ちょっとばかり思考停止の傾向にある投資家です。
人間は、単純な選択は得意。
でも、情報が多いと処理しきれなくなります。
行動経済学では、「情報負荷による思考停止」と呼びます。

私が最初に仕事をした証券会社では、店頭の常連客が、賽銭箱に見立てたケロヨンの貯金箱に10円玉を入れて、株価ボードに向かって「今日も頼むよ~」と手を合わせていました。

「カネ儲けを頼むのなら、もう少し入れたほうが……」と言いたくなりましたが、相手は神様ではありません。
小銭が貯まるとお茶菓子を買ってきて、営業マンと投資家でお茶を飲むだけですし、そもそも「持ち株上がって~」なんて願いが届くことはありません。

『目標株価○○円』

「自らの努力がおよばないものを目標とするのはおかしい」と、ときどきツッコミを入れている投資関連情報のひとつですが、「持ち株について、とても不安、だけど投げたくない」「上がってくれよ~」というお願いと、本質的に変わらないと思うからです。

こんな状態こそが相場の“あるある”なので、悲観したり、自分にダメ出しする必要はないのですが、水に流されている落ち葉のような状態ではなく、自らの意思で泳ぎたいものです。

株価の推移をジッと見守りながら、届くことのないエールを送る・・・

そんな応援団ではなく、プレーヤーとして「手法」を駆使すべきです。

「手法」というと難しく聞こえますが、整理してみれば意外と単純です。

・ポジションを増減させる発想
・自分が得意なパターンに狙いを定める姿勢
・手仕舞いを意識した出動

趣味や仕事でフツーにこなしていることばかりです。


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3月5日放送のフォローアップ(3)
林 知之

商業的ウソとトレーダーの自滅

株価指数の動向を気にする投資家は多いのですが、意外な落とし穴がたくさん……それに、個別銘柄のほうがチャンスがある、やさしく利益を狙うことが可能なのです。

3月5日の放送では、中源線で売買する「銘柄の選び方」を軸に、トレードにおける各種の注意点を挙げ、個人投資家が「どんな資金管理を行うべきか」など、トレードの骨組みを考える内容をお届けしました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第128回 銘柄を絞った「うねり取り」 ~中源線で売買する銘柄の選び方~

酔っ払いでも大丈夫な基準

前回のフォローアップ(2)では、「チマチマした計算は通用しない」「“生き残り”を第一にタップリと余裕のある『枠』を設定するべき」と述べました。

でも、例えば資産家が、ポケットマネーで1億円のトレード資金を用意した状態を考えてください。そこまで余裕があるのに、いつも100万円分しかポジションを取らないでいたとしたら? 買った株が3倍に跳ね上がっても200万円の利益、トレード資金のたった2%しか増えません。やる意味があるの? いや、そもそもトレードと呼べるのか、ってことですよね。

では、ある程度“攻めた”ときの稼働率、「よし、ここだ」なんて感じたときに稼働させる限度はどれくらいなのか?

戦略によってちがいますし、銘柄や状況にもよります。最後は、「個人的な能力も関係するでしょうが、基本的には“値動きの激しさ”を考慮して安全な範囲を考えます。ギクシャクせず思い切って行動できるよう、「枠」を設定しておくという発想です。

株を売買する、大切な資産をマーケットでリスクにさらす行為を、「酔った状態で歩く」ことにたとえてみます。

酔っ払いは「酔っていない」「大丈夫だ」と言うのですが、ちっとも大丈夫じゃないのです。「儲かるだろう」「少なくとも大損はしない」などと考えているのに意外な落とし穴がある、そんなトレードの現実と似ているのす。

酔っ払った、電車で帰る……階段では手すりにつかまるべきです。万が一がありますから。ホームに上がったら、意識して中央を歩くべきです。端を歩いてふらっとしたら、線路に落ちてしまうかもしれません。

歩くのはホームの中央1メートル幅、というのは大げさです。
でも、ホームの端から2メートルくらいは空けておきたいところです。ころんだとしてもサイアク、線路には落ちないし入ってきた電車にぶつかることもないように。なにしろ、千鳥足の酔っ払いなのですから。

最も高効率な進み方とは

トレードを「酔っ払いが歩くさま」にたとえましたが、トレードをするときは酔っていません。シラフで真剣勝負、真面目に丁寧に考えます。

しかし、相手にしている株価が、まさに“酔っ払い”のごとくフラフラと動くのです。だから、私たちプレーヤーの行動は、以下のようにまとめることができます。

「どっちに動くか見当もつかないのに、あえて見当をつけてポジションを取る。そのために、値動きをパターン化して過去のデータと照らし合わせる……しかし、常に“新しい動き”があると考えて臨機応変に行動しようとする」

この、「新しい動き」と「臨機応変」がポイントです。
同じように行動しようとしても、最初に決めた基準からズレていくのです。そのズレは少しずつ、かつ、自然に起こるので、プレーヤー自身はなかなか気づきません。

つまり、かなりの精度でトレードを実行していたとしても、「えっ」と思うような落とし穴があるということです。

ウサギとカメの競争は、愚直にコツコツと進んだカメが勝ちました。
「ウサギがさぼらなければ圧勝だったでしょ!」と考えるのが素直だと思うのですが、ウサギが真面目に一生懸命でも、ころんでしまったりコースを外れてしまったりする──これが、トレードにおける障害の現実です。

ダメな分散、機能する分散

丁寧に、おとなしく、無難に……そのためには、適度な「分散」を行うのが基本です。

そもそも、資産額や年収に応じて、余裕のある金額をトレード資金として設定します。そのうえで、資金稼働率を抑えます。資金以上のポジションを取ること、いわゆる「レバレッジをかける」なんて論外です。

さらに、銘柄を適度に分散するのです。

銘柄数が多すぎたら、個人では管理できません。
でも、たった1銘柄だと想定外のブレがコワい、いや、ブレが起こっているかどうかを判断することさえ難しくなります。

では、分散のポイントは?
異なる業種を組み合わせるなど、「動きの異なるもの」をパッケージにすることです。
林投資研究所の『研究部会報』3月号にも、このことを詳しく書きました(銘柄の選び方、「真の分散投資」とは)。

しかし、ちまたには、「丁寧」「おとなしい」「無難」を間違えているケースも見受けられます。トレードの手仕舞いについて、次のような投資家の質問と、専門家の回答を見ることがあるのです。

質問「持ち株が、想定よりも短期間で3割も上がりました。利食い千人力か、さらなる利益を狙って持続か、難しい局面にあります」

回答「まずは半分を利食いしておきましょう」

一定金額の利益を確定し、なおかつ、さらなる値上がりによる利益の可能性を残しておく──「無難」な行動パターンが示されているように見えますし、質問者は満足すると思いますが、実はツッコミどころが満載です。

まず、質問者の「難しい局面」という表現です。
「やさしい局面なんてあるの?」とツッコみたくなりますが、素直に「迷いどころ」と捉えたとしても、「買った株が思惑通りに上がったのに難しいってなに?」と意地悪く返したくなります。

回答者は、トレードの専門家なのか投資家を適当に納得させる専門家なのか……質問者の準備不足、厳しく言えば「オトナとしての責任放棄」的な丸投げの態度に対して、「利食いしたほうがいいかもしれない」という気持ちを満足させつつ、一方で「結論を先送りしちゃえ」と提案しているのです。

私の指摘について、揚げ足取り、へ理屈で攻撃している、と感じるかもしれませんが、トレードの決断をするときは常に、緊張した状況で無限の選択肢から1つを選ばなければいけない局面です。少しでもユルいと、本当に迷ってしまいます。

だから、「自由に、感じるままに行動できる」(酔っ払いが歩いても大丈夫な)状況を事前につくっておくためには、「あらゆる状況を考えて、次の一手を用意しておく」必要があるのです。そこまでガチガチに考えておくことで、「トレードをスタートできる」(酔っ払うことを許される)状態がセット完了、ということです。

中源線シグナル配信の自慢を聞いて!

今回示したのは、私が常日ごろからテーマにしている「トレードにおける錯覚」です。

オトナとして「これでいいだろう」と思えることが、実はちょっと残念だったり、ちょっと思慮不足だったり、あるいは、ベクトルそのものがちがっていたりするのです。

私はよく、売りものの情報について、この錯覚に乗じた“商業的ウソ”が隠れていると指摘しますが、自分の手で、自分自身が使う予測法、売買法をつくるときにも、同じ過ちが起こりがちです。

そんな現実を考えて、実用的なものに仕上げたと自負するのが、林投資研究所の「中源線シグナル配信」です。

パフォーマンスが良好かつ安定していると判断した銘柄を「ユニバース」(研究対象銘柄)として選定し、シグナル配信にもかかわらず、それらについては約1年間のチャートも表示される仕組みです(2018年3月現在95銘柄、個別チャートをクリックすると画面いっぱいに大きく表示されます。東証一部のみ)。

ユニバースの個別銘柄を拡大したチャートが、次に示すものです。

これは、前回のフォローアップ(2)で、中源線でトレードをするときの「想定」「理想型」として紹介した日野自動車(7205)で、小気味よく当たっている事例です。

このような理想的な展開は、狙って実現するものではありません。
だから、あくまでも「基準」と捉えて、銘柄ごとの設定などを考えていく必要があるのですが、つい背伸びして頑張ってしまうのが人間の性です。

こういった事柄に気をつけながら、おおむね次のように上場全銘柄のパラメータ(設定値)を探しました。

  • 最長31年間のデータを使って、可能な限り長い期間を検証
  • 計算上の「最適値」をチェック
  • 次に「最も安定している範囲」をチェック(こちらを優先!)
  • 期間ごとの安定性をチェック

単なる「売りもの」をつくるだけなら、“商業的ウソ”をいとわず、自らもプレーヤーの錯覚に陥ればいいのですが、そうではなく「自分たちで使いたいツールをつくり上げる」ことが狙いでした。

だから、「ユニバース」銘柄を選定する時も、パフォーマンスには偶発性があって年単位でブレがあることを考え、直近のパフォーマンスが良いかどうかという観点を捨てました。

以上が、概略ですが、林投資研究所が「中源線シグナル配信」のシステムを構築した経緯の自慢話です。

「中源線シグナル配信」のトップページ(指数の中源線チャート+シグナル、上場全銘柄の市場別統計)は、「中源線研究会」への登録(無料)だけでご覧になることができます。

これで、3月放送のフォローアップは終わりです。次回の放送は4月2日(月)の夜8時から生放送、まだ正式に決定していませんが、中源線で銘柄を分散するバスケット運用の事例について、詳しく説明したいと考えています。
お楽しみに!


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3月5日放送のフォローアップ(3)

3月5日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 『個別銘柄の魅力を探る』  3月10日掲載

フォローアップ(2) 『制約・制限によって自由を勝ち取る』  3月17日掲載

フォローアップ(3) 『商業的ウソとトレーダーの自滅』  本日掲載

3月5日放送のフォローアップ(2)
林 知之

制約・制限によって自由を勝ち取る

株価指数の動向を気にする投資家は多いのですが、意外な落とし穴がたくさん……それに、個別銘柄のほうがチャンスがある、やさしく利益を狙うことが可能なのです。

3月5日の放送では、中源線で売買する「銘柄の選び方」を軸に、トレードにおける各種の注意点を挙げ、個人投資家が「どんな資金管理を行うべきか」など、トレードの骨組みを考える内容をお届けしました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第128回 銘柄を絞った「うねり取り」 ~中源線で売買する銘柄の選び方~

同じ基準でも答えはいろいろ

トレードでは、命の次に大切なカネが増減するので、誰でも真剣です。
だから、情報を幅広く集めたり、いろいろな角度から考えたりと工夫するものです。

ただ、「よし売ろう」「買い注文を出すよ」という最終段階に近いところで幅広く考えていると、これは実に不自由な状態です。

いや、念には念を入れて……と慎重なのは当然ですが、「買いだな」と思ってから「いや待てよ……信用の取組は?」なんて思い出したようにチェックする項目がいくつもあったら、いつまでたっても決まりません。複雑すぎます。

サッカーの選手が試合の途中で、「ドリブルをスムーズにするためには、リズムが○○で左足の体重のかけ方が○○で……」なんて考えているようなものです。それは、練習中にやることでしょ!

緻密に考える作業は必要です。いいかげんに売買する人が多すぎます。
ただし、手法の細部を詰めたり、あえてチマチマとした統計数値を気にしてみたりと、「事前に戦略そのものをじっくりと考える」ときの思考を、現場に持ち込んではいけないのです。

とはいえ、目の前でカネが増減する様子は、けっこうシュールですよね。
事例(「中源線シグナル配信」のチャート)を見ながら、現実を考えてみましょう。

7205日野自動車は、この期間、「小気味よくピシピシ当たる」なんて書いてしまったほど、上げ下げを見事に捉えています。これがトレードをするときの「想定」「理想型」で、このイメージを軸に実際の売買を展開します。

ただ、現実でこの流れが続くとは限りません。
次の銘柄を見てください。

2726パルグループHDも、日野自動車と同じく「中源線シグナル配信」で「ユニバース」に選定した銘柄、つまり長期的な分析でパフォーマンスが高く安定していることが確認できています。

でも、値の動きはまるで生き物、機敏かつ明確な判断のために用意したルール(数式)と値動きが少しズレただけで、「あれれっ」となる場面はいくらでも発生します。

「1」の上げは取りました。
陽転直後にモタついた場面でも陰転せずにいました。

問題は、高値での往来です。
「2」の急落で陰転……つまり、買いポジションの利食いが遅れ、けっこう安いところでカラ売りを仕掛けることになりました。さらに、急落後に売り線のまま逆行高、赤い丸印のあたりで再び陽転するのが想定ですが、たまたま中源線の数式と合致しなかったために売り玉をかつがれてしまいました。

おまけに、「3」の戻り高値で陽転し、これもダマシとなったのです。

「4」の陰転は、きれいに乗っています。
「これだよ!」って感じに流れが戻ったわけですが、数カ月の間は「あれっ」という状況が続いたのです。儲けるためにやるわけですし、「この戦略が機能するだろう」と確信して出動するのですから、勝って当たり前。でも、見込み違いも当たり前なんですよね。

この現実を受け入れることで、銘柄の選び方、ポジションサイズの決定も含めた資金管理の知恵など、実践的かつ実用的な作戦が浮かび上がるのですが、賢く計算しようとしても、うまくいかないことばかりなのです。次の項で詳しく説明します。

「ドボン」を避けろ!

リスクの計算、資金管理、ポジションサイズ、ドローダウン(一時的な最大損失)……80年代のバブル期とは比べものにならないほど、考えるための言葉は豊富になりました。論理的、科学的な発想があります。でも、机の上の計算に傾いている人が多いようです。

プロのレベルで、同じ人が同じようにトレードしても、年間通して振るわないこともあります。逆に、手堅い方法で資金稼働率も低いのに、資金が大幅に増加する期間があったりもします。

自分の行動だけならブレをゼロにすることが可能ですが、結果はブレまくります。だから、例えば「3カ月で資金が10%増えたから、次の3カ月はトレードサイズも10%増」なんて計算は、通用しないのです。

「勝つことが前提でトレードすると考えて、差し支えないんですよね? だったら、10%勝ったら、その先の期間も10%勝つ前提でトレードサイズを増やすのが当然じゃないですか」

こんなふうに反論されるのですが、この理屈は間違っているのです。

現実では、勝ちと負けが混在します。
「勝つことが前提」とは、「一定期間が経過した時点で損益がプラス」ということですよね。でも、10%勝った3カ月が、想定する「一定期間」なのでしょうか? 3カ月で10%勝ったあと、次の1カ月で5%負けて、「トータル4カ月で5%の勝ち」が本来の「一定期間」の結果かもしれないのです。

たまたま負けトレードからスタートする場合もあるので、ドローダウン(一時的な最大損失)を考えておくのが常識ですが、「一時的なプラスを過大評価しない」という発想も同時に生まれるはずですよね。

そして、そのブレが思った以上に大きくて読み切れない・・・

結果的に、一般投資家が丁寧に計算した結果の「ここまで大丈夫。トレードサイズはここまで大きくするべき」という数値は、十中八九やりすぎなのです。

だから、ホンネを言える立場のプロが「生き残り」とか「負けないやり方」と神経質な言葉を発しても、ウケがわるいのですが、こういう部分にこそ耳を傾けるべきなのです。目の色を変えて銘柄情報を探す路線とは、ベクトルそのものがちがう世界です。

「枠」を決めて自由に!

トレードの成績不振は、資産の減少という笑えない事態につながります。
小銭ならぬ大銭(おおぜに)を失うのです。

だから、「こんな注意事項ばかり書いたら、読む人が減るんだよね……」と思いつつも、やめることができない、いや、そういったことがトレードの本質を形成しているというのがホンネなので、ウケ狙いの芸風に変えるつもりはありません。

でも、禁止事項ばかり並べるのは嫌いですし、精神的にきゅうくつな状態でトレードするなんて、シゴトとしての売買でもイヤなものです。感情的に受け入れ難いことは、実行できたとしても一時的だから、ムリなダイエット後のリバウンドのように、激ヤバな方向に突き進む危険性すらあるのです。

ワクワク感、適度な笑い、“遊び”を入れる楽しみ──立場に関係なく大切なカネを扱う「トレード」だからこそ、こういった要素が不可欠ではないでしょうか。

人間として、自然に行動する、ギクシャクすることなく高パフォーマンスを実現するには、かるい緊張感があるのがいいと思います。過度な緊張や、圧迫感なんてゼロにするべきです。

「負けることもある」「生き残りが第一」としつこく言うのも、自由にのびのびと行動することを目指してほしいからです。

でも、極めて常識的な人が“のびのび”行動すると行きすぎになるので、ストイックなイメージで狭めの「枠」を設定します。その枠の中では、自由闊達(かったつ)に、感じるままに行動できます。「よし、ここは少し早めに買って……」みたいな遊びも交えて、創造力を発揮することができます。

今回のテーマである「銘柄の選び方」と、セットで考える「資金管理」の問題も、プレーヤーとしてチカラを発揮するための思考です。

事前にガッツリと考えておき、売り買いの決断はサッと行うのがベストです。サッカーならば、練習のことは忘れ、今その場で得点することだけを考えるべきです。試合中にドリブルの足運びなんて考えていたら、シュートのチャンスは生まれません。

次回のフォローアップ(3)は、今回のテーマの結論として、攻めと守りのバランスが取れた設定を考えます。
お楽しみに!


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オトナの「待つ」

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「人は、間違った理由で結婚し、正しい理由で離婚する」
こんな言葉がありますが、未経験の世界に瞬発力で進むのですから、正しいも間違いもないと思います。

相場では、慌ててポジションを取りにいくのではなく、ジッと「待つ」ことが重要だと考えています。

「逃したらイヤだ」という心理でポジションを取っても、慌てて買うんじゃなかった……なんてオチが多いものです。

そう考える一方で私は、「瞬発力」という言葉を大切にします。

でも、「突発的な動きを動物のように察知する」とか、「短期で儲けて逃げる」イメージではありません。

単なる飛びつきではない、ちゃんとした瞬発力を発揮するには、「待つ」ことが第一だという考え方です。

・ポジションなしで値動きを見る(チャンスを待つ)
・波に乗れたらねばる(ポジションを維持して待つ)
・ダメだと思ったらサッと切る(次のチャンスを待つ)

「瞬発力」があるから、待つことができるのです。

理解しても実行できない、体が動かないのが悩みのタネで、無責任な相場格言などは、落ち込むだけで逆効果ですが、視点をずらしてみると意外とカンタンだったりします。

私の提案は、「少し長めの期間を意識する」こと。

売買の期間が1週間なら、月単位で上げ下げを観察する。
1カ月を目安の売買なら、半年、1年のトレンドに目を向ける。

FX取引の世界では「上位時間足」、いつも使っているチャートよりも長い期間のものを見る、という発想があるようですが、道具を増やすよりも、つい近視眼的になる傾向に注意すれば、スッキリとバランスが整うと思うのです。

ちなみに、土日にじっくり考えて月曜日に新しいことをするのは、「待つ」ことを放棄しているケースが多いはずです。


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

3月5日放送のフォローアップ(1)
林 知之

個別銘柄の魅力を探る

株価指数の動向を気にする投資家は多いのですが、意外な落とし穴がたくさん……それに、個別銘柄のほうがチャンスがある、やさしく利益を狙うことが可能なのです。

3月5日の放送では、中源線で売買する「銘柄の選び方」を軸に、トレードにおける各種の注意点を挙げ、個人投資家が「どんな資金管理を行うべきか」など、トレードの骨組みを考える内容をお届けしました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第128回 銘柄を絞った「うねり取り」 ~中源線で売買する銘柄の選び方~

平均のワナ

今回の放送は、中源線建玉法を軸にして「銘柄の選び方」を考える内容でした。「どの銘柄にしようか……」と考えるときは当然、「儲かるもの」を探します。では、どのように進めていくと、「儲かる銘柄」を見つけることができるのか? 周囲にある情報を整理する方法を考えてみます。

林投資研究所のサービス「中源線シグナル配信」では、上場する全銘柄を対象に毎日、中源線による分析結果を表示していますが、トップページには参考として2つの指数、日経平均とTOPIXの中源線チャート(およびシグナル)を掲載しています。

日経平均 中源線

TOPIX 中源線

日経平均とTOPIXは、ほぼ同じように動きますが、中源線による陰陽の判断を見ると、異なる部分が見つかります。TOPIXのほうは2018年2月上旬までずっと買い線(赤)と、ストレスなく“当たっている”ことがわかりますが、日経平均の中源線には“残念”なところが見受けられます。

2017年8月に日経平均は弱含んで陰転、しかし下げず……この部分は仕方がないと思います。でも、売り線(黒)のまま上昇し、「2」で上抜いたのに売り線が続いた、つまり陽転のタイミングが遅かったことが気になります。また、2018年1月終わりの陰転はいい感じですが、2月に一時的な陽転も残念な結果でした。

TOPIXのほうが常に当たる、ということではありません。
次に挙げるような点に注目してほしいのです。

  1. 完ぺきな判断基準は存在しない
  2. 当たることを前提に決め打ちするとキケン

例えば、人気のある指数連動型のETF「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」くらいならいいのですが、日経225先物で目いっぱいレバレッジをかけていた場合、ちょっとした見込み違いが再起不能の大ケガにつながります。

儲けるためにトレードするので、「勝つ」ことが前提なのは当たり前ですが、優秀な戦略であっても「負け」は消せません。負け幅を抑えることはできても、それなりの回数で「ブレ」が生じて当然です。参加者みんなでカネを取り合っている競争の構造なのですから、そのブレが連続するケースだって多々あります。したがって、ブレを吸収できるようにしておかないと、わずかなところで「ドボン」ポイントを迎えてゲーム終了となってしまうのです。

もうひとつ、株価指数そのものについて、注意すべき点を挙げます。

日経平均ならば、21,000円、22,000円……と「水準」にばかり目を向けた予測情報が飛び交っています。私たちプレーヤーにとっては、「雑音が多すぎる」のです。

また、日経平均の予測で取り上げられる要因は、為替動向、要人発言、各種の経済統計などが目立ちます。でも、そもそも日経平均とは、東証一部に上場する約2,000銘柄のうち、たった225銘柄の平均値なのです。

2教科のテストの結果が、どちらも50点でも、0点と100点でも、「平均」は同じく50点です。そんな危うげなものを抱えた数字が、平均という計算方法なのです。

「中源線シグナル配信」のトップページには、参考として掲載している指数よりも重要な情報があります。それが、下に示す「個別銘柄の集計」です。

真の意味で「日経平均を動かす」個別銘柄の判断結果が日々、ここに表示されます。そして、どんなに相場が強いときでも「売り線の銘柄」がゼロになることはなく、どんなに相場が弱くても「買い線の銘柄」がゼロになることはありません。

「中源線シグナル配信」のトップページは、中源線研究会への登録(無料)で見ることができます。→登録はこちらをクリック!

日経平均の先物を売買するうえで、「構成する225銘柄すべてを個別に判断する」というアプローチをするプロがいるくらいです。ましてや、トレードの対象が個別銘柄ならば、雑音の多い日経平均や、それにまつわるデータや有名人の予測なんて、害になることはあっても有効な情報にはなり得ないのです。

先に挙げたテストの点数のように、個別銘柄と日経平均の動きは別ものです。このことは、次項で示す個別銘柄のチャートでもよくわかります。

まずは理想型

「中源線シグナル配信」では、パフォーマンスが良好かつ安定している銘柄を「ユニバース」(研究対象銘柄)として選定し、シグナル配信であるにもかかわらず約1年間のチャートまで表示できるようにしています。

その「ユニバース」から、理想的な展開を見せている銘柄を2つご紹介します。
4331テイクアンドギブ・ニーズ、および6962大真空です。

前項で「完ぺきな判断基準は存在しない」と述べましたが、この2銘柄のような理想型を考えるのが、トレード戦略を構築する第一歩です。これは中源線が機能している例なので、「中源線では、こんな動きを想定している」「これがモデルである」という理解が、現実の銘柄選びや資金量の設定などを考えるときに重要です。

ここで追加情報をひとつ。
前項の最後で、「個別銘柄と日経平均の動きは別もの」と述べました。
2銘柄の動きを、先ほどの日経平均やTOPIXと比較してみてください。上げ下げの様子、トレンドの転換ポイントが大きく異なっていることがわかります。

雑音と評した、ちまたにある投資関連情報によって、日経平均の動向と個別銘柄の上げ下げを混同している部分があることに気づかされます。

不可避なブレに目を向ける

さて、個別銘柄の観察を続けましょう。
次に示すのは、1515日鉄鉱業と2281プリマハム、2銘柄の中源線チャートです。

日鉄鉱業も「ユニバース」で、全体に“とてもいい感じ”で機能している様子がわかりますが、「これがなければ……」と考えてしまう残念な部分もあるのです。大きな上げは見事に捉えましたが、赤い丸印で囲んだ天井圏では、陰転がダマシ、そのあとの陽転もダマシ……と連敗しています。

あえて言えば、最初の陰転は正解、でも年末・年始の戻りで陽転したのが残念、というところですが、そんなことをあとから考えたって意味はありません。「いくら計算しても、想定通りに動かないこともある」という現実を素直に受け止めるだけです。

プリマハムも「ユニバース」で、700円超まで1年を超える緩やかな上げは、中源線がずっと買い線のままという、不思議なほど見事な捉え方が実現した事例です。

しかし、2017年9月から2018年初めにかけての天井圏では、トホホな展開……陰転がダマシ、陽転がダマシ、陰転がダマシと往復ビンタをくらったのです。直近の下げ、2018年1月に陰転してからはいい感じですが、1年超買い線が続いたことで「よし! 次の転換で大きく張ろう」なんて意気込んでいたら、完全に想定外の負けを喫するわけです。

結論として、これでもかというくらい静かに、淡々と、トレードサイズを変えずに売買を継続することが大切、ということになるのですが、この気づきは今回のテーマである「銘柄の選び方」にもつながる情報です。覚えておいてください。

リスクにさらす金額を考える

値動きの観察から離れ、ちょっと地味な話をします。
プロがとても重視する半面、一般投資家が考えようとしない「資金管理」の問題です。

中源線について、「理想型の展開」とともに、「わるくない銘柄のイヤな場面」を紹介しました。どんな動きをみせるかなんて、常にあとでわかること。だから、プレーヤーとしてブレないためには、「今回は当たるかどうか……」などという、考えてもわからないことには目を向けず、「いつもと同じように行動する」ことにエネルギーを注がなくてはなりません。

予測が当たって当然、利益が出て当然ですが、納得できない負け方をすることも当然の出来事なのです。だから、当たろうが曲がろうが()、手仕舞いの仕方で対応して「損小利大」を試みるわけです。

曲がる=予測が外れるという意味の相場用語

さて、そんな現実のブレを吸収するためには、資金に余裕をもつしかありません。資金稼働率を上げすぎない、ポジションサイズを過大にしない、ということです。

中源線では、変動の大きい個別銘柄でもブレを吸収できるようにと、最大の資金稼働率を50%と規定しています。「えっ、それだけしかやらないの?」と思う人は、ちまたの情報によって基準が過度になっていると考えてください。

しかし、「トレード資金の稼働率」以前に、そもそも「いくらを取引口座に入れるか」という問題があります。

資産額、収入、トレードへの姿勢、等々でちがうため、一概にはいえませんが、トレードするというのは「資産をリスクにさらす」ということです。上げ下げの判断で見込み違いがあるように、トレード全体が失敗するサイアクの事態まで考えておくことが不可欠です。

儲けるため、勝つためにトレードするのですが、想定外の事態でもキズを最小限に抑えるための安全弁を設けておくのが、社会人、オトナの務めです。行為そのものが驚くほど積極的な「トレード」を実行するのですから、これくらい慎重かつ論理的な考え方が必要ですし、その思考が個々のトレード判断にもプラスに働くはずです。

さてさて、厳しいことばかり並べ立てましたが、それだけ相場の変動が激しいということで、別の角度から考えれば、指数とは異なる動きをする個別銘柄、指数よりも大きな変動率をみせる個別銘柄は、トレード対象として非常に魅力的だということです。

また、個別銘柄それぞれの動きを、丁寧に観察することで、日々飛び交う投資関連情報といった“雑音”の影響をゼロに近づけ、プロと同じ思考を実現することも可能になるのです。

次回のフォローアップ(2)は、プロが行うストイックな思考が、実はプレーヤーとしての「自由」を獲得する道だという話をしたいと思います。
お楽しみに!


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私が「ウソはついたことがない」と言うと、「それがウソだ」と妻に返されます。
どの家庭でも同じですよね? ねっ?

なんだかんだと言いながら、この1、2年、大きく上伸する銘柄がけっこうあります。

だから、「推奨した20銘柄が全部3倍以上」なんて書いてあっても、「200銘柄挙げたのかも……」と考えてみるべきです。
ウソはいっさいありませんが、情報受信者にとってプレーンかつ正確な情報なのかどうか・・・

『億トレIII』には私の父親、故・林輝太郎のインタビューが収録されていますが、身近で見ていた私が最も学んだのはなんだろうと考えたところ、「守備範囲」「行動範囲」を狭くすることかもしれません。

輝太郎は常々「情報の公理」として、「発信者に有利、受信者に不利」と説いていました。

インタビューに詳しく盛り込まれていますが、戦後のヤミ屋稼業にはじまり、カネが飛び交う世界で長く生きていたにもかかわらず意外とだまされやすく、資金を固定して売り買いするうえでは驚くほど冷静沈着、“やってる感”を全く感じさせないくせに、しばらくすると利益が出ている……不思議な感覚がありました。

でも、そんな「枠」から一歩出ると全くダメ。
自分でもそれがわかっているから、また、わずかなつまずきが大きなケガになるのが相場だから、投資家に向けて情報の公理という講話をひたすら繰り返していたのでしょう。

アンテナを高く、情報を豊富にもち、しかし実行するのはわずかな範囲だけ……
そんな姿をカッコいいと感じるべきなのでしょうね。


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