情報弱者にならないために
売買の対象を考えたとき、個別銘柄の活発な動きは大きな魅力です。でも、業績の変化その他で極端な動きをすることもあるし、それを均(なら)そうとして組み合わせを考えるとハードルが高い……。
しかし、プレーヤーとして積極的に考え、プロと同等に、計画的かつ戦略的な銘柄選びを行う突破口は意外とカンタンに見つけることができます。
2018年4月2日のマーケット・スクランブルでは、受け身の姿勢の「情報弱者」ではなく自ら行動するための思考と、銘柄選別の具体的な方法を紹介しました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第130回 「最適な分散投資」の秘密 ~中源線のバスケット運用でトレードの秘訣に迫る~)

オトナこそ落とし穴にはまる
私たちは一定の経験を積んでいて、さまざまな知恵があります。
その知恵を使って、ムダなく正解にたどり着こうとするのが自然なことです。
また、現代の生活も、資本主義における仕事も、「効率化」が大切なキーワードです。
そんな発想を、トレードでも活用します。
「手抜きはダメ」と認識しながらも、「ラクして儲ける」は“効率化”という意味では間違っていない、むしろ「そう考えるべきだ」と理解しています。
しかし、効率化を助けてくれると期待を寄せる投資関連情報が大量にあるため、的を絞れずに混乱してしまいます。オトナの知恵が通用しないどころか、アダになってしまう可能性が高いのです。
誰にも明日の株価はわからない、株式市場に秘密はない、といったことが、いわば“最大の秘密”なのですが、知恵があるために盲点になってしまうのだと思います。
今回の放送でご覧に入れた中源線のチャートを、あらためて見てみましょう。
※赤が買い線(買いポジションを3分割で増減、黒が売り線(売りポジションを3分割で増減)です。
どの銘柄も、林投資研究所の「中源線シグナル配信」で「ユニバース」(パフォーマンスが長期に良好かつ安定している“研究対象”銘柄)に選定しているものですし、すべて東証一部ですが、個々の上げ下げはバラバラです。
同じ基準で複数銘柄に戦略的な分散を行うのが安定化を図るポイント、「動きの異なる銘柄を選ぶ」ことが重要、というのが今回の結論ですが、考える過程には、トレードの姿勢を見直す大切なヒントがあります。
効率化を考えて結論を急ぐオトナが大半なので、情報を売ることに必死な業者は、「これですよ!」といった“銘柄情報”に、常に傾いています。すると、十分に賢く、正しい姿勢にたどり着ける人でも、知らないうちに流れされてしまい、「銘柄の当てっこ」に走るのです。
同じ期間で往来している3銘柄が、
・タイミングが異なる
・波動の数も異なる
といった視点は、ちまたの投資関連情報にはありません。
「他人とちがえばいい」ということではありませんが、少なくとも、「多くの人と同じ」だと、高値を買ったり安値を売ったりしてしまうのが株式市場の構造、大きな値動きを発生させる要因なのです。

値幅取りの醍醐味
自分の感性を信じる、自分だけの見方をもつ──トレードにおいて必要不可欠なことですが、なんにでも逆らおうとすると、意味のないひねくれになることもあります。
例えば「値幅取り」という発想は、現実を無視して“欲しがる”心理のようですが、プロの感覚でも決して間違った考え方ではありません。
相場なので、プロでも見込み違いはあります。
予測の的中率だけを見たら、プロもアマも、ベテランも初心者も、特段の差はないでしょう。ただしプロや上級者は、見込み違いの損を膨らませないようにする技術があり、その技術を土台にして、現実的な範囲で「値幅取り」を実現しています。
そんな現実の問題はありますが、やはり理想的な成功例をイメージすることも不可欠、ということで、値幅取りの事例を2つ紹介します。
※赤が買い線(買いポジションを3分割で増減、黒が売り線(売りポジションを3分割で増減)です。
1つめは7717ブイ・テクノロジー、2つめは9983ファーストリテイリングです。
1つめのブイ・テクノロジーは、チャートの中央あたりでモタモタと推移して連敗する場面もありますが、「1」「2」と数字で示した上げ波動は、とてもスピーディーで、「乗っていたら快感!」と想像できますね。
2つめのファーストリテイリングは、この期間、全体的に見事に取れています。特に、中央の上げなんてヨダレが出てしまいます。
とはいえ、どちらも価格が高いですよね。
100株単位でも、最低の金額が300~500万円……資金量が大きくないと、手を出しにくい銘柄です。
余談ですが、東証が上場株を100株単位に統一すると決め、上場企業もそれに従っているのが現在の流れですが、「望ましい投資単位は5万円以上50万円未満」というお題目は関係ないのでしょうか?
単元株数(最低の売買単位)を1,000株から100株に下げると同時に、大幅な株式併合を行う企業が多数あり、今も続いています(大半を占める「10株→1株」だと株価が10倍になる)。併合によって、会社の価値も内容も変化しないはずですが、個人投資家にとっては、わかりにくくなりました。
慣れ親しんだ環境がガラッと変わるのは、感性や創造性を駆使する生身の人間にとって望ましいことではありません。「キモチわるい……」と感じつつ、新しい状況に早く慣れることが求められます。

オレの銘柄
東証一部上場は現在、2,000社を超えています。
前項で挙げた2銘柄のように価格が高いものに固執しなくても、値幅取りを狙える銘柄は十分にあります。
今回の放送では、「値動きの異なる銘柄を組み合わせる」というアイデアを紹介しました。
「とことん時間を費やさなくても、ものすごい分析能力がなくても、自立した個人投資家として自分の哲学を構築していく突破口はある」
これが、最重要メッセージです。
効率よく進めるうえでは、適正な範囲の手抜きもアリですが、完全に受け身の姿勢で情報弱者にならないために、「途中からは自分で考えてよ!」と言いたいのです。
でも、そのヒントを出す一環として、私が売買している「値幅取り」銘柄を1つ紹介します。お手ごろな価格帯です。
5911横河ブリッジは、動き始めるとトレンドを出す場面が多い銘柄のひとつです。この期間、約1,000円幅を取る見事な結果を出しています。
でも以前は、値幅が出たのに中源線の判断が微妙にズレて、なんとなくガッカリな結果になることがありました。「転換が遅れる場面が多いよなぁ」と感じるケースが多かったのです。
だから、「この銘柄は神だ」みたいな先入観で取り組むと、長く売買する間に発生するであろう“手の合わない”時期に、中源線について、あるいは、トレードそのものについてヘンな誤解をしてしまう可能性があります。
そんな現実を考えて、「当てようとするな」との戒めがあります。
そして、「動きの異なる銘柄を組み合わせる」という戦略が生まれるのです。
打ち出の小槌は存在しない!
だから、いろいろと研究することが必要。
かつ、自分で答えを出す覚悟も必要。
そのうえで、戦略的かつ計画的な分散で極端な結果を均(なら)す
理想型をガッツリと考えることは、戦略を固める意味でも、ポジティブな姿勢をつくる意味でも重要です。一方で、現実を考えてネガティブになる、起こり得る危険に備えておくことも不可欠です。
「想定外だった」なんてつまらない言葉を発することのないよう、実践的な準備をして臨むべきなのです。

情報を自分自身でつくり出す
機関投資家のように、大量の情報を素早く入手するのは不可能です。そんな土俵で勝負する必要はありません。といって、受け身の姿勢で情報弱者になる、情報屋の思惑通りに反応することは避けなければなりません。利益を取る側でなく、「上手な人のために価格を動かす側」に入ってしまうからです。
ただし、つらい作業をずっと続けるなんて非現実的です。
だから、今回示したようなヒントを使って、突破口をつくるのです。
小さい穴を自分の手で少しだけ大きくする──これだけで十分です。自信がつきますし、ちょっとした疑問を自らの手で解決する快感をエネルギーに、楽しい作業をしていく“新しい自分”を発見できます。限定的に行えば、楽しさを維持できます。

私がイメージする言葉をそのまま使ったので、「自分でつくり出す」という部分がピンとこないかもしれませんが、「自分で判断する」という当たり前のことを放棄しないでください、ということです。
もっとわかりやすくいえば、自分でできることまで他人任せにして「楽しみを捨てるな」ということです。
せっかく楽しいことがあるのに、それを捨ててしまうのが多くのオトナです。
「どれを買えばいいの?」
「いくらで買うの?」
「いくらまで上がるの?」
「どのシステムが儲かる?」
「勝率は何%なの?」
株式市場は、最低限のルールだけ守れば好きなように行動できる場です。他人に気をつかうこともなく、気分のまま自由に動き回ることができるのです。
もっと自由に妄想してください。
といっても、「実現可能な妄想」です。
その妄想を、自らの手で具体的な売り買いの方法に落とし込むのです。
コツさえつかめば、「どれを買えばいいの?」なんてコドモみたいな言葉とはサヨナラです。
ちなみに、林投資研究所では、中源線を使って自立の道を歩むための材料を整えています。「どれを買えばいいの?」という質問には「当てろということですか? 私が知りたい」と答えます。多くのプロがホンネを言えば、そんな答えしかないのです。
しかし、一部のヘンな人を除けば、アマチュアをバカにするプロはいません。
自分で考えている人、自分で考えようとしている人を相手にしたとき、たとえその人の経験が浅くても、言っていることが筋ちがいでも、一緒に相場を考える同志として正面から向き合います。自発的な姿勢があれば、リスペクトすべき実践者なのです。

これで、2018年4月放送のフォローアップは終了です。次回の放送は5月7日(月)の夜。最後に触れた「値幅取り」を題材に、プロに近づく思考法をテーマにお送りする予定です。
お楽しみに!
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