キケンなのは現物買い


中源線の基本ルールを惜しみなく解説。

さらに、相場で大切な観点にグイグイ切り込んでいます。

『入門の入門 中源線投資法』

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メディアが「〇〇リスク」と警告を発する──。
記者が自信をもって書くということは、おそらく、完全に価格に織り込まれている状況です。
警戒すべきことは、見えないところにあります。

短期的な狙いで買ったのに動きが思わしくない・・・こんなとき、「現物だから待とう」という対応があります。

たしかに、現物だから期限がなく、意図的に待つことができますが、「戦略的に時間をかける」のか「単なる先送り」なのか、多くの場合は後者で、「負けを認めたくない」感情によるものです。

プレーヤーは自分、審判も自分、コーチも自分・・・不合理な行動がたくさんあるのがフツーのことなのです。

株価の変動は激しく、状況は刻一刻と変化します。
「いつ手仕舞いしてもいい」という自由が、危険性を回避する道として与えられています。

その自由を、自分の自由意思で消してしまうというのは、バランスを欠くことになるのです。

あなたが証券マンならば、迷っている顧客に対して「現物なので待っていましょう」と言いきり、現金が余っている別の顧客に時間を割いて営業成績を上げるのが正解です。

でも、あなたはプレーヤーです。
株価を動かしているマーケットの通念について、認めるのか疑うのかを考えましょう。

 

今回は、構造的な問題に目を向けたのですが、延長にあるのは「手仕舞い論」です。
次号以降も、このテーマでお送りします。

8月6日放送のフォローアップ(1)
林 知之

カメが勝つマーケットの法則

林投資研究所が30年以上にわたって提唱している低位株投資の手法、「FAI投資法」に関する2回目の放送です。

「下値不安が少ない」「上昇したときの率が大きい」といった長所の裏にある、低位株投資のマイナス面はなにか。そのマイナス面をどう埋めるのか──2018年8月6日のマーケット・スクランブルでは、実際に私たちが選定した銘柄、将来に注目している銘柄を挙げながら、本質となる部分に切り込んで解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第138回 東証1部24銘柄で“らくらく2倍”の低位株バスケット投資(プロが行うお宝銘柄発掘法、第2回)

月足なんか見てどうするの?

株価チャートでポピュラーなのは、日足と週足です。でも、私たちは「月足チャート」を重視します。

もちろん、手がける売買法によって、適するチャートが異なります。月足に価値があるといっても、デイトレードに直接使うことはできません。ここで言いたいのは、「かなりの投資家が、実際のポジション保有期間よりも短い期間に目を向けてしまっている」ということです。

一般的な投資関連情報は、“読み物”としての価値を優先するために、半日単位で値動きを解説します。「寄付はNY市場の株高を受けて上昇したが、後場に入ってからは伸び悩み……」みたいなヤツです。これを読んで「明日は?」なんて考えるのですが、現実のポジションは短くても数カ月、ヘタをすると何年も塩漬けだったりします。

月足は、株価変動の「最も大きなサイクル」を見ることができるので、かなり多くの投資家にとって利用する価値がある、見ることで多くの発見があるチャートなのです。

時間軸のアジャスト

7月の放送時から繰り返しご覧に入れている、1801大成建設の月足チャートを示します。ふだん気にする短期的な動きを完全に無視して、「長期のトレンド」を見ようとしてみてください。チャートに書き込んだように、4年間の下げ、3年間の底練り、そしてようやく上昇期に入るという、株価の典型的な長期波動を感じ取ることができます。

今回紹介している低位株の手法「FAI(エフエーアイ)投資法」は、この大成建設のように、長期的に大きく居所を買える性質の銘柄が対象です。一定のレンジで往来するのではなく、それほど業績が落ちていないのに人気がはげて低位に甘んじる時期がある、ということです。こういった銘柄について、長期的に見たときの上げ波動だけを狙い、単純な買い戦略を行います。

長期の下げ波動の中にも、上昇する時期があります。3年間の底練りの中にも、狙って取ることのできる上げ下げが存在します。でも、それらを徹底して無視することで、最終的な結果である損益を安定させようとするのです。

私は、月足を心地よく使って低位株投資を実践していますが、それでも、投資家の性として「今日」「明日」と考える傾向はありますし、前述したような投資関連情報に影響される部分もゼロではありません。

しかし、時々でいいので、十分な時間をつくって多くの月足チャートを眺めると、刹那的な方向に傾いた感覚がアジャストされます。汗をかいた体が水分で満たされるような、狂った時計が正確に調整されるような、正常に戻る快感を得ることができます。

短期のトレーダーの中に、意識的に「自分の売買期間よりも少し長めのチャートを見る」ようにしている人がいます。これも、つい近視眼的に傾いてしまったトレンド判断の感覚を、本来あるべきところにアジャストするためでしょう。

昔のマーケットは、上場銘柄などの構造が極端に変化しなかったので、選んだ数銘柄を何年でも何十年でも追い続けるプロ相場師がいました。極端な場合は、たった1銘柄だけです。現在も、このように思いきり銘柄を絞り込んでいるトレーダーはいます。

しかし彼らも、マーケット全体のすう勢はチェックしておきたいと考えます。そのとき、月足チャートが有効です。自分が手がけている銘柄は日足、シンプルな終値の折れ線チャートで値を追いながら、それ以外に適当に選んだ50銘柄、100銘柄は月足で動きを眺めます。こうして、マーケット全体の大きな流れを、さりげなく確認するという方法です。

日経平均などの指数は、やはり単なる平均なので、マーケットの変化を正しく読み取ることができません。だから、個別銘柄を幅広く見たいのですが、そんなときに便利で合理的なのが月足チャートなのです。

ある程度の銘柄数でも、月に1回なので、時間がかかりません。肝心の売買をジャマすることがなく、広い視野を維持することが可能です。使い道が想像できない状態でもかまいません。一度、月足に触れてみてください。

1カ月待てない

林投資研究所の低位株投資「FAI投資法」では、29項目のルールを制定しています。

基本となるルールは、次のように書かれています。

ルール1
4~5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う

「3段下げ」の詳しい解説は、書籍『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』にありますが、「十分に下げた」と解釈してもらえれば問題ありません。

さて、「4~5年下げ」の部分は、どうでしょうか?
多くの投資家が、「えっ、そんなに長く?」と感じるようです。
しかし、長期の上げ下げで大きく居所を変える銘柄は、短くても数年単位のトレンドをみせます。これに逆らわず、うまく利用しようと努めれば、勝つ確率が飛躍的に高くなります。誰もが取り組みやすい、やさしい、手堅い売買が実現するのです。

さて、29項目のルールについて、もう1つ見てみましょう。
29項目のうち7項目を占める、「兆し陽線」に関するものです。

ルール8
底練りの中で小動きになったあとの兆し陽線に注意。そのあとの陰線2本をみて買い

何年もかけて大きく下げた銘柄が対象、わかった!
底練りがある、これもわかった!
小動きのあとに長い陽線が立てば上げの兆し、ガッテンした!

ここまで進んでも、「そのあとの陰線2本をみて買い」と言われて、「えっ、月足だから2カ月だよね? そんなに待つの?」と反応してしまう人が大半です。

なじまないかもしれませんが、こうして月足で長期波動を見ている場合、月足で陰線2本なんてあっという間、「即刻買い」とほぼ同義です。

ここで、実際に選定して大暴騰した事例を紹介します。
5301東海カーボンです。

東海カーボンは、2015年5月に349円で買い銘柄に選定しました。
(チャートの点線部分です)

十分に底練りをみせた、下値が切り上がって煮詰まった感じがするから「いよいよだ」と考えたわけです。ところが、残念なことに出損ないました。結果として、300円台から2,000円超まで見事に上昇したのですが、本格的な上げスタートまで1年以上かかりました。

「これでいいのだ」と片づけるつもりはありません。
上げの直前を理想と考えています。
でも、人気の圏外にある低位株を対象にする以上、これくらいのズレは覚悟しなければなりません。

「今日」「明日」といった短期の時間軸でアプローチして、信用取引を利用して「よし、1週間勝負!」なんてノリでポジションを取りながら、「あれ、半年たって期日だよ……」みたいな結末を迎えている多くの個人投資家と比べたら、確固たる姿勢で株価の基本サイクルに正面から向き合っていると言いきれます。

投資の王道

長期の波動を無視すると、ケガをしやすくなります。
電車にたとえてみましょう。

上り電車か下り電車かは、表示を見ればわかります。でも株価は、上がるのか下がるのかがわかりません。上り電車に見えて、実は下り電車だったりするのが、株価変動です。上り方向にピクッと動いたので飛び乗ったら、ピタッと止まって下り方向にグングン走り出す、あるいは、一時的に下り方向に走ったと思ったら猛スピードで上り方向に加速する、そんなケースが多々あるのです。

だから、目の前の動きではなく長期波動を軸に考え、多少待つことを覚悟で臨みます。効率がわるくなるのを防ぐために、分散などのポジション操作に注意します。大きな流れをつかむための資料を用意します。カネ儲けですから、全部ラクチンでは実現できません。

ただ、「苦行に耐えてください」などと言うつもりはありません。
ハードルが高すぎたら、意味がありません。

林投資研究所では、個人投資家向けの機関誌『研究部会報』に、私たちが選定した銘柄を掲載しています。それを見ながら、少しずつ実践していく道を用意しています。

さて、「時間がかかる」という点について、つけ加えておきます。

私は、「長期投資がいい」などと言うつもりはありません。
同じ1割の利益を取るのに、1年かかるよりも1カ月、1カ月よりも1週間のほうが、いいに決まっています。

ただし、多くの投資家が試みる短期トレードは、“望ましくない思考”“実現しない妄想”によるものです。効率を考えるので、すぐに動くことを期待したり、上げ始めを狙うのは当然ですが、少しは時間がかかってしまうことを承知で手堅く仕込み、ちょっと待ち伏せ的な姿勢を取る──これが、投資の基本形、「王道」と呼ぶべきあり方です。

次回のフォローアップ(2)では、林投資研究所の低位株投資「FAI投資法」で使う、こだわりの道具を紹介します。再び、選定銘柄の事例も盛り込みますので、お楽しみに!


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林投資研究所で30年以上続く低位株投資の手法「FAI投資法」の完全解説版。倍化した実例と解説もあります。

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個人投資家向けの機関誌
研究部会報 
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1971年創刊で、数多くのプロを輩出してきた。会員は、初心者からファンドマネージャーまで幅広い。FAI投資法の選定銘柄、実力につながる実践家の読みものなど内容多彩。
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7月9日放送のフォローアップ(3)
林 知之

「兆し陽線」を見つけよう!

バリュー株投資、低位株投資──呼び名は知られていても、体系だった手法を目にする機会はほとんどありません。“目先の商売”しか考えない銘柄情報ばかりだからでしょうか……。

林投資研究所が30年以上にわたって提唱している「FAI投資法」は、29項目のルールによって明確な行動指針が示されているので、誰でも手がけやすいのが特長です。また、月足で大きな上げ下げを観察すると、値動きパターンや集合形で騰落を判断しやすい、俗っぽく言えば「当たる」のです。

2018年7月9日のマーケット・スクランブルでは、実例を挙げながら、月足を使って上げトレンドの開始を判断する方法を解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第136回 らくらく2倍の低位株投資 ~プロが行うお宝銘柄発掘法~ 第1回

とことん厳選する

割安銘柄を発掘する──投資関連情報の筆頭ともいえる観点です。
でも、ほとんどの情報は、不特定多数の投資家を相手にするビジネスです。だから、観点が定まっていません。読みものとしては、おもしろいのですが……。

言ってみれば、気楽に見ることのできるバラエティー番組みたいなものです。
断片的には有益な情報もあるのですが、それだけを拾うのは絶対にムリ、全体としては「競争の中で他人に差をつける」ような内容ではない、ということです。

一般的な個人投資家、つまり、ふだんは別の仕事をしている兼業投資家としては、どこかで他人の手を借りなければなりません。もちろん、プロこそ専門家の情報を利用するのですが、一般の投資家のほうが自由に情報を入手する結果、どこかで他力本願な姿勢に傾きます。そして、あまり有益ではない情報を無防備に受け入れてしまう機会が多くなります。

まずは、売買の頻度を抑えるべきです。
少なめの機会に集中し、そのときだけでいいから“プロと同じ”厳しい気持ちで臨んでみてください。「休むことができる」という、個人投資家に与えられた最大の武器を活用するのです。

こうして絞り込むことが、質を高める秘訣です。

売買の機会だけでなく、手がける銘柄も手法も厳選して、自分に合ったものに絞り込むべきなのです。

ちなみに、今回紹介している「FAI投資法」は、低位株に絞り込んでいます。
また、「上がればいい」ということではなく、選ぶときの観点も絞り込んでいます。だから、結果論に惑わされることなく、安定した視点で市場を観察し続けることができるのです。

上げの直前を買えるか?

「相場を当てることは至難の業」と認識しつつも、生身の人間としては「当てたい」わけです。そんな生々しい気持ちを、否定することはできません。そんな気持ちこそが、人間の創造性を生むからです。

前項で示したような「絞り込み」を行うと、ちょっと背伸びした行動だって、ちゃんとコントロール下におさめることができます。確固たる基準があるから、行きすぎたときに警告が出る仕組みを維持できるのです。

さて、相場は価格の変化によって利益を狙う行為です。
目先ばかりを追うとバランスを欠きますが、同じ値幅を取るなら短い時間で実現したほうが有利なのは明白。誰もが話題にするような大きな値動きは間違いなく「荒れ場」ですが、一定の動きが発生する期間にポジションを持ちたいと考えるのが当然です。

何年もかけて下げたあと安値を這いつくばっている低位株……人気の圏外に放置された銘柄なので、本格的に上がる場面を狙うのは当たり前ですが、相場が若ければ若いほど安全性が高いので、上がり端を捉えようと考えます。

その延長で、「できれば、上げ始める直前で買いポジションをつくりたい」という理屈が生まれます。ふつうは難しいことですが、人気の圏外にある低位株は、見事なほどに“枯れた”状態なので、チャートに形ができやすく、高い的中率を期待できるのです。

具体的に、ルールの文言を見てみましょう。

ルール4
三角形に注意。切り上がり、二等辺、切り下がり、各三角形のうち切り上がり三角形が最も強い。とくに2~3年あるいはそれ以上かかって形成された三角形は大きく上伸する

ルール5
三角形の先端陰線下部の十字は直ちに買い

ルール6
2番底の陰線下部の十字は直ちに買い

長期波動を観察するので、いずれも月足チャートの見方です。

横ばい(保合)の振幅が徐々に小さくなっていくと、右側がとがった三角形が形成されます。だんだんと“煮詰まった”状態になるわけです。日を追うごとに振幅が小さくなる、つまり、保合の上辺と下辺が近づいていくことで、ルール4に示された「三角形」が形づくられるのです。

三角形は、非常に強力なサインです。
煮詰まったあとは、上下どちらかに大きく放れます。
安値圏で出現すれば当然、大きく上昇します。

ただし、なかなか出現しません。
この、出現頻度が低い「集合形」のルールを、どのように使うかは、次項で詳しく説明することにして、ルール5とルール6の「十字足」について説明します。

ルール5もルール6も、「直ちに買い」という強い言葉が使われています。
これも、強力な買いサインだということです。

ローソク足に使う4本値のうちの「始値」と「終値」が同値の場合、「高値」と「安値」を示すタテ棒(ヒゲ)を加えて“十文字”になるので、「十字」とか「十字足」と呼びます。日足では出現頻度が高いでしょうが、月足では「月初の寄付」と「月末の大引」が同値になる必要があり、なかなか出現しません。私たちは1円ちがいまで十字足としていますが、それでも出現の頻度は低いので、「出現したときは強力」と認識できるのです。

詳しくは、拙著『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』をお読みください。
(↑こちらのページでは、内容のチラ読みもできます)

「形」ではなく「意味」だ

投資関連情報には、例えば「買い場をズバリ判断する」といった言葉で、秘密めいた予測法の宣伝があります。変化点を見出そうとする姿勢は間違っていませんが、なんだかコドモじみています。

FAI投資法のルール4にある「三角形」も、同じ類のものに思えるかもしれませんが、「安値圏で動きが収れんする」という確固たる根拠があります。ルール5とルール6の「十字足」も同じで、安値圏において極めて小動きになる、だから「いよいよ動意づくだろう」と、適正な説明が可能です。

安っぽくチャート上の形を求めるのではなく、ルールが示す「意味」を考えてください。「安値圏において極めて小動きになる」という値動きの流れ、変化していく状況に注目するのです。

FAI投資法の「29項目のルール」は、お遊びに類するような秘密の予測法ではありません。月足チャートを正しく、とても実践的に観察するための基本が、わかりやすい言葉で示されているのです。だから、ドンピシャリな形がなくても、応用することで実用的な見方につながります。

動き始めてからでいい

長い期間の下げと底練りから立ち上がるタイミングは、最も“おいしい”買い場です。ただ、そのタイミングをつかむのは難しいので、実際には「動き始めたことを確認してから乗ろう」という場面が多くなります。

大きく下げた、安値圏で整理の横ばいをみせた、そして、今までの暗い雰囲気とは明らかに異なる上げ方をした──「長期の上昇トレンドが始まった」と判断すべき状況です。これを確認するのが、月足に現れる「兆し陽線」です。

ルール7
安値に来ての5連続陽線は買いの準備。次の2連続陰線をみてから買い

ルール7は、それほど長くない陽線が5本続いた状況、集合形で「兆し陽線」とみなすケースを示しています。通常、月足で5本も陽線が続いたら“ひと相場”ですが、安値圏の月足では不思議なことに、それほど上昇せずに陽線が5本続くことがあります。覚えておく価値のある値動きパターンです。

さて、もっとわかりやすい「兆し陽線」を説明したルールが、以下に示すルール8~ルール12です。

ルール8
底練りの中で小動きになったあとの兆し陽線に注意。そのあとの陰線2本をみて買い

ルール9
底練りの中で過去4~5本を一気に上抜く陽線は上げの兆し

ルール10
保合、または安値からの長大陽線は、そのあとの3分の2押しで買い

ルール11
W型、M型後の切り返し(両抜きも)は上げのはじめ

ルール12
6~12カ月(またはそれ以上でも)の上げ下げが90度前後のとき、その下げトレンドを上抜く陽線は上げの第一歩

詳しい説明は、書籍『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術』を読んでもらうとして、全体を短い言葉で説明しておきましょう。

「大きく下げて長期の底練りをみせた。その状態でピンと陽線が立った」

明らかに“トレンドが変化した”と思わせる陽線、それが「兆し陽線」です。

単に、安値で長い陽線が出ただけではダメです。
いわゆる「傾向の変化」を強く感じさせる陽線です。

これを当たり前に感じ取るためには、多くの月足を見るしかありません。たくさんの事例に触れて、慣れるのです。補助の資料として林投資研究所が力を込めて作った、『底型・天井型11例』という保存版チャート集があります。でも、数は少なくてもいいから、大きな用紙に手描きしてみることをおすすめします。

たくさん眺めるだけで、ちゃんと勉強になります。
「株価のトレンドは、こう変化していくんだ」ということが、からだに入ってきます。
その際に大きな助けとなるのが、FAI投資法の「29項目のルール」です。

では、実際の「兆し陽線」を見てみましょう。
繰り返し説明に使ってきた、1801大成建設が安値から立ち上がるタイミングで、とてもわかりやすい兆し陽線をみせています。

大きく下げて安値圏に到達したあと、約4年間の底練りですが、その後半は徐々に下値を切り上げています。カチッと線を引いて「三角形」を見出すことはできませんが、三角形っぽい形が見えると言っていいでしょう。

このように、三角形のルールを応用して眺めていると突然、1本の長い陽線が立ちます。明らかに「今までの流れを打ち破る」陽線、いわゆる「トレンドの変化」を強く感じさせる陽線です。そして、かるい押しを挟んで本格的な上昇に移っています。

これが兆し陽線で、三角形のように「動き出す直前」を見つける視点とはちがい、多くの事例を見つけることができます。

中源線の核となる「上げに転じたようだから買い始めよう」という考え方と同じで、値動きについていく素直な対応です。

ちなみに、前述した『底型・天井型11例』には、あえて解説を載せていません。見る人の感性を向上させるための資料だからです。

しかし、数銘柄をピックアップして“あえて解説”したページがあります。
ぜひ、ご覧ください。
あえて解説 底型・天井型111例

現在の株式市場と低位株投資の将来性

株式市場は2012年末から上げ始め、すでに5年半が経過している──もう買えない、アブナイといった慎重論の根拠とされていることですが、いつも説明しているように個別銘柄の動きは見事にバラバラで、現在も上昇していない銘柄、割安と認識できる銘柄がたくさん残っています。

もちろん、出遅れ出ずじまいというオチもあるのですが、すでに何年も下げている銘柄もあるなど、相変わらずバラバラな状況に対して、安易な観察で結論を出す姿勢には疑問があります。やはり、ひたすら個別銘柄を観察して意見を言うべきで、単なる平均である日経平均株価を見ているだけでは、株式市場の実態はつかめないでしょう。

80年代のバブル期は、個別銘柄が隅々まで買われました。完全な“底上げ相場”だったので、90年以降はヒドい下げ相場に移行しました。ただし、通常は、上げるものあり、下げるものあり、動かないものあり、という具合に入り混じっていると考えることができ、今後も低位株に投資するチャンスは続くと私は考えています。

現在、林投資研究所で「買い銘柄」に選定しているのは44銘柄で、そのうち26銘柄が“最低限”と考えている2倍を達成しています。2018年になってから買い選定した銘柄を除くと、7割強が倍化達成している状況です。

その中には、2015年まで全く動かずに安値を這いつくばっていた銘柄があります。チャートをご覧ください。

6958日本CMKは、2016年に動き出し、2017年に大きく上伸しました。慎重に銘柄を選ぶ結果、逃してしまうこともある中で、選定後すぐに暴騰した大成功例です。

しかし、「銘柄が当たれば儲かる」という考え方は、明らかに間違っています。FAI投資法は“低位株の選別投資法”なので、銘柄選びが重要なのは当然ですが、絵に描いたような結果など望めません。思った以上に時間がかかることだってありますし、試行錯誤をしながら「これでいいのか」と自問自答し続ける部分は、ほかの手法と同じです。

投資法の根底にある考え方を理解し、「資産運用」の行動全体をバランスよく整えることが不可欠です。FAI投資法の考え方を、部分的に取り入れる場合でも、しっかりとした理解が必要です。

でも、手法として完成度の高い「FAI投資法」は、ちゃんと利用する道筋が存在します。実用性のないヘンな銘柄情報と同じに捉えたりしないでください。

これで、7月放送のフォローアップは終了しますが、林投資研究所が誇る低位株投資の手法「FAI投資法」については、紹介したいことがまだまだあります。8月の放送は7月の続編、低位株投資の魅力やポイントを、さらに詳しく解説します。
お楽しみに!


東証1部24銘柄で
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詳しい内容はこちら(内容のチラ読みもできます)


7月9日放送のフォローアップ(3)

7月9日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。

フォローアップ(1) 実践者の過半数が億トレーダー  7月14日掲載

フォローアップ(2) “底で買う”は実現可能か  7月21日掲載

フォローアップ(2) 「兆し陽線」を見つけよう!  本日掲載

すべては「使い方」

本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。


7月9日の放送は低位株投資の話。
林投資研究所が誇る「FAI投資法」のルールから、月足の読み方などポイントを解説。

オンデマンド映像はこちらをクリック!

☆フォローアップブログが自慢です。
第1回 実践者の過半数が億トレーダー
第2回 「底で買う」は実現可能か
第3回(「兆し陽線」を見つけよう!)は明日、7月28日にアップします!


シュレッダーにスルメを入れると「さきイカ」になる?
実際にやってみた猛者のツイートは、まとめサイト「Togetter(トゥギャッター)」にあります

売買の「手法」でも、手法の一部である「予測法」でも、「それ、儲かるの?」「勝率は?」なんて観点が前面に出てしまいがちですが、常に無限の選択肢があるので、やはり“使い方”次第、というのが現実です。

例えば移動平均線。
(私は使うことそのものに否定的ですが、使い方によっては有効性があるとも考えます)

「移動平均線で儲かるか」なんて観点は、子どもじみていて論外、議論として成立しません。

「何日線を使うか」という設定の問題があるほか、「どんな状況を、どう評価するか」が課題です。
もちろん、選択肢は無限にあります。

初心者が最初に触れる情報には、「ゴールデンクロスで買い」とありますが、ゴールデンクロスが「売り」でも「売りの準備」でもいいし、ポジションの取り方も無限に考えられます。

使わないぶら下がり健康器を洋服掛けとして活用するように、自由に使い方を考えるのが投資家のシゴトです。

(後記)
突然に発生した台風12号が上陸しそうです。
自宅の点検や対策は今日のうちに、あぶないと思ったら早めの避難をお願いします。

7月9日放送のフォローアップ(2)
林 知之

「底で買う」は実現可能か

バリュー株投資、低位株投資──呼び名は知られていても、体系だった手法を目にする機会はほとんどありません。“目先の商売”しか考えない銘柄情報ばかりだからでしょうか……。

林投資研究所が30年以上にわたって提唱している「FAI投資法」は、29項目のルールによって明確な行動指針が示されているので、誰でも手がけやすいのが特長です。また、月足で大きな上げ下げを観察すると、値動きパターンや集合形で騰落を判断しやすい、俗っぽく言えば「当たる」のです。

2018年7月9日のマーケット・スクランブルでは、実例を挙げながら、月足を使って上げトレンドの開始を判断する方法を解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第136回 らくらく2倍の低位株投資 ~プロが行うお宝銘柄発掘法~ 第1回

株価の基本サイクルをチェック

当たり前のことですが、株のトレードでは、買い値よりも高く売れば利益が出ます。カラ売りしたときは、売り値よりも安く買い戻すと利益が生まれます。だから、私たちがまっ先に注目するのは売買の「価格」です。

しかし、「時間」も重要です。
仕掛けてから手仕舞うまでの「期間」です。
相場用語では、「日柄(ひがら)」ともいいます。

1,000円で買って1,100円で売って1割取った──これが1カ月以内ならば素晴らしい結果ですが、もし10年かかっていたら……プラスはプラスでも、「やった意味があるのか」くらいの評価も出てくるでしょう。

もう一度、フォローアップ(1)で示した、1801大成建設の月足チャートをご覧ください。

大きく下げ、下値を切り上げながらも約3年間の横ばい(底練り)をみせ、そのあと本格上昇に転じています。

「価格」だけを考えると、底練り前の139円、つまり最安値に目が向きます(2009年11月)。しかし、ここで買った場合、株価が動意づくまでの3年間、ジッと待たなければなりません。ようやく動き始めたあと、待っていた間の精神的な疲れから、おそらく早めに売ってしまうでしょう。利益は利益ですが、大きな上げを取れない結果に終わるのです。俗にいう「やれやれ売り」です。

では、もう少し遅いタイミングで買うと、どうなのでしょうか。
本格上昇の直前だと200円台の前半、「兆し陽線」(フォローアップ第3回で述べます)のあとで乗ると200円台後半……最安値と比べたら2倍になっていますが、このあたりで買ったほうが値幅取りが実現しやすいのです。結果として、保有期間も短くてすみます。

「数年の横ばいをみせる」のが、一般的な長期サイクルの底値圏です。
その底練り末期に最安値をつけるケースもありますが、いずれにしても、チャートのタテ方向の「価格」よりも、「本格的な上昇トレンドのスタートに近い」または「スタートした直後」で買うほうが、現実的には有利な作戦なのです。

傾向の変化

「時間」の問題がない状況はあるのか、考えてみましょう。

商品Xが、A店では100円、B店では110円で売られていたとします。
どちらの店も帰り道にあり、商品Xを買うことだけが目的で特別な条件はないとすれば、A店で買うでしょう。「価格」だけの問題です。

こういったケースでは、「安く買う」という言葉通りに行動すればいいのですが、株式市場に2つの価格は存在しません。どの証券会社で買っても、同じ取引所で買うことになります。

肝心の株価が「時間」の経過によって大きく変化するので、「価格」について選択肢が多いと勘違いしてしまいますが、実はタイミング(時間)に選択肢があるだけで、価格は完全に「市場任せ」なのです。

今日買うか明日買うか、指し値をするかどうか……ちょっとした対応で価格に差が生じるので、選択肢があるように感じますが、すべてタイミング(時間)の問題です。

だから、株価チャートを見て「傾向の変化」を読もうと努めるのです。

  • 下げている──買ったらダメ
  • 横ばいをみせている──安く買えるが、時間がかかるかもしれない
  • 動きが煮詰まった──予測が当たれば絶好の買い場
  • 上がり始めた──タイミングを計って買い
  • 初動の直後に押した──時間がかかりそうもない絶好の買い場

損益の金額は「価格」によりますが、利回り、投資効率を考えたら「価格」と「時間」、2つの要素を同時に考える必要があります。

整理

上げ相場は、買い方が増えることで起こります。
では、下げ相場は売り方がつくるのでしょうか? ちがいます。
買い方の増加傾向が鈍ることで徐々に上げ止まる、つまり、値が伸びなくなります。その後、買い方が投げることで下げ相場が生まれるのです。
売り方、いわゆるカラ売り筋の存在は、メインの下げ要因ではありません。

投げ遅れた買い方は「しこり玉」を抱え、安くなってから、あきらめて売るのです。これが、「整理の底練り」と呼ばれる横ばいの動きです。

下げることで投げを呼ぶのが「価格の整理」、時間が経過することで“あきらめの投げ”を呼ぶのが「日柄の整理」ですが、いずれにしても一定の期間が必要です。

大きく下げて安値に達すれば「低位株」ですが、この整理の期間を過ぎることが「買い妙味ある低位株」の第一条件です。このことが、FAI投資法では、29項目のルールの冒頭に示されています。冒頭にある基本ルール1と2を、そのまま示します。

ルール1
4~5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う

ルール2
底練りの中の2番底形成を待つ

ルール1には、「4~5年下げ」とあります。
まずは、何年もかけて下げたことが条件です。
大きく下げて安値に到達すれば、大きく反発する場面もあります。しかし、それは一時的なもので、安全に買いポジションを維持できる状況とは呼べません。だから、下げた直後はドタバタと乱高下、そのあと徐々に動きが静かになる整理期間を経て、やっと大きなトレンドが上げに向かう下地が整うという流れを、常に意識するのです。

さて、ルール2には「2番底」という言葉が登場します。
このイメージが、非常にわかりやすく出現した例があるので紹介しましょう。

これは、1914日本基礎技術です。
大きく下げて底値に達したあと、一時的な反発を挟んで再び安値をうかがいにいきました。2009年前半と2010年後半にある2つの安値が、あたかも「2本の足でしっかりと立っている」ような雰囲気をみせています。

最初が1番底、次が2番底。
「天井も底も2回ずつ」といわれるように、こうした流れを経て、ようやくトレンド転換(傾向の変化)の条件がひとつ生まれるのです。

究極の整理場面

ルール3
下に来ての6連続陰線に注意。W型の底、または小さくとも毛抜きの出るのを待つ

基本ルールの3番目には、「6連続陰線に注意」とあります。この場合の「注意」は、警戒しろということではなく、「強気のサイン」です。「W型の底」はジグザグの往来だと想像できますが、最後にある「毛抜き」は、なじみのない表現かもしれません。

これについても、実例を挙げて説明します。

このチャートは、1822大豊建設です。
2013年後半から大きく上伸していますが、安値に向かう最後の局面では、実にイヤな売られ方をしています。この部分を拡大してみてみましょう。

ルールには「6連続陰線」とありますが、6本どころか9本も続いています。9カ月間、こんな陰湿な下げ方をしたら、買いポジションを抱えている投資家はたまりません。サイアクです!

でも、この銘柄を買っていない立場で、「みんなが投げ終わったら買いを検討しよう」と考えていたら、ちょっとワクワクするでしょう。この先、ちょっと上がったら「やれやれ」と売ってくるであろう向き、つまり「しこり玉を抱えた参加者」が次々と落ちていくのですから、需給は日を追うごとに良好になっていくのです。

しかし、「株価が下げた」だけでは、買う理由が見つかりません。「上がるだろう」という強い見込みが必要です。その前に、月足で陰線が連続するオソロシイ下げですから、「まずは下げ止まること」が条件です。

それを確認するヒントが、「W型の底」または「毛抜き」です。

株価が下げてくると、高値覚えの感覚から「安いなあ」と感じます。ふだんの消費行動の発想も加わって、なんとなく買いたくなります。でも、株は買って終わりではなく、買ったあとの値動きが問題なので、「下げ止まり」を確認したいのです。

Wを描くようにジグザグするのは、誰もが同意する下げ止まりのサインです。
では、もうひとつの「毛抜き」は?

大豊建設がみせた9連続陰線の部分を、さらに拡大してみましょう。

最後の陰線の次に陽線がきて、2本の安値(下ヒゲ)が同値で並んでいます。これが「毛抜き」です。短期間のW型、2点底で「下げ止まり」と判断できる形です。

これだけで「買い」と判断するのは勇み足です。
ただ、「確実に整理が進んだ」と解釈できるのです。
だから、「6連続陰線に注意」と書かれているのです。

一般的な市況解説は、直近の過去を振り返るだけです。
でも私たち投資家がポジションを取る際は、必ず未来を考えています。

連続陰線で下げているというのは「現状」であり、起きた瞬間から「過去」になっていきます。だから、6連続陰線は「弱い」と表現しても自然なのですが、6連続陰線のあとにW型の底や毛抜きが出現して「止まった」と感じたら、まだ上昇していない段階で「強い」という言葉が頭に浮かぶのが実践者の感覚なのです。

流布本に載っているような“秘密のサイン”めいたパターンを暗記して、ごく短期の値動きをジッと見ても、「当たった」「外れた」と一喜一憂するだけですが、こうして、チャートの読み方の意味を考えれば、実践的かつ実用的な感覚が身につきます。

次回のフォローアップ(3)では、FAI投資法のルールがもつ深い意味を掘り下げるとともに、低位株投資の今後の見通しについて述べます。お楽しみに!


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〇〇不安は安心材料?

7月9日の放送は低位株投資の話。
林投資研究所が誇る「FAI投資法」のルールから、月足の読み方などポイントを解説。

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洗車すると雨が降る……マーフィーの法則です。

ちまたの投資関連情報には、投資家の不安をあおる材料が目立ちます。

・株式は会社の持ち分、収益を期待して保有するのが自然
・現物市場なので、買って持つのが主流
・ショック安の頻度は低いが、不安要因は気になる

これらが、株式市場の構造のようなものなので、「顕在化している不安要素について情報がほしい」という需要があり、それにメディアが応えるのも当然といえば当然。

ただ、「〇〇不安」などと名前がついているものは、おおかたが価格に織り込まれていて、実際に起きたり、状況が悪化してもショック安が起こらないもの。

懸念材料が残っているのに相場が反転すると、「たしかにそうだが、○○が○○で……」と追加の情報が出てきます。

今なら、「米中貿易戦争の懸念があるのに円安」みたいなことです。

解説を読んで「なるほど」と次の情報を心待ちするようでは、れっきとした情報弱者、立派な相場難民です。

でも、「どうとでも言えるじゃないか!」とツッコミを入れる前に、もう少し丁寧に考えてみます。
材料と株価変動が無縁、とは言えないからです。

観察に一貫性があるかどうか、これが大きなポイントです。
新しい観点が次々と出てくる解説は、その場限りの“読みもの”です。

世の中は常に動いているので、潜在的な相場の材料は無限にあり、株価がそれらを織り込んでいないから変動が起こります。
これは間違いないでしょう。

ただ、それらの材料を完全に拾って分析することなど不可能なので、「すべての材料が現在の株価に織り込まれている」とするのが、少なくとも、“チャート分析”の大原則なのです。

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7月9日放送のフォローアップ(1)
林 知之

実践者の過半数が億トレーダー

バリュー株投資、低位株投資──呼び名は知られていても、体系だった手法を目にする機会はほとんどありません。“目先の商売”しか考えない銘柄情報ばかりだからでしょうか……。

林投資研究所が30年以上にわたって提唱している「FAI投資法」は、29項目のルールによって明確な行動指針が示されているので、誰でも手がけやすいのが特長です。また、月足で大きな上げ下げを観察すると、値動きパターンや集合形で騰落を判断しやすい、俗っぽく言えば「当たる」のです。

2018年7月9日のマーケット・スクランブルでは、実例を挙げながら、月足を使って上げトレンドの開始を判断する方法を解説しました。

映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第136回 らくらく2倍の低位株投資 ~プロが行うお宝銘柄発掘法~ 第1回

下値不安がない

「この銘柄には下値不安がありません」

よく耳にするフレーズですが、注意して情報の内容を整理すると、同じ人でも時によって根拠がバラバラだったりします。あるときはPER(株価収益率)、あるときはPBR(株価純資産倍率)、あるときは日足チャートの分析、あるときは日経平均との比較……一般の投資関連情報の多くは、その場限りの「推奨銘柄」です。

それに、“商売”で情報を出していると、本当の「おすすめ」がなくても、何かしら読者(情報を買う側)に響くものを陳列しようとします。商品棚がガラガラのまま店を開ける店主なんていませんが、「いつも同じ品質だ」と期待する客としては注意が必要です。

今回紹介したのは、林投資研究所が30年以上も取り組んでいる低位株投資の手法で、「FAI(エフエーアイ)投資法」と呼んでいます。厳しい条件で選定した「売買対象銘柄」を『研究部会報』に掲載していますが、少し前に、「今号には新規の買い銘柄がない」と苦情を言う読者がいました。「新しい銘柄がないなんて、おかしいじゃないか!」と興奮するのです。

そんなことを言われても、銘柄を無理やりに陳列するつもりはありません。
私たちが、自らのカネを動かすうえで、確信をもって「いける!」と思ったら選定する、『研究部会報』に載せる、私たち自身も手がける、ということですから、「ないものはない」というプレーヤー目線の情報を、ふつうの姿勢で発信しているだけです。

実際、バブルの高値1988年から2000年まで、『研究部会報』には「買い銘柄はありません」と書き続けたのです。

市場の動きを事前に捉える“大困難”に、私たち投資家は立ち向かっているのです。中途半端な銘柄探しはケガのもと、どっしりと落ち着いた姿勢を維持し、一貫性のある観察をがまん強く続けることで、安心できる銘柄を選別することができる、どうにかこうにか、苦しみながら実現できる──これが現実です。

ちょっと気張って語りましたが、今回の番組では、私たちが行う「FAI投資法」における特徴的なチャートの見方を説明しました。手法によってチャート分析のポイントも異なりますが、必ず共通点があります。「FAI投資法では、チャートをどう見るの?」という感じで、このフォローアップもあわせて楽しみながらご覧ください。

長いタイトルの意味

紹介する低位株投資の手法は、私の最新刊で詳しく説明しています。

この長いタイトルについて説明することで、林投資研究所の低位株投資「FAI投資法」の概略をつかめると思うので、番組の内容をなぞるように、あらためて説明します。

29のルール

歴史ある29項目のルールは、テクニカル分析(月足による長期波動の観察)、ファンダメンタル分析(限定したシンプルな見方)、買い方、手仕舞いのタイミング、という具合に、低位株を対象に資産を形成するための方法をまとめてあります。また、バランスよく継続するための「付則」もあるので、とても実践的な説明として仕上がっているのです。

東証1部

低位株、大きな値上がり……つい新興市場を思い浮かべるかもしれませんが、日陰にあるような銘柄でも東証1部は東証1部、やはり落ち着きの度合いがちがいます。浮ついた投資関連情報には登場しなくても、コツコツと事業を続けて安定した業績を上げている優良企業がたくさんあります。そして、それらの株価が人気の推移で安値に放置されている期間は、意外と長いのです。真の意味で「下値不安のない」銘柄をあぶり出すのが、ちゃんと機能する低位株投資の第一歩です。

24銘柄

「24銘柄しか選ばない」とか「常に24銘柄保有する」という意味ではありません。しかし、結果を安定させるため、計画的・戦略的に分散投資します。状況によって持ち株は増減しますが(現金比率が変わる)、単独でコントロールできる限界が「24銘柄」、状況が絶好だと判断してもこの限度を守ろう、と定義しているのです。

らくらく2倍

風呂敷を広げているわけではありません。「上がればいい」とか「2割上昇で十分」というのが、売買結果に対する現実的な望みですが、その結果をより確実なものにするためには、しっかりと上昇する見込みのある銘柄に絞り込むべきです。

「少なくとも2倍になる、実際はそれ以上に上昇するだろう」というのが、低位株投資で対象銘柄を選ぶ際の適切なハードルです。

低位株

市場の中で、価格の安い銘柄が「低位株」、高いものは「値がさ株」、中間が「中位株」と分類しますが、明確な基準なんてありません。ここでも「厳選」がキーワード、私たちは長い間「400円未満」に限定していました。

ただ、多くの上場企業が、100株単位への統一に絡んで大幅な株式併合を行ったので、現在は「700円未満」を低位株と定義しています。

選別投資

さまざまな基準で、いろいろな銘柄を買う、手持ちは「なんとなく集まった、こだわりの薄いコレクション」──株式投資“あるある”ですが、多くのプロ投資家や巨大なファンドと同じ土俵で勝負する以上、個人投資家だからいいかげんでいいという理屈はありません。

こだわって、厳選して、計画的かつ戦略的に分散投資を行う、そのためには個々の銘柄を厳選するという姿勢は、なにがあっても守るべきことです。

最後の1文字「術」だけを、あえて分離しましたが、しつこく説明する必要はないでしょう。「FAI投資法」は、プロが行う運用と同じレベルで、合理的に体系化された手法だと自信をもって紹介できます。

実践者の過半数が億トレーダー

本のオビには「かつて実践者の過半数を億トレーダーに導いた」と書かれています。また、「株は正しい手法を学べば儲かる」とも。

投資関連情報のほとんどは、断片的すぎるだけでなく、「その場だけのワクワク感」を主とした銘柄情報に偏っています。手軽な情報に安易に飛びつくことなく、「手法」として完成されているものを学ぶことで、対応能力(技術)を高めることができます。

そのFAI投資法が過去、どのような実績を生んだか──この本に盛り込んだエピソードは、林投資研究所オンラインショップの「チラ読み」でご覧ください。
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さて、低位株というのは、ひとたび上げに転じると非常に大きな変化率をみせます。私たちが実際に「買い銘柄」として選び、大きな上昇をみせた銘柄の月足チャートをご覧に入れましょう。5301東海カーボンです。

東海カーボン【買い選定時】

東海カーボン【選定後の動き】

選定してあっという間に上昇、というわけにはいきませんでしたが、300円台で選んだものが、動き始めたら短期間で2,000円に達したのですから、やはり低位株は、買う対象として大きな魅力に満ちています。

この銘柄は、選定した私たちもビックリするほど上げましたし、この上げ幅を丸ごと取れるわけではありませんが、下値不安が少ないうえに、ある程度の値幅取りが実現する可能性を秘めているのが低位株。苦労して銘柄を見つけたり、時間をかけて買いのタイミングを考える価値があるわけです。

低位株投資の優位性

前項で示したような「大きな値上がり」が、低位株投資の魅力です。

しかし、プラスの面だけを見ていたら、勘違いしてしまいます。
表裏一体の弱点、つまり、解決すべき課題はなにか──下値不安がないほどに安値に放置されているということは、極端に人気の圏外にいるということです。つまり、「いつ動くか」を読むことが難しいのです。

だから、株価変動の基本的なサイクルに目を向けます。

多くの人が、スポーツ報道のように「その日、なにがあったか」をドラマチックに語る市況解説に毒されています。そして、知らないうちに刹那的な観点で市場を見ています。その状況から離れて月足を観察すると、株価変動のサイクルが実に長いことに気づかされます。

1801大成建設は、2012年の終わりから上昇し始めています。個別銘柄は見事なほどバラバラに動くので、「アベノミクス相場」という単語で「株がすべて上昇し始めた」と片づける姿勢は嫌いですが、いわゆるアベノミクス相場を先導し、今も高値で頑張っている銘柄のひとつです。

しかし、リーマンショック後の下げが4年間、因果玉の整理に費やした底練りが3年間と、多くの人が「えっ?」と思うほど、株価のトレンドが変化するには時間が必要なのです。

ちなみに、上げ始めて5年超が経過していますが、高値圏で価格を維持しています。

「推奨銘柄」なんて言葉は忘れて

相場という行為は、常に“無限の選択肢”を与えられています。
スポーツのように、対戦相手、場所、日時、ゲームの制約と、細かい“縛り”が何もないのです。

だから、そもそも予測が「当たった」とか「曲がった」という評価にムリがあるくらいで、投資関連情報の大部分を占める「銘柄情報」にどれだけの意味があるか、というのが正しい議論なのです。

いや、実は「銘柄」は無視できない要素です。
個人の好みで「売買手法」を決め、それに適した銘柄を選ぶのは欠かせない作業、重要な事柄なのですが、単なる「銘柄の当てっこ」には意味がないのです。

結論として、「推奨銘柄」という言葉ほど、相場、トレードのあり方を根底から壊してしまうものはないと確信します。

私たちは真剣に銘柄を選定し、『研究部会報』に掲載していますが、「これを買うだけで儲かる」と勘違いさせるような言葉は使いません。

私たちが選ぶのは、「推奨銘柄」ではありません。
真剣に考えて「いけると判断した」だけの「選定銘柄」です。
ただ、その姿勢が、選定銘柄の精度を維持していると自負しています。

やさしい入り口

さて、厳しいことを並べましたが、ふだん仕事をしている兼業投資家は、まず時間的な制約があります。「カネのことなんだから、プロと同じことをやれ」と言われても、なかなか実行できないのが当たり前です。

現実的な解決策は、「規模」や「範囲」を限定する、しかし限定された範囲では手を抜かない、ことです。

例えば、「3,000万円を積極的に動かしたい」と考えていたとします。
でも、時間が限られている……。

多くの人は、ユルい基準しかない状態で3,000万円を運用してしまいますが、ほかのマーケット参加者のカモになるだけなので、例えば「1,000万円に減額する」、例えば「売買の頻度を低くする」など、気持ちを抑えて範囲を絞るのです。そのかわり、その範囲では、プロに負けないビシッとした行動をすると決めるのです。

冒頭で、「FAI投資法では、チャートをどう見るの?」と、情報を受け取るポイントを示しました。しかし、知識や情報は、足し算よりも、むしろ引き算を意識してください。

「なるほど、そういう観点があったか」と思うと、今もっているものに追加するのが投資家の心理、いや、資本主義の世界にいる社会人の心理です。その心理がちょっと加速することで、「上げすぎ」「下げすぎ」というマーケットの現象が生まれているのですから、むしろ「今あるものから不安定要素を取り除く」ことを想像してほしいのです。

引き算をする、行動を今までよりも狭い範囲に縮める……それでは「儲けを逃してしまう」と考えがちですが、不要な損失やムダな混乱を減らすことでトータルの利益が伸びる、少なくとも、最も大切な「安定性」がアップするのではないか、と考えてみてください。

次回のフォローアップ(2)では、「FAI投資法」の具体的なルールを示し、月足観測の実際を解説します。お楽しみに!


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