12月3日の放送内容について、フォローアップ第1回を「週報」に掲載しました。

2018年も残りわずか。今年は、プロを含めた多くの投資家が苦労しているようです。
実際、個別銘柄はどんな値運びだったのか──中源線のデータのみならず、手作業の分類も加えて2018年の動きを総点検しました。
そのうえで、「これから買うなら……」との観点で銘柄をチェックしてみました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第146回 みなさん今年は儲かりましたか? ~中源線で振り返る2018年株式相場~)

2018年も残り1カ月を切りました。今年は、プロも含めてボヤくくらい“取りにくい”値運びだったという感触がありますが、具体的にはどんな動きだったのか。
独自の観点から検証してみます。
よくあるのが「日経平均が○○で……」ってヤツですが、225銘柄の単なる平均値が、売買する者の感覚と一致するケースは少ないといえます。個別銘柄の上げ下げのトレンド、そして、林投資研究所の「中源線建玉法」によるデータをもとに、11月30日までの流れを分析しました。
とくに注目したのは、「中源線シグナル配信」で研究銘柄として取り上げている「ユニバース」の94銘柄です。
ユニバースとは、「中源線シグナル配信」スタート時に、最長31年間の過去データで分析した結果、パフォーマンスが良好かつ安定している銘柄を、東証一部に限定して選んだものです。売買実践を考えた、「研究対象銘柄」ということです。
中源線のパフォーマンスを計算した結果は、以下の通りです。
(分母は建てた金額)

さて、その94銘柄の日足チャートをひとつずつ目視で確認し、丁寧に分類した結果が以下の表です。

パッと見て項目が多いのですが、明らかに上昇トレンドと認められるのがたった1銘柄、「上昇」が絡む銘柄よりも「下降」が絡む銘柄のほうが圧倒的に多かったことがわかります。
次に、もっと端的に「株価は上がったのか下がったのか」とザックリまとめてみると、次の表の通りです(分類できなかった「その他」を除く)。

日経平均が2万4,000円をつけたあと、まさかの急落……こんな印象が頭に残っている向きも多いでしょうが、「2018年は下げ相場だった」とまとめてしまうほうが、実践者の感覚と一致するのではないでしょうか。
94銘柄ではサンプルが少ない──おっしゃる通り!
では、東証一部全銘柄(約2,100銘柄)について、日々の中源線の判断を集計した結果を見てみましょう。毎日、陰線(売り銘柄)と陽線(買い銘柄)のどちらに傾いていたかを確認してみました。
大発会の1月4日から11月30日まで、立会日の合計226日のうち、買いに傾いていたのが65日、売りに傾いていたのが160日、完全なニュートラル(売り銘柄と買い銘柄が同数)が1日、という結果でした。
つまり、立会日の4分の3は売りに傾いていたわけです。
こんな分析結果からも、「今年は下げ相場」との結論が導き出されます。
11月5日の放送(※)で示した通り、今年の値動きは思った以上に目まぐるしく、それが「取りにくい」という実践者の感覚と一致します。機敏に反応する中源線を用いても、その状況は同じです。
※11月5日の放送
→ 動画はこちら
→ 該当するブログはこちら
でも、下げ相場だったので、買いだけでなく売りシグナルも出る中源線建玉法の強みが発揮された場面は、多々ありました。次項で紹介する個別銘柄でも、そんなことを確認できると思います。

さて、番組では、前項の分類に従って多くの銘柄を紹介しました。その一部を、ここでも見てみましょう。
8267イオンは、「中源線シグナル配信」のユニバースで唯一、「上昇トレンドだった」と言いきれる銘柄です。上げが鈍ってきたと判断して「保合に入る?」なんて勝手なコメントを入れましたが、中源線の判断は依然として「買い」です。
8897タカラレーベンは、ガッツリ下げ波動でした。
1月の高値圏と4月に陽転していますが、いずれもダマシに終わっています。売りシグナルが出るという中源線の強みで下げを取ったことになります。
直近では、陽転しています。これだけ下がったあとなので期待をもつ陰陽転換ではありますね。
8219青山商事は、弱保合から下げに転じました。おもしろいのは、10月に市場全体が下げ始めたところで何事もないように横ばい、11月に少しリバウンドしたあと棒下げしたことです。やはり、日経平均を軸に「株は……」なんて大ざっぱな見方をしては、大切な変化を見落とすということです。この銘柄も直近で陽転していますが、こんな極端な下げ方をしたあとなので「うぅ~ん」というのが見た目の感覚ですかね。
タカラレーベンも青山商事も、下げの過程でダマシの陽転が見受けられます。2016年は、上げ途上でダマシの陰転が目立ちましたが、その真逆ですね。
さて、最初に分類した10項目に入らなかった、つまり、上げ下げをハッキリと認識できなかった銘柄も、2つほど紹介します。
2531宝HDは、つかみどころのないような動きですが、中源線が機能しています。9月の上げ、10月から11月にかけての下げは、ポジションを持っていたら快感だったでしょう。
8439東京センチュリーは、中源線で見るとダマシが多いのですが、単純に上げ下げのトレンドに目を向けると、意外といい感じです。裁量で「うねり取り」を実践する投資家の中には、「波動バッチリ」なんて感じる向きもあると思います。

前項で確認した通り、同じ株でも個別でバラバラに動きます。私は「個別銘柄を見ろ」と繰り返していますが、とても大切なことなのです。
ということで、ほかにも変わった値動きの銘柄を見てみます。
7532ドンキホーテは、弱保合から急騰という変化をみせました。10月に市場全体が下げ傾向になる中、グングンと上値を取っていったのです。でも直近は、11月28日に陰転(買いポジションを利食いしてドテン売り)、その後は弱い展開です。
2768双日は「保合」ではなく、「保合→保合」というヘンな分類をした銘柄です。往来から上昇して「グングン上値を追うか!」と感じさせたあと、再びおもしろみのない保合に移ったのです。「よし!」と乗ったら動かなくなった……相場あるあるです。
こうして個別銘柄を丁寧に見てやると、さまざまな動きを見つけることができます。やはり、「個別銘柄の動きをムリに集約したものが平均株価」なのです。まずは日経平均の前日比と水準に触れたあと、取って付けたように目立った個別銘柄の動きを並べる市況解説が極めて一般的ですが、実践者としては要注意です。私が、しつこく否定する理由を理解して、実践的かつ実用的な“目”で売買に臨んでください。

2018年は下げ相場だった、と述べました。
この原稿を書いている12月5日現在でも、株式市場は元気がない状態。ある証券会社の営業マンは、「久しぶりに連絡してきて買い注文をくれる投資家がいる」なんて言っていましたが、今年は下がる動きが目立っただけに、ちょっとキズを負っている人が多いはず。相場の回復には、もう少し時間がかかるかもしれません。
と言いつつも、ここまで下げたのだし、前述したドンキホーテのような強い銘柄に陰りが出ています。あえて、「この先買えそうな銘柄」という観点で「ユニバース」を見わたしてみました。3銘柄を挙げます。
※これら3銘柄については、つづきのフォローアップ(2)で、その後の経過も含めて取り上げます。ただし、以前にお伝えした通り、12月放送から、フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」の利用者に限定してお送りしますので、ご了承ください。
6728アルバックは、下降トレンドから保合に移った銘柄です。7月以降の中途半端な横ばいでは中源線でダマシがつづいていますが、直近は、10月後半にダメ押しのような下げ、ダマシの陽転、11月28日に再陽転して「おっ」と目を引く状況です。
7972イトーキは、イヤになるほど陰湿な下げっぷり……そして、8月後半の陽転がダマシ、10月に陰転してからはつまらない横ばいです。そして、依然として中源線の判断は「売り」です。でも、「次に陽転したらおもしろいかも!」と感じさせる銘柄ではないでしょうか。
8604野村HDは、証券株の典型的な動きで、1月以降ずっと下げています。また、9月に陽転したのに出損なって(赤い丸印)10月の下げで再び陰転しています。値ごろ的には買いを狙いたいところですが、買ってみたら見込み違いで損切り……といった対応は、相場で仕方がないことだと認識しなければなりません。
今回のテーマは2018年の振り返りで、結論は「下げ相場だった」ということです。
投資家の多くは買い一辺倒ですが、中源線は買いも売りも同じようにこなす、いわば両刀づかい! この強みが発揮される場面は多々あります。
また、積極的にカラ売りポジションを取らないまでも、「下げを狙って売りを仕掛ける」イメージが頭の隅にあるだけで、ポジションを閉じる「利食い売り」がスムーズになるなど、トレード全体のクオリティを上げる効果が期待できます。
もし中源線に興味があるなら、とりあえず「中源線研究会の無料登録」を行ってください。「中源線シグナル配信」のトップページを毎日、閲覧することができ、市場全体の集計値が変化していく様子を観察可能です。

次回のフォローアップ(2)では、買い狙いの候補として挙げた3銘柄を取り上げて解説し、さらに「トレードの買い戦略」というものを深掘りする予定です。お楽しみに!
(12月放送から、フォローアップ(2)および(3)は、「中源線シグナル配信」の利用者に限定です)
東証1部24銘柄で※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。
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買い物をして、奥さんに尋問されたことはありませんか?
「どうして、これが必要なの?」
前回述べたように、ポジションをつくったら、おかたづけが必然です。
おかたづけのタイミングが取りにくい状況は、建てた理由が不明確なことが原因かもしれません。
株価上昇を期待するから買うのですが、日々たくさんの銘柄が忙しく変動する中で、
・なぜ買ったのか
・なぜその銘柄なのか
・タイミングは戦略通りなのか
と「理由」を考えると、ぼやけている可能性があります。
感情と勢いで行動するのが人間の能力かもしれませんが、あえて言葉にする、つまり「言語化」してみると、状況が整理されて不要な感情を切り離せます。
『相場技法抜粋』(林輝太郎著)の第1項は、「勉強のノートを作ろう」です。
自分だけのノートを用意して、好きなことを書く──。自由気ままな空間でありながら、論理的な思考が期待できます。
この本は、まえがきから第2項まで、オンラインショップで閲覧可能(無料)です。
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(まえがき~第2項)
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物のかたづけができない人は才能にあふれている──。
かのアインシュタインも、机の上は散らかっていました。
でも私たちの日常では、とりあえず叱られるだけです・・・
「ついポジションを取ってしまう」
「手の内が散らかってしまう」
この解決策はなんだろう、って話でした。
まずは、ポジションを取ったあと何をするか、と考えることです。
想定する期間が長くても短くても、必ず手仕舞いします。
買ったものをどこに置くか、なんて問題ではありません。
ムリに“買い物”に当てはめれば、「買ったものは、いつか売りにいく」ということです。
ちょっとエネルギーが必要です。
でも、出かけたまま帰らないのは行方不明者、仕事であれ、遊びであれ、旅行であれ、必ず帰宅します。
これと同じで、現金(ニュートラルポジション)に戻ります。
利益でも損失でも、手仕舞いします。
「1週間勝負で買った。来週、手仕舞いする」
「100円上昇を狙って買った。でも、20円下げたら投げる」
このように、自分の想定を明確にして手仕舞いを予定しておくことです。
「なんだ、それだけのことか」と言われそうですが、それだけのことができないのが私たち人間、理由をつけて先送りしたり予定変更するだけの知恵や能力を備えているのです。
その知恵を、かたづけのエネルギーに向けるのです。
「つくったポジションは手仕舞いする」
と意識するだけで、一連の行動がキュッとしまります。
本日発行のメールマガジン「1分間の相場実践知識」の内容を、そのまま掲載します。メール配信をご希望の場合、こちらのページからお申し込みください。
この季節に雨が降ると、落ち葉ですべるのでキケン!
とくにイチョウの葉はすべりやすいそうです。
通常の路面との差は微妙なのかもしれませんが、認識がないとアブナイ状況が生まれます。
今回は、相場の状況判断についての、デリケートな話題です。
「買い場」と聞いて想像するのは当然、これから上がるという未来図でしょう。
でも、実際にポジションを取って結果を待つと、見通し通りだったりガッカリの結末だったり・・・
それでも、自分なりの確信で出動するしかありません。
ただ、新聞記事とか各種レポートなどを読んでいると、“買い場=ゼッタイその通りにならなければいけない結論”……こんなイメージにとらわれるのが人間の心理です。
「負けたくない」という感情がハードルを上げる一方、「確実に勝つのは難しい」と論理的に考えるので、整理がつかずに混乱するのだと思います。
以前から考えていた通りの状況ならばいいのですが、たまたま聞いて「逃したら悔しい」だけなら見送りです。
こう落ち着いて考えてみると、「なるほど、そうだ」ということになるのですが、その場で状況を整理して決断するのは難しいので、「自分のせいじゃない」というミスの言い訳を用意してかまわず出動してしまうケースが多いのでしょう。
ひとつの観点ではありますが、ボタンのかけちがいが起こる原因です。
では解決策は?
次号以降でアイデアを示します。
こんにちは。林投資研究所の林知之です。
今まで、番組のフォローアップブログを3本ずつ、このサイトに公開してきましたが、12月放送分から次のように変更します。
番組全体のフォローアップを、この1回に集約します。
今までよりも、中源線のルールに詳しくない人でも読みやすく、わかりやすい内容を心がけます。
「中源線研究会」に登録しているみなさんには、今まで通り、メール配信します。
「中源線シグナル配信」の利用者に限定し、個別銘柄の動き、法示(シグナル)に触れた深い解説を盛り込んだ内容に仕上げる予定です。
※中源線研究会の登録は無料、どなたでもご利用可能です。
→ こちらをクリック!
※「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行う助言サービスです。クーリングオフの対象となるほか、返金保証(契約日の翌月末までなら全額返金。ただし手数料1,000円)の制度もあります。契約にあたっては、契約締結前の書面を翌お読みください。
11月5日の放送内容について、フォローアップ第3回を「週報」に掲載しました。
フォローアップ(2) 相場は順張りってホント? 11月17日掲載
フォローアップ(3) 相場を“当てる”の正しい意味 本日掲載

相場はつらいよ……日経平均が新高値をつけた直後に、予期せぬ急落。
そんな状況下、中源線による個別銘柄の判断はどうだったか、直近の激しい動きから考えてポジション操作の基本はどうあるべきか──。
2018年11月5日のマーケット・スクランブルでは、直近の乱高下から「適正なポジション操作」を模索しました。中源線の強みが、クッキリと浮かび上がります。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第144回 株価急落に対処するトレードルール ~中源線による機敏な判断と行動~)

個別銘柄の売買を考える場合に、どうしても「市場全体」を見ます。
株そのものの人気、市場のすう勢……たしかに見るべき点ではありますが、それよりも個別銘柄そのものの動きが極端なことを忘れずに、情報の組み合わせ方を考える必要があります。
市況解説のように、まずは日経平均の動き、それから個別の動きという順序には疑問が生じます。「株が上がったか、下がったか」という強い情報が先にきてしまうからです。
実際に売買する銘柄の値動き、見込み通りに運んでいるか否か(どんなズレがあるか)を踏まえて、この先の自分自身の見込みはどうか……こんなデリケートな思考を展開するうえで、一般的な株に関する情報は足かせというか雑音というか、ないほうがいい情報なのです。
やはり、便利な分だけ焦点がぼやけるということでしょう。
誰だって独りだと不安なので、「みんなはどう思っているの?」「今日の動きには、どんな背景があったの?」と考えがちです。新聞でもネットでも、多数の投資家が読むものは、そんな不安に上手に応えています。便利すぎてしまうのです。
・今日は上がったか下がったか
(日経平均の前日比)
・その理由は何だったか
(誰もが共感しそうな大ざっぱな背景、時には取って付けたようなもの)
・個別に目立った値動き
(上記、日経平均の動向解説とは関係ない)
あらためて、10月の下げ相場の中で上昇していた銘柄を見てみましょう。
例外のようですが、こういった動きをみせる銘柄もある、というのは事実です。
でも、「こういった銘柄を当てよう」というのは、考え方のベクトルに問題があります。誰も見たことのない未来を当てる──そんなムチャな試みよりも、時間の経過とともに変化する状況を見て、「どう対応するか」を考えなければなりません。
「中源線建玉法」も、強弱の判断をきっかけに行動し、その後の変化に対応するためのノウハウです。

いろいろな角度から、ちまたの「銘柄情報」を否定的に論じていますが、実は、条件が合えば成立するのです。
ファンドマネージャーを想像してください。
広い範囲から投資先を探しますが、プロとして「狙い」はビシッと定まっています。そのうえで、アナリストレポートなど「観点が常に同じ」な情報を、コンスタントに入手しています。個人投資家が、頻度や観点が定まらないまま銘柄情報を目にするのとは、全く異なる状況にあるのです。
うっかり多めに買ってしまって「どうしよう……」なんてことは、あり得ません。このように、すべてが整っていると、「銘柄情報」が、売買活動を混乱させる銘柄情報ではなく、適切に前進させるための大切な要素となるのです。
彼らは銘柄情報を、大切な要素のひとつとして扱います。行動の方向性を変える存在ではないのです。

一般の銘柄情報は、前項で挙げたような条件が整わないことが問題です。
まず、銘柄情報を受け取る投資家の戦略、好み、細かい計画などがユルいのです。この点について、いちいち「大丈夫ですか?」なんて聞いてくれません。「ほら、いい銘柄あるよ!」とグイグイくるだけです。
情報の受け手は、どうしたって弱い立場です。
振り回されないようにするため、かなり強固な姿勢をつくり上げるべきです。
さて、そんな情報弱者、つまり平均的な個人投資家が、つい「おっ!」と感じてしまう情報がよく売れるもの、商業的に“出来のいい”情報です。
準備のない人が見ても、すぐに結論に達するからです。
この点に関して、林投資研究所が自慢できるポイントを簡潔に示します。
「中源線シグナル配信」では、全銘柄について毎日のシグナル(中源線による分析結果)を配信しています。当然、銘柄によるパフォーマンスの優劣が見えてきます。ルールが定まっているために、「相性」の問題が起こるからです。
「中源線シグナル配信」のスタート時、最長31年間の過去データで検証した結果、パフォーマンスが良好かつ安定している(時期によるブレが少ない)ものを100銘柄選び、研究対象の「ユニバース」として、シグナル配信であるにもかかわらずチャート表示機能まで設けました。
この100銘柄が合併などで減って、現在は94銘柄ですが、減った分を補充したりしていません。ちゃんと勉強している人でも、安易な銘柄情報を求めがちなので、新しい銘柄を補充して「スゴい銘柄を入れました!」と宣伝すれば、ビジネス的に響くと思います。補充に値する銘柄もあります。でも、それが利用者を惑わせる可能性があるので、あえて手をつけずにいます。
番組では、数少ない銘柄に限定していますが、プロが必ず行う「定点観測」、つまり、観察する銘柄群を固定する姿勢が重要なのです。
「中源線シグナル配信」のスタート時に行った検証で「ユニバース」銘柄を選んだのですが、その際、直近のパフォーマンスに目を向けないようにしました。自らが、御法度とされる“カーブフィッティング”に近づいてしまうことのないよう、「今後、安心して使える」という観点を大切にしました。
相場の世界には、シグナル配信のサービスが数多くあります。とくにFXでは、多くの利用者がいるのではないでしょうか。
しかし、それらの中には、直近のパフォーマンスで銘柄を入れ替える業者もいます。表に出ている銘柄は、いつでもピッカピカ! 完全な「あと出しジャンケン」です。未知の未来に向かってポジションを取り、継続的に売買するうえで大きな矛盾が生まれます。
情報そのものは、単なる素材です。
適正につくられたものかどうか、自分に合うかどうかを見極めることが大切なのです。

さて、前項でも重要性を示した「定点観測」を、銘柄限定で行います。
11月5日の放送、およびフォローアップ(1)で、おなじみの7銘柄を紹介しましたが、その後も市場全体が沈んだ雰囲気の中、どんな展開でしょうか。7銘柄すべて、必要に応じて前回のコメントも振り返りながら、もう一度見てみます。
※7銘柄のチャートは、11月20日(火)終値までのもの、コメントは11月21日の午前中に執筆しています。
4331テイクアンドギヴ・ニーズは、「いい感じで取れている」とコメントしましたが、11月中に反発して陽転。しかし陽転後、どっちつかずの展開です。急に、方向感がなくなりました。
5911横河ブリッジHDは、10月の下げで陰転が遅かったのですが、ズルズルと下げて売りポジションにしっかりと利が乗っています。「2,000円は割らないだろう」とか、値ごろで考えてはいけませんね。
7205日野自動車は、陰線のままですが、ガンガン下げる感じは見受けられません。2月から9カ月以上も下げ、整理が進んでいるのでしょうか。前回のコメント「次に陽転したら“こんどこそ”」を継続、といったところです。
7717ブイ・テクノロジーについては、「ほかの銘柄に比べて早いタイミングで陽転」「半年以上におよぶ下げのあと」「おもしろいかも」とコメントしました。とても気になる動きです。
8609岡三証券Gは、「こんどこそ」の陽転(前回コメント)のあと、上げないまでも、弱々しい動きとはいえません。証券株は売り線と買い線が混在している状態ですが、この陽転が全体の戻りをけん引するのか! ちょっと安っぽい観点になりましたが、そんな想像もプレーヤーのホンネといって問題ないでしょう。
9983ファーストリテイリングは、相変わらず、陰線なのに強張った状態でいます。珍しく、中源線と息が合わない値運びをみせていますね。でも、ここから陽転したら、乗ってみたくなる雰囲気です。
9984ソフトバンクも、中源線との相性がとてもよい銘柄です。11月はじめが目先の安値、11月14日の陽転したあとバタバタの横ばいです。12月の子会社上場(携帯電話のソフトバンク)が大きな話題となっていて、どうしても雑音が入ってくる状況が気になりますが、ガクンと下がってからの陽転なので魅力はあります。
定点観測している7銘柄について、ちょっと俗っぽい見方も交えて解説しましたが、こんなふうに同じ銘柄群を継続して観察していると、「ここぞ!」という場面があります。そういった感覚で「当たる」と言いきるのはビミョーですが、確信をもってポジションを取ることで、その後の行動をきちんとコントロールできるという考え方が大切です。
また、「ここぞ!」という遊びは、雑多な銘柄情報をもとに「この銘柄だ!」と飛びつく遊びとは質が異なる、全くベクトルのちがう姿勢だということを、記憶しておいてください。相場を「当てる」といっても、取り組み方でクオリティはピンキリです。

これで、11月5日放送のフォローアップは終了です。
次回放送は12月3日です。内容は未定ですが、やはり直近の値動きを取り上げながら、将来につながる実践的な内容にまとめたいと考えています。お楽しみに!
東証1部24銘柄で※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。
相場はつらいよ……日経平均が新高値をつけた直後に、予期せぬ急落。
そんな状況下、中源線による個別銘柄の判断はどうだったか、直近の激しい動きから考えてポジション操作の基本はどうあるべきか──。
2018年11月5日のマーケット・スクランブルでは、直近の乱高下から「適正なポジション操作」を模索しました。中源線の強みが、クッキリと浮かび上がります。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第144回 株価急落に対処するトレードルール ~中源線による機敏な判断と行動~)

2018年10月の下げは強烈で、「株そのものが売られた」といってもいい状況でした。
しかし、上場銘柄が100%売られているわけではありません。
東証一部で、株価指数の下げ、市場全体の下げに関係ない銘柄を見てみましょう。
※チャートは放送でご覧に入れたもの、11月2日終値までのものです。
※赤が買い線、黒が売り線。終値のパターンで判断するルールが決まっています。
4714リソー教育は、9月中旬から上げ始め、10月に市場全体が下げても関係なく上伸をみせました。
7532ドンキホーテHDは、10月10日の前日比520円高からスタートして強い動きです。
2726パルグループも、最初のリソー教育と同じで、9月中旬に上げ始めて上昇をつづけています。
こんなものは例外……と言ってしまえばそれまでですが、どんなときでも、上げている銘柄と下げている銘柄が混在しています。今回のようにキツい下げでも、まともに上昇している銘柄があるということは認識しておくべきです。
また、一般的な市況解説には要注意、ということに気づきます。
例えば、東証一部で値上がり銘柄のほうが多くても、TOPIXが前日比プラスでも、「日経平均」が少しでもマイナスならば、「反落」とか「○○で売られた」といった見出しが立ちます。
個別銘柄は上げ下げが混在するのですが、全体が上下どちらかに傾き、それが日経平均など株価指数の短期的な動向、あるいは中期的なトレンドを形成するのでしょう。

なにかと日経平均を取り上げて否定的なコメントをしていますが、株価指数というのは「平均」です。個別のバラツキが表れないのに、なんだか“便利”なので、目を向けるべき方向が狂うという懸念があるから、警戒すべき存在なのです。
ただ、同じ“平均”でも、225種の平均である日経平均より、東証一部全銘柄で計算するTOPIXのほうが、ブレやゆがみが少ないと思うのです。両者のチャート(中源線)を見てみましょう。
※赤が買い線、黒が売り線。終値のパターンで判断するルールが決まっています。
上が日経平均、下がTOPIXです。
日経平均は、10月初めにかけての上げで、2018年1月の高値を更新し、そのあと急落して2月、3月の水準まで落ちました。
一方のTOPIXは、上げ下げのタイミングはほぼ同じでも、10月初めにかけての上げで1月の高値を抜かず、10月の下げでは2月、3月の水準を下回っています。
日経平均は「いったん上抜けしたのに崩れた」という流れに対して、TOPIXは「ずっと保合をつづけてガクンと下げた」と表現できるでしょう。後者、TOPIXのほうが、多くの投資家の実感とズレが少ないのではないでしょうか。
指数そのものが“単なる平均”で、個々のバラツキを計ることができない数値です。だから「気にしないほうがいい」「できれば見ないほうがいい」のですが、ほとんどの投資家が常に気にする「日経平均株価」には、大きな落とし穴があるのです。部分的には利用可能ですが、TOPIXのほうがブレが少なくて使える、と考えるべきです。
でも、株価指数の“便利さ”にだまされてはいけません。
ちょっとだけ、投資に関する情報を発信する「業者」になったつもりで、考えてみてください。クライアントから「今日の相場はどうだった?」とザックリ質問をされたとき、どんなふうに答えますか?
東京証券取引所の上場会社は3,640社、東証一部だけでも2,113銘柄もあるのです(2018年11月9日現在)。少し詳しいことを伝えるとしても限度がありますし、まずは「日経平均が○○円プラスでした」と言うのではないでしょうか。
クライアントの、とりあえずの欲求に応える、とても便利な数字だからです。
言うほうも聞くほうも便利、だから日経平均を伝えて終わりでも大丈夫……便利すぎて、たくさんの盲点が生まれるのです。

相場は順張りだ──私がこの表現に込めた発想は、うまく伝わらないことが多いのですが、大切なことなので工夫して説明します。
「順張り」と聞くと、「高値の飛びつき買い」「キケンなエントリー」「賢い人の利食い売りを助けるだけ……」といったイメージも浮かぶようですが、さんざん上がったところで買うということではなく、シンプルに「動きにつく」と捉えてください。
余裕資金がある状態で狙っている銘柄があれば、「下がってきた」ところで買いを検討します。でも、「以前よりも安くなったから買う」のではなく、「安くなった。この先は上がる」という“将来の見込み”で買うはずです。価格ではなく、「トレンドが上向きに変化する」状況を想像することで成り立つ戦略です。
買い戦略で利益を出すには、「安く買う」ことよりも、「買ったあと上がる」ことが重要です。だから、トレンドが上向きになった(と判断した)あと、「高く買って、もっと高く売る」でもOKなんです。「どこまで下がるかわからないものを買う」よりも、「上昇期に移ったと判断できるものを買う」ほうがシンプルで安全だ──こういう論理です。
では、「逆張り」や「買い下がり」といったテクニックはなに?
あくまでも「上げを見越して買う」のですが、あえて“先取り”を狙います。「少しリスクを取り、技術を駆使して平均値を有利にしょうとする試み」です。
過去にばかり目を向けて「下がったから」は、たしかに買う理由につながる発想ですが、「だから、これから上がるんだ!」という強い確信までセットになっていなければなりません。意外と錯覚してしまうことなので、要注意です。
実例として、中源線のチャートを示します。
銘柄は、8267イオンです。
※放送で使ったのは11月2日までのチャートでしたが、下は11月12日までのものです。
大きな流れは、2018年3月からずっと上げ波動、10月に弱含むも再び上昇して新値更新、というところですが、「買っていたら儲かったね」なんて表面的な見方ではなく、実際にポジションを取ることを考えて観察してみます。
買いポジションを持った状態で、2018年6月の陰転を迎えます(赤い丸印)。
中源線が「下がる」と判断したので、ルール通りならばドテン売りです。買いポジションを利食い手仕舞いすると同時に、売りを仕掛けるのです。
結果的には、この陰転がダマシで、しかも再び陽転するのは、中源線の判断としては「遅かったなあ」と感じられるタイミング、完全に上にブレイクしてからでした(青い丸印)。
このドテン売り、いらなかったじゃないか!
こう思うのは、上がった結果をチャートで振り返っているからで、その時、その場の判断を想像することが実践の思考です。
もし、陰転の時(赤い丸印)に買いポジションを維持していたら、ドテン売らなかったら……陰転が当たりでどんどん下げた場合には完全にタイミングを逸し、打つ手なしの状態に陥ります。
青い丸印の陽転は、前述したように、中源線らしくなくタイミングが遅かったのですが、だからといって「今さら買えるかよ」と売りポジションをキープして突っ張ったら……現時点で「どうしよう・・・」と困り果てることになっていたわけです。
先回りしてポジションを取ることができれば、トレンドに乗ったときに大きな含み益が生まれています。ものすごく余裕のトレードが実現します。でも、難しいだけでなく、逆行がつづいた場合に大幅な損失を生むので、上向きかけたら買い、下向きかけたら売るという順張りこそがナチュラルだという発想が生まれるのです。
念のために述べますが、「しかし、平均値を有利にしたい」と考えて、ある程度まで先回りを試みるのが、教科書的な逆張りです。ガンガン下がる場面で目をつぶって買うことではありません。
もちろん、すべての方法に一長一短があるのですが、中源線は順張りの強みを最大限に生かすようロジック(売買ルール)が組み立てられています。そして、ひとつの方式、つまり「利益を出す方法論」として成立しているのです。

次回のフォローアップ(3)では、「当てようとするな」との戒めを取り上げ、「では、自然に生まれる“当てたい”という気持ちに意味はないのか」という疑問、相場の核心に迫るテーマでお届けします。お楽しみに!
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