ルール設定のキモ
4月に放送した、おさらいの第1回は、中源線ルールの基本「普通転換」でした。
普通転換はシンプルでわかりやすく実用的ですが、必然的に、うまく当てはまらない例外的な動きも発生します。
それが1万回に1回であっても、対応するルールを用意するべきで、そのためにはどう考えるのが適切か、という少し深い課題があります。
2019年5月の「マーケット・スクランブル」は、中源線の基本を見直す「おさらい」の第2回、基本の「普通転換」を補助するルール2つ、「42分転換」と「再転換」を紹介しました。これらが、普通転換との組み合わせによってどのような値動き判断を実現するか、ポジション操作を含めてどのように機能するかを解説しました。
映像は、「過去の放送」でご覧ください。
(第156回 中源線建玉法 おさらいの「さ」 ~42分転換と再転換~)

中源線の補助ルール「42分転換」
4月の放送で、中源線の基本ルール「普通転換」を説明しました。

「大きい逆行」があり、少し手前の「小さい逆行」を抜くとトレンド転換
簡略化すると、こういうことですが、もちろん細かい値幅の基準が決まっています。
でも、この「逆行の組み合わせ」がうまく出現しないケースも考えられます。小さな逆行を中源線では「屈曲段」(くっきょくだん)と呼びますが、転換の条件がそろわずに逆行(段)が生まれると、参照する屈曲段は新しいものに移っていくのです。
そして、なかなか条件がそろわないまま大きく逆行し、評価損が膨らんでしまうことも考えられるわけです。
そこで、これまた一定の条件がありますが、最高値から42分(ぶ)下落、あるいは最安値から42分(ぶ)上昇したときに転換を決める「42分転換」という補助ルールがあるのです。

※赤が陽線(買い線)、黒が陰線(売り線)、それぞれ3分割でポジションを増減させます。
※「分」(ぶ)は、中源線で使う基準で、銘柄や価格帯によって決めるのですが、とりあえずは「1分=1円」、例えば500円の銘柄で、「普通転換」の条件が整わずに42円(42分)逆行してしまった、というケースを想像してください。
たとえ出現の確率が非常に低くても、数式で機械的判断を行う場合は、「こんなこともあり得る」と想定してルール化しておく必要があります。なかなか、たいへんな作業です。

複雑にしない
さて、「補助ルールがある」と説明すると、「補助をつけるのではなく、基本ルールを完全なかたちにすればいい」と反論があります。
でも、それでは基本ルールが複雑になってしまいます。
ルールを修正したりアレンジする際に、自分自身が感覚的に捉えることが難しいようでは、実用性が認められません。
補助ルールについても、同じことがいえます。
「○○の場合は○○」なんて例外条件が5個も10個もあったら、やはり実用に耐えないシロモノになってしまいます。
とことん数式を重ねてルール全体をつくることも可能ですが、相当なレベルのプログラミング技術とともに、数式の組み合わせを見て暗算感覚で全体像を捉える頭脳、ひたすら試行錯誤を繰り返す根気など、特殊な能力を求められるでしょう。
トレードの基本を考えてください。
「上がると思うから買う」「下がると思うから売る」……とことん単純な思考です。
「当てよう」と躍起になって複雑なルールを考えるよりも、ポジション操作や資金管理でデコボコを吸収するバッファ(余裕)を設けるのが正しい道です。

入門書でもルール公開
番組の中で紹介することもありますが、私が書いた中源線の入門書では、基本の普通転換ルールをしっかりと公開し、前述した42分転換にも触れています。
また、中源線を利用したときの現実を追究し、「ルールを決めて売買する」際の問題をいろいろな角度から考えているので、「中源線ってどんなもの?」という声に応えるだけでなく、トレードの基本を考える深い内容だと自負しています。
オリジナル書籍として作成して販売しているので、ぜひ目を通してください。
パラメータ設定
「42分転換」の説明に出てきた、「分」(ぶ)という単位の説明に移ります。
銘柄ごと、価格帯ごとに「1分=○○円」と定めておく“調節つまみ”です。
中源線では、「キザミ」と呼んでいます。
「1分=1円」を基準に考えてみます。
「1分=2円」「1分=3円」とキザミ値を大きくすると、中源線の各種条件が整いにくくなり、転換が鈍くなる半面、細かいジグザグによる不要なダマシが減ると期待できます。
反対に、キザミ値を小さくすると、転換が敏感になるかわりに、ダマシが増える懸念が増します。
ちなみに、中源線のパラメータ(変数、調節つまみ)は、「キザミ値」だけです。
調節つまみがいくつもあったら、なんだか高級なシステムのように感じられますが、やはり実用性に疑問が生じます。
さて、肝心の問題として、「1分」の値を「何円にするか」──。
昔は、多くの銘柄が1,000円未満でした。だから、ほとんど「1分=1円」でそこそこ機能したと思います。1,000円を超える株価4ケタの銘柄が少なく、「値がさ」と呼んで特別扱いでしたからね。
また、コンピュータが身近になかったので、「1分=1円」でイマイチでも「これをもとに上げ下げの波を泳げばいい」と考えていたのです。中源線のルールはシンプルなので、そういった使い方ができるのです。
現在は、株価が数千円の銘柄も多く、中源線の利用でもキザミ値の設定を考えるのに“ひと手間”必要な状況です。また、コンピュータによる計算を容易に利用できるので、“ひと手間”ついでに研究するべきでしょう。
研究というと、多くの投資家が「難しい」「めんどくさい……」と感じるのですが、勝手に利益を出してくれる“打ち出の小槌”が落ちているわけがありません!
独自の研究を、楽しむ姿勢が大切です。
前述したように、中源線のパラメータ(調節つまみ)は、「キザミ」ひとつだけです。十分に楽しみながら、王道をいく研究を進めることができます。ご安心ください。
ちなみに、林投資研究所の「中源線シグナル配信」では、全銘柄が対象ですが、あらゆる価格帯に対応できるようデータを設定してあります。
各銘柄が、大きく値上がりしたり、逆に下げたり、あるいは株式分割や株式併合で価格帯がガラッと変化することも考えられるからです。

再転換が中源線のミソ
中源線の陰陽転換(強弱判断の切り替え)は、「普通転換」が基本です。
この補助として「42分転換」があるのですが、もうひとつ補助として「再転換」というルールが設けられています。
ジグザグの変動パターン(終値の日足)を見て、「小さい逆行」(兆しの逆行)と「大きい逆行」(転換に至る逆行)でトレンド転換を判断しますが、短期的なブレによって転換が起きることもあります。
例えば、陰線(売り線)から陽線(買い線)に変化した、つまり「ここから上げだ」と判断してドテン買ったあと、株価がしぼんでしまうことなんて、いくらでもありますよね。裁量で、なおかつ基準に少しでも甘いところがあると、「えっ」と感じながらも対処が遅れがちです。「もうちょっと状況を見てから……」と考えているうちにズルズルと下げてしまい、「今さらなぁ」なんてことに・・・
こういう事態を避け、早めの損切りと逆方向への建て直しをするのが、「再転換」ルールです。
いったん陽転して買い始めた状況では、「そのまま上がってほしい」(今回の転換が当たってほしい)と考えるものですが、ちがったときの対処こそ重要です。最初の判断に固執せず、「動きについていく」姿勢と素早い行動です。
よく「朝令暮改はよくない」などといいますが、少なくとも相場では、「ちがった! すぐさま逆にしよう」と行動に移すことが不可欠です。こんな、相場ならではの瞬発力を実現するための重要なルールが「再転換」です。
「例外ルール」と捉えられがちですが、むしろ「中源線のミソ」ともいえるものだと考えています。
再転換の場合、ポジション操作が異なる点も注目に値します。
下の図で説明しましょう。

陽転(買い線に転換)したあと、この図のように下げ(逆行)た場合、「陽転はダマシだった」と即座に認めて「再転換」させます(サッと陰転させる)。
その際、陽転時に買った1単位(3分割の1回分)を投げると同時に、2単位の売り(カラ売り)を仕掛けます。3分割で、基本は「まず3分の1(1単位)建玉」ですが、再転換の場合は「今までのトレンドがつづいていたんだ!」と乗り直すので、いきなり2単位なのです。
値動きの変化を見ながら「こんなふうに機敏に動けたらなぁ」と想像することを、素直にルール化しているのが中源線です。

次回のフォローアップ(2)では、キザミについて深く考察します。お楽しみに!
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