日経平均の上昇が話題になっていますが、今の相場は指数先行のイメージが強いようです。私が買いポジションを取っている小型低位の銘柄は総じてジリ高で、期待ほど値を飛ばすものはありません。
“肌感覚”による分析ですが、5月以降の上昇に乗れず、8月以降の動きにもついていけない人が多いのではないでしょうか。循環物色にもかかわらず大きく上伸するものが少ないのは、疑心暗鬼な向きが多いことを示している、という論拠です。
ややジレる気持ちがあるものの、「ジワジワとした上昇は買いポジション放置」という原則でジッとガマン、もうしばらく継続しながら状況を見守ろうというのが現時点での戦略です。
さて、こんな個人的な相場観やポジショントークはさておき、政府主導の株高政策に危うさを感じています。とにかく株や土地の価格を上げる、富裕層優遇でスタートして経済全体を活性化させる、というシナリオなのでしょうが、株式市場の構造に注目すると、すでにかなりの“ゆがみ”が生じていると感じてしまいます。
ETF(上場投信)を含めた日銀の株式保有が約7兆円に達し、年内にも日本生命保険を上回る可能性があると報じられています。多くの人が言及している通り、この異例の措置にどんな出口を想定しているのか──。NISA(少額投資非課税制度)は狙いとは異なる反応に空転し、若い世代の市場参入につながっていません。
また年間100万円という小さな非課税枠では、株高を支える要(かなめ)である富裕層を刺激する効果もないのは明白です。そして、指数先物の上場から25年も経過しているのに、指数先物の損益は、現市場である現物株の損益と通算することができないというお粗末な税制……。
私が直に見てきたのは1984年からの株式市場で、大きな出来事としてはNTTの民営化とそれ以降、ちょうど30年の推移です。その中で現在の市場は、規模が大きくなり制度が整っている半面、なんだか個性のない、いまひとつ人を引きつける魅力に欠ける感じがします。時価総額の増加や日経平均の上昇よりも、幅広い個人投資家が集まる活気ある場を切に望みます。
