株式投資【虎の穴】 職人の売買「うねり取り」

うねり取りとは、どんな売買か──。

「どの銘柄を買えばいいの?」
「どの銘柄がおトク?」
「誰の予測が当たるの?」(それを当てる……)

こういった姿勢は、情報弱者への路線まっしぐら。

そんな誤った世界とは一線を画する、売買・トレードの『本質』に近づく最短距離が、うねり取りの実践です。

→ この動画を見る 株式投資【虎の穴】(林投資研究所チャンネル)

6月6日放送のフォローアップ
林 知之

読みとポジション操作のバランス

株価指数は半値戻しを達成し、個別銘柄にも動きがみられます。
半面、「オレの銘柄は調子よくないよ」という向きも多いと思います。

株式市場全体は堅調で、私も今年の後半について強気の見通しですが、積極的に買いポジションを増やすタイミングはもう少し先かもしれない──こんな慎重な認識を大切にしています。

変わり目の株式市場と向き合い、どんなことを考えるべきでしょう。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
上手くやろうとして下手を打つ相場

市況は好転中

株価指数の分析で株式市場の実態をつかむのは難しいことですが、指数の順調な戻りとともに日々、値上がり銘柄の数が一定以上ある現状は、市況好転中と考えていいでしょう。

中源線による個別銘柄の分析でも、売り線銘柄が減って買い線銘柄が増加する流れを確認できます。

チャートはクリックで拡大

こういった統計値は、中源線シグナル配信のトップページに掲載しています。
シグナル配信を契約しなくても、「中源線研究会」に登録(無料)するだけで毎日閲覧できます

 旧東証一部の銘柄について、統計を継続中です。

マーケットの先行きは、常に「どうなるかわからない」ものですが、12月以降はジリジリと陽線銘柄数が増加している傾向を確認できます。

また、いわゆるウクライナショックで買い線銘柄数が急激に減った際も、日経平均が安値をつけた3月9日に499銘柄と、極端に少ない数にはなりませんでした(コロナショック時は65銘柄まで激減)。戦争によるエネルギー資源の高騰、日本のエネルギー政策の先行きなどが不安材料と認識できますが、以前にも言及したように、マーケット全体では強烈な悪材料と受け止めなかったようです。

強い銘柄も少なくない

株式市場は堅調ですが、物色のほこ先が広がっていく動き、資金が循環する動きはいまひとつ。そのなかで、「強い銘柄がへこたれず、さらに上伸する」傾向がみられます。

例えば、下に示す東邦チタニウム(5727)は、ウクライナ問題に絡む材料があるとはいえ、驚くほどの上昇ぶりです。私はこの銘柄を長く売買していますが、今回は「ちょーキモチいい」とつぶやくほど取れています。ちなみに、6月7日大引で「2/3手仕舞い」(3単位のうち2単位をいったん利食い手仕舞い)というシグナルが出たので、6月8日の寄付で売りました。

6月6日大引まで
チャートはクリックで拡大

このようにグイグイとくる銘柄が散見されることが、「株式市場は好転中」とコメントする根拠のひとつですが、前述したように物色の対象は限定的です。

私は中源線で8銘柄を追いかけていますが、ほかの7銘柄のうち1銘柄がいい感じで上昇している以外、東邦チタニウムみたいに思わずはしゃぐような状況ではありません。

裁量による売買で割安な低位株も買っていますが(FAI投資法)、さえない動きから脱して落ち着いてきた程度で、強いワクワク感が芽生えるほどの変化はありません。

話題に上る銘柄はあるし株価指数も堅調なのに、「オレの銘柄はどうなってるんだよ」とボヤく声が各方面から聞こえてくる状態ですが、私自身も同じような気分です。

出遅れ株はどうなの?

さて、資金が巡ってこない多数の銘柄が現在、出遅れという状態です。

そこで、「出遅れ銘柄を買う」発想とともに、「強い銘柄の崩れを狙う」(カラ売り)発想もあると思います。

ただ、後者のカラ売り戦略は、もともと難易度が高いうえに、今の相場ではキケンなにおいがします。個人的な肌感覚ですが、強い銘柄がしぼまずに再度上がっていく流れはカンタンにおわらないと思うのです。

本題の「出遅れ狙い」について考えましょう。

現状のように好転中と判断できる状況下では、十分に勝算がありそうです。
ただ、基本的に「動いていないから出遅れ」なのです。「出遅れ狙い=手堅い」という捉え方は正しくありません。

こうしたことも踏まえ、ジレる気分を抑えながら、もう少し動きが明確になってから手を出すくらいのイメージでいいような気がするのです。個人的な相場観と戦略なので、押しつけるつもりもありませんが、私は裁量の売買で余裕資金を残したまま、3月上旬以降は買い増ししていません。

さらに動きが出て“GOサイン”と判断したあと、買い増しの前に、あえて手仕舞い売りをして“弾み”をつけたいと考えています。

出遅れは、たとえ動かなくても大きな下げの懸念がないともいえますが、やたらと時間がかかる場合は、資金を寝かせてしまうばかりか、メンタル的にも疲労します。当然、時間が経過するうちに、あらためて下落リスクも生まれます。

このあたりのことが、「出遅れ狙いが手堅いとはかぎらないよ」と、意図的に言葉にする理由です。

“おいていかれる感”という判断基準

前項で、「GOサイン」という表現を使いました。

株価指数が上昇するなかで割安な出遅れ銘柄がある──この条件だけで、「出遅れをどんどん買えば儲かる」と考えがちですが、前項で述べたように、「よし!」と仕込んでも動いてくれないことも多いのが現実です。

私は、「相場の基本イメージは順張り」だと考えています。
できれば安く買いたいわけですが、下がったから買うのではなく、あくまでも「これから上がる」という見通しで買いポジションを取るのが相場です。

だから、逆張りで買う場合でも、見据えるのは「近未来の値上がり」しかありません。
過去と比べて安くなった……これは、買ったものを消費する“買い物”の論理です。

ちなみに「逆張り」とは、順張りのイメージで近未来の値上がりを見据えながらも、あえて少し先回りを試み、リスクを取りながら頑張って安値を拾おうとする売買です。

「順張り」「逆張り」をテーマにしたYouTube動画もあります。

【それホントなの?】株式投資は逆張りが正解

例えば、見ている銘柄群が一定期間で「すべて値上がり」していたときに、「よし、本格的な上昇期に入った」と判断するとか……あくまでもひとつの例ですが、単にチャートのタテ軸の価格だけを見て「安くなった」と考えるよりは、こういった観点が実用的だったりします。

順張りイメージを否定せず、いわゆる“おいていかれる感”が増して「ガマンできない」となってから買いポジションを積み増す──これこそ、「相場についていく」素直な感性ではないでしょうか。

と、こんな原稿を6月7日から6月8日かけて書いているうちに、対象とする割安な低位株に、さらにジワッと動きを感じています。

さあ、どうする! どこで動くんだ!

相場って、おもしろいですね。

次回放送は本日(6月9日)の夕刻、テーマ別の番組をお届けします。

タイトルは「先行銘柄か、出遅れ銘柄か ~日経平均半値戻しの次の一手~」。
グングン上伸する銘柄がある一方で、出遅れ銘柄が多い現状を見ながら、ベストな戦略をさぐります。番組をお楽しみに!


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※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

【初心者から抜け出すための技術】 相場は「当てもの」じゃない!

「上がるか下がるか」
「上がる銘柄はどれか」

株式市場にまつわる情報は、99%がこれでしょう。

少なくとも、これらを求める投資家が食いつく情報を、ほとんどのメディアが発信していると思います。

でも、経験豊富な実践者が本音を語ると「相場は当てものじゃねぇ!」という感じなんですよね。

うん、わかるけど、「予測を当てよう」とする以外に何があるの?
という疑問も……。

ぜひ、動画をご覧ください。

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「在庫不足」にするのが株売買の最大のコツ

「資金管理」という言葉を使っても、ほとんどの個人投資家は食いつきません。

市況解説なら抱えている不安解消のためにチェック、銘柄情報ならワクワク感満載──これらと真逆に位置するのが、資金管理を考えることなのでしょう。

でも、マーケットで大勢の参加者と競争して上位にいくために、資金管理を考えるのが意外と近道なのです。

売買していると、どうしてもポジションが増えてしまいます。
「これ安いな」なんて、なんとなく手を出したものが残って、余裕資金が少なくなりがちです。誰がやっても、そうなるでしょう。

つまり、一定のポジションがあって「もっと資金がほしい」という状態は当たり前、「資金が余って仕方がない」なんて状態にはならない、ということです。
ここが大きなポイントです!

予測の精度、細かいポジション操作など、ほかの参加者に勝つための要素はさまざまですが、それらのワザを自由にくり出すには、資金に十分な余裕があること、余裕がない状態に近づかないことが不可欠の条件なのです。

では、この観点を現在の相場に当てはめて考えてみます。

見ている範囲や実践しているやり方によって認識は異なりますが、私の場合、中源線の売買で大きく伸びる銘柄を買っていて“いい感じ”な一方、裁量で売買する低位株群はまだまだ動意づいていない状況です。ジワッと好転しているのですが……。

この、「あと少しで攻め時か」という状況では当然、「どこでGOサインを出すか」と気持ちが高まりつつあるわけですが、「どんな売買を計画しておくか」という具体的な部分を考えてみてください。

私の場合、抑えているとはいえ、ある程度まで買いポジションを持っています。
だから、GOサインと思ったら単純に買い増しすればいいのですが、あえて、手仕舞い売りを先行させたいと思うのです。

実際は、単純な買い増しをするだけかもしれません。
だから、ちょっと大げさな表現ですが、イメージは「手仕舞い売り先行」です。

「よし動こう!」と思ったときにポジションを増やすだけだと、「資金不足に陥る」懸念を常に抱えることになります。だから、「よし動こう→積極的に動くための余裕をつくる」というイメージを大切にしたいのです。

駅前の店を運営している、と想像してください。

商品を仕入れて棚に並べますが、棚に並べて来店客にみせることが目的ではありません。その人たちに「買ってもらう」ことが目的です。

豊富な在庫が棚にきれいにディスプレーされている状態よりも、どんどん売れて棚がスカスカ、お客さんに聞かれて「すみません、仕入れますから予約してください」とぺこぺこ謝っている状態のほうが望ましいわけです。

株式投資で、持ち株は十分にあるけど、グイグイ上がっている素晴らしい銘柄はなくて、一部は塩漬け的な状態……これは、店に当てはめると、「バンバン仕入れて棚に並べているけど、グイッと売れる商品は見当たらず、一部の商品はたぶん売れそうもない」というトホホな感じですよね。

手仕舞い売り先行、在庫不足に近づける──これが、株式投資の大きなコツです。

そのうえで、予測とか売買の細かいワザが生きてくるのです。

株式投資【虎の穴】 「ツナギ」のシンプルな活用法

つなぎ売りを活用する投資家もいますが、なんだか複雑、なんだかドタバタ……売買・トレードの軸がブレるケースが多いようです。

では、どう考えれば実践的なのか?
避けなければいけないこと(注意点)はなにか?
プロのイメージはどんなものか?

やさしく、シンプルな解説を行いました。

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【初心者から抜け出すための技術】一時的な急落にどう対応するか

株価が急落──初心者は慌てます。
「どうすればいいの?」と。

では、経験がある場合は、明確に答えられますか?

株価変動をどのように認識し、どのような準備をしておくべきか?

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株式投資【虎の穴】 手仕舞いせよ! ~売るべし、買うべし、休むべし~

売買は、「売り」と「買い」で成立します。

でも、常にポジションを抱えていたらクオリティが落ちます。
ポジションを閉じて「休む」ことも必要です。

でも、休むためには「手仕舞い売り」が不可欠。
その手仕舞い売りが難しい……

次のチャンスをつかむためには積極的な手仕舞い売り──それをラクな気持ちで実行する方法を解説しました。

→ この動画を見る 株式投資【虎の穴】(林投資研究所チャンネル)

【それホントなの?】予想が当たれば儲かる

明日は高いだろう」
「動意づいたから、来週は大きく上伸だな!」

常に予想を頭に浮かべますが、実際に当たっているのでしょうか?
多くのマーケット参加者と競争するのですから、驚異的な的中率を出すことは不可能です。

では、儲けるためにはどうすればいいの?

→ 動画を見る 株式投資【虎の穴】(林投資研究所チャンネル)

株式投資【虎の穴】 指し値を使った注文テクニック

株の売買について私は、指し値注文を否定的に考えています。

決断したら、自分が決めた数量を、そのタイミングで、確実に売ったり買ったりするべきだという哲学に基づいています。

でも、こんなやり方は“あり”だな……否定派の私が紹介する指し値のテクニックについて、今日の動画をご覧ください。

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