2月6日放送のフォローアップ
林 知之

ネガティブキャンペーンに注意

諸事情があり、1月の放送を中止してしまいました。失礼しました。

約2カ月ぶりで、やっと今年初の放送を行いましたが、その間の相場は不安定でした。でも、1月の値運びを見ると、「やはり市場は好転中ではないか」と感じます。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
年末年始の相場で見えた2023年の投資戦略

オレの銘柄だけ上がらない症候群

昨年は、メディアが投資家を脅すのに効果抜群の悪材料が目白押しでした。

ウクライナとロシアの戦争にはじまり、米国の利上げなど、色とりどり。最後は、日銀の政策について黒田総裁が「利上げではない」と説明したのに、一部の大手メディアは「利上げ」と報道していました。

でも、なんだか不安定です。
よく見れば大きく伸びた個別銘柄は少なくないのですが、わかりやすい循環物色ではありませんし、売買の成果は運の要素にも大きく左右された年だったと思います。

年末に再び雰囲気がわるくなり、でも年明け以降は、ご存じのように順調。米国のリセッションなど杞憂、世界的な株高基調があらためて強まっていくのではないでしょうか。

ところが、1月の相場は順調なようだが「オレの銘柄だけ上がらんぞ」という声も……相場あるあるです。どうしたって、期待のほうが大きくなってしまうのです。それを差し引いて、かるく深呼吸して、直近の過去を忘れて、近未来に残された「現実の可能性」に目を向けてください。

正常化がテーマ

新型コロナの扱いについて、感染症法上の2類扱いから5類にする、という議論が本格化しています。

でも、元医系技官の木村もりよさんが指摘するとおり、状況からして「ふつうの感染症」のようです。5類にする議論ではなく、特別扱いしないことを議論するのが正解ではないのでしょうか。つまり、「5類にすることさえ極端だ」という捉え方です。

おそらく、異常なほどこわがっている国民に対して、ゆっくりと対応していこうとしているようですが、いずれにしても「正常化」が今年のテーマでしょう。

放送でも触れましたが、自動車産業にも目を向けておきたいと考えています。
コロナ禍でサプライチェーンが混乱し、コロナ対策で需要と供給のバランスはさらに悪化しました。それが、徐々に正常化していく過程にあると思います。

米国の利上げも、そんな一時的かつ前例のないゆがみに対して機動的に行われたもので、金融引き締めの方向ではないはずです。

「なにかあったら、どうするんだ」とビクビクしている日本、政策が中途半端な日本でも、民間企業は着実に姿勢を変化させようとしています。

割安銘柄に目を向けたい

昨年は、ダラダラと換金売りを浴びていた銘柄が、年後半に下げ止まりました。

ダラダラ売られていたわけではなくても、安値で驚くほど動かない銘柄がありました。それらも直近で、少しだけ動きをみせています。「上がりたがっている」と感じさせる銘柄がちらほらとあり、注意深く見ているとワクワク感が生じます。

低位株投資を長年にわたって実践している私は、今年が大きな変わり目になるのではないかと楽しみにしています。そんな気持ちから昨年、個人投資家に最適な、じっくり資産形成するための手法「FAI投資法」を本格的に学ぶセミナーを実施しました。

このセミナーは全編を動画で記録し、今からでも、いつでも参加できるように整えてあります。もちろん、個別の質問でも相談でも、すべて私が直接お答えしています。

番組の最後に紹介したように、このセミナーの動画を一部、YouTubeで公開しています。
次項でご案内します。

あっ、私の強気論を展開しましたが、そうした意見に安易に乗るのではなく、自分のなかで消化し、「よしっ!」と確信を感じてからポジションを取るようにしてくださいね。これは、株式投資・トレードで最も大切な部分です。

セミナー動画を公開中

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低位株投資の技能を身につけるセミナー(全6回)の公開動画です。

FAI投資法マスタープログラム「6-1 これからの実践的課題と勉強法」

コースの詳しい案内は、こちらをご覧ください。

毎月の2本目、テーマ別の番組は本日、2月9日18時(午後6時)に公開。

タイトルは「コツンと来た日本株 安心して買える相場はいつ来るのか」、お楽しみに!


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12月5日放送のフォローアップ
林 知之

個人投資家の「武器」を最大限に活用する

個別銘柄の動きがよくなってきた、でも、すぐにほこ先が変化する……取れそうで取れないケースが多いと思います。

今の相場をどう評価し、個人投資家としてどう考えるべきか──年末をひかえた今、2022年を振り返りつつ、来年の飛躍のために考えましょう!

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
循環と底上げ ~年末高は実現するか

個別株の値動きにソワソワ

年内の立会は3週間ほど残っていますが、2022年の相場を振り返ってみましょう。

ウクライナとロシアの戦争にはじまり、おかしな空気が漂いつづけていました。ただ、メディアが書き立てる不安材料の多くは、根拠が希薄だったり、ポンコツ学者の分析をもとにしたネガティブキャンペーンだったようです。またしても……。

なんだかんだと言いながら、2022年に大きく値を伸ばした銘柄は、それなりにあります。個別銘柄の価格推移、値位置などから、「市場は着実に好転している」と私は考えています。

もちろん、メディアが報じる不安がすべてデタラメということではありません。
長年つづくデフレ問題の出口が見えない状態のまま、戦争や円安によって、タチのわるい“コストプッシュインフレ”が起きています。労働賃金は上昇していません。

企業業績は好調ですが、バブル崩壊以降に多くの企業が目指した保守的な財務戦略は、効率のわるい経営状態をつくり上げ、逆に株価低迷の要因になっているとも考えられます。

こうした分析から株式市場について弱気を唱える向きもあるのですが、円高をしのぐために海外にシフトした生産拠点は円安レベルに変化した状況下、国内回帰をはじめています。経産省も補助金を出してあと押しするなか、積極的に動く企業が出現しているのです。

保守的すぎる経営体質からの脱却──各分野で、投資先をさぐっている資金は豊富にあると考えられます。現在の低金利下で、「借金をしてでも自社株買いを進めるのがおトク」という計算は、依然として保守的な企業でも理解しているはずです。活発に継続していると報告されている自社株買いは、今後も勢いを弱めることはなさそうです。

常に新しい時代を見据えて動くのが株式市場の最も大きな特徴です。個別銘柄の動きが少しずつ活発化しているのも、近未来の明るい変化を先取りしようとする動きでしょう。

モグラたたきゲーム

近未来は明るい、とはいえ、個別銘柄について現在の値動きを見ると、なかなか扱いにくいと感じます。

  • 割安で「手堅い」と思える安値圏の銘柄を買っても、全く動かない
  • 安値圏から実際に動意づいた銘柄に乗ると、線香花火のようにしぼむ

慎重な姿勢を維持しているつもりが、イライラしながら塩漬けを増やしていたりするかもしれません。

「カンタンな相場なんてない」と理解していながらも、歯がゆい思いをしているマーケット参加者は多いでしょう。でも、相手が“相場様”なので、仕方がないのです。

相場様に合わせるべく、少し立ち止まって考える時間も必要です。

情報整理と自己評価

毎日ゲットする情報の多くは、各種のメディアが発信したものです。

前述したように、偏りのある情報なので、注意が必要です。
でも、いくら注意しても、脳内に流れ込んできます。そして蓄積されます。

円安が加速する場面では、ひたすら「円安によって起こるマイナス面」ばかり取り上げられたので、なんとなく「たいへんだ、たいへんだ」と不安になった人も多かったでしょう。でも、円安によって、海外から訪れる観光客の消費、いわゆるインバウンド消費が増えるとか、輸出産業が潤うといったプラスの面を挙げることもできるのです。

こうした情報整理は大切ですが、いわゆる情報の軸は、私たちの脳内にあります。ちょっとした情報を入手して、それに対する感想とか評価を、無意識につけ加えます。

情報は、単に蓄積されるのではなく、与えられた価値判断に自らの価値判断を追加することで偏り、次の行動の指針に大きな影響を与えます。

自分の売買経緯や現在のポジションについても、常に無意識に評価し、その自己評価を脳内に蓄積しています。ここは、大きなポイントです。

自分では客観的に分析、評価しているつもりですが、頭のなかで考えているだけだと、不合理な感情にかなり左右されます。

例えば損切り。
みんなで競争しているので、見込み違いなんてあたりまえです。
それなのに、自分だけバカなミスをした気分になり、「損切り=ミスの確定」という不要な発想で損切りのタイミングを先送りしたりします。

不要なダメ出しで、本当の意味のミス(適切な損切りをせずに損金を大きくする)をしてしまうのが人間です。でも、過大評価もあり得ます。

見込み違いがあたりまえなら、大幅利食いというナイスな結果にも、運・不運の要素がたっぷりあるはずです。それなのに、「100%自分の腕前」のように錯覚し、その後のトレードでムチャをする、なんてこともあります。当然、どこかで大ケガを負うのです。

自分自身に対してはネガティブな評価をしないよう注意してバランスが取れると思いますが、「自分が相場を動かした」というような錯覚、「値動きが見える」なんて慢心に注意し、チャートや自分の売買記録を見て、可能なかぎり客観視しようとする姿勢は不可欠です。

「ワクワク感」が重要

個人投資家は、とことん自由です。
なにをやっても許されます。

前項で挙げたのは、自由すぎるゆえの混乱ですが、今年の難しい相場で取れなかったことについて、自分に対して安易なダメ出しをせず、寛容になることだって重要です。

私たち個人投資家は、組織に属するプロとはちがいます。
損を出したら全額を自分で負担するのですが、「今年は取れなかった。来年は取るぞ!」と考えたって問題はないのです。1カ月、四半期、1年といった区切りで第三者から評価されることなどないのですから。

私は、常に上向きの力を加えてポジティブな気持ちを維持することが欠かせないと思っています。個人投資家ですから、感情や感覚を上手に活用すべきです。

やり方、手がける銘柄の範囲などについて、ある程度まで整えることが前提ですが、私は「ワクワク感」を頼りに判断するケースがかなりあります。

チャートを見ながらワクワクしたらポジションを取るかわりに、ワクワク感がいまひとつだったら自分にブレーキをかけます。「儲かるかも」と思いながらも、ワクワク感満載でなかったら手を出さない──これがマイルールです。

ポジションを取ったあとワクワク感が薄れたら、とにかく手仕舞いすることを検討します。

プロ投資家と比較して個人投資家は、情報、売買環境など多くの点で不利といわれますが、プロにはない武器もあるのです。情報をうまく整理すれば、その武器を生かすことができます。

売買活動の全般で、明るく前向きに考えましょう。
そうすれば、見込み違いのダメ玉だって、不要に重たい気分にならず適切なタイミングでサラッと損切りできるでしょう。損益に関係なく、買いポジションの売り手仕舞いは、次につながる現金化、次のチャンスをものにするための準備です。

限定公開動画は間もなく終了

番組でも紹介しました。
いま進行中のセミナーを、“期間限定”で公開しています。

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※ 2022年12月16日(金)夕方4時まで期間限定の公開です

コースの詳しい案内は、こちらをご覧ください。

毎月の2本目、テーマ別の番組は本日、12月8日18時(午後6時)に公開します。

タイトルは「出遅れ株を買うときの注意点!」、お楽しみに!


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11月7日放送のフォローアップ
林 知之

株式市場は新しい局面を迎える

日本株の混乱も終息か? そろそろ買いたい──。

買い目線で相場を見ていますが、ただ意地を通せばいいというものではありません。

実践者の目で市況を分析し、自分の価値判断は守る、そんな姿勢が大切です。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
下ブレも限定的 日本株買っていい?

ネガティブキャンペーンにもの申す

米国の金利上昇については以前から、番組内でもコメントしていました。
「一時的なものである」と。

不安要因を挙げたらキリがありませんが、現時点で米国の景気は順調です。
日本とはちがい、コロナ禍に対しても実効性のある政策を打ってきたと感じます。

そのコロナ禍の混乱、コロナ禍から正常化へのスピーディな変化のなか、一時的に生じたインフレに対して機敏に対応しただけという見方がありました。私も、その意見に賛同していたのです。

それなのに、「金利が~」と騒ぎ立てるのがメディアの仕事……その騒動に乗じてヘッジファンドの売り仕掛けが成功した──これが、今年の下げの背景だと思います。

おそらく日米金利差が生んだものでしょうが、極端な円安に傾きました。
これについて日本のメディアは、「たいへんだ、たいへんだ~」と騒ぎました。

もちろん、円安のメリットを語る新聞記事もありましたが、「円安で日本経済が壊れる」くらいの勢いで不安をあおる報道のほうが、圧倒的に多かったと感じています。

もちろん、報道されているマイナス面は気になります。
でも、円安に対応して、例えば製造拠点の国内回帰とか、積極財政による内需拡大とか、減税とか、前向きな施策について議論を促す報道は皆無で、読者・国民をただ脅しているだけ。

ふざけたネガティブキャンペーンは、やめてほしいものです。

相場様には逆らわない

さて、材料がなんだろうが、ヘッジファンドがいたずらしようが、マーケット価格こそが厳然たる事実。私たちは、なんらかの対応を求められます。

5年先、10年先を見据えてじっくり「投資」をしている立場なら、「安いから拾っておこう」と笑みを浮かべていたでしょう。でも、少なくとも数カ月単位、あるいはそれ未満の期間で値動きを追っている私たちは、相場様(マーケットの株価)に逆らうことができないのです。

「こんな相場は間違っている!」と叫ぶこともあります。
でも、口座の状況を見て必要と判断すれば、粛々と損切りします。

大きな流れを正しく読んでいても、細かい動きに従わざるを得ないことはあります。
道路で、相手の車が明らかな交通違反でも、安全のために自分がよけなければならないことがあるのと同じです。

切り取るべからず

昨日のNY市場は、ダウ平均が1,200ドルの値上がり(3.7%上昇)でした。

それを受けて翌11月11日の日経平均は817円高。
ところが、私が軸にしている低位・小型株の多くは静かな値動きです。

株価指数連動の銘柄を買うための換金売りがあったのかもしれませんが、「オレの銘柄は上がらないよ……」とぼやきたくなる相場でした。

もちろん、俗っぽさを楽しむ観客目線です。
完全に頭を切りかえて値動きを見ながら、原則どおり、自分のルールどおりに売買を考えます。そうした習慣は身についています。

最初の項でケチをつけた報道のあり方は、まさに切り取りです。
同じように情報を切り取って一喜一憂していたら、身がもちません。

情報は切り取らないこと、切り取りの情報には警戒することです。
自ら切り取る場合は、それを完全に別世界のものとして、売買戦略を考える際はちゃんとした“本番モード”にスイッチを切りかえてください。

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「4-3 銘柄選定シミュレーション」

※ 2022年11月13日(日)まで期間限定の公開です

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毎月の2本目、テーマ別の番組は昨日、11月10日に公開済みです。

株式市場は潮の変わり目 個別銘柄に目を向けろ!


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10月3日放送のフォローアップ
林 知之

株価急落の背景

今回は、ふだん触れない観点で直近の市況を解説します。

でも、よくある「解説のための解説」ではありません。
情報を整理しながら、実践者の結論を考える内容です。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
夜明け前が一番暗い……陰の極シグナルか、大暴落の踊り場か

9月下旬からはミソクソ一緒

今月も、いつもの8銘柄をご覧に入れました。強くはありませんが、こうした個別株の値動きからは、日経平均が直近の1カ月ちょっとで約3,500円も下げたと実感できません。

「いったい、なにが売られたの?」

株が全体的に売られたということですが、その内容が問題です。そして今回のテーマですが、その前に、市況解説などで挙げられる弱材料に触れておきましょう。

昨今で最も不安視されているのは、米国の金利上昇です。
でも、おそらくは、コロナ禍から正常化する過程で生じたインフレへの、極めて機動的な金利政策の発動です。株式市場を収縮させるような政策は考えられません。

リーマンショック以降、政治は金融マーケットに積極的に関与しています。
コロナショックでも、政策によって十分な流動性が供給され、金融システムの不安は生じませんでした。

つまり、世界経済のファンダメンタル状況は低下していないのです。
そのなかで日本株は、さらに割安感が高まっています。

でも実際、9月末にかけてズルズルと下げました。
9月のおわりは、安値圏にあって「もう売られないだろう」と思える銘柄を含めて完全に“ミソクソ一緒”に売られてしまいました。

番組でもコメントしましたが、私自身が裁量で売買している口座は、気持ちよく利食いした銘柄もあるとはいえ、残っているポジションの含み益が消えてしまいました。

でも、放送の翌日には再び含み益の状態に戻りました。
見通しも売買戦略も変わらず、「慎重な姿勢でポジションを維持して強気」です。

いわゆる売り仕手

8月後半からの下げについて、業界で指摘されているのは、ヘッジファンドによる売り攻勢です。

コロナショック後に株価が大きく戻りましたが、そのあとのテーマが乏しいなか、上げ相場をけん引したグロース株が伸び悩んだのだと思います。

それだけでなく、コロナ禍が正常化する過程で生じた一時的なゆがみに対応する利上げが、いい感じの悪材料として顕在化していました。

直近の下げは、世界経済のファンダメンタルに不安がないなか、ヘッジファンドが売りを仕掛けて成功したのだと認識しています。

ファンダメンタルを冷静に観察しながら、じっくりと「投資」しているマーケット参加者は、ニコニコしながら安値を拾っていたことでしょう。

相場様には逆らえない

前項で述べたように、株式市場の大局に変化はなく、大きな下げを想定する状況ではないと考えられます。

しかし、私たちの多くは、決してキケンな取引をしていないまでも、ウォーレン・バフェット氏のような「投資」ではなく、長くても数カ月、せいぜい数年単位の値動きを追う戦略です。

正確に表現すれば、私たちは全員「投機家」なのです。

その数カ月単位で株価が下げたら、極端な理由だろうが、不合理だろうが、対応を求められます。
2割も3割も逆行したポジションを抱えたら、いけないのです。

「これはおかしい」「下がる理由などない」と確信していても、短期的な値動きに合わせていくしかありません。
「相場が間違っている!」と怒りながら、淡々とポジション操作して“相場様”の動きに合わせていくのがシゴトです。

こんな“切り分け”の姿勢こそが、相場の技術、テクニックです。

主体性のある投機をしよう!

さて、「相場様に合わせるのがシゴト」と述べましたが、このさじ加減が課題です。

ただ目先の動きを追いかけるだけでは、高値を買い、安値をたたき……値動きで儲けようとしているのに、「他人を儲けさせるために売買する」存在に成り下がってしまいます。

未来の株価が見えない以上、常に“一歩遅れ”で対応せざるを得ないのですが、計画的に行動することが大切です。一歩遅れの対応を好結果につなげるのが戦略、売買の手法です。

情報を探しながらわさわさと動くだけでは、「イナゴ投資家」と呼ばれるだけです。マーケットに大きな変化が生じたときも、その背景を考えるのではなく、大衆に迎合するように発信された安っぽい解説をうのみにするだけです。

適切な姿勢をつくる第一歩は、ムリをしないこと、いつでも資金に余裕をもって売買することです。

独自の思考による自分なりの価値判断──どんなにカッコよく表現しても、客観的には単なる妄想かもしれません。
でも、適切な余裕を維持してポジション操作につなげれば、主体性のある投機が実現します。

林投資研究所が提唱する「確信ある自分流」です。

【期間限定】セミナー動画を公開

番組でも紹介しました。
いま進行中のセミナーを、“期間限定”で公開しています。

「FAI投資法マスタープログラム」第3回から、「3-1 予測とはなにか?」「3-3 チャートを描く」のダイジェスト版をご覧ください。

※ 2022年10月10日(月・祝)まで期間限定の公開です

コースの詳しい案内は、こちらをご覧ください。

次回放送は本日(10月6日)の夕刻、テーマ別の番組をお届けします。

タイトルは「反撃開始はいつ? 出遅れ銘柄か先行銘柄か、それぞれの着眼点」。
極端に売られた株式市場において、次の上昇場面で狙うべき銘柄を、値動きから純粋に考えます。番組をお楽しみに!


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林 知之

相場はタイミングが命

「安く買う」「高く売る」「銘柄を当てる」……さまざまなアプローチで臨みますが、イメージどおりに整うことなく混乱するケースが多いと思います。

振り返って考えると、さらに混乱したりします。

そんな状態を解決するために、売買のタイミング、特に「買いエントリーのタイミング」に的を絞って考えてみます。

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
日本株はイヤな売られ方……手を出すタイミングはどこ?

「安く買う」をいったん捨てる

株で儲けるためには「安く買って高く売る」という表現がありますが、実践の正しいイメージにはつながりにくいと私は思います。

まず、マーケットでは「交渉がきかない」ということが重要なポイントです。
指値注文という方法がありますが、「条件が合えば」ということであって、決して一般的な交渉ではありません。

基本的に、価格はすべて『市場まかせ』なのです。
動きがないときは異常に静かですが、動き出したらガンガンと勝手に居所を変えます。

安く買うほうが有利に決まっていますが、「今の時点で少しでも安く」という個別交渉の感覚、ふだんの買い物で有効な論理は全く通用しないのです。

ということで今回は、「安く買う」を封印します。
考えるのはタイミング、そのなかでも「エントリーのタイミング」に焦点を当てることにしました。

中源線のタイミング

番組で示しているチャートは、すべて林投資研究所オリジナルの「中源線建玉法」によるものです。

今回はルールのおさらいを割愛しますが、「一定の逆行で転換を判断する」のが基本です。

「売り→買い」という転換、つまり陽転を考えます。
下げ相場における逆行は「上げ」です。
最安値を過ぎて少し上げて、その上げ方の条件がそろえば陽転、すなわち「トレンドが上向きに変化した」と判断するので、いわゆる順張り的なエントリーを行います。

前項で捨てたはずですが、それでも「安く買う」に反するので釈然としない向きもあるでしょう。ですが、「安く買う」「買い下がる」でひたすらポジションと逆向きに動いていくのが最もキケンなのです。

だから、「上がってきた。上げトレンドがつづきそうだ。だから買う」というのが、実践のイメージとしては正しいのです。

常にこのイメージがベースですが、現実のタイミングは人によります。
状況によってもちがうでしょう。
これが今回のテーマです。

一般的なタイミング

多くの個人投資家は、材料を伴って一定の上昇をみせた銘柄に興味をもちます。
意外と“順張り”のノリなのです。

一方で、値動きを落ち着いて観察しながら「逆張りを実践しよう」「買い下がろう」として、例えば急落時に「落ちてくるナイフをつかむか否か」と考えたり議論したりします。

カラ売りの場合はどうでしょうか。
上がってきている銘柄を見て「買うか、どうするか」と検討するケースが多いのですが、カラ売りの対象とするのも、そうした“強い動き”の銘柄だったりします。

個々にツッコミどころがあるのですが、その場のフィーリングを優先させてバラバラ、戦略が定まっていない人が多いと思うのです。

値動きへの対応は臨機応変でなければいけないのですが、「自分のスタイルをもっていない」と呼べるような問題点も浮かび上がってきます。感覚に頼って目の前の利益を追うので、そうなりやすいのです。

カッコいい逆張りのタイミング

プロや上手な投資家は、スタイルを定めて売買・トレードに臨んでいます。

中源線は常に、上がりはじめたことを確認してエントリー、分割の買いをスタートさせます。

これに対して「逆張り」をスタイルとするプロは、徹底して逆張りを実践します。
といっても、自分のタイミングを決め、そのタイミングを大切にするので、視点がブレません。いつでも「買うときの狙いは近未来の値上がりだ」という気持ちを手放しません。

だから、単に「安くなった」ことを理由に買うことはしません。

「下げ止まった」「あと少しで上がる」という自分なりの確信を根拠に、「でも、少しリスクを取って先回りしよう」と覚悟して、買い値を有利にすべく頑張ります。

これが、正しい逆張りです。

ほんの少しタイミングがちがうだけで、実は中源線のエントリーと大きな差がないといえます。

「逆張り=キケンな買い向かい」ではありません。
そういうのは、映画やドラマのストーリーだけです。

買いは遅かれ

「買いは遅かれ」という格言があります。

上げ相場はゆっくりスタートするものだし、つい「安く買おう」とする結果、まだ下げているのに買ってしまったり、そこそこ安く買えたとしてもタイミングが早くて時間をムダにする、そして本格的な上げがはじまったころには精神的に疲れている……こういった現実を踏まえ、「ゆっくりめに買うのが正解だよ」という意味です。

決して、遅れて高く買うのが正解、なんて意味合いではありません。

例えば現在の相場は、個別銘柄の動きが好調かと思うと、物色の対象は意外と限定的……先回りしたつもりで買った出遅れ的な銘柄は動かない、あるいは小さなきっかけで少し水準を下げてしまうなんて状況が、カンタンに生まれてしまいます。

どんどん買わないとおいていかれる、間に合わない──こんな相場は、たまにしかありません。多くの場合、ゆっくり買う意識のほうが売買がギクシャクしないのです。

私は自分のタイミングを決めて守っているつもりですが、それでも早くなりがちです。
だから、「買いは遅かれ」という言葉を大切にしています。

【期間限定】セミナー動画を公開

番組でも紹介しましたが、いま進行中のセミナー「FAI投資法マスタープログラム」の動画を1コマ、ノーカット公開中です。

※ 2022年9月11日(日)まで期間限定の公開です

コースの詳しい案内は、こちらをご覧ください

次回放送は本日(9月8日)の夕刻、テーマ別の番組をお届けします。

タイトルは「小さく負けて大きく勝つ 4勝6敗で利益を出すトレード手法」。
直近の8月に中源線が転換(陰転または陽転)したものを10銘柄取り上げ、相場の現実である「損小利大」をガッツリ考える内容です。番組をお楽しみに!


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