勝つためには「時間」を制する
物色のすそ野は少しだけ広がりましたが、一部の銘柄と株価指数は上伸中。
こんな状況で、なにを考えるべきか。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
大相場の押し目で買うべき株と投資戦略(前編)
どうにも止まらない
どうにも止まらない──昭和の時代に流行した歌がありましたね。懐かしい。今回の放送ではサムネイル画像に入れた言葉ですが、「そろそろ下がってもいいのでは?」といった見方を裏切るように、株価指数の推移は非常に堅調です。
中源線による売買は、小さな変化に敏感に反応してポジションを動かす半面、短期間で大きく利が乗ってもポジションを維持します。そのため、ある程度のトレンドが発生すると、気持ちよく値幅取りが実現します。
現在は、強い銘柄は押しも浅くて再び上伸するといった傾向が強いので、中源線がうまく機能して取れている銘柄もたくさんあります。番組で取り上げている定点観測銘柄のひとつ、横河ブリッジHD(5911)は私自身も売買していますが、放送当日(7月3日)の大引けで23%の評価益でした(中源線シグナルどおりの売買)。
解説のための解説は不要
直近、5月以降の日経平均は、前項でも触れたように、「おやっ」と思えるほどの上がり方です。長く相場に携わっている人ほど、首をかしげていることでしょう。
私は現在、中源線の売買で心地よい状況ですが、低位割安な銘柄を狙う「FAI投資法」では、4月上旬にゼロにしたポジションをつくり直すタイミングが取れず、ちょっとギクシャクしています。低位の銘柄は春にけっこう上伸したのですが、日経平均とは逆に5月は下げていました。6月も動きは鈍く、中途半端な状況に思えてしまうのです。
私も、昨今の相場つきに首をかしげている1人です。
一昨年以降は「これから株式市場が好転していく」と予測していたので、キモチわるい日経平均の上昇も、私の予測が正しいことを支持する材料のひとつと感じ、気分はわるくないのですが、値動きについて違和感はあります。
なぜ、日経平均がこれほど強いのか──。
海外からの資金が日経平均を上げるべく動いている、といった解説もできそうですが、各種のデータを集めるともっと詳しい説明も浮かんでくると思います。ただ、考えるほど、納得いく説明をつくろうとするほど、実践から離れていくことになります。
例えばサーフィンを考えてください。
「今日の波はよくない」と、その理由を解説することに力を入れても意味はなく、その波でどれだけのパフォーマンスを実現できるかが問題です。よい波が来ているときも、その背景を考えるのではなく、誰もがパフォーマンスを上げるなかで自分がどうするかが問われます。
オトナとして情報過多に陥りやすいのですが、売買で儲けようとする立場、つまりプレーヤーとしていきすぎないように注意したいものです。
あなたの時間軸は?
いつもの8銘柄を見ると、グイグイきているものと、全く動かないものがあります。個別銘柄は常にバラバラですが、近ごろは極端に明暗が分かれます。
相場全体は強い、日経平均はまだ上がる──こうした観測から出遅れ銘柄を買う向きもあるでしょうが、目の前の勢いについていくのなら、むしろ買いにくい銘柄、しっかり上昇してきて深く押さない銘柄のほうが逆に手堅いかもしれません。
でも、秋から年末、あるいは来年にかけてのトレンドを意識するのなら、自分のスタイルを変えてまで取りにいく必要なんてありません。
ちまたの情報を気にすると、情報過多の混乱だけでなく、自分の時間軸が狂うことも懸念されます。のんびりと構えているのに、今日、明日といった短期的な視点による価値判断がジャマをしたりします。
あらためて言います。
あなたは、自分の責任と感性で株を売買する“プレーヤー”です。
売買する期間、狙う期間を意識して、情報を整理してください。
ワクワク感が増幅
さて、低位株投資において目先は、タイミングを計るのに苦労しています。
しかし、株式市場全体は好転が続いていて、今後も数年間は順調に推移すると考えているので、ワクワク感は増幅をつづけている状態です。
日経平均がこれだけ上昇しても、個別株全体では割安な銘柄がゴロゴロあります。2021年から市場全体の好転を予測し、現時点では予測どおりに変化してきていると思っていますが、まだ安値圏にある多くの銘柄が「宝の山」に見えます。
それらを対象に、「初動を捉えて、初押しで買う」のが、とても手堅い、「FAI投資法」です。
WEBセミナーの一部を、YouTubeで無料公開しているので、ぜひご覧になってください。
FAI投資法マスタープログラム「1-1 低位株投資の魅力と弱点」
FAI投資法マスタープログラム「6-1 これからの実践的課題と勉強法」
YouTubeの別チャンネル「株式投資【虎の穴】(林投資研究所チャンネル)」では、今週の水曜日から新シリーズ『持続可能な株式投資』をスタートさせました。お初の動画は「トレンドを見いだす」というタイトルで、相場のツボを解説しました。
さきほど述べた「時間軸」についても、この動画のなかで触れています。
ぜひご覧になってください。
【持続可能な株式投資】トレンドを見いだす
2020年12月新刊