「おいていかれる感」が重要
TOPIXは新高値、日経平均も切り返しています。
個別銘柄の選別、ポジションの操作はどうあるべきか。
こんなときこそビシッと考えるべきです。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
循環物色から選別投資へ~売られる株・買われる株(前編)

盛り上がらない定点観測銘柄
先月も同じようなことを述べたと思いますが、8銘柄を固定して観察しているだけだと、コーフンする要素がありません。
でも、それで正解なのです。
一般的な投資関連情報は、約4千もある銘柄から、動いているもの、話題性があるもの、材料を示して解説して読者(一般投資家)がコーフンするものを選びます。
そして、銘柄も観点も日替わりです。
そんなものが、実践に役立つ道理はありません。
毎月の定点観測、8銘柄の観察は、番組的にはイケていません。
でも、それを見て「そうか、動いていないものもあるんだ」と感じるだけで価値があると思います。
視点を固定し、判断基準を一定にする──冷静かつ実用的な観察の絶対条件です。

日経平均の大きな落とし穴
「日経平均が上がるなら、これも上がる」とか、「日経平均が上がっているのに、この銘柄は下がっている」といった観察をする人がいます。
でも、個別銘柄とは別に日経平均という数字が存在しているのではありません。
個別銘柄のうち、わずか225銘柄の平均値が日経平均です。
また、個別銘柄はバラバラに動くので、「平均」という数字には細かい変化が表れません。
上がる銘柄と下がる銘柄があれば相殺され、平均という数字は動かないのです。
だから、日経平均などの株価指数よりも、個別銘柄を中源線で判断した結果の「買い線銘柄数」を示しています。しかし、これだって“全体”をボヤ~っと表現しているようなものです。
本来は、個別銘柄ひとつひとつを見て判断し、それら個別銘柄から全体の傾向を捉えるのが正解です。でも、約4千もある個別銘柄をすべて見ていることなんてできません。
だから、銘柄を絞って「定点観測」をするのです。
プロや、賢い上級者は、なにかしらの方法で定点観測を行っています。
日経平均という数字も、情報として入ってきますが、売買の判断に直結させることはありません。

期待と現実のギャップをどう埋めるか
日経平均を見て、都合よく紹介されている個別銘柄を見る──不要にコーフンして、必要以上に「おいていかれている」と感じるでしょう。
株式投資・トレードは、レジャーとしてのスポーツ観戦とはちがうのです!
さて、日経平均とか、観点の定まらない無責任なオススメ銘柄情報とか、スポーツ観戦路線のような情報を遮断したとしても、私たち実践者には「儲けたい」という気持ちがあって期待があるので、カンタンに「おいていかれる感」を抱きます。
これは感情によるものなので、消すことはできません。
軽減しようと抗うよりも、「おいていかれる感」を判断基準にしてしまうほうが実用的です。
上げ相場なら、手を出していない銘柄(それらが圧倒的な多数)の動きをチラチラッと見て、「おいていかれる感」が湧きます。
安値圏で静かなときでも、目をつけて買った銘柄以外のものが動意づく確率のほうが、圧倒的に高いのです。
つまり、常に「おいていかれる感」が心のなかにあるのです。
感情的には矛盾です。違和感があります。
消したいと感じます。
でも、消そうとしてはいけないのです!
「常にある」のが当たり前だからです。
「おいていかれる感」を消そうとしたら、雑に手を出すしかありません。
しかし、かなり雑にいろいろなものに手をつけたとしても、全銘柄を買うことができない以上、必ず“ないものねだり”で感情的な矛盾を感じます。
だから、「おいていかれる感」があることを受け入れ、消そうとしないことです。
消そうとした結果、買いすぎて身動きが取れなくなり、余計に「おいていかれる感」が強くなってしまうでしょう。
つい先日、この感覚を実践に即、役立てるためのYouTube動画を作りました。
ぜひ、ご覧になってください。
【持続可能な株式投資】「おいていかれる感」を消そうとするな!
割安株に物色の波
出遅れ狙いは意外と難しい──番組でも、ときどきコメントしています。
でも、長期波動における出遅れ、割安銘柄への分散投資を、うまく機能させる方法があります。
日経平均がこれだけ上昇しても、個別株全体では割安な銘柄がゴロゴロあります。2021年から市場全体の好転を予測し、現時点では予測どおりに変化してきていると思っていますが、まだ安値圏にある多くの銘柄が「宝の山」に見えます。
それらを対象に、「初動を捉えて、初押しで買う」のが、とても手堅い、「FAI投資法」です。
WEBセミナーの一部を、YouTubeで無料公開しているので、ぜひご覧になってください。
FAI投資法マスタープログラム「1-1 低位株投資の魅力と弱点」
FAI投資法マスタープログラム「6-1 これからの実践的課題と勉強法」
9月、2本目の動画は昨夜、YouTubeで公開済みです。
【投資戦略 注目株】循環物色から選別投資へ~売られる株・買われる株(後編)
2020年12月新刊

































