7月1日の放送「TOPIX年初来高値を更新~次の主役を占う8銘柄」のフォローアップを公開しました。
※どなたでも、無料登録だけで閲覧できます。
株価指数は横ばいから強含みへ。市場全体が底堅いことを示しています。しかし、実際にポジションを取ると、思ったようにいかない……今回は、利益を出すための技術、ポジション操作のコツを考えてみましょう。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
TOPIX年初来高値を更新~次の主役を占う8銘柄
今年は年初から3月まで、日経平均がとても大きく上昇しました。
そのせいか、大きな下げを警戒する声が消えません。
でも私は、弱気になれないのです。
個別銘柄を見ていて、過熱感が全くないと思うからです。
こうした相場観は、番組でも紹介しているとおりです。
ただ、私だけが未来を見てきたわけではありません。
誰もが同じ条件、過去のデータしかない状況で未来を考えています。
それに、4月、5月と一定の下げをみせた銘柄だって少なくありません。
そういった値動きを取りにいく、あるいは気にしてポジションを動かしている人もいます。
私が述べる「相場の環境はわるくない」という意見に同調しても、ポジションは慎重に少なめ、「どっちでもこい」の構えを維持する人もいます。
正反対に、「下げがあるのではないか」と考えている人もいます。
なにが正しいか?
そんな観点で語ったり、論争しても意味はありません。
誰も、未来を見ていないからです。
自分なりの基準、その基準をベースとした見通し、見通しどおりのポジション、いずれにしても値動きに対応してポジションを動かすそなえ──これらが一本、筋が通ったかたちでコントロールされているか否かが問題です。
さて、番組の後半で紹介した8銘柄は、買い目線で選んだものです。
「買いを狙うなら」という条件だけでなく、「例えば」ということです。
だから、銘柄情報そのものにフォーカスするのではなく、「そんな見方もあるんだね」と参考にしてほしいのです。
私が少しでも未来のことを知っているのなら、「どこに秘密の答えがあるの?」とか「どれが未来を示すヒントなんだろう?」という発想で“宝探し”をしてくれればいいのですが、そういうことではありませんから。
特に注目してほしいのは、いつも「値動きの特性」で銘柄をカテゴライズしている点です。
日柄が経過して状況が変わってしまうこともありますが、現時点で、「こんな値動きをしているから、これくらいのタイミングで上昇するかも」なんて見通しを立てているのです。「その見方はちょっと……」と同意できない場合もあるでしょうが、いずれにしても、戦略を考えるひとつの例です。
番組で示しているのは、売買戦略のひとつの事例です。
確固たる基準で値動きを判断しています。
そして、確固たる基準で予測を立てています。
早い話が、「自分勝手」なシナリオをつくっているのです。
例えばですが……あそこに座っている彼女にオレが声をかける、すると彼女は照れながら首をたてに振る、そしてオレたち2人は……みたいなものと全く同じです。だって株の場合、最後は確信をもって買うのですが、売買の相手がいるから買うことができるのです。相手は、真剣に考えた結果として売りを決断、実行した人なのです。
どっちが正解かなんて、考えることに意味はありません。
買ってみて、少し日柄が経過した時点で、その見通しが正しいようならポジション維持、または買い増しですね。少しちがうかな、と思えば買い進まずに抑えます。完全に見込み違いかも、と思ったら切ります。そんなふうに、“相場様”に合わせることだけが、私たち実践者のシゴトです。
しかし、状況の変化にビシッと対応するために、とても自分勝手なシナリオを固めるのです。
「どうなんだろう」「みんなは、どう思っているの?」なんて気持ちだと、確固たる予測を立てることはできず、次の行動を決めることもできなくなってしまうのです。
ビシッとシナリオを固める、といっても、どうしたって100%ビシッと決めるのは難しいでしょう。「こんなふうになって、このあたりで上昇して……」みたいに、ぼんやりしているというか、あいまいな感じになるのが当然です。
それはそれで、とても自然なことだと思います。
そして、感性とか感覚で対応していく──それでいいのだと私は考えます。
すべてを数式化するのは、困難だからです。
ただ、感性や感覚はブレが生じます。
小さいブレではなく、どうにもならないレベルのブレが起こり得るのです。
土台となるもの、頼りになるものは、やはり数字です。
といっても、値動きを数式で判断するのではなく、資金量に応じて決めた株数や、大まかでいいので「動く」と予測したタイミングなどを明確にしておくことです。
さて、番組で紹介している中源線は、値動きを数式で判断して機械的に売買を決めるものですが、そのルールが極めて単純で、人間の感性や感覚で捉えることが可能なのが特長です。
このあたりが、実践者に愛される理由なのでしょう。
基本のルールを守り通すのもよし、感覚的につかんだルールに感性を加えてアレンジするもよし、という部分が、それなりにこだわりをもった経験者を納得させているのだと思います。
相場の張り方を考えていくと、本当におもしろいですね。
2020年12月新刊
日経平均は横ばいで推移しています。
それを見て「動きがない」「様子見気分」……もっと実践(現実の売買)につながる思考を展開するべきです。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
波乱含みの日本株市場~中長期目線で買う8銘柄
日経平均は直近、保合(横ばい)をつづけています。
でも、個別銘柄は上がるものあり下がるものあり、いわゆる“跛行”(はこう)相場です。
「チグハグ」と表現したり、例外と捉える向きもありますが、本来そういうものだと私は理解しています。
最近でも、日経平均が1%超の上昇をみせたのに私の持ち株がマイナスだったり、逆に日経平均がマイナスなのに持ち株のうち2銘柄が新高値を取っていたり……特に驚くことではありません。ただ、日経平均と個別銘柄の動きが極端に異なると感じたとき、「日経平均だけが高い」とか「日経平均が安いだけ」と感想をもらすことはあります。
でも、それ以上は考えず、個別銘柄全体(見ている範囲すべて)の流れ、手がけている銘柄の値運びを見て、自分の戦略に思考を集中させます。
それ以上、日経平均の数字を考えるのは、日経平均を売買対象としている場合だけです。
日経平均にはじまって日経平均でしめる──こういう色彩の解説は、子どもだましです。個別銘柄の売買にはつながりにくいだけでなく、儲けをジャマする盲点を生みます。
実際に5月は、しっかりと上昇した銘柄がある半面、それなりの値幅で売られた銘柄がありました。横ばいではなく、含み益が増えたり減ったりの変化が、くっきりとあったのです。事件は起きているのです。
後半で紹介した東陽テクニカ(8151)も、日経平均とは異なる動きで上値を取っています。
相場についての思考は、おかしな方向にゆがみやすいのです。
前項で否定した「日経平均の視点」は、カンタンに語ることのできない相場全体を、安直に語ろうとして生まれるものです。
相場というのは、無限の選択肢が継続する複雑な行為です。
言語化しにくいものなのです。
だから、安易に言語化しようとしたときに誤りが生じて当然です。
持ち株が総じて上昇し、満足いくレベルの含み益が出たとします。
でも、利食いしていないから、あくまでも「含み」です。
ところが、気持ちのなかでは「勝った!」という感覚です。
他人に話してドヤ顔をしたくなるのです。
そして、含み益が出ている様子を誰かに話してしまいます。
えてして目先の天井、そのあとガッカリするのです。
「含み益が出た」という過去を切り取って語るから、そのあと期待外れの変化があると受け入れられないのです。
未来を考えると、どうなるでしょう。
今すぐ利食いすれば、含み益が実現益になります。その利益は消えません。
でも、さらに上昇したら、「儲け損なった」と悔しがるはずです。
日経平均を軸に語るのと、含み益で舞い上がって語るのは、全く別の事柄ですが、「安易な言語化のために切り取る」という点で共通です。
定点観測銘柄に、ソフトバンクG(9984)があります。
大橋さんが、ソフトバンクGの上昇と、日経平均が下がらないことを結びつけてコメントしました。そのとおりなのですが、この2つの情報から「だから」と語ろうとすると、実践から離れた迷走の世界に踏み込んでしまいます。
ダークサイドは常に、すぐ近くに存在しているのです。
番組では、個別の8銘柄を取り上げ、「切り返しを待つ」「トレンドに乗る」「手仕舞って様子見」の3つに分類しました。
この分類がパーフェクト、というつもりはありません。
数が少ないし、分類の観点はほかに多数あるでしょう。
でも、予測不能の株価を相手に、利益を求めてポジションを取るうえで、値動き傾向で分類するのは実践的です。ポジションを取ったあとの近未来に行うのは、つくったポジションの対応(維持、減らす、増やす)です。それを考える、重要な基準をつくることが可能です。
既存の情報を、やみくもに否定するのが正解ではありませんが、安易な情報の扱いが多いのはたしかです。自分自身の大切な資産を動かすために“どんな情報が的確か”を考えるように努めてください。
番組のなかでチャートを示し、値動き傾向や今後の見通しを話しています。
極めて個人的な見解で、当たるかどうかわかりません。
誰が予測しても、当たったり曲がったり……実践では、そのズレを確認して“次の一手”を決めます。
だから、前項で述べたように、私たちプレーヤーに求められる「対応」、すなわちポジション操作を軸に、いや、“ポジション操作がすべて”と考えて情報を整理するべきです。
その対応を考えるときに欠かせないのが、「日柄」という要素です。
番組でも、「あと少し日柄が経過しないと判断が難しい」といったコメントをすることがあります。下がって、値ごろ的に買いたいが日柄が足りないから手を出さないとか、それなりに上がっているけど日柄が短いから「相場が若い」と判断、もう少しねばってもいいのではないか、といった感覚です。
それらがあっさりと裏切られるのも相場の現実ですが、少なくとも対応、自分なりの確固たる戦略を決定することには直結します。
「最終的な答え=ズバリ未来を当てること」なんてイメージが少しでもあると、売買全体が大きく狂います。「外部の情報は、自分で考えるためのヒント、考える方法を考えるための材料」と認識していれば、無責任な情報に振り回されることはありませんし、私たちの番組から拾う断片的な情報も、有効に活用できるはずです。
2020年12月新刊
5月13日の放送「改めて意識されるバブル高値~ブレイク前に買いたい8銘柄」のフォローアップを公開しました。
※どなたでも、無料登録だけで閲覧できます。
株式市場全体の環境は、良好な状態が継続していると考えます。
でも、3月決算の発表を受けて買われる銘柄がある一方、ネガティブな評価でトレンドを崩す銘柄が目立っています。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
改めて意識されるバブル高値~ブレイク前に買いたい8銘柄
私は毎年、「春高」という観点で相場を評価します。
必ず春に高い、とは決まっていません。
むしろ逆のこともあります。
それを踏まえて、とりあえず「春にはぼちぼち買われる」という前提で、個別銘柄を幅広く観察します。
今年はどうだったか。
先月のフォローアップでも触れましたが、年初から日経平均が大きく上昇しました。
そのわりに、個別銘柄の伸びはありませんでした。
ところが、隅にある意外な銘柄まで適度に買われた感もあったのです。
マーケットの環境はわるくない──3月決算が出そろったところで、あらためて人気化する個別銘柄が出現すると期待していましたが、現時点では、むしろ逆の流れです。
決算発表後に買われた銘柄もありますが、それほどわるくないのにネガティブな評価を受けて売られる……そんな銘柄が目立つ気がします。
私が見ている範囲が偏っているのかもしれませんが、実際に中源線の分析を見ていると、「指数が強くて個別が弱い」という傾向が表れています。
長い間、相場を見ていますが、例えば長期的な安値圏にある2つの銘柄が同じような条件なのに、ひとつは低迷をつづけ、もうひとつは人気化して大暴騰、なんてことがあります。
これを当てる? いやいや、ムリなんです。
それがわかったら、とっくの昔に私ひとりでこっそり、すべての市場が壊れるまで儲けて、世界一の金持ちになっていますから。
結局は、“とりあえずの結果”を見て、対応していくしかないのです。
いわゆるポジション調整、ポジション操作です。
私たちには感情があるので、「できのわるい子ほどかわいい」なんて心理があります。
学校のクラスに成績のよくない子がいたら先生は、立場的にも心情的にも放っておけません。
でも、私たちが相手にするのは、単なる株の銘柄です。
ただの“カネ儲け対象”でしかないのです。
できのわるい子をかわいがるなんて感覚を持ち込まず、冷たく捨てるのが正解です。
できのわるい子を冷たく捨てる──たぶん、社会人としての行動規範、道徳みたいなものを少しでも持ち込むと、実行しにくいのだと思います。
そんなつもりはなくても、つい持ち込んでしまうのです。
解決策はひとつ!
「儲かるトレーダーを演じる」という感覚をもち、常にそれを手放さないことです。
家族といるときはリラックス、でも、家族一人一人を守るつもりで状況を見ています。
言葉はカジュアルです。
同じ人間が仕事場に行くと、キリッとした表情で、スキのない敬語を使うでしょう。
2つの言語を話すバイリンガルどころではありません。
誰もが、かなり器用な“切り替え”を、無意識に実行する能力があるのです。
スゴいことです。
だから、相場のことを考える際は、俗世間から離れてキリッと、“相場モード”になるべきです。意識するだけで、誰でもできちゃいます。
利益を上げている上級者も、プロも、同じ人間です。
感情や心理は、初心者と同じです。
結果に差があるのは、売買行動の決め方、そのプロセスを意識していることだけです。
上がると思って買った銘柄が弱含み……「今売ると損が確定する」=「自分がバカだったと認めなければならない」と思うのは、同じです。
でも、「イヤなんだけど、このポジションは現金化して、ほかのチャンスをさぐるのが正解だよな」と気持ちをまとめ、淡々と損切りを実行に移します。
この行動を支えるのが“相場モード”です。
「自分は儲かるトレーダーだ。ほかの人ができない行動を、ビシッとやるんだ!」という意識、「本来の正直な行動ではないけど、そんな行動を取る人物を演じるんだ」という気構えです。
予測を当てる必要はありません。
もちろん、ポジションのもととなる予測が100%曲がったら、利益のチャンスはゼロです。
でも、そんなことは起こりません。
サイコロをころがしたって、上か下かの予測は50%当たるのです。
だから、必死に考えても、50%を少し上回る程度の的中率が限界です。
そして、前述したようなポジション調整が必要なのです。
ポジションをつくったあと少し時間が経過すると、とりあえずの答えが出ます。
「どうやら予測が当たったようだ」とか「なんか見込み違いな気がする」とか。
これを受けて、“ダメな子”をバサッと切って、“よい子”は大事に抱えておくべく、ポジションの調整、銘柄の入れ替えを行うのです。
5月に入り、株式市場全体は水準を保っています。
でも、株価指数も個別も“熱い”動きはみられません。
3月決算が出そろって、なんとなく新しいトレンドがはじまりつつある感じです。
落ち着いて観察し、“よい子”と“わるい子”を自分なりに見極めましょう。
予測が当たったか否かは、ただの過去の話です。
未来を見据えて、自分の手の内を、コツコツとよいかたちに整えるのが相場という行為です。
2020年12月新刊
4月15日の放送「株価調整は値幅より日柄に注意! 狙いを定めて買う8銘柄」のフォローアップを公開しました。
※どなたでも、無料登録だけで閲覧できます。
株価指数の動きが鈍くなってきました。
でも、マーケットから資金が逃げていく雰囲気は感じられません。
迫力はないものの、隅々まで買われて一巡した感もあり、迷うところです。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
株価調整は値幅より日柄に注意! 狙いを定めて買う8銘柄
私は毎年、「春高」というものを意識して株価を観察します。
逆に、春が安値ということもあるのですが、「春高のパターンが多い」前提で株価を観察すると、基準をもった分析が実現すると考えているからです。もちろん、これが最善とは言いきれません。基準は不要な先入観にもなり得ます。
今年はどうでしょうか?
1月以降、日経平均はガッツリと上昇しました。
個別銘柄については、なんだかもの足りないうえに、わかりにくい、勢いづく場面がない……等々、春高を判断する感覚を狂わせるような状況に思えます。
でも、意外な感じで、隅っこの銘柄まで買われた感もあります。
多くの銘柄を観察していると、「こんな銘柄が上がっているよ」といった印象があるのです。
春高があった、もう終了した──こんな分析も成立しそうですが、私は、裁量で持っている買いポジションを維持する予定です。少しの間、下げ傾向かもしれませんが、そんななかでも動意づく銘柄があってもいいと考えています。
中源線によるポジションはシグナルどおり、売りと買いが適度に混じっています。
機械的判断と、複数銘柄を組み合わせた“バスケット取引”の強みで、ストレスフリーな状態です。
番組でもご覧に入れた、中源線による分析結果「買い線銘柄数」推移を示します。
3月後半にかけて、おそらく配当取りの買いが優勢だったのでしょう、買い線銘柄数はグッと増加しました。しかし、配当落ちとともに再び減少しました。
ずっと行ったり来たりで、市場全体が盛り上がった2023年9月、日経平均が勢いよく上伸しはじめた2024年1月、そして直近の配当取りと、買い線銘柄数が増えても1,400銘柄前後と、極端な増加はみられませんでした。
また、2023年10月に激減した時を除けば、それ以降、買い線銘柄数がガタガタと減る場面がありません。
私は、「市場全体の環境は良好だが、過熱することもない」と捉えています。
でも、逆の見方だって成立します。
「ぼちぼちの流れになっても限界がある……」というように、これから先を悲観する向きもあるでしょう。
実際、前項で述べた私の楽観論は、放送翌日以降の下げで「あれっ」という感じです。多少の弱含みは想定していましたが、「こんなに全般が売られるの?」というところです。
いずれにしても、前項で挙げた「春高」と同様、自分なりの見通しをもち、実際の値動きとのズレを見て「ポジション修正」を考えていくのが相場・トレードです。
個人の見通しは当然、個人的な感情や感覚に左右されます。
とても、あやふやなものです。
でも、感情や感覚を駆使しないと、臨機応変な対応はできません。
機械的な判断を用いる場合でも、根底にあるのは生身の人間の発想です。
私は、感情や感覚をムリして否定するよりも、上手に活用するべきだと考えます。
中源線は数式で判断していますが、極めてシンプルなルールで、常に「なぜ転換したか」を感覚的に捉えることが可能です。したがって、「勝った理由」「負けた理由」もハッキリしています。
このあたりが、多くの実践者が認める部分だと思います。
さて、感情や感覚の重要性を強調しましたが、危うい面もあります。
多くの場合、危うい面がわるい結果を生んでいるといえるでしょう。
結局は、資金管理、ポジション管理で、結果の“振れ幅”を制御するしかないのです。
タイトルに「勝ち続ける秘策」とつけましたが、百戦百勝は不可能です。
現実の結果は、勝ったり負けたり……
でも、負けを小さく抑え、勝ちを少し伸ばし、着実に利益を積み重ねていくことは可能です。
予測を当てるというムリな挑戦ではなく、現実的な思考で結果をコントロールするのが正解です。
ちなみに中源線は、売買の判断だけでなく、資金配分についても規定があります。
とても実践的な“売買ツール”なのです。
2020年12月新刊
2月5日の放送「バブル高値更新を占う! 先行株・出遅れ株 8銘柄」のフォローアップを公開しました。
※どなたでも、無料登録だけで閲覧できます。
日経平均がバブル期の高値に迫っています。
でも、「過熱している」とは全く感じないのです。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
バブル高値更新を占う! 先行株・出遅れ株 8銘柄
日経平均が、バブル期の高値38,915円に近づいてきました。
ふだんから、「日経平均なんかで相場はわからない」と述べています。でも、昨年からの指数上昇は、少なくとも、「株式市場が好転しつづけている」ことの証だと感じます。
ちまたには、株価指数の上昇について、「バブルだ」「キケンだ」といった否定論もあります。すぐにネガティブなことを言う……日本人の特性かもしれませんが、バブルの高値当時とは、企業の業績や財務のレベルが全くちがいます。これだけ上がっても、「まだまだ割安」といえる状況です。
私は、いつもコメントしているとおり、ひたすら個別銘柄の動きを見ています。あとで述べますが、「まだまだ動きがない」銘柄が驚くほど数多くあるのです。だから、市場全体が過熱しているという感触はありません。
日経平均のバブル期高値更新──水準に注目する向きも多いようですが、“平均”という単なる数字は、どこかで高値を更新するでしょう。でも、更新しないうちはどうとか、更新したらどうとか……そんなものはないと思います。少なくとも、「売買で利益を上げよう」とするプレーヤーが気にかけるような観点ではありません。
ちなみに、日経平均が1月末から約2,000円幅も上昇しているなか、個別銘柄の買い線数はどんどん減少しています(中源線による旧東証一部銘柄の分析)。
全体に強い状況なのだと思いますが、「株価指数だけが高い」「半導体関連だけが高い」「小型株は買われていない」などと、いろいろな声があります。なかなかに、ゆがんだ相場です。
1月には、「新NISAで日経平均が上がっている」との報道がありましたが、個人投資家と投信は日本株を売り越していたというデータがあります。
新NISAで、「よし、今から」と考える個人投資家、あるいは個人投資家予備軍だった人たちが行動を起こしたのはまちがいなさそうです。でも、資金の大半は米国を中心とした海外に流れているようなのです。
経済紙の記事なんて、いいかげんなものです。
株を買っていない首相が外遊先で「日本の株を買ってくれ」などと言っているのに、海外市場の金融商品が非課税制度の対象になっている理由が不明です。
それでもNISAは、今後も若い層の市場参加を促す、大きな下支え材料だと思っています。
ただ、本格的に売買する向きには、「あまり考えるな」とメッセージを送りたいのです。
いや、上手に使えば節税になる、確実に有利になる、といえるのでしょうが、もともと利益の約20%しか取られません。
オフィスも、従業員も、大きな設備投資もなく実践できるのが株の売買です。個人のレベルなら、大きくても数億円でしょう。株式市場の規模を考えたら、全ポジションをサッと閉じることが可能です。つまり、一瞬で活動をゼロにできるのです。
それだけ効率がよくて小回りも効く、そのかわり、厳しい競争のなかで利益を獲得しなければならないゲームなのです。
NISAは、そんな積極的かつリスクのある経済活動に対して、損失を補填してくれる制度ではありません。あくまでも、利益が出たときに、その一部を非課税にしてくれるだけです。
だから、最も大切なのは「勝つか負けるか」です。
勝てば、どんなに利益が大きくても、約20%を払えばおわりです。
でも、負けてしまったら……なにをどう工夫しても、損失額を取り戻す術はありません。
私もそうですが、周囲の実践者たちは「めんどくさいから、見ていない」のひと言で片づけています。
直近の相場について、「小型株は買われていない」という意見を紹介しました。
実際は、買われていないどころか、けっこう売られているのです。
2月8日以降、日経平均が上昇しても下がる、日経平均が下落したら一緒に下がる……「なんなの、これ?」とイライラするような値動きです。
NISAも、東証がPBR1.0未満の割安な企業にハッパをかけていることも、長くゆるく効く強材料だと考えています。でも直近、もしかしたら、NISAにからんだ日銀の出口戦略なんて思惑が働いて、小型銘柄が売られているのかもしれません。
私の個別銘柄観測は、月足を使います。
短い期間に目を向けたときも、自然に数年間のトレンドをチェックします。常に、5年、10年といった“本当の意味の株価トレンド”を気にかけています。
そうした観察や、今までの経験から、出遅れ銘柄や、直近で弱い小型銘柄について、動くまで時間がかかるケースも少なくないが、買われる時期が訪れると考えています。日経平均を見て「過熱している。売り場だ」ではなく、「これからが仕込み時期」くらいの感覚です。
相場観を押しつけても意味はありませんが、少なくとも、日経平均だけですべてを語ろうとするような情報には、注意してほしいと思います。
競争で勝つためには、安易な情報集めをしないことです。
株価、業績、といった“素の情報”を自分の目で見て、「自分自身が情報の発信者になる」ことです。
2020年12月新刊