「下げたら買い!」で本当にいいの?

相場にあるのは「売り」と「買い」だけ──。

とはいっても、強気なら買えばいい、
「下げたら買い」を実行すればいい、
というわけにはいきません。

値動き判断と上手なポジション操作で「難をかわす」のがプロの売買です。

→ 動画を見る(林投資研究所YouTubeチャンネル)

下げ止まった銘柄を引きつけて買う

日経平均が29,000円を回復……といって、投資家をあおる趣味はありません。

落ち着いて相場を観察し、悔いのない一手を決める実践的な姿勢を説く番組です。

ウイークエンド株式投資10月15日のタイトルは

『下げ止まった銘柄を引きつけて買う』

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10月4日放送のフォローアップ
林 知之

ミスを生まない売買のコツ

いよいよ個別銘柄が上値追いを競うか──こんな状況から一転、ガタガタと売られた株式市場。

現状の分析とともに、「ミスを生まない売買」を考えてみました。

映像は、「YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」」でご覧ください。
買いたい弱気? ●●ショックに備える投資戦略

今の環境は「良好」だが……

私は、政治と株価を結びつけることに抵抗を感じます。
因果関係が不明確なのに、政治の動きと株価変動を結びつけ、まことしやかに語る情報が多い投資関連情報の現実が、実にキモチわるいのです。

でも、株価にとって政治は無縁ではありません。
例えば現在のコロナ騒動は、多くの事象を単純化して認識する意味で、「政治によるもの」と捉えています。

そして、2020年春以降の株高も、政治の力が働いたマーケットへの資金供給が根底にあると理解しています。

そもそも、リーマンショックを機に、政治が金融マーケットを明確に意識するようになったと考えています。価格を市場メカニズムだけにまかせず、必要ならば手をさしのべる──それにとどまらず、金融マーケットを経済の動脈として重要視し、意図的に株高を背景とした経済発展を図ろうとしているといえます。

日本は、アベノミクスで大胆な金融緩和路線に傾きましたが、財政支出の伸びが抑えられていることが問題と指摘されて久しい状況です。だから、緊縮財政派の岸田文雄氏が首相になったことでマーケット関係者はガッカリ……直近の下げを「岸田ショック」と呼ぶ姿勢は、それこそ安易な結びつけながら、「要因のひとつかな」と納得してしまいます。

とはいえ、新型コロナウイルスによって疲弊、ゆがんだ経済状態を回復させるため、コロナ禍で生まれた財政拡大の潮流は変えられないでしょう。それ以前からつづく株価上昇のトレンドは、少しくらいのことでは崩れません。他国に後れを取っている日本の株価は、順調に上げ歩調をみせると予測します。

現実に、2020年11月から少しずつ兆候が現れはじめた個別物色の色彩は、2021年になって強まり、ジワジワとながら裾野が広がりつつあると感じています。株式市場は堅調、私の見通しは楽観、強気継続です。

ところが、張り切って個別株でポジションを取っても、動いてくれない銘柄が多数あります。そこで、非常に強い銘柄を選んで乗っても、「出そうで出ない」歯がゆい状況の繰り返し……ハマらずにイライラする参加者ばかりでしょう。

株式市場は堅調ながら、利益を取るのは難しい状態です。
特に、短期的な利益を狙うと、見事に裏切られて振り回されるのが当たり前です。

「自分だけがダメなのか」などと考えず、悲観せず、しかし難しい相場に合わせてポジションを抑えながら取り組んでほしいと思います。

金融所得課税の強化はあり得ない!

岸田内閣の発足にあたり、金融所得に対する課税強化がささやかれています。
現在20%の税率を30%に上げるとか……。

株式市場は、経済の血液であるカネを動かす大動脈のひとつ。
長年にわたって空回りする「貯蓄から投資へ」という国策を進めるためにも、経済にブレーキをかけないためにも、リスクを取ってマーケットに参加する者を優遇する発想が適切です。

これしきのことで株高の流れは消えないと確信していますし、仮に税率が30%になっても、株を売買する魅力、優位性は十分に残ります。いずれにしても、儲けたうちの一部分を取られるだけですからね。

でも、健全な株高を支えるのが政治の役割。
少なくとも、やっと「30年の空白を経て実現した株高に水をさすな!」ということです。
株価指数の騰落を、いちいち政治と結びつけることはしなくても、大きな構造に目を向ける姿勢は大切にしているつもりです。

金融マーケットを理解しないなんてリーダーの資格なし、単なるアホです。
アホが不適切なら唐変木(とうへんぼく)、それでもダメならトンチンカンなオトナと表現します。

これを読んでいるあなたも、投資家として目の前の利益を追いながら、一方では有権者として、「株式市場や参加者をどう位置づけるか」を考えてほしいと思うのです。

適正な資金稼働率とは?

さて、政治の話を離れ、コテコテの実践論に移ります。

「これだ!」と思っても出そうで出ない……それなりに器用な投資家でも、いつの間にやら、ダメなポジションが手の内に蓄積してしまいます。

今回の放送でテーマとしたのは、このような状況に陥らない売買スタイルの構築です。
予測不能の急落がきた、よい銘柄は積極的に拾いたい、でも資金に余裕がない──こんな腹の立つ状況を生まないために、どうしたらいいのかということです。

相場なので、常に不測の事態が起こります。
いえ、すべてが不測の事態なのです。

だから、どんな状況でも、「売っても買ってもいい」「ポジションを増やしても減らしてもいい」と言いきれるくらい中立寄りの姿勢を保つのが、唯一最大のコツです。

資金を目いっぱい使ってポジションを取る投資家が多いかもしれませんが、「相場のカネとタコの糸は出しきるな」という格言どおり、「どちらにでも動ける状態」を維持できるかどうかが、不測の事態を吸収し、なおかつチャンスにつなげる方法です。

抵抗があるかもしれませんが、通常の資金稼働率(全売買資金に対するポジションの金額)を、3~4割にしてみてください。「えっ」と思うでしょうが、ほんとうです。次項で、そんな姿勢が正解だと体感する具体的な方法を説明します。

「適正値」を自分にすり込む方法

予測の的中率は限界が低いので、資金に余裕をもつことで「臨機応変かつ結果につながる対応」を可能にする──これが、相場の実践論です。

まず、資金を固定してください。
売買口座から現金を出したり、コーフンしてポジションを膨らませながら資金を足したり、そんなことをやめてください。固定しておける金額を「売買資金」と定義してください。

商売で現金が余っている期間、短期の上げを狙ってよさげな銘柄に突っ込む……言語道断です!

そして、個々の銘柄の値動きを追って売買しながらも、資金稼働率を意識してください。損益の状況も丁寧に記録して、調子がわるいときにポジションを膨らませたりしないよう注意するのです。

調子がいいときは攻めっ気を出して“取りにいく”のも自然ですが、「いつどうなるか、わからないのが相場」という認識を忘れてはいけません。

少し攻めたときの資金稼働率、かなり攻めたときに達する一時的な最大資金稼働率、等々、自らの基準を設定することが大切です。こうした判断要素があると、「当てたい」と考えて迷っても外部の情報が気にならないでしょう。独立したプレーヤーとして考える姿勢が生まれます。

買いたい銘柄が見つかった、でも資金がない、なにか売らなくちゃ、塩漬けばかりだ・・・
これでは、予測以前の問題、悪循環しか生まれない売買です。

とにかく、チマチマとした感じで資金稼働率を抑えるのです。
最初は無理やりなガマンかもしれませんが、自由な状態が継続する心地よさは、実際にやってみればわかります。

次回は10月11日、第2週なのでテーマ別の番組をお届けします。
タイトルは「低位株に妙味!? 10倍株は、強い形の先行銘柄から現れる」。
中源線による数カ月先の予測を経て、少し時間軸の長い近未来まで考える内容です。
お楽しみに!


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いつ売る? どこで手仕舞いするか?

値動きが大きいなかで「売る」行為は、私たち投資家・トレーダーにとって、まさに永遠のテーマ。

この難しい問題について、実践的な観点で解説し、低位株投資の手法「FAI投資法」が掲げる売りのルールを紹介しました。

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