銘柄選定、株価予測、マーケット分析……必死に取り組んでも、株価はとことん裏切ってくれます。
利益を取りにいけば、「えっ」と驚く金額の損失が生まれることもあります。
株価の先行きは読めなくても、結果(損益)を自らコントロールする方法はあります。
銘柄選定、株価予測、マーケット分析……必死に取り組んでも、株価はとことん裏切ってくれます。
利益を取りにいけば、「えっ」と驚く金額の損失が生まれることもあります。
株価の先行きは読めなくても、結果(損益)を自らコントロールする方法はあります。
動いた値幅をすべて取ろうとするな!
動きはじめ(アタマ)とトレンドの最後(シッポ)なんて他人にくれてやり、わかりやすい「身」の部分だけをスマートに取ろうということです。
でも、わざわざ捨てることもありませんよね。
「アタマとシッポはくれてやれ」という戒めの言葉から、いろいろなケースを想像し、実行可能な売買テクニックや、適切な考え方をさぐってみました。
チャート観察において、誰もが気にかけるのは「転換点」です。
下げから上げに転じるポイント、保ち合いから上昇に移るタイミング、そして上昇トレンドが終了して下げはじめる値動きパターン……。
万能の法則なんてありません。
人によって、見るポイントや見極めの方法はちがいます。
ただ、ある程度の「お約束」はあります。
「安く買って高く売る」
高く買って安く売ったら損をするので、実にあたりまえのことなのですが、この説明が実践者を誤った方向に向かわせるのです。
指数が急激に戻った株式市場を見て、「なにか買わなくては!」と感じた投資家は多いかもしれません。
でも、落ち着いて市場全体を観察すると、意外とそうでもない──少なくとも、第三者には、「手を出したい」という感覚が極端なものに映ることでしょう。
実際、値動きはあらためて弱々しくなっています。
映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
いつか来るドスン! 保ち合い相場でやるべきこと
売買の分類には、いろいろな観点があります。
多くの人は、例えば「順張り/逆張り」とか「中長期/短期」といった分け方を思い浮かべるでしょう。でも、一般的な投資関連情報には登場しない観点があります。
それが、銘柄を「選別する」か「固定する」かという区別です。
銘柄の選別というのは、多くの個人投資家が行う方法で、「今から手がける(買う)のなら、どの銘柄がいいか」というものです。もちろん、機関投資家だって、「どの銘柄をファンドに組み入れるか」と選別します。
それに対して銘柄の固定とは、手がける銘柄を思いきり絞り込む方法です。
例えば、値動きを追いかけるのが30銘柄でも、同時にポジションを取るのは「3銘柄まで」とか、極端な場合は、そもそも1銘柄しか見ない、といった姿勢です。
極端な銘柄の絞り込みは、それこそ古い時代、資金の流れが国内の閉鎖的な範囲にとどまり、売買対象となる企業の業績や業種・業態の変化がゆるやかだった時代の発想かもしれませんが、「一定範囲に限定する」ことは現在のマーケットでも有効です。
株式市場に関する情報は、無責任なほど“その場かぎり”です。
不特定多数を対象に「情報を売る」ため、とにかく目新しい情報を出しつづけるからです。
読者(個人投資家)は常にワクワク感を維持できますが、その手の情報に目を向けて儲かるかどうかは疑問です。
視点が全く定まっていないため、対象を絞り込む姿勢がゼロ、とても無節操なのです。
一般的な株の情報は、「視点が定まっていない」と述べました。
でも、視点が定まったら、多くの人がワクワクする情報をコンスタントに発信しつづけることができません。構造的な問題です。批判を避け、自分の取り組み方を考えましょう。
では、個人投資家であっても、常に抑圧的に、修行僧のように株式投資に取り組むべきなのでしょうか?
そんな姿勢をもつことができたら、大きなアドバンテージです。
でも、私たちは感情をもつ人間なので、やはり俗っぽい楽しみの要素がほしいところです。
楽しみの要素は、「あったほうがいい」ではなく、はっきりと「必要だ」と考えます。
例えば、キツい筋トレを日々やっている人は、キツいことが好きなのではなく、筋トレによってつくられる運動能力とか美しい肉体を持つことに、強い楽しみを感じて継続するのでしょう。
ただ、株式投資において、安易に楽しみの要素をもとうとすると、手に入りやすくて視点が定まらない無責任な情報を利用することになってしまうのです。
楽しみの要素は必要。しかし、一般的な楽しみの要素は利益につながらない──どうしたらいいのか?
突破口は、「他者と差をつける」という発想です。
個人投資家は通常、「自分」と「株式市場」しか見えていません。
その姿勢はシンプルな思考をつくるうえで有効ですが、ほかの市場参加者という存在を意識することも大切です。
ズバリ、“カネの取り合いをしているんだ”という認識から、「平均的じゃダメだ。少しでいいから上にいこう」と考えることです。
ストイックに考えてみたり、工夫してみたり、習慣を改善するために努力してみたり……いくらかの力を加えることが求められますが、前項で挙げた筋トレのように、その行為そのものが楽しくなくても、それによって上のステージにいく自分の姿を楽しみの要素と捉えるのです。
エネルギーたっぷりの推進力、馬力のあるエンジンを動かしつづけるようなパワーを得られると考えられます。
さて、「他者と差をつける」という発想で取り組んでみるにも、「じゃあ、なにをすればいいの?」と止まってしまうかもしれません。
自分が思いつくことなら、どんなものでもいいと思います。
「あれっ、これじゃ幼稚かな?」とか「これは極端すぎるか……」と感じてしまっても、そこでやめないでください。
安易に情報を探して「受け身になる」ことが問題なのです。
たとえヘンテコだと感じても、自分が思いついたことには大きな価値があります。
例えば、番組で継続している「定点観測」は、まさにこの路線です。
思いつきで銘柄を選んだとしても、同じ数銘柄の値動きを追いつづけ、単純に「上がる」「下がる」といった予想でもなんでも、自分の脳内で情報をつくり出す作業をしてみてください。
さきほど「ほかの市場参加者という存在を意識しろ」と述べましたが、あらためて自分だけの世界をつくるのです。
予想を立てても、当たったり当たらなかったりします。
でも、ゼロから自分で考えることで、ちまたの市況解説や騰落予想がどのように生み出されるかを理解できるでしょう。それに、必死になって探しても「ピシピシ当たる情報なんてない」、ということも強く確認できるはずです。
小さなことでもいいから、自分で考えてみることです。
特別な知識や、難しい理論なんて不要です。
誰が考えたって、未来の株価を知る術はないのです。
受け身ではなく、自分で情報を生み出すことに快感を覚え、楽しむ要素を発見してください。
次回放送は本日(4月7日)の夕刻、テーマ別の番組をお届けします。
タイトルは「二番底を待つか、ブレイク狙いか 大底を打った相場の投資戦略」。
二番底狙い、押し目買い、ブレイク狙い──3つのカテゴリーに当てはまる個別銘柄を取り上げ、実際にポジションを取ることをリアルに考えた内容です。
個別銘柄をお楽しみに!
2020年12月新刊
逆張りはプロ、順張りはダメな素人……ホントですか?
そもそも、「逆張りの定義」は?
言葉の意味を確認しながら、実践における正解(儲かる考え方)をさぐります。
東証が市場区分を再編する?
プライム、スタンダード、グロース?
よくわからないよ、メンドクサイねぇ……
そう言わず、概略だけでも理解しておきましょう。
ざっくり、わかりやすく、カジュアルな説明を心がけました。
チャートをいくら眺めても、私たちが求める「未来の株価」は見えません。
あたりまえです……。
どんなに頑張っても、データはすべて過去のもの。
それをもとに未来を考えるのが相場、トレードという行為です。
最も重要な株価の「水準」について、常識人なら一定の基準を設けて考えます。
ところが、この基準が行動をダメにすることも。
私たち実践者は、どのように考えるのが正しい(利益につながる)のでしょうか?