4月6日放送のフォローアップ
林 知之

株式市場の大局と短期の上げ下げ

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
あわてず順番に買う【押し目&底打ち】8銘柄

イランの戦争は悪材料なのか

イランの戦争で、日本への原油輸入ルートの不安が浮き彫りとなりました。
原油価格の高騰も、日本にとっては製造コストの上昇要因です。

こうしたマイナス面だけを強調して不安をあおるような論調が目立ちますが、反対の意見や別の観点からの観察も多数あります。

ほとんど報道されていないのですが、イランは長年にわたって圧政を敷いてきたので、今回の攻撃を多くの民衆が歓迎しているといわれます。また、イランにミサイル技術と核の2つがそろえば、ヨーロッパ諸国への脅威となり得ます。

どんな事情があろうとも戦争という行為は忌むべきものですが、イランへの攻撃は、ベネズエラにつづいて、米国による中国経済へのけん制という側面も指摘されています。中国の石油輸入ルートを狙ったもの、ということです。防衛ミサイル配備が遅れている日本にとって、非常にありがたいことかもしれません。

原油価格の高騰は一時的にマイナスですが、資源供給源の多角化などに素早く取り組んだ政府の動きを含めて、経済面で将来に期待できる、総合的には経済や株価にとって強材料である、と口にする論者も少なくないと認識しています。

戦争を機に、多くの銘柄が上げの動きを鈍らせました。
しかし、そのわりには大きく下がりません。
昨年春からの上げ方を考えたら、日本の株式市場は、イランの戦争を大きな懸念材料と捉えていないようです。

いたずらに、楽観的な見通しを押しつけるつもりはありません。
ただ、いわゆる大きな材料にとらわれると盲点が生まれます。
また、多数の賛成を受けて広まる情報は、逆を示すことが多いのも事実です。

いわゆる相場の上げ下げ

日本の株式市場は、昨年の春以降、大きな上昇をみせていました。
当然、銘柄によって動きはバラバラで、安値圏でジッとしている銘柄だって少なくありません。
ただし、株価指数が大きく水準を上げ、それを支えるように上昇した銘柄、株価指数よりも派手に値を上げた銘柄が数多くあります。

これほど力強い上げ方は、最近では見たことがありません。
株式市場の位置づけが変わった──こんな認識も間違っていないでしょう。

とはいえ、相場は相場。
1年以内の短期間では、いわゆる人気の増減による「相場の上げ下げ」が起こります。

番組の後半で紹介した「深押し」の銘柄が、さらに下落していく可能性もあります。しかし、切り返して高値を取りにいく予測だって成立します。あるいは、やはり番組の後半で3つめのカテゴリーとして紹介したように、株価指数と関係なく下落していた安値圏の銘柄が、動意づく気配をみせていたりもします。

気になる大きな材料や、すぐに手に入る解説と株価指数を見ていても、株式市場の実態は見えません。

戦争による混乱がはじまってから、1カ月ちょっとが経過しています。約1年間も上げトレンドを形成した銘柄は、もしかしたら、しばらく下落するかもしれません。個別銘柄のいろいろな展開を念頭に、上げを狙う銘柄について「落ち着きつつあるのか、まだなのか」と流れを見極める時期にさしかかっている気がします。

予測は知的作業ではない

予測は当たらない──予測からスタートする売買・トレードの実践者が、忘れまいと努める大切な言葉です。

正確には、「当たったり、当たらなかったり」です。
渦中にいて、予測の当たり曲がりに感情は動かされますが、一喜一憂を抑えて行動しなければならないので、「予測の的中は、いわば偶然」くらいに片づけようともします。

予測を立て、その予測どおりのポジションをつくり、そのあとの動きを観察します。
時間の経過とともに、“とりあえずの答え”が出ます。
「どうやら当たっている」「どうやら見込み違い」「まだ判断できない」等々。

そして、次の一手を打ちます。
とりあえずの答えが出たといって、当たってよろこぶとか、見込み違いに悲しむとか、そんなことをしている余裕はありません。持っているポジションについて、必要な対応を迅速に実行しなければならないのです。

期待と異なる場合、すべて切ってしまうこともあれば、一定量を落としてポジション量を減らすこともあるでしょう。

期待どおりの変化で「当たっているようだ」と判断した場合も、そのまま持続する、利食いして利益をふところに入れる、積極的に取りにいくためにポジションを増やすなど、いろいろな対応が考えられます。

こうした対応こそが、私たち実践者のシゴトです。
それこそが、相場です。
この対応(次の一手)を的確にするために、確固たる予測があるのです。

しかし、最初の予測をカッコよく当てようとしてしまいがちです。
そもそも、ムリのあるアプローチなのですが、多くの常識人がやってしまいます。
その結果、他人の見通しを集めて分析して、「誰の予測が当たるかを、見事に予測して当てよう」という、とても確率の低いことに挑んでしまうのです。

アンテナを高くして相場の先行きを読む……一見、とても知的な作業のようですが、「一歩遅れで迅速に対応する」という相場の現実を考えたら、知的どころかザンネンなアプローチです。

相場は「後始末」のゲーム

今回の番組では、「見極めてから行動に出る」というメッセージを強調したつもりです。
でも、「見極める」という表現から、前項で示した誤りを犯すこともあります。
「見極める=当てる」という捉え方です。

見極めるというのは、単に「ポジションを取る根拠が整う」というだけのことです。
上がると思って買いポジションをつくる場合、真逆の「売り」という別の人の決断があって行動が成立します。こう考えただけで、「予測を当てなければならない」という姿勢が、根本から誤りだと気づかされます。

中源線も、この考え方によってルールを定めています。
「予測を当てよう」としていません。
いくら下がっても、逆張りの買いシグナルは出しません。
下がったあと横ばいをつづけても、長い期間が経過しても、やはり買いません。

上げの兆しを見てから、やっと買いはじめるのです。
先回りしようとせず、ひたすら相場に順応していく姿勢です。

前項で、「予測の的中は、いわば偶然」という発想を示しました。
ついでに、もうひとつ、とことん冷めた捉え方を紹介します。
見出しに掲げた「後始末」という考え方です。

上がると予測して、買いポジションを取ったとします。
予測が曲がった場合は、損切りを決断します。まさに「後始末」です。
でも当たった場合でも、「自ら決断して自らの手で手仕舞いを実行する」点で全く同じです。

予測が当たっても曲がっても、単なる後始末があるだけ……
そもそも、予測の的中が偶然……

好結果を出すシゴトとしての売買を実現するには、こうして論理的に考え、とことん冷めた感覚をもつ必要があると思います。

いわゆるバクチ的なスリルを追い求めるのではなく、クソ地味な、おもしろみのない淡々とした行動のなかに、個人的なこだわりを持ち込んだり、ちょっとした楽しみを見つけたりするのが理想です。

中源線は、そんな王道のトレードに導いてくれる、シブいツールなのだと思っています。


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3月2日放送のフォローアップ
林 知之

株の売り時

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
サポートしっかりの上昇トレンド10銘柄

小幅利食いは手堅くない

売買・トレードの、基本的なことを考えてみます。

株価をコントロールすることはできません。
価格は、常に市場まかせです。

また、株価の先行きを高確率で当てることもできません。
参加者の売買で値段がつき、参加者の売買で値段が変動する構造のなか、参加者同士が競争しているからです。

必然的に、売買・トレードの結果は、「勝ったり負けたり」です。
そんな現実のなか、どうすれば「トータルでプラス」になるかというと、勝ち分が負け分を上回ればいいのです。負けはゼロにできないので、勝ち分を少し大きくするしかありません。
「損小利大」と呼ばれる、勝つための計算です。

今回は、損小利大の「利大」に注目しましょう。
一定以上の利益を取ることが求められる、ということです。
いろいろな取り組み方があるでしょうが、少なくとも、小幅利食いに徹していたら、トータルでプラスにはならないのです。

小幅利食いが手堅いというのは、完全な勘違いです。
含み損のあるダメなポジションを放置したまま、どうやら当たっているポジション、含み益が生じているポジションを小幅で利食いしてしまう……小さい利益で終了して大きな利益の可能性を消し、ヤバいポジションが手元に残るだけです。

取られたり取られたり……

相場の現実は、前述したように「勝ったり負けたり」です。
別の言い方で、「取ったり取られたり」というのもありますね。

半分は勝って、半分は負ける、ということですが、私たち生身の人間は、理解しているはずの理屈を忘れて期待を膨らませてしまいます。無意識のうちに、期待値を上げてしまうのです。

だから、「取ったり取られたり」ではなく、「取られたり取られたりなんだ」くらいに考えておかないと、気持ちと現実のギャップが大きすぎて混乱してしまうのです。実にネガティブな捉え方ですが、心のバランスを保つうえで意外と役立ちます。

利益を得るために売買するのですが、あえて「取られるのが当たり前」と考えることで、2つのプラスが生まれます。

ひとつは、ダメなポジションを早めに始末できるようになることです。
見込み違いは残念ですが、「どうやらダメそうだ」と思った時点で、とにかく切ることが重要です。そのタイミングを逸すると、ひたすら先送りして持ったままになります。
ダメなんだから捨てる、捨てずにいてコントロール不能のポジションを抱えてはいけない、すぐに切ろう、と素直に考えることができます。

もうひとつは、うまく乗れたときの行動です。
見込み違いが多いなかで、「どうやら乗れたようだ」という感触があったら、その貴重なポジションをすぐに手仕舞いするのは間違いだと認識できます。必ずどこかで手仕舞いするのですが、すぐに小幅で逃げてしまったら、もったいないのです。

これら2つで、不可欠な「損小利大」の行動が成り立つのです。

持ったまま最高値を迎える方法

さて、乗れたと判断したあと、利大を狙う、利を伸ばすべくねばるといっても、いつまで持っていればいいのでしょうか。

「最高値で売りたい」というのは、かなうことのない願望です。
だから、ある程度までねばったあと、勢いのあるうちに売り逃げておこうといった実践のイメージも正解です。しかし、買いポジションを抱えたまま最高値を迎える方法もあります。
単に、売らずに持っていればいいのです。

もちろん、最高値を迎えたときに「ここが最高値だ」と認識することはできません。
だから、最高値を過ぎて、下げそうな動きに変わってから売り逃げるのです。

こんな説明を聞くと違和感を覚えるかもしれませんが、まさに中源線のルールです。
買っている状態で、たとえ短期的に急騰しても、あるいは含み益がたっぷりと生まれても、下げそうな気配がない限り売りません。

言い換えると、「上がっているうちは、売り手仕舞いする理由がない」ということです。

でも、この対応を裁量で行うのは、けっこう難しいでしょう。
例えば、500円で買った銘柄が1,000円をつけたとします。
そのあと850円まで下がって「下げトレンドに移ったな」と強く認識したとき、高値から150円下がっている状態で即、売りを決断できるかという問題です。
せめて、少し戻って900円を超えたあたりで……こう考えて売り損なうのはサイアクです。

中源線において、数式で判断する有利さが浮かび上がります。

現実の可能性と個人のスタイル

前項では、数式による判断と裁量を比較して考えました。

裁量で売買する場合は、個人的な好みや感覚で、タイミングがちがうでしょう。
早めに、動きのないうちに仕込む人は、上げていくなかで早めに売る傾向があるはずです。

逆に、例えば初動を見てから乗る、遅いタイミングで出動する人のほうが、長くねばることができるのではないでしょうか。

数式のルールをつくる場合も、中源線のルールに裁量を加えたりアレンジする場合も、やはり個人の好み、スタイルが反映されます。そして、どんなスタイルにも一長一短があります。
「利大のために値幅取りも必要」と述べましたが、動いた値幅をまるまる取ることなどできません。

さて、利食い売りのタイミングを考え、そこから、買いのタイミング、売買スタイルのちがいなどについて考察してみましたが、いずれにしても「トレンド」がキーワードです。トレンドをどう捉えるか、トレンドのどの部分で利益を上げようとするか、ということです。

今回の番組で紹介した銘柄は、順調な上昇トレンドが継続しているものです。
週末に、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことの影響について、私は楽観的な見通しを示しました。しかし、火曜日、水曜日と継続して売られる銘柄が数多くあります。

今後の見通しを立ててポジション操作を考えるとき、「トレンドが継続しているか」「トレンドが変わったか」をポイントにしてください。また、ポジションを増やす際は、十分に見極めてからです。
相場が平穏でも、荒れていても、常に守るべき大切なことです。


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2月2日放送のフォローアップ
林 知之

トレンドの変わり目が重要

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
様子見か、攻め時か…要注意8銘柄

チャートを見る狙いはひとつ

チャートとはなにか?

私は、「値動きを、特別な基準で図にしたもの」と認識しています。
日足、週足、月足と期間が異なるだけでなく、新値足だったり移動平均だったりと、特別な計算を加えたものもあります。

もうひとつ、「個別に売り買いが成立したデータをまとめ、あたかも連続した事象のように示している」という認識もあります。

掘り下げていくと、「事実として図に示す合理性はあるのか」という疑問が浮かび上がります。
つまり、チャートとは、過去の事実をカチッと見える化しているものの、完ぺきとは呼べないものなのです。

でも、チャートを見て自分なりの予測を立てないと、相場・トレードがはじまりません。
だから、特定のチャートを、特定の基準で判断します。
その際に重要なのが、「トレンド」という捉え方です。

チャートのタテ軸は価格、ヨコ軸は時間の経過です。
これら2つの要素から、「トレンド」を見いだします。
前述したように、チャートそのものが不完全なので、トレンドという観点も、ある意味、あやふやなのですが、トレンドがある、トレンドが一定期間つづく、と考えないと、相場・トレードが成立しないのです。

チャート観察は、このトレンドを見ています。
そして、「現在のトレンドが継続するか、変化するか」を私たちは考えているのです。
トレンドが継続するならポジションはそのままですが、トレンドに変化があったら、それに合わせてポジションを変化させようとします。

チャートでなにを見ているか──ズバリ! 「トレンドの変わり目」です。

値動きを加工するか否か

トレンドの変わり目は、見ているとわかります。
でも、わかるのは、トレンドが明確に変化したあと一定の時間が経過してからです。
儲けるには、それでは遅い……トレンドが変わった瞬間に検知したい、できれば少し前に兆候を見つけられないか、等々、マーケットの競争に勝つために多くの人が工夫しています。

そこで、株価そのものだけでなく、その株価データを加工したデータを用いる場合があります。
価格そのものとは、市場で価格が成立した記録(素の情報)です。
これを、日、週、月といった任意の期間で区切るだけでも、加工といえます。
でも、さらに加工したりします。
前項で挙げた移動平均は、代表的なものでしょう。

このように価格データを加工して分析に用いることを、間接法と呼びましょう。
これに対して、できるだけ加工せずに値動きをシンプルな図にするのは、直接法です。

間接法の狙いは、「計算でズバリ当てよう」ということです。
“秘密のサイン”のようなものを求めているわけです。
ワクワクします。ロマンがあるともいえます。
でも私は、価格データの加工を否定し、直接法が正解だと考えます。

チャートを観察して売買を考えるときは加工したデータですが、価値判断を下したあと実際に売買を行うのは、データが加工されていない現実の世界です。
ここに生まれるギャップが、私にはキモチわるいのです。

でも、こうしてこだわると、実際に売買する、つまり大切な資金を動かすうえで、不安も残ります。
この不安を解決するものはなにか、次項で説明します。

「相場技術論」に軍配

予測を当てたいと思うのが人情ですが、ムリに当てようとして混乱する現実もあります。
そんな混乱を避けるために、「予測は当たらないもの」と開き直り、別のところにエネルギーを使おうという発想があります。

予測なんて当たらなくてもいい、当たったり曲がったりで、ほかの参加者と同じ確率でいいから、値動きに対する次のアクションで差をつけよう、という姿勢です。

これが、林投資研究所が提唱している「相場技術論」です。
一歩遅れの判断、そして迅速なポジション操作によって、予測が当たらない現実のなかで結果をコントロールしようというわけです。

こうした姿勢に徹することで、「値動きの加工はキモチわるい」などとカッコつけたことを言えるのです。

議論のあるところでしょうが、予測の的中という夢をスパッと捨てるので、実にシンプルです。
予測を単純に「判断の基準」と位置づけ、ポジション操作の選択肢を考えます。
私は、こうした対応に注力するのが王道だと考えています。

ちなみに、数式でトレンド判定を行う中源線建玉法も、3分割の売買によって値動きに順応しようとする部分が核心です。相場技術論のど真ん中をいく手法のひとつです。

相場のキモはコントロール

前述したように、相場技術論では、予測の的中率を重要視しません。
重視しているのは、「ポジションのコントロール」です。

日々、株価が変化します。
ときにゆるやかに、ときに突発的に……変化は予測不能だと割り切ってしまうのです。

でも、ビシッと予測を立てます。
とても真剣に。

真剣に考えて結論づけた予測を基準に、株価の変化に対して“次の一手”を迷わずに決めたいのです。

状況は刻一刻と変化するので、予測も柔軟に変化させます。
そもそも「当たらない」と考えているので、状況の変化に合わせて新しい予測を打ち出すことに抵抗はありません。

チャートで「トレンドが継続するか、変化するか」を見るのと同じように、予測も「そのままか、変えるべきか」と考えます。この柔軟な姿勢があると、ポジションのコントロールを失うことがありません。

買ったけど下がった、どうしよう……
上がったけど、いつ利食い売りすればいいの?

こうして「迷い」が生じると、正解さがし、情報さがしで迷走します。
相場をやっていたら悩みだらけですが、迷いだけは避けなければなりません。
自分の意思でつくったポジションなのに、自分でコントロールできないなんて、サイアクです。

  • トレンドが存在するという前提で予測を立てる
  • その予測は柔軟に書き換える(状況が変われば予測も変わる)
  • 迷いをゼロにする
  • 一歩遅れ、しかし迅速な対応に徹する

これが、相場の王道です。


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1月5日放送のフォローアップ
林 知之

株で儲ける第一の条件とは

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
循環物色再開! スタートダッシュで動く厳選8銘柄

 

日経平均は特別な“銘柄”

日経平均は、東証の個別株225銘柄の平均ですが、「平均」と受け入れにくい大きな偏りがあります。

「寄与度」という言葉があります。
個別銘柄の騰落が、日経平均の騰落に“どれくらい影響するか”です。
一部の銘柄の寄与度が、極端に高いのです。

日経平均の算出方法に疑問があるのです。構造的な問題です。

だから、まず、日経平均が表すのは「市場全体ではない」ということです。
「225銘柄の平均」という見方も、すっきりしないのです。

寄与度の高い数銘柄が総じてグイッと買われれば日経平均は大きく上昇し、全体を見わたして「えっ、なにが上がっているの?」みたいな感覚に陥ります。逆も同じです。

これについては、2025年末の放送でも触れています。

こういったことがなくても、プラスの銘柄とマイナスの銘柄があれば相殺されます。
「平均」とは、そういう数字です。

日経平均を参考に考える……やめてください。相場の実態は見えません。売買戦略につながる情報は得られません。

もちろん、日経平均の騰落からはじまる相場解説は、クソの役にも立たない雑音です。
「大衆(平均=負け組)が求めている情報はなにか」を確認することはできますけど。

それでも、オトナとして、日経平均にまつわるニュースを耳にしますよね。
「マーケットに存在する、ある特別な個別銘柄」くらいに認識しておくといいかもしれません。

個別の判断をまとめた実践的な平均

番組では毎月、「東証プライム市場、買い線銘柄」の推移を示しています。

中源線によって個別銘柄のトレンドを判定し、その結果、東証プライムで買い線(上昇トレンド)の銘柄がいくつあるか、という数値です。

これだって、「陰転30銘柄、陽転30銘柄ならば前日と変化なし」というように、データとしての問題はありますが、日経平均とちがって相当に実践的なデータです。

軸にするのは常に「売買する個別銘柄の値運び」と「自分の戦略」ですが、買い線銘柄数の大筋の変化は、なかなか参考になります。

このデータは、中源線シグナル配信のトップページで確認できます。
有料サービスですが、「中源線研究会」に登録(無料)してもらえれば、毎日見ることができますよ。

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寄与度の高い個別株でもバラバラ

日経平均を見るな!──いつも言っているので、なんだかBGMのようになっているかもしれません。「その提案は聞いているけど、なんとなく日経平均を気にしている……」みたいな。

1月の放送から、定点観測銘柄に、寄与度の高い2銘柄、アドバンテスト(6857)とファーストリテイリング(9983)を追加しました。こういった銘柄の騰落に目を向けて、日経平均の動きを客観的に捉え、惑わされないようになってもらいたい、という趣旨です。

日経平均を軸に考えると、いろいろな錯覚が生まれます。
もちろん、売買・トレードにマイナス影響のある錯覚です。
そのひとつが、「おおかたの個別銘柄が一緒に上げ下げしている」というものです。

日経平均が大幅に高くて、違和感を覚えないほど多数の銘柄が上昇している日に、上げトレンドを形成中の銘柄が前日比マイナス、なんてことだってあります。そもそも、「1日単位」で観察する姿勢に、ムリがあるのです。

日々の騰落ではなく数カ月のトレンドで見ても、同じく日経平均採用銘柄で寄与度が高いのに動きが異なる、そんな例だってありますよ。下に示すのは、そんな条件に合う2銘柄、ファーストリテイリング(9983)とソフトバンクグループ(9984)の中源線チャートです。

ひたすら個別銘柄を見る、必ず個々に観察して考える──肝に銘じてほしい部分です。

株式市場の将来と相場の上げ下げ

最後に、現在の市況にも触れておきましょう。

今回は、一定の水準から切り返している銘柄を取り上げました。
短期的には、そういった銘柄が早そうだ、そんな狙いが成立するほど個別銘柄の動きが好転している、という発想によるものです。

日経平均は昨年、5万円の大台に乗せました。
「見るな!」と言っていますが、それだけ株式市場の環境が良好、資金が流入している、ということは確認できます。
世界的な株高の潮流があり、割安な日本株の魅力は高まっていると思うのです。

そして直近、株価指数も強いなか、遅れていた個別銘柄にもじわり物色の流れが広がっている感があります。私を含めた強気筋の期待どおり、ここから勢いづく銘柄が増えるかもしれません。

しかし、昨年4月以降ずっと株価指数は上昇傾向です。
それを支える一部個別銘柄の、長い上昇も確認できます。
いわゆる“相場の上げ下げ”を考えたら、けっこう熱くなってきた、ここから加速すれば最後のババ抜きか……こう考えるのが自然ではないでしょうか。

株価の上昇傾向は、けっこう長くつづくと期待しています。
でも、私たちは、数カ月単位の上げ下げを無視できません。

例えば「攻め時」なんて言葉に、私たち生身の人間はワクワクします。
実際、そんな感覚も重要です。
ただ、「メリハリをつける」という発想も大切にしてください。
引くときは引く、ムリをしない、儲けるよりも損をしない、といったワクワク感のない観点も絶対に必要なのです。

自分の意思で攻めた結果として、自分でつくった自分のポジションについて、コントロールを失うなんて、実にバカバカしいじゃありませんか。

気軽に視聴できるYouTubeでメッセージを伝えていますが、市況、銘柄情報、予測、みたいな表面的な捉え方をせず、実践の機微を汲みとってほしいと願っています。

さあ、新しい年を迎えました。
よい結果を出すために、丁寧な姿勢、自分を信じた独自の対応を心がけてください。


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売買戦略のつくり方

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保ち合いブレイク・続伸期待の8銘柄

強いものは強い

日経平均が5万円に達する上昇をみせるなか、個別銘柄の多くが同じように上がっていたかというと、全くそうではありません。

私は中源線でも売買していますが、固定している8銘柄はむしろ静かな値運びでした。
裁量で売買している低位株(小型銘柄が多い)も、しっかりと上昇した銘柄は少数でした。
それなりのパフォーマンスを出せていますが、日経平均の高騰を取り上げて世間が騒ぐほど、ウハウハな状況ではありません。

まず、この部分に注意が必要です。
ほとんどの人は、なんとなく感じる“世間のムード”というか、解説の“論調”よりも、自分のパフォーマンスが大きく見劣りするという不快感を抱えていると思うのです。

相場あるあるかもしれませんが、「自分が追っている範囲」「自分の手法」を手放したり否定的に考えたりすることなく、マーケットの現状を観察しなければなりません。

今日は、その「自分の手法」を軸とした「売買戦略」がテーマです。

さて、個別銘柄全体は完全に好調とはいえない、物色対象が偏っている、とはいえ、指数を押し上げている銘柄を中心に“強いものは強い”のです。後半で紹介した銘柄は、そうした流れがつづく、一定水準まで上昇しても下げない銘柄は再び上がる、という前提で選んだものです。

出遅れ狙い

後半の銘柄は、「強いものにつけ」という相場の原則に素直な銘柄選定です。
でも、自分の手法を曲げてまで手を出すのはどうなのか……ここがポイントです。

私は、ジッと保有していた低位株を春以降、少しずつ利食いしました。
結果として、手の内に残っているのは出遅れ銘柄が多い状態です。
出遅れだから、今の相場では「なかなか動かない」のです。

利食いした銘柄の中段保合を買い直そうともしていますが、夏以降に仕込んだものの多くは出遅れです。出遅れ狙いが、私の低位株投資の基本だからです。

今年はまずまずの利益を取りましたし、今は資金に余裕がある状態で、持ち株にも適当な含み益が生じています。株価指数の水準をもとに無責任に語る解説に耳を傾けなければ、不満は生まれません。それでも、なんとなくスッキリしない……人間は欲深なのです。

それでも、基本路線は変えません。
中源線はシグナルに従ってポジションを変化させていきますが、裁量の売買については、目の前の動きを見て微調整はするものの、安易な路線変更はしたくないのです。

出遅れ狙いの戦略にも、大きな強みがあります。
のろい、つまらない、地味だ……こう否定せず、それが心地よいのなら、周囲の声に惑わされることなく貫くべきです。

さて、出遅れ狙いだからといって、「ずっと持っている」ことが前提ではありません。
後半の銘柄を選んだ観点と同じで、「早そうなもの」を手がけるのが正解です。
効率を考えて、「できれば長く持たない」ことを重視するのは、相場の大原則です。

最重要は時間軸

前項で、「長く持たない」というイメージの重要性を示しました。
動いていて話題になっている銘柄に飛びつけばいい、というようなことではなく、地味な安値圏で買うのにしても、なるべく早く動意づいて、なるべく短い保有期間で利食いできるにこしたことはありません。

売買の戦略を考えるうえで、どんな狙いであろうと、この“時間の経過”は大きなポイントです。

ただ、相手が相場なので、思うとおりにはいきません。
それでも、「自分が狙う値動きの期間」というものを、しっかりと意識しているかどうかが問題です。

なんとなく「上がりそうだ」という程度でポジションを取っているケースが、非常に多いと思うのです。あくまでも自分の理想ですが、今後の値動きについて「時間と値幅」で考えているかどうかがカギです。

チャートを観察するときに重視する「トレンド」は、チャートのタテ軸の値段と、ヨコ軸の時間(日柄)の2つがそろうことで認識できます。どちらか1つが欠ければ、トレンドを認識することはできないのです。

損益というシュールな結果は、売り値と買い値の差で計算されます。
そのため、私たちは自然に、チャートのタテ軸(値段)だけに目を向けるのです。
だから、「徹底的に時間を意識する」ことが、バランスの取れた思考、結果につながる状況判断につながるのです。

時間の意識を捨てなければ、落ち着いて戦略を立てることができます。
上っ面の銘柄情報に振り回されることもなければ、自らの思考で落とし穴にはまる可能性もグッと低くなるでしょう。

“ねばり”の大切さ

さて、「時間を意識する」ことを強調しましたが、「時間をかけない」というイメージにも触れました。これは、相場の基本です。

でも、なんでもさっさと手仕舞いするのが正解、ということではありません。

基本は時間をかけない。
特に、見込み違いだった場合に時間をかけるのは誤りです。
ダメ玉に時間をかけ、多大なエネルギーを使う理由はゼロです。

避けようのない見込み違いを素直に受け入れ、相場の経費と割り切ってサッと切るのです。
いちど飲みに行ってイヤなやつだと感じた相手と、ダラダラつき合うなんてバカげています。
心地よいつき合いを期待した自分を認めたくないので、なんとなく継続したくなるかもしれませんが、そんな人とのつながりはサッと損切りするのです。

中源線でも、例えば陽転直後にガクンと動きが変わったら、朝令暮改よろしく「はい陰転、ドテン売りです」という答えが出ます。「せっかく買ったのに……」なんて発想は、相場には不要なのです。

でも、よいポジションには時間をかけてOKです。
当たった予測は、少し時間をかけて「育てる」のが正解です。
いわゆる“ねばり”ですね。

相場は生き物です。
いくつものパターンを想定していても、全く想定外の展開になることばかり……。
途方に暮れたりするようでは、実践家とはいえません。
その場に応じた判断で、自分が進む道を決めるのです。

ただ、軸がないと、その場の気分だけで決定してしまいます。
軸になるのが、自分なりの戦略です。
その戦略を支える要素を考えましたが、今回のフォローアップで強調したのは、「時間の経過」です。

値動きとはちがって、時間の経過は安定しています。
それを軸に、バタつく株価変動への対応を、可能な限り冷静に考えるのが相場です。

中源線の判断に裁量を加える場合でも、やはり時間の経過を意識するべきだと思います。


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