11月10日放送のフォローアップ
林 知之

売り買いをビシッと決めるための株価観測法

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
株価指数に負けない上昇トレンド8銘柄

負け組は平均に目を向ける

「平均」というのは、とても便利なものです。
見る対象が多くても、たった1つの数字で表すことができるからです。
しかし、個々の対象の“実際の変化”を確認するのが難しい、という欠点があります。

日経平均は、東証に上場する3,942銘柄(2025年11月7日現在)のうち、たった225銘柄の平均値です。しかも、225銘柄のなかで値上がりする銘柄と値下がりする銘柄があれば、変動が相殺された結果が示されてしまいます。

番組でも触れましたが、最近みられる日経平均の乱高下について、「今日の値下がりは○○1銘柄だけの分」とか、「今日の値上がりは、○○と○○の2銘柄分」などと説明されることがあります。「日経平均は合理的ではない」と指摘されて久しいのですが、ゆがみが極限まで増幅したような状況だと感じています。

「日経平均が上がっても、オレの銘柄は上がらない」という声は、よく耳にするものですが、5万円に向かう上げでは最高潮だったと思います。

日経平均だけでなくTOPIXも大きく上昇していますが、とにかく、物色の対象が値がさのハイテク株などに偏っています。日本の株式市場に資金が流入しているのは間違いないことでしょうが、株価指数の動向を見れば見るほど、「自分だけがヘタを打っている」気持ちになります。気をつけなければなりません。

株価指数は、市場の実態を表していないけど便利──多くの人が、中学や高校のテスト問題のように“正解と理由をサクッと説明できる”状況を望むため、「日経平均は○○」ではじまる解説が標準形のように認識されているのです。

でも、標準、平均、ふつう、一般的……これらは、競争の厳しいマーケットにおいて、ズバリ負け組を意味します。勝つためには、こんな安易な姿勢をズバッと捨てて、王道を追究する必要があります。

銘柄情報ではなく値動き観察法

番組では毎回、わかりやすく銘柄を紹介します。
短期的な売買で利益が期待できそうなものを、“狙って”選んでいます。

でも、王道を進むためには、「銘柄情報を聞いて、それでサクッと儲けよう」みたいな発想は、もたないで聞いてほしいのです。

株価変動を機械的に判断する「中源線」を軸にしているので、「値動き」「値運び」といった言葉が合う、感覚的な解説を心がけています。別の言い方をすれば、あいまいです。次の日には言うことが逆になっている可能性だってあるのです。

なぜ「値動き」「値運び」に目を向けるのか──。
売買・トレードは、どんなときも、自分が決めたポジションを継続的に変化させていくことを求められるからです。

上がると思って買ったら、期待どおりに上がった、とします。
しかし、「はい勝ちです」でおわるわけではありません。
売ってもよし、売らずにねばってもよし、勢いに乗るべく買い増ししてもよし……無限の選択肢があり、それを自分で選んで決断、売買実行と進んでいかなければならないのです。

だから、値動きを評価する基準も、その評価をポジション操作に反映させる方法も、ガチッと定まっている必要があります。日々、激しい値動きが、突発的に起きるので、「これでもか!」というくらいガチガチに定まっていないと、自分でなにをしているのか、わからなくなります。

値動きの「観察法」という観点を、常に意識してください。

定点観測の効果

株式市場の変化は、とても激しいうえに、突発的なことが日々起こります。
個別銘柄が突然に上がったり下がったり、物色される銘柄の方向性が急に変わったりします。

そんな忙しい変化が目の前にあるので、ついソワソワします。
いや、それを取りにいくのが相場ですが、必要以上にソワソワ、キョロキョロしてしまうのです。

臨機応変のつもりが、ただのフラフラ……値動きに翻弄され、情報に振り回されます。
意外と多くの人が、このワナにはまっているはずです。
気づかないうちにジワッと近づいていたりするのが、最も危惧すべき状況です。

このブレを消すには、個別銘柄の「定点観測」しかありません。
安易に株価指数を見ないことです。
その結果、安易な解説を気にすることがなく、激しく突発的な変化を落ち着いて受け止めることができます。

さらには、その変化を分析しながら、「どんな変化は狙っても取れないか」「どんな変化だったら手を出して結果が期待できる」といったことについても、落ち着いて答えにたどり着けます。

「いつも見ている銘柄」というのを、決めてほしいと思います。
プロが実践する、勝つための方法です。

ストイックすぎてハードルが高い、と感じるなら、例えば「今月中は、このあたりの銘柄を観察しておこう」といった、少しかるいノリでもOKです。
「複数の個別銘柄を見て、相場の流れを考える」体験をして、ちまたの雑多な情報から解放されて自由になってください。

個別銘柄を丁寧に見ている中源線

番組でご覧に入れるチャートは、すべて「中源線シグナル配信」のものです。

中源線シグナル配信では、中源線で唯一のパラメータである「キザミ値」を、銘柄ごとに検証して決めています。ただ、「最もパフォーマンスがよかった」設定が、今後の売買で役に立つかどうかは疑問です。未知の未来に向けて“使える”数値ではければなりません。
そんな、実践的な観点で、手間をかけて設定しています。

でも、コテコテのメカニカルトレード(システムトレード)ではなく、生身の人間が見ていて「なぜ陽転したか」「なぜ陰転したか」を感じ取って納得できる、極めてシンプルなルールが中源線の特長です。

前半で紹介している「東証プライムの陽線(買い線)銘柄数」も、上記の設定をもとに算出した数値です。結局はプライム市場の“全体”ですが、株価指数よりも実態に近いのは間違いないでしょう。

こうした分析も、今回のフォローアップで提唱した定点観測も、「数字」を使うことでブレのない判定をしようということですが、同じ数字のアプローチでも、株価指数の場合は、最初から実態と離れた方向に進んでしまいます。

私たち実践者が求めるのは、万人が納得する解説、そんな陳腐なものとつながる数字ではありません。「自分だけ納得すればいい」「自分自身の売買に直結する、実践的な基準」なのです。


【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用

【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用
儲かる仕組みとお金の増やし方~

A5判/176ページ/3,900円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

プロが教える株式投資の基礎知識 新常識プロが教える株式投資の基礎知識 新常識
儲かる仕組みとお金の増やし方~

四六判/240ページ/1,500円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

無料登録でパスワード発行

1.シグナル配信トップページ閲覧(毎日更新)
2.登録者向けメール配信

詳しくはこちらをクリック!

中源線第一部(無料)
書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。
こちらのページへどうぞ!


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

10月6日放送のフォローアップ
林 知之

上げたら下げる

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
目先は利食って様子見。切り返しで買いたい厳選10銘柄

株価変動と材料

10月4日の自民党総裁選において、決選投票で高市早苗氏が勝利して新総裁に選出されました。

金融業界では、積極財政などの経済政策を提唱する高市氏だけが、失われた30年を巻き戻して日本経済を再生するカギだと認識されていると言っても過言ではありません。週明けの月曜日に日経平均が5%近くも上昇した反応も、当然のことです。

しかし、9月29日の配当落ち(3月決算企業の中間配当)以降、個別銘柄の動きはさえません。番組でも示しましたが、東証プライム市場の個別銘柄を中源線で判断した結果の「買い線銘柄数」は、株価指数が一気に数千円も下がったかのような急激な変化をみせています。

マーケット価格に一時的な揺れがあっても当然ですが、これほど急な減少は、少なくとも一部の個別銘柄が上げ止まりはじめていると考えるのが素直な捉え方です。

4月の急落から約6カ月間、株価指数は大きく上昇しました。
その指数の上伸をけん引するように、あるいは同調するように上がった個別銘柄は数多くあります。

「高市氏の勝利がポジティブサプライズ」「ここから高市相場がスタート」と短絡的に考えるわけにもいかないのです。

後述しますが、銘柄によって今後の動向はまちまち、かなりバラツキが出ると私は考えます。しかし、注目度の高い銘柄については、「好材料出尽くしで下げトレンドに移る」可能性を考えておく必要もあるでしょう。

高市新総裁の誕生で、もともと構造的に上昇傾向と認識していた株式市場の未来が、さらに明るくなったと思っています。でも、短期的には、下げに向かう銘柄がけっこう増えてくるような気がするのです。

予言めいたことなど口にしたくありませんが、いろいろな値動きパターンを想定しておくことが、オトナの姿勢です。

情報とメディアの存在

現在の株式市場には、極端なほどのカラ売りポジションが存在しています。

週明けの上昇は、このカラ売りの踏み上げも大きな要因なのでしょう。すると、踏み上げが一巡したあと、本来のトレンド、新しい流れが見えてくるのかもしれません。

さて、金融業界では、「高市氏で暴騰、小泉氏で暴落」などといわれていましたが、どちらの可能性をどれだけ織り込んでいたのか──誰がどう計算しても答えなど出ません。ただ、新聞やテレビなどのオールドメディアは全体に、どうやら小泉氏支援、高市氏否定に傾いていたようです。

今年7月の参院選も含めて、オールドメディアの凋落、ニューメディア(ソーシャルメディア)の台頭を強く感じることができました。といって、ニューメディアが手放しですばらしいのかというと、誰もが情報を発信できるために玉石混交、それこそゴミのような情報が多いのも当然です。

林投資研究所の『研究部会報』や『林投資研究所レポート』でも触れようと思っていますが、情報を判断する能力、“メディアリテラシー”が問われると思うのです。

ただ、少なくとも、ニューメディアの台頭や、自民党の旧体質を否定するところから生まれた新興政党や若手議員の存在が、オールドメディアだけに流されない活発な議論につながっているようです。

私たち売買実践者は、こうした構造の変化に目を向けながら、株価変動に直結する情報に対する高いリテラシーを培うべく、オトナの思考力を発揮しなければなりません。

ポジショントーク

「オトナの思考力」と述べました。

極めてプレーンで、ひたすら客観的な見方、といったイメージですが、売買・トレードの“現場”にいる者は、偏ってしまうものです。

そもそも、参加者の思惑で株価が決まり、変動するのが市場の構造です。
値段がつくということは売りと買いが出合うことであり、「強気と弱気、完全に真逆の価値判断が常に半分半分」ということです。

そのなかで、「自分だけでいいから儲けよう」と必死に考えた結果、実に自分勝手な結論で、偏ったポジションを取るのが私たちの行動です。常識的な正解など、はなから求めていません。ある意味、「大衆の意見は愚衆の意見」という格言を素直に重視し、「偏ってなんぼ」「いかにひねくれるか」の競争をしているのかもしれません。

番組でも、今後の展開について述べる際、「林のポジショントーク」とつけ加えました。市場にまつわる情報は、前述したメディアの構造以前に、「傍観者の無責任な意見」と「実践者の偏った意見」しか存在していないのです。

これらの言い訳を前提に、しかし可能な限りプレーンに、今後の可能性を並べてみると、次のような変化を考えることが可能です。

  • 先行した銘柄の再上昇
  • 先行した銘柄の下落
  • 出遅れ銘柄の物色
  • 連れ高銘柄の低迷化

私のポジショントークに絞れば、先行した銘柄の下落と出遅れ銘柄の物色ですが、今週後半、そして来週はどんな展開になるでしょうか。

妄想を好結果につなげる

YouTubeを見て「当たる予測を見つけよう」とする人は、決して少なくありません。そして、そんな要求に応える内容の動画が多いのですが、よく見ると、直近過去の状況を解説しておわり、みたいなものばかりです。未来を見据えるのがテーマのように見せかけて、過去の話しかしていないのです。

私たち実践者のシゴトは、まったくベクトルが異なります。
単なる妄想だと認識しつつも“確固たる予測”を立て、その予測どおりのポジションをつくって結果を待つのです。

しかし、その結果は、単に「当たりました」「曲がりました」というものではありません。
とりあえずの結果を見て、新しい予測を古い予測に上書きし、その新しい予測に従ってポジションを調整するのです。この作業が、ずっとつづくのが売買・トレードです。

中源線のルールも、当てることではなく、ひたすら流れに順応することを主としています。

こうした“一歩遅れの対応”を取る姿勢が、今回述べた「情報の捉え方」とセットで、望む結果をたたき出す具体的な方法論につながるのです。


【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用

【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用
儲かる仕組みとお金の増やし方~

A5判/176ページ/3,900円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

プロが教える株式投資の基礎知識 新常識プロが教える株式投資の基礎知識 新常識
儲かる仕組みとお金の増やし方~

四六判/240ページ/1,500円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

無料登録でパスワード発行

1.シグナル配信トップページ閲覧(毎日更新)
2.登録者向けメール配信

詳しくはこちらをクリック!

中源線第一部(無料)
書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。
こちらのページへどうぞ!


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

8月4日放送のフォローアップ
林 知之

材料張りの悲劇

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
ここから狙える、じわり上昇トレンド8銘柄

雇用統計で一喜一憂

米国の雇用統計(2025年7月分)が大幅に下方修正されたことが、マーケットでは話題となっています。でも私は、気にしていません。雇用統計のデータが日本の株式市場にどう影響するのか、具体的にどんな対応が有効なのか、方程式らしきものをイメージできたことはありません。今後も、考えないと思います。

今回の雇用統計の悪化について、一部では、公的部門の人員削減や、回答率の低下といった要因があると指摘されています。

また、関税の影響が不透明であるとの判断から製造業が雇用を一時的に抑制していることも考えられます。しかし、関税を武器に外交を継続し、多くの国から米国への投資を促し、ひいては、米国内産業の再構築、発展や雇用増など将来への期待がもたれているのが現状ではないのでしょうか。

雇用統計の悪化で暴落の危機……いつものように、“材料のための材料”だと感じました。

売りが多かった?

株価が下落した際に、「売りが出た」という表現を目にすることがあります。
でも、株価がついている=売りと買いが同数あった、ということです。

もしも売買動向を正確につかもうとするなら、売買に参加した全員に「なぜ、この銘柄を買ったのか?」「なぜ、3千株ではなく千株だったのか?」と聞かなければなりません。また、売買しなかった全員に、「なぜ売買しなかったのか?」と根掘り葉掘り質問しなければなりません。不可能です。

そもそも、直近過去の動きを見て「変動の理由」をさぐっても、売買・トレードの具体的な戦術にはつながりません。

ほとんどの投資関連情報が、直近過去の後講釈です。
役に立ちません。
では、なぜ、オトナがオトナに向けて、役に立たない情報を発信しているのか?
なぜ、そんな構造があるのか……。

理由は、実社会と金融マーケットの“温度差”です。

学校でも社会でも、「事象には理由がある」「説明が可能」といった前提で話が進みます。これが、一般社会の常識です。相場の世界では全く別のジョーシキがあるのですが、それを説明するよりも、誰もが受け入れる、わかりやすい情報を発信したほうがビジネス的に正解なのです。

だから、株価が動いた理由なんてわからないのに、ビシッとした言葉で解説するのです。
あたかも、すべてのマーケット参加者に質問して、100%のホンネを聞き出したかのように。
そして、そんな“つくりものの情報”が見事に受け入れられるのです。

「半導体」というテーマ

「半導体関連が○○」みたいな解説は、よく目にします。

でも、半導体関連といっても、企業によって業績はまちまち、政策などに変化があったときの影響もさまざまです。「半導体関連だから見込みあり」というだけでは、オトナの分析とはいえません。

半導体関連の銘柄がそろって下落すると、「半導体の相場はバブルだった」なんて言葉が踊るのですが、こういうのも無責任な後講釈です。前述したように、企業によってバラバラですが、半導体そのものは今後も長い間、経済の中心的な存在でしょう。そうした前提があって、誰もが知っていて、そのうえで相場の上げ下げがある、企業ごとに評価が異なる、というのが現実です。

表面的な捉え方を売買に直結させるのが、今回のタイトルとして掲げた「材料張り」です。
言葉を素直に受け止めたら「材料を分析してポジションを取る戦略」ですが、短絡的に行動するという意味で否定的な表現です。
材料張りの姿勢で勝ち残る人は、いないでしょう。

相場は相場に聞け

どんな理論があろうが、いわゆるマーケットの人気で動く株価に、自分のポジションが合致していなかったら利益にはなりません。

「相場は相場に聞け」といわれるゆえんです。

たとえ95%の確率で当たる株価上昇の予測であっても(そんな高確率はあり得ないのですが……)、実際に買って残り5%の見込み違いだったら、「株価変動と手が合っていない」と判断して、とにかくいったん切るしかないのです。

前項で「世間の常識は通用しない」と述べましたが、「努力すれば状況を変えられる」という常識も、やはりマーケットでは全く通用しないのです。値動きは、完全にマーケット任せです。

だから、中源線のように、予測の的中を求めず、値動きの変化をブレない基準で判断しつつ、慎重かつ丁寧な3分割の売買をするといった発想が、実践者に愛されているのです。「極めて現実的で実用的である」と認識されるのです。

「結局は値動きしだい」という現実に目を向けていれば、私が説いた“世間の常識とマーケットのジョーシキ”に自然と気づくし、たとえスタートが材料張りの発想でも、足りない部分を補う適正な思考が展開されるはずです。


【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用

【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用
儲かる仕組みとお金の増やし方~

A5判/176ページ/3,900円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

プロが教える株式投資の基礎知識 新常識プロが教える株式投資の基礎知識 新常識
儲かる仕組みとお金の増やし方~

四六判/240ページ/1,500円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

無料登録でパスワード発行

1.シグナル配信トップページ閲覧(毎日更新)
2.登録者向けメール配信

詳しくはこちらをクリック!

中源線第一部(無料)
書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。
こちらのページへどうぞ!


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。

7月7日放送のフォローアップ
林 知之

ブレない戦略「押し目買い」

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
底値圏離脱・上昇トレンド継続中の9銘柄

「押し目」の定義がブレまくる

一般的な情報は、「その場だけ価値を感じてもらえればいい」というような、ゆがんだ商業的価値で生み出されています。だから、最大級の警戒が必要です。

株価指数が下落した、つまり“平均”という数値が前日よりマイナスだっただけで「相場が下がった」という前提を立てます。また、それを「押し目」と呼んだりもします。

「押し目」とは、「上げ途上の一時的な下げ」です。
「現在は上げ相場である」という、主観的な判断が前提に必要なのです。
トレンドを測る期間によっても、答えはちがってきます。

それなのに、一般的な解説で「押し目」と決めるなんて……カジュアルを通り越してデタラメです。

もっぱら情報の受け身である私たちは、こうした細かい部分に注意する必要があるのです。

「時間」を無視したら相場難民

積極的に情報を見にいくときにも、注意すべきことは多々あります。

例えば、単純に株価をチェックするとき。
持ち株について、現在値、前日比、自分の買い値だけを考える……あるあるの光景ですが、そこには「時間」の概念がありません。

もし現在値が買い値とほぼ同じ、あるいは少しだけ高い場合、いわゆるヤラレのポジションではありません。でも、もし相当な時間が経過していたら、どうでしょうか?

「数カ月、少なくとも6カ月以内」という想定で買っていたのに、買ってから10カ月が経過している──時間の概念を無視して価格をチェックしていたとしても、心の奥底にはそれなりのストレスが蓄積されているはずです。明確な言葉が浮かばなくても、無意識に違和感が生じていることでしょう。

現在値と買い値の差がなくても、こうして一定の時間が経過している場合と、そうではなく買ったばかりでは、プレーヤーである自分自身の状態がかなりちがいます。このギャップには、ちゃんと配慮しなければなりません。

もっと単純な例も示しましょう。
「1割取った」という結果が1カ月なら、これは成功例です。
でも、10年がかりならば、売買・トレードとして評価することはできません。

時間は、誰にでも平等です。
なにもしなくても、一定のペースで進んでいきます。
でも、「自分の時間」は自分でつくっていますし、ある程度まではコントロール可能です。

時間を意識せず、情報は常に受け身……これでは“相場難民”です。
そんな領域に、近寄ってはいけません。

長めの時間軸が正解

相場に限らず、また誰もが同じだと思うのですが、つい細かいことを気にしてしまう、近視眼的になってしまう傾向があると思います。

大枠が整ったら、こんどは細部にこだわる──当然の順序ですが、細かい部分を考えすぎて大枠がおろそかになるケースもあります。あるいは、不要なほど細かいところを考えてしまうとか。

売買・トレードの場合、つい短期的な変化を気にしすぎてしまいます。

中源線を利用して数カ月のトレンドを見て買っている、「相場ははじまったばかり」と考えているのに、「今日は安かった。不安だ」とか、なぜかそんな気分になったりもします。

「情報に注意しよう」という趣旨のことを述べましたが、ちまたの情報は、どうしても短期的です。基本的には、「その日にどんな動きがあったか」に焦点を当てています。スポーツ速報的な感じで、日替わり、切り取りの傾向がかなり強いといえるでしょう。

情報に対して受け身の姿勢が強いと、1日単位の動きをもとに売り買いを考えているわけではないのに、1日刻みの切り取り情報がなだれ込みやすくなります。
この状況は、とてもキケンです。

外部からの情報にしても、脳内の情報にしても、短期的なことにフォーカスしがちです。
だから、意識的に“長めの期間”を観察するのが正解なのです。

長期波動にも注目

さて、今回の番組は「押し目買い」をテーマにしました。
中源線なので、数カ月単位のトレンドに狙いをつけて、「買うか買わないか」「買うとしたら、どんなタイミングで乗るか」が課題です。

銘柄がちがっても数カ月単位のトレンドがある点は同じですが、もし数年単位のトレンドに焦点を当てていたら、捉え方が全くちがってきます。

中源線ならば、もちろん中源線のシグナルが基本ですが、チャートを見る私たちの感覚では、数カ月ほど上がったところで「上げ止まるか」「下向きになったらカラ売りだ」といったことを考えます。

でも、数年単位のトレンドを見ていたら、数カ月上がったところで、「長期波動が上向きになった。押したら買いだ」と狙いをつけるかもしれません。

番組で、私はこんなコメントをしました。
「長期の安値圏から、最近動きはじめた銘柄もある。夏か秋に押したら買い、と判断できる銘柄もありそう」

長期波動なので、月足で見る必要があります。
例えば、このような月足です。

わかりやすく、直近の数年だけを示しましたが、実際には5年、10年単位で流れを観察しています。

この月足を見ると、長期的な安値でグズグズしたあと、安値保合の末期でダメ押しの底をつけ、2025年になってから、そんなグズグズ傾向を打破するような上げ方をしています。こんな変化をみせている銘柄が、けっこう多いのです。

日経平均4万円という水準で相場の先行きを考える議論が多いのですが、個別銘柄の大局を見ていると、つい最近になって株式市場は“新たなステージ”に差しかかってきた、くらいに感じて、強気の姿勢を強めたいと考えてしまいます。

ちなみに、月足を示した銘柄は、「押したら買い」と考えて狙っています。
「読みどおりなら数年間は上げがつづくから、しばらくは押し目買いに徹しよう」という発想です。

自分のやり方をもつ者が勝利者

中源線で、数カ月のトレンドを取りにいく押し目買いだけでなく、月足による大局の観察で数年単位のトレンドを狙う視点も紹介しました。

それぞれ、時間軸が異なります。
だから、異なるやり方です。
きちんと切り分けないと、混乱します。

ふだん、どんなやり方をしているか、かるく振り返ってみてください。
時間軸、すなわち「どれくらいの期間を観察するか」が、定まっていない、揺れてしまう、意識が足りなかったかも、という部分はないでしょうか。

この「時間」による売買の分類、思考の整理、情報の切り分けは、売買・トレードの生命線だと私は考えます。

自分のやり方がガチッと固まっているのが、正しい姿勢です。
「個人投資家だから……」とカジュアルに考えがちですが、売買・トレードに費やす時間が短いなど、プロに比べて不利な点があるからこそ、器用に立ち回ることを目指すのではなく、これでもかというくらいシンプルにやり方を定め、範囲を限定しておくのが正解です。

この「やり方」という部分がユルい場合、少しでもおカネが余っていると、「今買う銘柄はないだろうか?」と考えます。そして、情報をさがします。積極的に行動しているようでいて、めっちゃ受け身です。

専業トレーダーならば、時間をかけて試行錯誤するなど、少し守備範囲を広げるような行動が可能です。といって、専業トレーダーでも、うっかり背伸びしてドツボにはまったりしています。

情報でもなく、予測でもなく、こうした土台の姿勢を考えるのが第一です。


【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用

【プロが教える株式投資】中源線建玉法 基本と応用
儲かる仕組みとお金の増やし方~

A5判/176ページ/3,900円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

プロが教える株式投資の基礎知識 新常識プロが教える株式投資の基礎知識 新常識
儲かる仕組みとお金の増やし方~

四六判/240ページ/1,500円+税
林 知之 著
詳しくはこちらをクリック!

無料登録でパスワード発行

1.シグナル配信トップページ閲覧(毎日更新)
2.登録者向けメール配信

詳しくはこちらをクリック!

中源線第一部(無料)
書籍『中源線建玉法』の「第一部 解説」には、無料配布版があります。印刷版(無料郵送)のほか、PDF版またはeBook版(ダウンロード)もあります。
こちらのページへどうぞ!


※「研究部会報」および「中源線シグナル配信」は、林投資研究所が行っている投資助言サービスです。契約にあたっては、林投資研究所が交付する「契約締結前の書面」をよくお読みください。