“東京ゴールドスポット100”をつまみにハイボールというハナシ
夏です。生ビールです。枝豆です。
仕事帰りに軽く一杯どうよ、なんてハナシがあっという間にまとまる季節になりました。その軽く一杯ですが、最近は立ち飲みのお店が流行っているようです。上野のガード下、秋葉原、日本橋界隈・・・。結構そこら中にあります。そしてそういうお店がことごとく混んでいたりしますね。ちょっとびっくりするくらい。
実態を知らないと、そういう店こそサラリーマン、いやさ、おっさん連中のオアシスだなんて思っちゃいますよね。ところがどっこい。結構きゃぴ系のおねいちゃんも飲んでいたりします。しかも健康診断で尿酸値の異常を指摘されたおっさんみたいにホッピーをごくごくと。「ナカおかわり~」とか叫んだりして。
ナマでのどを潤したら次はどうするか。もちろんホッピーでもオッケーです。オッケーですが、ここはひとつハイボールでいきましょう。
なんで?
それはプリン体も糖質もゼロだからです。かてて加えてカロリーだってビールの半分。おっさん連中はヘルスコンシャスなんですねえ。
さてハイボールといえばウイスキーの炭酸割りです。そのハイボールがまたジョッキで350円なんてお値段で出てくる。店によっては“メガハイ”なんていって、お砂場用のバケツみたいなのが600円とかね。お安いですねえ。価格破壊です。CPIを下げています。政府は緩やかなインフレを目指すと言っているこの時節にですよ。
ひょっとして反政府主義者のお店なのか。なわきゃねっつーんです。
それにしても、おっさんは、なぜここにきてハイボールなのか。理由は健康とお値段だけではありません。仔細に観察していると、テレビコマーシャルにいいようにのせられたおっさんの内心が透けて見えてきます。
「ところでさ、ウイスキー作ってもらうなら井川遥と菅野美穂どっちがいい?」
たぶん日本中の飲み屋で交わされている会話です。いい年して、「いいカンジでしょう」もないわけです。
東京商品取引所はゴールデンウィーク明けの5月7日から、金取引の新商品を始めました。その名も“東京ゴールドスポット100”――。
「なげーよ」という声に押されて最近では「TGS」とか「ゴールド100」とか、呼ばれているとかいないとか。ちなみに本名は「金限日取引」です。
なんのこっちゃ。
だから愛称を募集して“東京ゴールドスポット100(TGS100)”にしたんだけど、まあ、いいや。でも長い。
ハナシの進行上、いわゆるTGSを軽く紹介しておきますと、「金取引のFX版」みたいなことをいわれています。ほら、先物取引だと限月があるからいつか納会になっちゃいますよね。しかしTGSは毎日ロールオーバーするから納会が来ません。ということは、負けが込んでも資金さえあればずっと、ずーっとほったらかしにできるんです。
ね、FXに似てるでしょ。ただしスワップポイントがつかない。その点が違いですね。
ちなみに取引単位は100グラム。証拠金は普通の金先物取引(取引単位は1キロ)の10分の1ですから、平成27年7月現在、8400円くらい(取引会社によって若干の違いあり)となっています。米ドル/円だったら5万円くらいですから、ざっと5分の1ってところでしょうか。
もうひとつ付け加えるとすれば、100グラムの金地金を買ったり売ったりってこともできるんです。1キロ買うと450万円とかになっちゃうけど、100グラムならってヒトはいるはずです。
そのTGSがちょっと人気です。
取引開始以来およそ3カ月。1日あたりの出来高は5月、6月が1.1万枚くらい。7月に入ってからは2万枚を超える日がぽろぽろと出てきました。
金そのものの人気もあります。しかし取扱い業者さんも頑張っていて、手数料をお安くしているんですね。
しかしお安いだけでは不足です。ウイスキーハイボールのように、もうひとつふたつ訴えかけるものがなくては投資家のココロをワシづかみにはできません。
そんなことを考えつつ飲んでみようかなと、立ち飲み屋さんに入ったわけです。
「えと、冷やしトマトと、角のメガハイボールで」
しばし熟考。なにかが見えてきた気がします。瞼の裏で光ったもの。ちょっと待ってね。いま答えがわかりかけてきた。
「おにいさん、メガハイおかわり」
見えてきた。どんどん見えてきた。
うん、わかった。やっぱり、ハイボール作ってもらうなら菅野美穂だわ。
