2月2日放送のフォローアップ
林 知之 | 週報


トレンドの変わり目が重要

映像は、YouTubeチャンネル「マーケット・スクランブル」でご覧ください。
様子見か、攻め時か…要注意8銘柄

チャートを見る狙いはひとつ

チャートとはなにか?

私は、「値動きを、特別な基準で図にしたもの」と認識しています。
日足、週足、月足と期間が異なるだけでなく、新値足だったり移動平均だったりと、特別な計算を加えたものもあります。

もうひとつ、「個別に売り買いが成立したデータをまとめ、あたかも連続した事象のように示している」という認識もあります。

掘り下げていくと、「事実として図に示す合理性はあるのか」という疑問が浮かび上がります。
つまり、チャートとは、過去の事実をカチッと見える化しているものの、完ぺきとは呼べないものなのです。

でも、チャートを見て自分なりの予測を立てないと、相場・トレードがはじまりません。
だから、特定のチャートを、特定の基準で判断します。
その際に重要なのが、「トレンド」という捉え方です。

チャートのタテ軸は価格、ヨコ軸は時間の経過です。
これら2つの要素から、「トレンド」を見いだします。
前述したように、チャートそのものが不完全なので、トレンドという観点も、ある意味、あやふやなのですが、トレンドがある、トレンドが一定期間つづく、と考えないと、相場・トレードが成立しないのです。

チャート観察は、このトレンドを見ています。
そして、「現在のトレンドが継続するか、変化するか」を私たちは考えているのです。
トレンドが継続するならポジションはそのままですが、トレンドに変化があったら、それに合わせてポジションを変化させようとします。

チャートでなにを見ているか──ズバリ! 「トレンドの変わり目」です。

値動きを加工するか否か

トレンドの変わり目は、見ているとわかります。
でも、わかるのは、トレンドが明確に変化したあと一定の時間が経過してからです。
儲けるには、それでは遅い……トレンドが変わった瞬間に検知したい、できれば少し前に兆候を見つけられないか、等々、マーケットの競争に勝つために多くの人が工夫しています。

そこで、株価そのものだけでなく、その株価データを加工したデータを用いる場合があります。
価格そのものとは、市場で価格が成立した記録(素の情報)です。
これを、日、週、月といった任意の期間で区切るだけでも、加工といえます。
でも、さらに加工したりします。
前項で挙げた移動平均は、代表的なものでしょう。

このように価格データを加工して分析に用いることを、間接法と呼びましょう。
これに対して、できるだけ加工せずに値動きをシンプルな図にするのは、直接法です。

間接法の狙いは、「計算でズバリ当てよう」ということです。
“秘密のサイン”のようなものを求めているわけです。
ワクワクします。ロマンがあるともいえます。
でも私は、価格データの加工を否定し、直接法が正解だと考えます。

チャートを観察して売買を考えるときは加工したデータですが、価値判断を下したあと実際に売買を行うのは、データが加工されていない現実の世界です。
ここに生まれるギャップが、私にはキモチわるいのです。

でも、こうしてこだわると、実際に売買する、つまり大切な資金を動かすうえで、不安も残ります。
この不安を解決するものはなにか、次項で説明します。

「相場技術論」に軍配

予測を当てたいと思うのが人情ですが、ムリに当てようとして混乱する現実もあります。
そんな混乱を避けるために、「予測は当たらないもの」と開き直り、別のところにエネルギーを使おうという発想があります。

予測なんて当たらなくてもいい、当たったり曲がったりで、ほかの参加者と同じ確率でいいから、値動きに対する次のアクションで差をつけよう、という姿勢です。

これが、林投資研究所が提唱している「相場技術論」です。
一歩遅れの判断、そして迅速なポジション操作によって、予測が当たらない現実のなかで結果をコントロールしようというわけです。

こうした姿勢に徹することで、「値動きの加工はキモチわるい」などとカッコつけたことを言えるのです。

議論のあるところでしょうが、予測の的中という夢をスパッと捨てるので、実にシンプルです。
予測を単純に「判断の基準」と位置づけ、ポジション操作の選択肢を考えます。
私は、こうした対応に注力するのが王道だと考えています。

ちなみに、数式でトレンド判定を行う中源線建玉法も、3分割の売買によって値動きに順応しようとする部分が核心です。相場技術論のど真ん中をいく手法のひとつです。

相場のキモはコントロール

前述したように、相場技術論では、予測の的中率を重要視しません。
重視しているのは、「ポジションのコントロール」です。

日々、株価が変化します。
ときにゆるやかに、ときに突発的に……変化は予測不能だと割り切ってしまうのです。

でも、ビシッと予測を立てます。
とても真剣に。

真剣に考えて結論づけた予測を基準に、株価の変化に対して“次の一手”を迷わずに決めたいのです。

状況は刻一刻と変化するので、予測も柔軟に変化させます。
そもそも「当たらない」と考えているので、状況の変化に合わせて新しい予測を打ち出すことに抵抗はありません。

チャートで「トレンドが継続するか、変化するか」を見るのと同じように、予測も「そのままか、変えるべきか」と考えます。この柔軟な姿勢があると、ポジションのコントロールを失うことがありません。

買ったけど下がった、どうしよう……
上がったけど、いつ利食い売りすればいいの?

こうして「迷い」が生じると、正解さがし、情報さがしで迷走します。
相場をやっていたら悩みだらけですが、迷いだけは避けなければなりません。
自分の意思でつくったポジションなのに、自分でコントロールできないなんて、サイアクです。

  • トレンドが存在するという前提で予測を立てる
  • その予測は柔軟に書き換える(状況が変われば予測も変わる)
  • 迷いをゼロにする
  • 一歩遅れ、しかし迅速な対応に徹する

これが、相場の王道です。


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