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☆日本社会を蝕む社会保険料という名の「税金」

既婚者と未婚者とでそれぞれの幸福度を調査すると、男女年代別にかかわらずすべて既婚者のほうが未婚者より幸福度は高いものになるという。

未婚が既婚より不幸なのではなく、もともと幸福な未婚が結婚して既婚となるから、不幸な未婚が残されているという調査結果もある。以下に引用する。


(引用ここから、URLまで)

「なぜ若者がしあわせを感じられないのでしょう。

その要因のひとつに、若者の経済環境の悪化という点があります。しかし、こうした『金がないから』という声を頑なに認めようとしない中高年層も存在します。

そうした中高年層はこう言うわけです。『俺たちの若い頃も給料は安かった。しかし、別にそれを不幸と感じることはなかったし、恋愛できないことや結婚できないことをお金のせいになどしなかった』と。

確かに、どの世代でも20代の給料は低いものです。しかし、中高年層が若者だった頃と大きく違う点があります。手取り額の減少です。今の若者の場合、ただでさえ少ない額面の給料があがらないうえに、社会保険料の相次ぐ負担増により、多くが『毎年給料があがっても手取りが減る』という状況に陥っています。

それでも、大都市にある大企業に勤務していれば給料の絶対額が大きいため影響はないかもしれませんが、社会保険料負担は所得が少ないほど負担率が大きくなるものです(参照:『中間層が「結婚・出産」できない日本の悲しい現実』)。

この参照コラムには、以下のようなことが述べてある。

「以下のグラフは、2000年と2022年の『児童のいる世帯』の年収別世帯数を比較したものです。児童のいる世帯の絶対数が減っていることはご存じの通りですが、グラフを見ると、世帯年収900万円以上の世帯に限ってはまったく減少していません。

減っているのはそれ以下の世帯年収であり、特に世帯年収300万~600万円あたりの中間層世帯が『子どもを持てなくなっている』ことがわかります。つまり、日本の婚姻減、出生減は、この中間層が結婚も出産もできなくなっていることによるものなのです」。

参照:「未婚者は"幸福度が低い"」調査の裏側にある真実


この調査結果は、中間層世帯ですら「子どもを持てなくなっている」ので、少子化がさらに進展することで、減少する一方の現役世代への社会保険料の引き上げが続き、それにつれて貧困層が拡大することで、これまでにも増して結婚も出産もできなくなる悪循環を意味している。

確かに、昔は「恋愛できないことや結婚できないことをお金のせいになどしなかった」。実際に、私なども経済的な裏付けがないままに結婚したのに、それを双方の家族が反対することもなかった。何故なら、その時代の未来は希望に満ちていたからだ。

象徴的な事例を1つだけ挙げると、当時の鉄道は「ダイヤ」と呼ばれるほどに正確に時間通りに運営されていた。満員電車は殺人的だったが、人身事故が日常的に鉄道を止めるようなことはなかったのだ。

一方、現代の未来はどうだろう? この週末に目にした経済系ウェブサイトの見出しだけを掲げておく。

参照:70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄:給料4~6割減が過半、生活のためが6割、定年後再雇用の厳しい現実

参照:収入細る高齢独身女性、死別の3割貧困 賃金格差も影

参照:夫を扶養する年収300万円の妻「いつまで働き続ければいい?」生活費に不安も

参照:年収1000万円でも余裕ないのは税負担増えたから


もはや中身を読む気も起こらないほどの重苦しい見出しだ。それがどのメディアでも一般化している。それはそうだろう。私の周りでも似たような状態だからだ。

一部に、高齢者が若者を搾取しているとの見方を広める人たちがいるが、このように高齢者も徐々に追い詰められているのが現状だ。社会保険料も上げられ続けている。このことは、現代の若者たちには明るい未来が描けないことを意味している。結婚しても、子供を持っても、長生きしても、少なくとも経済的にはいいことなどないからだ。


日本は世界に誇れる社会保障制度を築き上げたが、1989年の税制改革以降は税収が減り、消費税率5%に引き上げ以降は経済成長が止まったために、社会保険料を上げ続ける必要が生じた。消費税も社会保険料も「所得が少ないほど負担率が大きくなる」。歴代の日本政府が事実上、貧富格差を拡大する政策を取り続けたために、日本は少子化が加速し、存亡の危機にあると言っていい。

このことを取り上げた拙著にあえて以下のような前向きのタイトルをつけたのは、このままでは日本が滅亡するのが目に見えているために、絶望だけよりはと解決策を提示して、希望に繋げたかったからだ。

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先日、アマゾンのプライムビデオで1995年度アカデミー賞5部門受賞という「ブレイブハート」を観た。イングランドに支配されていたスコットランドが独立する前夜の話で、スコットランド人の主人公はイングランドに懐柔されたスコットランド貴族の裏切りにより逮捕され、拷問を受け、処刑される。

1980年代からの日本を動かしてきたのは誰なのか? 今の日本人はこの映画を観た方がいいかもしれない。

参照:ブレイブハート
 

 


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